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2012年04月19日
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カテゴリ: 日本の財政問題
国のバランスシートを考えます。

その前に、会社のバランスシートを考えて見ましょう。
会社が借金をして設備投資をしたとしましょう。ところがこの事業が失敗して、追加の資金が必要になったとします。追加資金を銀行に頼んだりして借りることができ、当面の危機を乗り越えたとしても、事業が上手く行かなくてフローが悪化、結果として手元の資金がなくなり、追加融資も断られると不渡りとなります。
これが2回続くと、その会社は倒産となるわけですね

翻って国で考えて見ましょう。
国債が国の借金だと考えると、借金が増えると当然総資産が膨らみ、フローで返せなくなると破綻する? ように感じますが、実際はそんなことになりません。
日本のように、100%自国通貨建てで国債を発行している場合は、通貨発行権があるため自分でお金を作ることができます。
そのため、手元流動性が保てるため、破綻はしません。
このことを考えると、国債と言うのは借金ではなくて、実は国が発行する株式だと言うことが分かります。


日銀は現物資産を買い入れ、その対価として通貨を発行して支出します。
つまり、お金が刷られて世の中のお金の量が増えます。

現在では、中央銀行がお金を刷って市場に流通するお金の量を増やす主な手段は、市場に出回っている国債を買うことです。
政府が発行する国債を直接日銀が買うことはあまりにも財政規律を損なうと言うことで、法律で禁止されているので、民間の銀行などに出回っている国債を買うことによって資金供給されます。

日銀が1兆円のお金を発行していると考えましょう
日銀のバランスシートを見ると、この場合は負債の側に1兆円の日銀券、つまりお金があり、資産の側に1兆円分の国債があることがわかります。
日銀の発行するお金、つまり日銀券は会計上は日銀の借金と言うことになります。
そして、その借金で買ったものが資産になっていて、金本位制の時代でしたら金の延べ棒がそうでした。現在の管理通貨制度のような、お金は国が価値があると言っているからお金として流通している場合は、日銀が主に買っているのは国債と言うことになります。
つまり、日銀券の価値と日本国債の価値はここでリンクしているのです。
この簡単な想定では、日銀券1兆円分の価値=日本国債1兆円分の価値です。
この信用は国の「資産」で担保されていると言えます。


もちろん国が持っている現物資産もそうなのですが、主なものは徴税権です。
国家権力で税金を納めない人間から無理やり金を奪い取ることができます。
将来の税収から公共事業費や国防費や社会福祉費用などの支出を引いた国の利益みたいなものが、国債の価値を担保しているのです。
税収からこう言った国のコストを引いたものをプライマリーサープラスと言います。
しかし、この国債の価値とお金の価値は、中央銀行のバランスシートを通じてお互いに完全につながっていますから、国の信用が下がれば、お金の価値もいっしょに下がります。


日本には資産が一杯あるから大丈夫と言うのはその通りなのですが、それは日本政府が税金を取れるから大丈夫と思われているに過ぎません
その将来予測が悪くなれば、国債は国の信用が落ちた分だけ価値が下落します。(信用崩壊と金利上昇、インフレ)
それはそのまま通貨の下落となるため、円安になるわけです。

通貨は擬似的な国の株式とも言えるため、通貨発行をドンドン増やせば単位あたりの価値の希薄化が進みます。そのため通貨を供給し続けると、理論上は通貨の下落が続くことになります。しかし株式のようなものなので、破綻はしないというだけの話です。

現在国債は民間からファイナンスしていますが、家計の金融資産の増加よりも公債の増加の方が早いため、ファイナンスする原資がドンドン少なくなっています。
両者を比べる意味が無いという人もいますが、とんでもない話です。銀行預金を上回った額の国債を銀行は買えないのだから、この増加の差異は十分に意識する必要がある。

替わりにお金をもっている企業が買う? これこそありえないだろう
資本コストをはるかに下回る利率の国債を、企業家が買うとは思えない。金利やリスクに鈍感な個人の預金しか国債には流入しないだろうし、ソブリンリスクが意識され始めたら、鈍感な個人だって少しは敏感になるだろう。
ちなみに私は、絶対に日本国債は買わない
それは間違いない

IMFの基金は75兆円程度なので、日本の国債危機を助けるには全く足りない、さりとて日本の破綻はリーマンショックどころの騒ぎでない金融恐慌となるため、破綻も許してもらえないだろう。
なので、日銀がドンドンファイナンスすることになると予想している。

そこでドンドン国債を受け入れて通貨発行、しかし、この行為で政府債務は一円も減らないため、政府財務はドンドン悪くなっていく
そうなれば、更に円の信用崩壊は続くことになります。
下手すれば、国際決済通貨の地位まで失ってしまうかもしれない

円安とインフレがどんどん進み、これは日本円を持っている預金者が大損することになります。
その代わり、政府債務は実質値で大幅に減り、同時に日本人の所得も大幅に減るでしょう。
インフレは、民間から政府に対する実質的な所得移転の意味合いを持ちます。

こんな形で国債問題を解決して欲しくないので

さっさと財政再建路線に切り替えようよ
もう遅いかも知れないが





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最終更新日  2012年04月19日 17時09分14秒
コメント(9) | コメントを書く
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Re:国債残高と信用崩壊(04/19)  
konatsu6483  さん
いやあ、とても勉強になります。探検隊さんは経済に詳しいですね~。

>国債と言うのは借金ではなくて、実は国が発行する株式だと言うことが分かります。

 激しく同意します。私は自国通貨建て国債を国の借金って呼ぶのは少々違和感があります。少なくとも耳をそろえて全額返済するたぐいのものではない。国の経済が大きくなれば、国債も多くなってしかるべきじゃないですかね? (2012年04月19日 20時24分07秒)

Re[1]:国債残高と信用崩壊(04/19)  
探検隊1995  さん
konatsu6483さん、おはようございます

>私は自国通貨建て国債を国の借金って呼ぶのは少々違和感があります。

確かにそうですが、
形式上は借金なんですよね
なので、現在の政府の積極財政は、将来返さなくてはならないのです。私はもはやインフレによる実質的な徴税しか、この問題を解決する方法は無いと思います。

少なくとも、今のような予算は後数年で組めなくなるでしょう。あまりにも放漫すぎます。 (2012年04月20日 07時02分15秒)

うーむ…  
MEANING  さん
色々と言いたい事がありすぎるのですが、国債発行残高/GDPが何故着目されるかのご説明、有難うございました。


ただ、上の説明ではちょっと良く分かりませんね。
国債発行残高とGDPの比率で財政が健全かどうかを判断する、というのは余り意味がないと思います。
フローだけでストックを考慮していないので…。
フローもその時々で大きく変わりますし…。

国債発行残高/フローは半分。
国債発行残高/ストックは残りの半分。
この合計が、財政健全化を計る要素の大きな一つ、が正しいと思います。 (2012年04月21日 09時15分12秒)

Re:うーむ…(04/19)  
探検隊1995  さん
MEANINGさん
>ただ、上の説明ではちょっと良く分かりませんね。
>国債発行残高とGDPの比率で財政が健全かどうかを判断する、というのは余り意味がないと思います。
>フローだけでストックを考慮していないので…。

ストックが多いという言葉に縛られすぎです。
そもそも、個人の貯金の多くは、既に政府が国債を通じて使ってしまっているのです。それを返してもらう(現金化)すれば、国債市場は崩落するのですよ。
これを目減りせずに返してもらうためには、国債残高より多くの税金を払わなければいけません。
これで、日本にストックが多いといえるでしょうか?

ついでに言えば、問題になるのは「日本政府の財務」です。
日本政府の財務は現在、300兆円を越える債務超過です。ストックなんてありません
民間のストックを使う場合は、徴税しなければいけませんね
公債を半減するだけで、国民一人当たり400万円を越える税金を徴収する必要があるのです。
ストックを使うってことは、税金を取ると言うことです。

現在その歪みが現実に出ていないのは、単純にその歪みを市場が許容しているからです。これは金融機関の自己資本比率の計算方法に問題があるのですが、これはまた別の機会にでも話しましょう。

GDPに比べてあまりに大きな債務は、通常の徴税では返すことができなくなるため、国の信用の崩壊が起きる
これが理解できないとは、本当に不思議です。
(2012年04月21日 10時25分52秒)

Re[1]:うーむ…(04/19)  
MEANING  さん
政府が国民から国債と言う形でお金を借りて、そのお金を使った。
そして、そのお金はどこに行ったのでしょうか?
国民に帰ってきます。そのお金は国内に投資されず、預貯金。銀行は貸出先がないので、国債購入。

この流れです。


で、家計の資産はここ10年くらいほとんど増加しておらず、企業が資産を増やしている。借金をせずに資産を増やし、投資せずに預貯金。ROE低下。

国内の資産がドンドン増えているのに、デフレでフローが低下している今この時期にフローと国債残高を比較して、大変だ増税だという持論を支持している探検家さんの考えが伝わらないです。

1.
何故ストックと国債残高の比較を考慮しないのか

2.
何故国内資産がドンドン増加し続けている今この時期に国債が捌けなくなる事を心配するのか

3.
国の信用を何故フローと国債残高のみで考えるのか (2012年04月22日 09時01分14秒)

Re[2]:うーむ…(04/19)  
探検隊1995  さん
MEANINGさん

>国内の資産がドンドン増えているのに、デフレでフローが低下している今この時期にフローと国債残高を比較して、大変だ増税だという持論を支持している探検家さんの考えが伝わらないです。

インフレになれば、国のフローは更に悪化しますww
既に日記で書きましたね?

(2012年04月23日 12時14分20秒)

Re[2]:うーむ…(04/19)  
探検隊1995  さん
>1.
>何故ストックと国債残高の比較を考慮しないのか
>2.
>何故国内資産がドンドン増加し続けている今この時期に国債が捌けなくなる事を心配するのか
>3.
>国の信用を何故フローと国債残高のみで考えるのか

三橋氏が主張していることと殆ど一緒ですね
ストックと国債残高の比較って、別人格の法人の借金と貯金を比べてどうすんですか?
それで大丈夫って、頭大丈夫ですか?
三橋氏の主張で、この部分が一番アホだと思ってますがね
国民が国を信用しなくなったら、あっと言う間に崩壊する論理です。

>何故国内資産がドンドン増加し続けている今この時期に国債が捌けなくなる事を心配するのか

今は捌けても、将来はわかりません。
国債問題は今後何十年も日本を苦しめるでしょう。これだけの長期間にわたる問題で、当面は解決の糸口すらない。
今後1、2年の相場なら兎も角、5年、10年単位では、当然綻びるでしょうね
借り続けられると言うのは、解決策ではありません
そもそも、金融資産の増加よりも公債残高の増加の方が早いんですよ。これが追いついたら、日銀のファイナンスに頼るしかなくなります。
追いついたら、企業が借金をして国債を買うから大丈夫とでも言うつもりですか?

3.国の信用を何故フローと国債残高のみで考えるのか

フリーランチはありえないと言っているでしょう。
なので、使った分は後で返すことになるのです。
返す原資は国のフローしかないので、フローと国債残高を比べるのです。

通常の国のフローで返せれば、国民負担は小さいでしょうが、通常の状態では既に返せないから危機的だと言っているのです。
あなたの論理が通用するなら、そもそも財政問題など存在しないといっているのと同義です。税金を徴収する必要さえない
しかしそんなことはありえません。
(2012年04月23日 12時15分03秒)

Re[3]:うーむ…(04/19)  
MEANING  さん
僕の考えが三橋氏の考えと同じであるとは、どうしても思えませんが、

三橋貴明氏
中野剛志氏
廣宮孝信氏
渡邉哲也氏
藤井聡氏

あたりの上げ潮派・リフレ派、の急先鋒の著書はほぼ全部読んでいるので、かれらの主張は理解しています。

僕が一番共感できるのは、鈴木宣弘氏の考えです。
マスコミにあまり出ませんが、バランス感覚の優れた素晴らしい考えを持っている方だと思います。
鈴木宣弘氏に毒されているというのであれば、まだ分からないでもないですが、三橋氏に毒されているというのはちょっと分からないです。まぁ、僕は誰にも毒されていないと思います。

たぶん探検隊さんは、三橋氏の考えを良く知らないだけだと思います。別に影響される必要はありませんが、これから先主流派になる可能性もあります。経済学の主流派は、新自由主義から変わる事になるでしょう。
色々な人の意見を参考にして、視野を広げた方がいいと思います。彼らを冷笑するほど、探検隊さんは経済の事を深く理解していない可能性もありますし。 (2012年04月23日 21時22分50秒)

Re[4]:うーむ…(04/19)  
探検隊1995  さん
MEANINGさん
あのね、私にはこれらの人がどんな考えかよく知りませんが

三橋氏は、明らかにトンデモ評論家です。
彼が主流派になるなんてありえません

評論家と呼ぶのもはばかられる (2012年04月23日 22時04分43秒)

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