北国の遊び方 ~北海道の釣りブログ~

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2022.06.24
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カテゴリ: マグロ
先日、南日本新聞社のマグロに関する記事が話題になりました。

マグロを海に捨てる記事が話題になっている。



鹿児島県のクロマグロ(大型)定置網漁が停止した記事

早速ですが先日話題になった記事をご紹介。

https://news.yahoo.co.jp/articles/082f8ec9461f4d9f7be0fc2ade392edc86bbccd1



簡単に言うと、資源保護のために都道府県ごとに漁獲枠が決まっているクロマグロ漁だが、鹿児島県の漁獲量は上限に達しており、県から放流の要請が出ていた。
そんな時、本来獲る予定の無い定置網漁にクロマグロが入り漁業者は対応に追われたと言う。

上限に達しているため網に入ったマグロを放流しなければならないのだが、100万を超える価値のマグロを生きたまま逃がす現状が困難であることや収入にもなるマグロを手放さなければならないことに漁師が嘆いている記事だ。



これは漁師に同情すると言うのか何とも言えない気持ちになりました。





漁師も釣り人や遊漁船業を営んでいる方も決められた規制の中で堅苦しく生きているのが現状。



なぜ、保護をしている魚を死んだ状態で海に返さなければならないのか。



多くの人はそう感じると思いますが、一つの理由としてそうでもしないと国際的な取り組みの枠を釣果してしまうことがあげられる。



しかし、コメント欄を見ると東京海洋大学の准教授、勝川俊雄氏はこう述べている。

「生きたまま逃がすのは難しい」場合には、漁獲による死亡と見なして、水揚げせずとも漁獲量にカウントするのが国際標準です。漁獲による死亡を正確に評価するのが資源管理の大前提ですので、網から捨てても、クロマグロの死亡を無かったことにはできません。


なるほど、本来この行為も国際基準では漁獲量にカウントするものだと。


ってことは今の日本の漁業のあり方はどうなんだろう?



そんな時、ふと私は思う事があり、ニシン漁のように一定のサイズにならないと網に入らないようにする。

この逆の原理の漁は無い物かと。


大きい魚、マグロなどだけが網に入らないようにする、さら逃げる取り組みだ。


とっても気になったので調べたら下記のような取り組みがあることに気づかされた。

マグロを逃がす取り組み

私は国立研究開発法人 水産研究・教育機構のHPにたどり着いた。


令和2年度太平洋クロマグロ漁獲抑制対策支援事業 成果報告書


ここには京都、富山、神奈川県海域において、

①箱網内での魚種分離を行うために,大目合かつ下部開放構造を有する分離網(のれん網)の開発を進めて更なる改良に取り組んだ事例や、

②ホタルイカ,マイワシ等の小型魚とクロマグロやブリ等の中大型魚を選別し、クロマグロを放流するための三角網と船上選別台を開発し、クロマグロ放流口の導入試験を行い、これらの改良に加えてクロマグロ放流用スロープの開発に取り組んだ事例、

③更にクロマグロが表層付近を遊泳することを利用して定置網内への入網そのものを抑制するための羽口吊下げ網の開発に着手した事例が報告されている。
①の取組みではおおよそ60%のクロマグロを空気中にあげることなく放流できたと言う。


②の取組では三角網と船上選別台に加えて、放流用スロープを試作したことでおおむね放流がスムーズに行うことができたと言う。ただ、生存率を確保する点においては課題が見られたそうだ。

③については冒頭でこう書かれていました。

本県定置網におけるクロマグロの数量管理上大きな問題となるのは,クロマグロが定置網に散発して入り,その漁獲量がそれほどではない時に採捕停止命令が発令されていると,網に入っている他の漁獲対象魚種と選り分けてクロマグロを逃避させる必要があり,そのことが極めて難しいことにある。

今回の鹿児島の事例に似ている状況 である。


今回の試験ではクロマグロの漁獲は見られなかったため、成果は微妙な物になったが今後に期待と言えよう。


また、クロマグロ漁獲抑制対策において、クロマグロの遊泳特性などに関する知見や技術活用の一覧が下図だとのこと。





このようなマグロの特性を利用した漁獲抑制の技術が進めば、資源管理の幅も広がるし漁業者にとっても遊漁者にとっても消費者にとっても今よりは明るい未来が見えてくるに違いないと思いました。


今後の動向に期待したいと思います。

まとめ

私が知らないだけで、色んなところで色んな取り組みが実施され検証されていること、今回勉強させていただきました。
本来価値のある魚を、保護しなければならない魚を死んだ状態で海に捨てなければならない理不尽な状況が減少し、資源管理の本来のあるべき姿になる日はいつになるのでしょうか。
今後、このような取り組みが実を結び獲りたい時に獲れる海、釣りたい時に釣れる海になると最高ですね。






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Last updated  2022.06.24 10:03:38


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