実践的なデザイン教育で思い出すのは、ニューヨークParsons School of Design(通称パーソンズ。現Parsons The New School for Design)で長い間ファッションデザイン学部長をしていたフランク・リゾーさんが指揮した「クリティック」(批評家)と呼ばれる授業です。パーソンズはファッションの総合大学ではなくデザインの総合大学、インテリア、グラフィック、環境デザインなどの学部があってファッションデザイン学部はそのひとつ。
最後の卒業ファッションショーには、クリティックで指導した主なファッションデザイナー、アパレルやテキスタイルメーカー幹部、小売店トップら千人以上のV.I.Pが正装で参加しますが、この場で学生たちはクリティックで創作したコレクションをV.I.Pに見せ、各チームの最優秀学生がここで発表されます。クリティックが25チームあればファッションショーは25シーン、25人の最優秀学生の中から「Student of the Year」が決まります。