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開催日:2017.6.4(日) 13:30開演
場所 :坂城テクノセンター(180名収容)
また演奏会のテーマとして「音楽で綴る まほろば」を採り上げ、幅広いジャンルから13曲が登場しました。
プログラム
第2部 アンサンブルステージ
*** 坂ブラクラッツ ***
5.ディズニー映画「美女と野獣」より 美女と野獣
*** おにぎしブラス ***
6.映画「タイタニック」より マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン
第3部 全体演奏ステージ後半
7.行進曲「虹色の風」
8.ジャパニーズ・グラフィティー6 ~日本レコード大賞、青春の'70年代~
9.千の風になって
10.L-O-V-E
アンコール
11.エルクンバンチェロ
12.また逢う日まで
レポート
ディズニー映画「美女と野獣」より 美女と野獣
坂ブラクラッツとして3回目のアンサンブル演奏となりました。近年はいろいろな出版社から様々なアンサンブルの譜面が販売されているので、こういったクラリネットのアンサンブル演奏もずいぶんとやりやすくなった感がありますが、その中でもディズニー音楽については特に充実している感があり、その中でも今話題の美女と野獣の演奏となりました。今回の演奏譜面はアンサンブル譜の編曲では定評のある石毛里佳氏によるもので、5パートそれぞれがどこかで主役を取るような感じになっていて、クラリネット特有の木の温もりの感じられるハーモニーも素晴らしいと感じられるものでした。
映画のタイタニックが公開されたのが1997年のことなので、今年は20周年となります。改めて考えると、公開後20年たってもこのように曲が演奏されているのはタイタニックがいかにヒット作品だったかという証なのかもしれません。そして今回のおにぎしブラスでは、いわゆる管カラで伴奏をCDで流し、プレイヤーは独奏にて曲を作るというスタイルでの披露となりました。
行進曲「虹色の風」
2003年の全日本吹奏楽コンクールの課題曲ですが、日本のマーチ王的な存在である松尾善雄氏が奇をてらわない王道マーチを目指して作ったというだけあって、とても素直な感じのする楽曲という印象がありました。この曲の見せ場はいくつかありますが、他の課題曲マーチと違ってトリオが二段構造になっていて、最初はユーフォニアムとテナーテクソフォーン、2回目はクラリネットとピッコロ・グロッケンといったふうです。特に2回目のクラリネットは落ち着いたシャリモー音域の魅力を十分に感じられるとてもお洒落な旋律となっていて、そこに飾りを入れるピッコロとグロッケンもまたステキな感じと思いました。
ジャパニーズ・グラフィティー6 ~日本レコード大賞、青春の'70年代~
ジャパグラ5が栄光の昭和50年代、そしてジャパグラ6が1970年代と時期的に5年ほどかぶる連作的なジャパグラの1つですが、これを考えると重複する1975年から1979年の4年間がこういった歌謡曲にとっていかに輝いていた時代だったのかということを連想させるものがありました。こういった楽曲を演奏する場合、特に原曲を知っておくのはイメージ作りには有効なことと思いますが、そういった過去の映像などを見るにつけ、1970年代はいろいろな意味で古きよき時代だったのだなと感じるものがありました。なお編曲はジャパグラを相当数手がける星出尚志氏ということで、オープニングの豪華な作りとそれぞれのソロの聴かせどころがじつに鮮やかであるのはもちろんですが、曲中の静かな部分の作りこみも吹奏楽のサウンドをじつによく生かすことができ、素晴らしいものだな・・・と思わざるを得ないところが多々ありました。
千の風になって
この曲がブレークするきっかけは、2006年の秋川雅史氏による歌唱だったかと思いますが、吹奏楽版においては当時発足したばかりのウインズスコア社が2007年に出版したものがスタンダードになっている感があります。この編曲版では、トランペットのソロがある一方で曲の要所でオーボエがしめるような役割をしている感がありました。もちろんオーボエがいないバンドでも演奏できるよう影譜対応はありますが、曲想とオーボエの音色のマッチングからすればやはりオリジナルのオーボエが入ってこその千の風になってか?と思うところがありました。
L-O-V-E
この曲もいろいろなアレンジが出ていますが、今回演奏したのはビックバンドテイストで定評のある黒川さやか氏版で難易度は高いが相当にカッコイイ感じになっていました。イベント等の演奏曲として2~3回の練習で使おうというには無理があるとは思いますが、十分に練習期間を取って定期演奏会等で発表するにはじつによいと感じるところがありました。そういった意味では演奏会の本プロの最後の曲にするのが構成的にもわかるところでした。
エルクンバンチェロ
巷で良く演奏されているのはNSB版かと思いますが、M8版も演奏の仕方によってはなかなかカッコイイ感じとなっており、冒頭のシロフォンソロなどでまず度肝を抜かれる・・・。そして中盤のクラリネットソロも相当にカッコイイ。続くホルンのソリも生かした感じ!と挙げればきりがないですが、アンコール曲としてとても盛り上がる感がありました。
また逢う日まで
曲そのものは、相当に昔のものですが、NSB化されたことで原曲を知らない世代にもアンコールの定番曲として知られるようになっているようです。さすがに毎回毎回の演奏会でやっているとくどいかもしれませんが、何年かに一回取り上げると改めて過去の名曲回顧になってよいかなと感じた次第です。
第2部・第3部まとめ
ディズニー音楽、映画音楽、マーチ、昭和歌謡曲、洋楽、ラテンなど様々なジャンルから耳慣れた音楽の数々が、テーマ「音楽で綴る まほろば」にどう結びついたかはそれぞれの聴き手の感じ方一つかとは思いますが、音楽の持つ癒し効果によって心地よい空間が演出できていた部分もたくさんあったのでは?と感じる演奏だと思いました。