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「ザ・ハリウッド」とも言うべき超娯楽アクション超大作 シビル・ウォーキャプテン・アメリカ Captain America: Civil Warアメリカ(2016年4月29日公開)147分■ 監督 アンソニー・ルッソ /ジョー・ルッソ■ 出演者 クリス・エヴァンス /ロバート・ダウニー・Jr /スカーレット・ヨハンソン セバスチャン・スタン /アンソニー・マッキー■ もくじ ■- コラム -「日本とハリウッドの二極化された映画事情」 1. ビジネスモデルに則ったハリウッドスタイル 2. ビジネスモデル無き邦画の迷走にあるもの- STORY -- 解説 - 1. はじめに 2. 本作の内容は 3. 「ザ・ハリウッド」とも言うべき超大作娯楽作品 4. 戦争が起こる理由を投影させたテーマ 5. 自由と権利の是非を問う、賛否両論となった社会性 6. 人の心の「負」の面を浮かび上がらせる問題作『シビル・ウォー』を観る前に、コレだけは観ておきたいMARVEL作品 (※影響の無い程度のネタバレ解説あり) ■ ディズニー制作MARVEL作品ラインナップ 1. キャプテン・アメリカ:ファースト・アベンジャー 2. アベンジャーズ 3. キャプテン・アメリカ:ウィンター・ソルジャー 4. アベンジャーズ:エイジ・オブ・ウルトロン ■ 「悪」無き戦いを描いた行方 ●キャスト・スタッフ■楽天エンタメナビ■ (※サクッとレビューを読みたい方w) ●短縮版レビュー▲目次へ▲- コラム - 「日本とハリウッドの二極化された映画事情」■ビジネスモデルに則ったハリウッドスタイル『アイアンマン』に始まったアメコミ大手のマーベル・スタジオと、ディズニー制作による一連の連作 通称『アベンジャーズ・シリーズ』は「マーベル・シネマティック・ユニバース」と呼ばれる自社のキャラクターを同じ舞台で描いて共有するシリーズで別作品のキャラクターを使って「アベンジャーズ」の様なチームを組む作品の制作を可能とし作品ごと、出資者ごとの利害が発生しない 一元化された制作体制を確立させ膨大な予算の超大作になっても作品が迷走しないビジネスモデルの構築によりすべての作品を世界的大ヒットに繋げて本作で 13作目となる快挙を成し遂げた大ヒットコンテンツとなりました。さて、対するアメコミ大手のDCコミックも 「DCエクステンデッド・ユニバース」と呼ばれる連作シリーズを持ち公開中の『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』を皮切りに今後様々なDCコミック作品が制作されマーベルの「アベンジャーズ」同様、DCコミックのキャラクターが一堂に会する『ジャスティスリーグ』という作品が2017年に公開される予定となっております実にハリウッド的な あからさまなまでの対抗意識ですが・・・そもそも キャラクターが一堂に会するアイデアは1960年の DCコミックの「ジャスティスリーグ」が最初でMARVELがそれに対抗して3年後の1963年に「アベンジャーズ」を発表したという事実があり2008年の映画『アイアンマン』から5ヶ年計画で2012年の『アベンジャーズ』の公開へとたどり着いたMARVELの用意周到な覇業を尻目に「ジャスティスリーグ」の実現まで更なる時を有するものとなりましたがこの時期、「アベンジャーズ」の便乗商法の謗りを受けるのは必須としてもここは、クロスオーバー作を生み出した元祖としての正に真打ち登場という余裕からなのか『バットマンvsスーパーマン』は映画公開3日で2億ドルにも届く大ヒットを遂げております。これらの大ヒットを受けて今後ハリウッドは、これまでバラバラなスタジオで制作され大ヒット後は続編制作以外無かった映画コンテンツの可能性を拡げて異なる作品を掛け合わせて全く新しい作品を生み出す方法論を用い巨大予算を扱う場合の一元化されたビジネスモデルを念頭に置いた映画製作へ方向転換をする事が予想されますが、この様に、様々な歴史的コンテンツを持った出版社大手が、コミックの作品作りで発揮される奇想天外な着眼点を用いた新たなビジネスモデルを引っさげて、ハリウッド入りして来る事こそが実に、ハリウッド的な お話だと 思えるのでした☆▲目次へ▲■ビジネスモデル無き邦画の迷走にあるもの日本では、人気コミックがアニメ化され 後に実写化される流れはもはや定番となった邦画事情ですが近年、その実写化作品の多くが酷評され炎上する流れが目立つのも今や定番となりつつある様な印象があります・・・■映画が不振に終わる場合、問題の多くは、内容の不備が上げられますがハリウッドの様な巨大資本で動くブロックバスター級作品を制作する体制と比べるべき事では無い大前提があったとしてもプロデューサーに最高決定権が委任され命令体系が一元化された、ディズニー・スタジオを始めとする欧米の映画制作システムとは異なり数多くの出資者、製作者、プロダクション、原作者、しいてはファンのそれぞれの意向を汲まなければならない邦画の事情はかなり複雑で主演俳優の問題一つ取って見ても、多くの場合、タレントプロダクションが出資者の一つとなって居る事情から例え原作のイメージから大きく逸脱した俳優が配役されたとしてもプロダクションの意向を汲むしか道が無くその他にも、映画に出資しているという理由から様々な思惑で映画制作に干渉して来るスポンサー各社や原作者の意向などプロデューサー、監督が意図する思い通りの映画が撮れない所に大きな問題がある様に思われます。通常物語の筋に問題があるとしたら それは脚本の不備によるものですが出演している俳優達の各タレント事務所が自分達のタレントが目立つ様にワンシーン単位で口出しして来るだろう事を想像するとそれら意向のすべてを汲んだ場合、ちぐはぐな場面やセリフが乱立し最悪 脚本の破錠を招いたまま撮影に入る可能性もありこれらの要因が近年の邦画の巨大予算で制作されるベストセラー原作作品映画化の迷走した仕上がりに繋がっている様に思われます。又、それらの意向とは別のケースとして大ヒットのみを目的とする製作者側が、映画の内容や性質を一切考察する事無く人気原作者 人気監督 人気脚本家 を大ヒット作を連発して来たという ただそれだけの理由で安易に抜擢し結果、映画の内容に不向きな人選を引き起こすケースや大予算で制作されるSF作品など、作る事が稀な邦画事情から大抜擢された映像作家 製作者が巨大予算で作った事のないジャンルを扱う不慣れさが理由でこの期とばかりに予てから考えていたありとあらゆる要素を詰め込み過ぎたり逆に考え過ぎて、作品に必要な演出を意図的に排除してしまうなど で結果バランスを欠いた、誰も望まない様なちぐはぐな作品に仕上げてしまうケースなど様々な迷走のケースが考えられますこれらの邦画の問題に付いて ハリウッドでは「ビジネスモデル」としての一貫性ある制作体制の構築が日本ではなされていない事を 様々な映画人が指摘しており邦画の作品の迷走ぶりに邦画の製作者達の多種多様な思惑が作品に反映したかの結果に見えると見透かされた様な 印象があります・・・■所で、邦画界の「一元化されたビジネスモデル」の欠如は、おそらく関係者であればとうに理解している所にあるのでは無いかと思われます。それでも映画の仕上がりが迷走する理由として考えられるのは誠に由々しき事ではありますが 想像するに・・・・・・映画関係者の立場としては、作品がどの様な仕上がりになろうとも 大ヒットすれば、 それが成功なのであり超話題作の映像化という 話題性のみで集客が望める状況を確実に確保出来るのであれば作品が迷走しようと関知する必要性は 一切無くまして、貴重な時間と人材と資金を投入し敢えて困難なビジネスモデルの構築にわざわざ手を出す様な必要性も 無く、それで炎上するのであれば、むしろ話題性ありとしてこれまで通り、口出しするだけ口出しして作品の迷走が見られたとしても意図的に放置している・・・という可能性があるのではないか と思われる所があります。以前別作品のColumnで >>[日本特有の出版事情] を欧米の常識と比較して紹介した事がありましたがこれら事情の要因として考えられる理由として、ひとつは第一人者を目指し困難に立ち向かう欧米の「フロンティア精神体質」とは異なり前例無きものには重い腰となる日本ならではの「損得勘定のデフレ構造体質」に大きな理由があるのではないかと 思うのでした☆■■近年の20代の若者の傾向として「損得」を重視して物事を考える事が 良く言われておりますがそれはひとえに邦画の問題は今後、更に強化される見通しにあるという事を意味するものなのかもしれません・・・。□ という訳で今回は 公開から1ヶ月以上が過ぎ既にネットのレビューが散々立ち上がり切ってもはや新作レビューとは言えないこのタイミングで面白いのかどうか お勧めなのかどうかましてブログ主が好みの作品なのかどうか 全く見えてこないいつもの切り口でレビューしようと思いますw▲目次へ▲- STORY - 世界を救ってきたアベンジャーズの活躍はその一方で 多大な破壊を招いてきた事で政府の管理下に置く声が高まりつつあった。その是非を巡り アイアンマンことトニー・スタークとアベンジャーズ・リーダー キャプテン・アメリカこと スティーブ・ロジャース(クリス・エヴァンス)は激しく対立する。そんな折、ウィーンでのテロ事件が発生し キャプテンの旧友 ウィンター・ソルジャーこと バッキーが容疑者として指名手配される。旧友か現在の仲間を取るか、両者の間に立たされ苦悩するキャプテンだったが・・・▲目次へ▲- 解説 -■はじめに「キャプテンアメリカ3」となった本作はアメリカン・コミックスの大手MARVELが出版したアベンジャーズの面々が二つに分かれて内戦を起こす衝撃作「キャプテン・アメリカ:シビル・ウォー」の映像化で「キャプテン・アメリカ」を筆頭に、「アイアンマン」「ブラック・ウィドウ」「ホークアイ」「ファルコン」「ウォーマシン」『アベンジャーズ:エイジオブウルトロン』で初登場となった「スカーレット・ウィッチ」「ヴィジョン」 と初参加の「アントマン」に加えアベンジャーズ・シリーズ初登場となる「スパイダーマン」などMARVEL作品のヒーローが一堂に会するほぼ「アベンジャーズ3」とも言える豪華な内容となりました。▲目次へ▲■本作の内容Chris Evans (Wikimedia)物語は、これまで多くの人命を救い平和を守って来た集団「アベンジャーズ」の国境なき戦いによってもたらされて来た人的物的被害がもはや無視できないものになって来た事により危険視する声が高まり国際的政府機関の管理下に置かれる事が決まり今後は無許可の作戦行動が禁じられる事態となった事で様々な人類の危機を救って来ながらも奔放な活動で市民を危険に晒して来た罪の意識に苛まれるアイアンマンことトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)と戦うべきものが何かは自らの意思決定で行うべきで自らの行動は自らが責任を負うべきリスクであり、これらを政府に委託して放棄すべきではないとする考えを持つキャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャース(クリス・エヴァンス)との間で対立しますが、ウィーンの本拠地での大規模なテロ事件が勃発しウィンター・ソルジャーことキャプテンの旧友バッキー・バーンズがその主犯として指名手配された事により未来を共にする仲間との友情を取るのか、過去を共にした親友との絆を取るのかで葛藤しながら旧友バッキーを救えるのは自分だけだとして反逆者の汚名を受けながらも ある決断を取ったキャプテンの行動によって遂にアベンジャーズが二つに分裂する事態を招きます。国際的政府機関管理下の茨の道を選んだアイアンマンに同調する戦士達と自らの信念を貫く事を決断したキャプテンと運命を共にする為集まった同士達とのお互いの主張を掛け激突する 敵の存在しない壮絶な戦いが始まる・・・という 衝撃的内容で今回描かれるテロ犯の目的も、アベンジャーズ同士の争いも私怨や遺恨の念があったとしても「悪」の無い戦いを描いた点が特徴と言える作品です▲目次へ▲■「ザ・ハリウッド」とも言うべき超大作娯楽作品Robert Downey, Jr. (Wikipedia)本作は『アイアンマン』から始まった一連の「アベンジャーズ」シリーズの最新作で実に260億円もの巨費で制作され 全世界で1千2百億円もの収益を上げた近年制作されたハリウッド作品の中でも群を抜いた出来栄えの贅沢な造りとなった「ザ・ハリウッド」とも言うべき超大作娯楽作品で監督は前作『キャプテン・アメリカ:ウィンター・ソルジャー』から引き続きルッソ兄弟が担当ミリタリー系アクション映画ファンも納得の怒涛のアクションシーンは前作よりも更にパワーアップされオープニングから畳み掛ける様な超強力アクションシーンに圧倒される2時間半で、衝撃のアクションシーンにも バランス良く挿入されるユーモアは本シリーズの特徴でもあり キレも良く感動的に描かれるキャプテンとバッキーとの友情も本当の友達であればこそのホッコリとした余韻を残したり、クライマックスのアイアンマンとの衝撃的激突の行方、 等々見所満載の超娯楽アクション超大作に仕上がっております▲目次へ▲■戦争が起こる理由を投影させたテーマ一方で13作目という性質上全シリーズ未見の鑑賞者には、いきなりのヒーロ否定で始まる大味な肩透かし感や本作の柱となるウィンター・ソルジャーに肩入れするキャプテンの今ひとつ掴めない心情などが、スピーディーに物語に入る為の前置きの無い導入が取られた事で多くが伝わり切らないまま取り残される様な展開をして行く作りとなったという印象が否めず他にも、本作のもう一つの柱となる「政府機関の管理下に置かれる」最大の理由が宇宙人が攻めてきたという、想定外の未曾有の危機的状況だった事を差し置いて「市民に被害が出た」という一面だけを取り上げて論う 違和感ある説明場面や余りにも出来過ぎたタイミングであっさりと明らかとなる事の真相に加えあっという間に戦いが終わるという理由で アノ 大物が出ていなかったり、など人気作にありがちな 説明不要な大味な展開が確信犯的に目立つ難が多々ある作品ではありますが・・・この手の話にありがちな、共通の敵が現れる事で二つに別れて戦ってきた南北戦が終了するといった月並みなパターンを踏襲せず、シルベスター・スタローン主演作の(82)『ランボー』で描かれた山狩りにほぼ一般人の様な人物に武器を持たせると際限が効かなくなる様子に銃社会の米国の問題を投影した様にキャプテンの様な第二次世界大戦の世界からタイムスリップして来た生粋の軍人で戦争の本質を骨の髄まで熟知するメンタルの強い人物とは異なりトニー・スタークの様な戦後世代の打たれ弱い典型的現代人が責任感に苛まれ尚且つ復讐心に駆られて武器を持つとどうなるかというテロが発生する理由、戦争が起こる理由を物語に投影させた深いテーマがある作品の様に思われました。▲目次へ▲■自由と権利の是非を問う、賛否両論となった社会性「シビル・ウォー」とは「市民戦」「内戦」を意味し特にアメリカにおいては米国が二つに分裂して争う米国歴史上最大の内戦「南北戦争」をイメージするものがあり、元々の原作は 同時多発テロ事件以降に執行された耐テロ法案「米国愛国者法」を彷彿させる「超人登録法」の是非を巡り超人同士が真っ二つに分かれて激突するという、耐テロの風潮が高まる国内事情を汲んだ自由と人権の意義を問う問題作として出版された作品でしたが、映像化された本作では現在の米国が抱える「良心と悪意」「正義と諸悪」という価値観だけではもはや解決不能な答えの出せない人種問題や 勝てる見込みのない情勢問題など問題が起きた時 賛否両論となる事で、国内が強硬派と慎重派の真っ二つに あっさりと分裂する米国の国内不和な風潮を汲んだ内容へと変化した印象を受けました。本作ではアベンジャーズの国外での作戦で他国が被った甚大な被害によってアベンジャーズを敵視し危険視する様を米国の紛争解決での軍事作戦で被害を被った国から恨みを買う図式に酷似している点がシリーズ前作に当たる『アベンジャーズ:エイジ・オブ・ウルトロン』での侵略に対する「恐怖の負の連鎖」を描いた事に対して本作での人間の感情の中でも最も感情的で制御不能になりがちになる戦争に対する「恨みの負の連鎖」を柱にした物語が描かれる事でそれらが投影された内容になった様に感じました。▲目次へ▲■人の心の「負」の面を浮かび上がらせる問題作前回『エイジ・オブ~』では、火種を消し「守る」事をテーマに描かれましたが、今回は火種を招いた「責任」から 様々な思惑で奔走するという自らの主義を力尽くで主張する、戦争の本質を掘り下げた敵が存在しない争いを描いた問題作でもあり、アベンジャーズのヒーロー達の鋼鉄のスーツを取り去った時の 単なる一般人としての脆弱なメンタル性や強固な信念の奥に潜む 戦争しか人生を知らない心の闇を人としての心の「負」の面を浮かび上がらせながらツートップが激突するドラマチックな衝撃的対決の行方の先に浮かび上がる戦いたくないのに戦わざる負えないこれ以上無い「人間性」に伴う「人間臭さ」に付随する、これ以上も以下もない無い 「人の世の浅はかさ」を描き出す13作目という不吉な数字を彷彿させるセンセーショナルな話題作となりました。一方で、絶大なる人気を誇るMARVEL作品シリーズをこよなく愛する熱烈なファンの方々にとってはチーム・キャプテンとチーム・アイアンマンが激突する、夢のタッグマッチが実現した 超話題作としても、更には、「ザ・ハリウッド」とも言うべき巨額な予算で制作された近年制作されたハリウッド作品の中でも群を抜いた出来栄えの贅沢な造りとなった超大作娯楽アクションSF作品としても様々な捉え方で、様々な愉しみ方で、様々な期待に応えて、様々な琴線に触れる、アクション映画ファンであれば本作は誰もが愉しめる近年稀に見る出来栄えの映画らしい映画とも言える作品だと 思います☆▲目次へ▲『シビル・ウォー』を観る前に、 コレだけは観ておきたいMARVEL作品Cast of Captain America Civil War (Wikipedia)もはや観る前も何も、公開がおおよそ終了し(※2016年6月現在)夏か秋には DVDが出るだろうという このタイミングでいけしゃあしゃあとこの様な記事を平然と更新するのが正にウチ流なのですが・・・W本作は 「MARVELシネマティックユニバース」と呼ばれる一連のシリーズとして描かれた作品で、「MARVELシネマティックユニバース」(※以下MSU) の作品群は、アイアンマンから始まり6作目のアベンジャーズまでを一括りとして「フェイズ1」と呼び、以降は、『アイアンマン3』から『アベンジャーズ』の続編を挟んだ「フェイズ2」と、本作『シビル・ウォー』で始まり 『アベンジャーズ』の最新作で締めくくる「フェイズ3」までを一つの連作とした映画シリーズでもあり本作とは、『インヒューマン』から始まる「フェイズ4」へと繋がる「フェイズ3」の始めを飾る重要作に当たる作品でもあります。以下がそのラインナップとなります■ディズニー・スタジオ制作 MARVEL作品ラインナップ●フェイズ1(第1シーズン) 01『アイアンマン』(2008年)02『インクレディブル・ハルク』(2008年)03『アイアンマン2』(2010年)04『マイティ・ソー』(2011年)05『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(2011年)06『アベンジャーズ』(2012年)●フェイズ2(第2シーズン) 07『アイアンマン3』(2013年)08『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』(2013年)09『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014年)10『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014年)11『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015年)12『アントマン』(2015年)●フェイズ3(第3シーズン)13『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016年)- 公開予定作品 -14『ドクター・ストレンジ』(2016年公開予定)15『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol. 2』(2017年公開予定)16『スパイダーマン/ホームカミング』(2017年公開予定)17『マイティ・ソー/ラグナロク』(2017年公開予定)18『ブラックパンサー』(2017年公開予定)19『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー PART1』(2018年公開予定)20『アントマン&ワスプ』(2018年公開予定)21『キャプテン・マーベル』(2019年公開予定)22『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー PART2』(2019年公開予定)●フェイズ4(第4シーズン)23『インヒューマンズ』公開予定という訳で、今後のラインナップは初ディズニー・スタジオ制作となる『スパイダーマン』の新作やこの冬公開のベネディクト・カンバーバッチ主演作『ドクター・ストレンジ』ではまるで クリストファー・ノーラン監督の衝撃作『インセプション』の様なビジュアルが目を見張る予告編も公開され今後の展開が愉しみなMARVEL作品群ですが、とりあえず本作を真に愉しむにはシリーズ一作目から順番に見ることをお勧めしたい所・・・とは言え実は他にもTVドラマ『エージェントオブシールド』や『エージェントカーター』など抑えておきたい作品が多数存在し、際限が無いのでココは本作をより愉しむ為必要最低限抑えておきたい作品とそのポイントを下記に記述したいと思います☆▲目次へ▲□■■■キャプテン・アメリカザ・ファースト・アベンジャーCAPTAIN AMERICA: THE FIRST AVENGER2011年10月14日公開 アメリカ 124分■監督 ジョー・ジョンストン■出演 クリス・エヴァンス/ トミー・リー・ジョーンズ/ ヒューゴ・ウィーヴィング ヘイリー・アトウェル/ セバスチャン・スタンキャプテンアメリカの第1作で、キャプテン・アメリカ誕生秘話や『マイティー・ソー』しいては『アベンジャーズ』に繋がる「四次元キューブ」の存在と更には『キャプテン・アメリカ:ウィンター・ソルジャー』へ繋がる話など本作のヒロイン、ペギー・カーターとの関係は「シビル・ウォー」のペギーの姪ケイト・カーター/エージェント13へとの関係へと繋がって行ったりアイアンマンことトニー・スタークの父にてアベンジャーズ・シリーズに登場する国際機関「シールド」の創始者の一人となるハワード・スタークの登場など要チェックの作品です。又、本シリーズ中の潜在的な敵となる「ヒドラ」が初登場する作品でもありますので「アベンジャーズ」シリーズを鑑賞する際は是非抑えておきたい作品です。 レビューはコチラ▼『キャプテン・アメリカ:ザ・ファースト・アベンジャー』■バランスの取れたヒーロ象とリーダシップを描く▲目次へ▲■□■■アベンジャーズTHE AVENGERS2012年8月14日公開 アメリカ 144分■監督 ジョス・ウェドン■出演 ロバート・ダウニー・Jr/ クリス・エヴァンス/ マーク・ラファロ/ クリス・ヘムズワース スカーレット・ヨハンソン『シビル・ウォー』の冒頭で語られるアベンジャーズの被害とは主に本作のニューヨーク決戦での事を指しています本作の敵は『マイティー・ソー』で描かれたアスガルドの王族の一人アベンジャースの一人、ソーの義弟のロキでアスガルドでの王位継承争いに敗れて落ち延びた先のチタウリ軍と手を組み地球を攻めるという内容なので形の上では『マイティーソー』の続きに当たり、『アイアンマン』も出ているのでアイアンマン1,2も鑑賞した後に観るべき作品ですが本作の柱は『キャプテン・アメリカ』を軸としたチーム編成にあるので宇宙からやって来た悪役 ロキが 地球を攻撃するのをキャプテンをリーダーにしたMARVELヒーロー達が立ち向かうという話・・・という事で納得して『キャプテン・アメリカ』を観た後いきなり本作を観るのもアリでしょう。(※多分)又、ラストにチラっと出てくる赤ら顔のエイリアンは今後『アベンジャーズ:インフィニティーウォー』へ繋がるラスボスの「サラス」で『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』で登場する最重要悪役なのですが『ガーディアンズ』の中でもどの様な存在なのかは詳細に描かれてはおりませんというのも、本国アメリカでは 説明不要な悪役の様でアメコミを未読の日本では、とりあえずは ドラゴンボールのフリーザか、ワンピースの赤犬か黒ひげあたりの存在と思っておけば良いと思います(※多分)尚、本作に登場するハルクことブルース・バナーは『インクレディブル・ハルク』のエドワード・ノートンが降板した為『グランド・イリュージョン』のマーク・ラファロ へバトンタッチしておりますので、誰これ?となりません様に・・・w レビューはコチラ▼『アベンジャーズ』■個人主義が交差するチームとして描かれた「ヒーロー」像▲目次へ▲■■□■キャプテン・アメリカウィンター・ソルジャーCAPTAIN AMERICA: THE WINTER SOLDIER2014年4月19日公開 アメリカ 136分■監督 アンソニー・ルッソ/ ジョー・ルッソ■出演 クリス・エヴァンス/ スカーレット・ヨハンソン/ セバスチャン・スタン アンソニー・マッキー/ コビー・スマルダーズ/ ロバート・レッドフォードキャプテンアメリカの第2作で、時系列としては『アイアンマン3』と『マイティーソー:ダーク・ワールド』を挟みますが『アイアンマン3』は独立した作品で、『マイティーソー:ダーク~』はアベンジャーズの後日談的作品なので本作は『アベンジャーズ』以後の新展開としても『シビル・ウォー』の柱となる ウィンター・ソルジャーの話としても要チェックの作品となります が・・・本作の内容はキャプテンが所属する機関「シールド」が崩壊し「ヒドラ」に乗っ取られた後、壊滅させるという内容でありキャプテンが『シビル・ウォー』で見せる、政府組織へ対する不信感は本作で描かれた事に起因するものではありますが既に「アベンジャーズ」の時に描かれた事でもあり本作でのキャプテンの組織に対する反乱は『シビル・ウォー』へ繋がる行動理念である事を抑えてウィンター・ソルジャーがヒドラの強化手術を受けた後冷凍され現代に蘇り 洗脳されたキャプテンの親友バッキー・バーンズであるという事が分かれば敢えて本作はスルーするのも アリかもしれませんw レビューはコチラ▼『キャプテン・アメリカ:ウィンター・ソルジャー』■不都合な真実を元にした新たな形の社会派アクション▲目次へ▲■■■□アベンジャーズエイジ・オブ・ウルトロンAVENGERS: AGE OF ULTRON2015年7月4日公開 アメリカ 142分■監督 ジョス・ウェドン■出演 ロバート・ダウニー・Jr / クリス・ヘムズワース / マーク・ラファロ クリス・エヴァンス / スカーレット・ヨハンソン前回壊滅させたヒドラの残党の掃討作戦の為「ソコヴィア」(※架空の国)にあるヒドラの施設へ総攻撃をかける総力戦から映画はスタートするのですが、ここでの戦闘の飛び火が市街まで及び、人的被害に及んだ事と本作の悪役「ウルトロン」との戦闘で再び「ソコヴィア」が戦地となり多数の犠牲者が出る惨劇となったばかりでは無く、街そのものが消滅する結果となった事で『シビル・ウォー』では その都市名に因んで「ソコヴィア協定」なる、アベンジャーズを政府管理の機関とする取り決めをする事となる『シビル・ウォー』での柱となる戦闘が描かれる作品なのでこれは是非抑えておきたい所です☆所で、MARVELの熱狂的ファンから不評と言われている日本語吹き替えキャストの 例の女優と例の俳優と 例の人気お笑い芸人ですがもはや同じでないとむしろ不自然な事でもあるという訳なのか『シビル・ウォー』でも 無事(?)キャスティングされておりましたw レビューはコチラ▼『アベンジャーズ:エイジ・オブ・ウルトロン』■戦いの火種を消す為に行動する「ヒーロー」を描く▲目次へ▲■「悪」無き戦いを描いた行方以上は、「キャプテン・アメリカ3」としての『シビル・ウォー』を観る前にぜひとも抑えておきたい作品の紹介でした☆ここで「アイアンマン」サイドから作品を眺めてみますと冒頭の講演の場面でのトニー・スタークの様子がステレオタイプな程に腰砕けで強迫観念に囚われている所にクライマックスの対決を演出する上での過剰な程の脚色が見え隠れして3年先の結末が決まっている連作という性質もあり今後の展開を汲んだラストへ向けての予定調和的な脚色の元のオーバーアクトの様な印象を受けるかもしれませんがそうなると「アイアンマン」シリーズ未見の方にしてみれば「そういう(繊細な)ヒト」で 片付けるしか無くなります。wこの辺りの事情は、『アベンジャーズ』で片道切符の決死的行動を取ったトニーがその後『アイアンマン3』の中で命に関わる戦闘行為を体験した兵士が帰還後にかかると言われている戦闘での恐怖体験がトラウマの様に心を蝕むという「戦争後遺症」と同じものに苛まれて行く話に繋がって行くので巨大な冨と才能を持ち鋼鉄の鎧を着た男の中身は、米国現代人を代表する様な浅はかな行動も取るし間違いも犯す 只の「人間臭い普通の男」だったというこれは『アイアンマン3』で描かれた事が本作でキャプテンとの見解の相違として現れる、柱となるプロットでもある事から複雑なアイアンマンの心情を知るには、『アイアンマン』シリーズの鑑賞が不可欠という事になってくる訳ですつまり、本作で描かれる アイアンマン対キャプテン・アメリカといういわゆる異種格闘技戦とは過ちを犯しながらもより良い自分を目指し人に迷惑をかけながらも互いに助けあって支え合って生きる、誰もが一人では生きられない事を実感している「普通の人間臭さ」が、信念を貫き通し戦い続ける「孤独な闇の深さ」の前に、脅威する戦いなのであり2015年6月現在米国で行われている大統領戦の様にかつて無い様なタイプの候補者の「嫌われ者」同士が候補に立ち国民は真っ二つに分かれて、嫌いじゃない方に投票する状況という問題が山積みとなったまま答えが出せないで争う様を見る様でもある訳ですこれら答え無き状況に 往々にして踊らされ過剰なほどに感情的に反応してしまうのは人として多分に「人間臭く」あるのですが、「人間臭さ」とは同時に、「人間の浅はかさ」を浮かび上がらせるものでもあると映画は語りかけている様にも感じます。アベンジャーズを二分する争いを描き「悪」無き戦いを描いた本作とは「嫌われ者」同士が大統領候補に立ち 国内を二分する選挙戦へと突入した現在のアメリカの「悪」では無い「嫌われ者」の姿が投影された様にも見えてとても興味深く感じるものがある様に思われるのでした☆▲目次へ▲Captain America: Civil Warアメリカ(2016年4月29日公開)147分■ 監督 アンソニー・ルッソ /ジョー・ルッソ■ 脚本 クリストファー・マルクス /スティーヴン・マクフィーリー■ 原案 マーク・ミラー /スティーブ・マクニーブン『シビル・ウォー』■ 原作 ジャック・カービー /ジョー・サイモン■ 製作 ケヴィン・ファイギ■ 製作総指揮 ヴィクトリア・アロンソ /ルイス・デスポジート アラン・ファイン /スタン・リー /ネイト・ムーア /パトリシア・ウィッチャー■ 音楽 ヘンリー・ジャックマン■ 撮影 トレント・オパロック■ 編集 ジェフリー・フォード■ 出演者 クリス・エヴァンス /ロバート・ダウニー・Jr /スカーレット・ヨハンソン セバスチャン・スタン /アンソニー・マッキー /エミリー・ヴァンキャンプ ドン・チードル /ジェレミー・レナー /チャドウィック・ボーズマン昭和の世代であれば、異種格闘技戦と言えば「アントニオ猪木vsモハメッド・アリ戦」を思い浮かべる方も少なく無いと思いますが、ローキックをしながらも(※アリ・キックとも言う)基本、防御に徹した猪木の戦いは受け身を基本とする格闘技の精神を見るものでもあり基本、防御を目的に造られたアイアンマンのスーツとは格闘技の理念にもかなったスタイルでもある事から、本作の戦いはある意味「潜在的なアイアンマンの勝利」と言えるものなのかもしれません~(・∀・)【予約商品】【ホットトイズ】シビル・ウォー キャプテン・アメリカムービー・マスターピース ダイキャスト 1/6 フィギュア: アイアンマン マーク46価格:40,080円(税込、送料別)【原作コミック】キャプテン・アメリカ:シビル・ウォー [ エド・ブルベイカー ]価格:2559円(税込、送料無料)バンダイ S.H.Figuarts キャプテン・アメリカ(シビル・ウォー)価格:5918円(税込、送料無料)【2016年06月24日発売】 バンダイ S.H.Figuarts アイアンマン マーク46価格:5702円(税込、送料無料)【Blu-ray】スパイダーマン [ トビー・マグワイア ]価格:1500円(税込、送料無料)【Blu-ray】バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生ブルーレイ&DVDセット(2枚組) [ ベン・アフレック ]価格:3231円(税込、送料無料)【Blu-ray】インセプション [ レオナルド・ディカプリオ ]価格:1500円(税込、送料無料)▲記事頭へ▲
2016年06月16日
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新旧ファンの琴線を掴む、歴史的SF映画の新章 スター・ウォーズフォースの覚醒 STAR WARS:THE FORCE AWAKENSアメリカ(2015年12月18日公開)136分■ 監督 J・J・エイブラムス■ 出演者 ハリソン・フォード/ キャリー・フィッシャー/ アダム・ドライバー デイジー・リドリー/ ジョン・ボイエガ■ もくじ ■- コラム - はじめに 1. 本作制作の経緯に付いて 2. ルーカス・フィルムが買収に応じたのは 3. 賛否両論の話題作の行方- 解説 - 1. ウォルト・ディズニー制作 2. 大ヒットクリエイターJ・J・エイブラムス監督 3. 強い正義を描く可能性- カイロレンの人物設定に付いて - (※ネタバレ解説注意) 1. 壊れた人物が悪となる恐怖を描く 2. 時代を反映させた造りの選択 3. 世界を巻き込んだイベント性- INTRO -■ はじめに1977年の登場から映画史を塗り替えてきたSF映画の金字塔『スター・ウォーズ』がアメリカの国民的SFTVドラマ『スター・トレック』をリブートし一躍21世紀を担うクリエイターとして注目を浴びたJ・J・エイブラムスを監督に迎え『スター・ウォーズ エピソードVI/ジェダイの帰還』の公開から実に30年ぶりの新作続編となり新たな三部作の幕開けとして 全世界が待ちに待ったSF超大作として歴史的SF映画の名に相応しく公開後わずか20日で『アバター』超えの全米歴代興行収入1位という歴史的大ヒットを成し遂げ話題となった『スター・ウォーズ フォースの覚醒』が遂に公開され日本でも興行収入100億円突破という記録を更新し『アナと雪の女王』に続く歴史的イベントとして更なる話題を集めております▲目次へ▲■■ 本作制作の経緯に付いて第一作に当たる『エピソード4 新たなる希望』の公開時に全9作の超大作となる事は ファンであれば誰もが知る事でしたがルーク三部作の終了から16年後の1999年の『エピソード1~3:アナキン三部作』の制作時にこれを持ってシリーズ終了とのアナウンスがあった事もあり現在70歳になるジョージ・ルーカスの年齢を考慮すれば残りの3作が制作される可能性は無いだろうと誰もが思っておりました。そんな事態が急転するのは2012年にルーカス・フィルムがディズニーによって買収された事を機に新たな三部作の制作が決定したとのニュースが世界中を駆け巡った事に始まります。George Lucas (wikimedia)ジョージ・ルーカス1944年5月14日生まれ(2016年現在71歳)73年『アメリカン・グラフィティー』のヒットで一躍注目され『スター・ウォーズシリーズ』『インディージョーンズシリーズ』の大ヒットで世界的にも知られる映画監督、プロデューサー、クリエイター。▲目次へ▲■■■ ルーカス・フィルムが買収に応じたのは既に世界的なアメリカン・コミックの大手マーベルを買収し『アベンジャーズ』シリーズで成功を収めていたディズニーであれば『スター・トレック』シリーズの様に、新たなクリエイター達によって『スター・ウォーズ』シリーズを今後も存続させる大きな期待に応えてくれる巨大企業である事が大きな理由でした新作制作にあたっては現代にアピールする新時代の物語を構想するルーカスに対してそのルーカスの思惑とは 少しだけズレたパブリシティーの観点から特に、ルーク3部作からの筋金入りのスター・ウォーズファンに訴える様なレトロなビジュアルのオマージュに満ちたSF冒険活劇の制作を検討し2年のインターバルで三本を制作し、間にスピンオフシリーズを加えた年一本のスター・ウォーズ映画公開の計画を推し進めるディズニーの商魂たくましい姿勢 (別名ビジネスモデル) に難色を示したルーカスが製作から身を引くという事態へと発展し新作制作に多大な期待を寄せる 世のスター・ウォーズ・ファンの不安を駆り立てる事となりました。しかし公開された新作はそんな憂いを吹き飛ばす様な初公開の時の興奮を呼び起こすかの歴史的大ヒットを遂げるのでした。後にルーカスは、大ヒットを受けてか買収したディズニーに対して『奴隷業者』と激しく非難した事を含めて感情的過ぎたと後に発言を全て撤回しておりますが以前『スパイダーマン3』の時、「くだらない映画」と爆弾発言した時と同様に『フォースの覚醒』に対して「嫌いだ」と激しく批判する爆弾発言をしております。元々ジョージ・ルーカスはあからさまな商魂に走り、規約で縛るハリウッドスタイルが昔から好きではなかったらしくその為か、アメリカの映画協会の「全米監督協会」「全米脚本家組合」「映画芸術科学アカデミー」にも属していないという自分が目指す理想を貫いたワンアンドオンリーな作品作りをして来た事でも異色な存在でした。例えば、アメリカのTV映画事情は 日本とは異なり作品のオープニングには主要スタッフにキャスト、エンディングには全スタッフ、キャスト と一律様式が決まっているのはアメリカの映画関係者であれば、必ず属している映画組合が非常に強い権限を持っている事による映画関係者達の権利保護の観点からの法的な取り決めという理由があるのですがスター・ウォーズの様式でもある文字引きの後 そのまま物語が始まるオープニングは 違反行為として『帝国の逆襲』公開時に映画組合に対して罰金を払う事態が発生しそれを期にルーカスが組合を脱退したという経緯がありたとえハリウッドでの活動に支障をきたす結果を招いたとしてもオープニング一つにも 決して妥協しないルーカスの映画にかける熾烈なまでの姿勢の一端を見るものがあります。以降20世紀フォックスは、単なる配給先として『スター・ウォーズ』はルーカスのポケットマネーで作られる壮大なインディーズ映画として上映される事となりジョージ・ルーカスはハリウッドの誰も成し遂げられない位置付けの作品を生み出す歴史的な映画人となるのでした。■通常なら困難な巨大企業M&Aが速やかに行われたのもルーカス・フィルムが巨大企業でありながらほぼ ジョージ・ルーカスの個人会社でもあり最高決定権を持つ人間がルーカスのみだった事が大きな理由の様に思いましたがルーカス自身が語った「ルーカスフィルムを守る力のある巨大企業」「スターウォーズのコンテンツを託すにふさわしいクリエイティブなスタジオ」の生みの親でもあるウォルト・ディズニー自身もまたクリエイターにして実業家というアニメ作家に留まらない誰も成し遂げられなかったワン・アンド・オンリーな理想を追求して来た人物だった事でルーカス自身と似た理念を持つ人物が作り上げた企業だったのがルーカス・フィルムを託した大きな理由の一つとなったのかも しれません。▲目次へ▲■■■■ 賛否両論の話題作の行方世紀の大ヒットを記録した『フォースの覚醒』はこの手の超大作の続編には付きものの作品批判も多種多様に渡りましたその多くは スター・ウォーズが余りに好き過ぎる故の過敏な反応から「期待通り過ぎて期待はずれ」「ファンが喜ぶ映画でしかない」などの本作の造りそのものに真っ向から疑問をぶつける 鋭い意見など数多くありこれも本作が 歴史的SFシリーズたる所以と言える所ですが何よりも本作はルーカス本人からも一時激しい批判を受けた事でも大きな話題となりましたこれについては今にしてみればある意味映画界の元横綱自ら大関候補にしごき稽古を付けた「かわいがり」の様なものだったと(好意的に)捉えればこれらの顛末とは巨大な世代交代が行われた儀式として私たちはその一部始終を間近に目撃し歴史の生き証人になったと言う事なのかもしれません☆■ という訳で今回は 公開から2ヶ月が過ぎ既にネットのレビューが散々立ち上がり切ったこの時期に映画レビュー激戦区ですら無くなったこの気楽なタイミングでさして心の琴線をくすぐる様な記事内容でもない事を承知の上でほとんど物語にも触れずどんな映画なのかも面白いのかどうかも全く見えてこないいつもの切り口でレビューしようと思いますw▲目次へ▲-STORY-遠い昔、はるか彼方の銀河系で…。エンドアの戦いから30年、帝国軍の残党によって組織化された新勢力「ファーストオーダー」とレイア・オーガナ(キャリー・フィッシャー)が率いるレジスタンスは共に最後のジェダイの騎士ルーク・スカイウォーカー(マークハミル)の行方を追っていたレジスタンスのエース・パイロット ボー・ダメロン(オスカー・アイザック)はルークの手がかりとなる地図を入手する為、惑星ジャクーにあるレイアの支援者の住む村に訪れるがその直後カイ・ロレン(アダム・ドライバー)率いるファースト・オーダーの襲撃を受けるボーは捕虜となり連行される前にドロイドのBB-8に受け取った地図を託すが・・・-解説-■ ウォルト・ディズニー・スタジオ制作、 大ヒット・クリエイター、J・J・エイブラムス監督作 ■■ 既に記録的な世界的大ヒットを成し遂げ、今もなお記録更新中の歴史的SF映画の金字塔、『スター・ウォーズ』シリーズの最新作で新たなる三部作の第一作となるのが本作です本映画は1999年制作のルーク三部作以前の物語を描いた「エピソード・ゼロ」という呼称の元祖的な存在となった『アナキン三部作』とは異なり1977年より制作公開された エピソード4~6 ルーク三部作の純然たる続編の「エピソード7」として制作され今回、新キャストに加え、旧キャストが再集結し監督をジョージ・ルーカスから、「スピルバーグの後継者」との呼び声も高い大ヒットクリエイター、J・J・エイブラムスが制作、監督したことでも大きな話題となった作品です。■ 本作はルーカスフィルムの大型買収で世間を驚かせたウォルト・ディズニースタジオが制作した事でも大きな話題となりましたが、制作発表からわずか2年のスパンでシリーズを制作し尚且つ、空いた一年の間にスピンオフ作品を制作する年一本のスター・ウォーズ作品の公開を可能にしたディズニー・スタジオの企画力と機動力があってこそ今回のシリーズ復活が実現し歴史的大ヒットに繋がった印象があります▲目次へ▲J. J. Abrams (wikimedia)■■ 大ヒットクリエイターJ・J・エイブラムス本作の監督のJ・J・エイブラムスは最新のテクノロジーを駆使した映像にレトロな味付けを施したビジュアルでドラマを描く事を得意とするクリエイターでこれまで見た様で見た事の無かったレトロな既視感を感じる一風変わったミステリアスな世界観で描いた『エイリアス』『ロスト』『フリンジ』などの数多くの大ヒットTVシリーズを世に送り出し21世紀のヒットメーカーとしてアメリカの国民的TVシリーズ『スタートレック』のリブートやトム・クルーズの大ヒットシリーズ『M: I』シリーズにも関わった今やハリウッドを代表する、押しも押されもせぬ存在となった人物です。本作はエイブラムスの持ち味でもある、レトロな既視感を感じるビジュアルを用いた第一作エピソード4の作風に倣ったオマージュ的な内容となり第1作から鑑賞して来た往年のスター・ウォーズ・ファンの琴線に触れる作りと本作から鑑賞する若い世代が歴史的SF作品の初演の興奮を追体験する機会として更に、複雑な人間ドラマを描いた群像劇でありながら「情報を持ったロボットを巡る争奪戦」という現代的な物語のシンプルさが加わりどの世代にもアピールする作りになった印象が強く現代に向けた新時代の物語を構想していたルーカスのビジョンとは真っ向からぶつかる結果となった事でルーカス降板の大きな理由にもなった曰く付きの作品でもありましたがこれは本作に限らずエイブラムス作品に見られる特徴としての一環として作られたいつも通りのエイブラムス作品とも言える内容だった事が本作の成功に繋がった一つの要因になった様に思われました。▲目次へ▲■ 強い正義を描く可能性『インディー・ジョーンズ』シリーズ他、大ヒット作を抱え当時の油が乗り切ったジョージ・ルーカスが制作し重厚なドラマ展開ながらも勧善懲悪なハリウッド娯楽作的カタルシスに満ちたサービス満点の『ルーク三部作』は 当時の複雑な国際問題が絡むベトナム戦争敗戦後の冷戦下の時勢に置いて、大国としてのアメリカが失速し、先の見えない不安が蔓延する世相の中再び「強いアメリカ」を見る思いの痛快娯楽シリーズとして爆発的ヒットを遂げる作品となりました。それから約30年後の 21世紀を迎えた現在複雑な国際情勢の様々な価値観で揺れ動く中の国内で根深い人種問題に、格差社会の問題に加えてテロの脅威に晒される日常を送る現代のアメリカが第一作公開77年当時同様の 先行き不安な世相となった事から「強いアメリカ」を見る、純粋でシンプルな娯楽作を求める動きに応える第一作目を踏襲した内容になった様に感じました。Daisy Ridley (wikimedia)■本作の主人公、フォース初心者のデイジー・リドリー演じる「レイ」がアダム・ドライバー演じる宿敵「カイロ・レン」をあっさりとあしらい、いきなり過ぎるフォースの覚醒と、弱過ぎる敵の暗黒面の描写に違和感を感じるファンも少なくありませんでしたが『ルーク三部作』ではベトナム戦争敗戦の影が降りた様な、純粋に主人公が悪を打負かす内容では無かった事に対して今回、悪を打ち負かす強い主人公を描く前振りの様にも感じ新たな敵となった「カイ・ロレン」のベイダーの影を追う事に取り憑かれた若者の心の闇を見る様な描き方になったのもアメリカ国内で社会問題化した相次ぐ若者による銃乱射事件などの過激化する負の連鎖の行動を彷彿させるものがありあるいは、歴史的巨大シリーズを任された エイブラムス監督自身のプレッシャーを投影した様にも見えますし2012年ごろから引退を宣言しクリエイターとして業界との感覚の差異を実感したかの発言をしたジョージ・ルーカスを彷彿する様なまるで引きこもったかの 「アノ」 人物の登場が新旧の世代交代を意味しながら今後の展開を予感させる内容でもあった様な印象がありました。▲目次へ▲■カイロ・レンの人物設定について (※注意ネタバレあり)スター・ウォーズ S.H.Figuarts カイロ・レン【送料無料】価格:5,938円(税込、送料込)■ 壊れた人物が悪となる恐怖を描く前シリーズの敵「ダース・ベイダー」は絶対悪としてカリスマ性を放った映画史にも残る程の巨大な存在でした本作の制作が決定した時に全世界が期待を寄せたのは主役がどうなるか以上にまず「ダース・ベイダー」に次ぐ新たなる強大な敵となる存在は一体どの様な人物になるかで話題となりました本作はCM解禁後も同じビジュアルを流すのみという徹底した秘密主義で作られ一般には一切の情報が入って来なかった為これらの期待は 公開日が近づくに連れ 更に巨大なものへと膨らんで行きました全世界一斉公開され、今回の主役が女性である事の他、ストーム・トルーパーの脱走兵がレギュラーの一人になるなど本作がこれまでのシリーズとは全く異なる切り口で描かれる作品である事が即座に見て取れる内容となりましたが何よりも往年のファンの多くが本作をこれまでのシリーズに対して異色に感じたのは前作で壊滅した帝国軍の残党で組織されたニューオーダーの指揮官でダースベイダーに代わり敵となって立ちはだかるアダム・ドライバー 演じる「カイロ・レン」の存在でしたAdam Driver (wikipedia)このニューオーダー最高指導者「スノーク」に仕える指揮官の 新たな敵役が前シリーズでの純粋故に悪にも染まるという 悲劇の要素を含んだ「アナキン・スカイウォーカー」の場合とは異なり無軌道な若者の顛末の様な、ヒステリックで掴みどころのない人物という点がファンの間でも物議を醸した事でも話題となりました。■今後の展開を考慮すれば、元々作品が三部作だという事と若き主役と若き敵役 が共に異なった環境でそれぞれ力を付けて行き最後はお互い雌雄を決する巨大な存在となる運命である事を示す展開の上の演出である事は理解出来ましたが任務に失敗したカイロ・レンが周りに子供の様に癇癪を撒き散らしたり新たな主役のレイが フォース初心者でありながらカイロ・レンよりも強過ぎる描写があったり と、成長途中のキャラクターを描く物語の演出の上の事だとしても悪役のあまりの小物な描写に 難色を示すファンも多かった事からも作品全体の出来として「焼き直しである」「革新性が無い」「域に達していない」などの一部の酷評にも繋がった様にも感じました今回のカイロ・レンの描き方は、これまでシェイクスピア的重厚なドラマ展開をしてきたスター・ウォーズ・サーガの作風に親しんで来たファンの心情からしてみればダース・ベイダーに次ぐ悪として立ちはだかるにしては、その域に至っていない印象があったのは否めない所がありましたが一方で、そのような壊れた人物が悪となる恐ろしさを描く狙いを感じる所でもありました。▲目次へ▲■ 時代を反映させた造りの選択又、前作の敵「銀河帝国軍」に付いては、「ナチスドイツ軍」をモデルにした 悪の枢軸のイメージとして描かれ「ダース・ベイダー」に付いても善人のアナキンが洗脳され悪の権化へと豹変するシェークスピア悲劇的な物語の根幹となる過程を特に重厚に描いた事で超大作作品に相応しい内容となりましたがこれら昭和の世代であれば容易に真意を理解出来た作りが戦後から70年が経過した現代に置いて若い世代には通用しないジェネレーションギャップにより悪の枢軸の描き方も、絶対悪の存在も全く実感の伴わない非現実で虚構に満ちたものにしか捉えられず真意が伝わらなくなっているという事実が存在しておりました。本作では、悪の定義も侵略行為の意味する価値感も大きく変化し現在テロの驚異に晒され先行き不安の中にあるアメリカ国内の世相を考慮した時代を反映させた造り になっていると捉えてみますと自由な生き方を好み体制に反抗する様な60年代フラワームーブメントを象徴する活発で純粋な若者だった「アナキン・スカイ・ウォーカー」とは異なり引きこもりやオタク系などの現代のサブカルチャー文化を象徴するどこにでもいる様な気弱で悩める若者の心の闇を描きながら今ひとつ非道になり切れない人物を「カイロ・レン」としたのも『機動戦士ガンダム』の「シャア・アズナブル」を見る様な「悪の魅力」が転じて「漢の花道」と捉える昭和の世代の鉄壁のスター・ウォーズ ファンに向けて では無く巨大なストレスに晒される現代で、問題を一人で抱えて壊れてしまう様なそんなどこにでも居る 繊細な若者達を含めた新世代を担う新たなスター・ウォーズ ファンに向けて「カイロ・レン」の境遇への理解と共有を狙った有機的な演出の一環だと捉える事ができます。この件に関して監督のエイブラムスは「ダースベイダーの影として修行中の、壊れた悪人を描きたかった」とコメントしている事から今回そのような人物を設定したのは巨大なストレスを抱え、様々な誘惑が蔓延し、慢性的な社会問題が耐えない現代のアメリカに生きる若者を取り上げた という点と「カイロ・レン」自身を犯罪者気質な邪悪な人物として描くのでは無くどの家庭にもある親と子の心情からの行違いのこじれを描きながら周りの大勢の人間がかける巨大な期待や世襲が宿命付けられた跡継ぎ問題など他の生き方が許されない、一人の子供が抱えるには余りにも重すぎる巨大なプレッシャーとストレスの中で多感な子供時代を過ごしその様な特異な境遇を、誰一人として真の理解を得られぬまま、すべてを一人で抱えて押し潰されて壊れてしまうそんな繊細な若者が持つ孤独と恐怖と心の闇に焦点を当てテロの影を追うかの様に激昂した若者の突発的な銃乱射事件が同時多発的に発生する深刻な国内事情を汲みその渦中にある若者達を見る様な人物像をキャラクターに据えて事件背景の家庭問題と病める社会の闇を作品に反映した未曾有の家族ドラマにする狙いがあった為という印象がありました。▲目次へ▲■ 世界を巻き込んだイベント性本作品がこの様に 巨大な影を追う内容になったのも巨大過ぎる歴史的コンテンツとなったこの スター・ウォーズ という作品をハリウッドの巨人ジョージ・ルーカスから映画製作を委託され後の世に託された J・J・エイブラムスが正に カイロ・レン同様、世界の巨大過ぎる期待の渦中にあったその心情を描いたかの様な所が興味深く「先人を越えようとする気概がない」「何も革新的な点が見られない」など一部の批判に晒された作品ではありますが、巨大過ぎる先人を超えようとしたり、十分革新の限りを尽くしたコンテンツに更なる革新性を見出そうとしたりと現実性に欠る精神論から作品に新風を巻き起こそうと鼻息荒く挑むよりもルーカスが制作から離れて、委託された時点でルーカスの影を追う姿を、カイロ・レンに投影させこれまでに無いタイプの新たなキャラクター達がその影を葬るというその様な流れの内容になったのも、むしろ自然の成り行きとも考えられいわば、エイブラムス監督が巨大なプレッシャーを一人で抱えずに若者をめぐる社会問題を作品に投影し、「これがもし自分の息子だったら」という形で鑑賞者に感情移入させて世界中の家庭に見られる家族の問題を物語に反映させるというルーカスから委託された歴史的巨大コンテンツを、世界中の人々にも一緒に抱えて貰う為の壮大な観客参加型イベントだったと捉えるべき作品だったのかもしれません☆スター・ウォーズ/フォースの覚醒 MovieNEX【初回版】 [ ハリソン・フォード ]価格:3,628円(税込、送料込)▲目次へ▲「癇癪を起こしたウチの息子ソックリっつ!!!」と誰もが思った賛否両論の人物像でしたがwこれは余計な説明を入れずに「これがもし自分の息子だったら・・・」と感情移入させて観客を速やかに物語に集中させる為の誰もが理解できる『鍵』として必要な事だったのでしょうねえ~スター・ウォーズ フォースの覚醒18インチフィギュア カイロ・レン【Disneyzone】価格:3,726円(税込、送料別)【Blu-ray】スター・ウォーズ コンプリート・サーガ<9枚組>価格:16,038円(税込、送料込)スター・ウォーズ BB-8(TM) The App-Enabled Droid by Sphero価格:21,382円(税込、送料込)スター・ウォーズ ダース・ベイダー危機一発価格:2,698円(税込、送料込)【Blu-ray】インディ・ジョーンズ 最後の聖戦価格:1,500円(税込、送料込)【Blu-ray】スター・トレック イントゥ・ダークネス価格:1,500円(税込、送料込)【Blu-ray】FRINGE/フリンジ コンプリートブルーレイBOX 価格:21,630円(税込、送料込)「店頭販売では毎日完売の限定販売の名古屋コーチン卵使用カスタード シュークリーム~(・∀・)」名古屋コーチン卵カスタードシュークリーム【5個】価格:864円(税込、送料別)
2016年02月12日
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ヒーロに憧れて育った子と親が共有出来る家族愛アントマンANT-MAN2015年9月19日公開 アメリカ 117分■監督 ペイトン・リード■出演 ポール・ラッド/マイケル・ダグラス/エヴァンジェリン・リリー コリー・ストール/ボビー・カナヴェイルさて、いつもは旧作を紹介する当サイトですが今回は「マーベル・シネマティック・ユニバース」として制作された12作目で来年公開の『キャプテン・アメリカ:シビルウォー』へ繋がる新ヒーロー登場作となった話題作『アントマン』をご紹介します☆- STORY -無職のスコット・ラング。人生まさに崖っぷちの彼は、ひょんな成り行きから天才科学者ハンク・ピム博士に頼まれ、彼が開発した特殊なスーツを着て、1.5cmのヒーロー“アントマン”になることに。こうして、ハンクとその娘ホープ・ヴァン・ダインの厳しい指導の下、正義のヒーローになるための猛特訓を開始するスコットだったが…。(allcinema)- 解説 -本作のTVスポットが まるでコメディー作品の様に紹介されていたのでもし、『ナイト・ミュージアム』+『ミクロキッズ』的家族映画な内容ならスルーしてレンタルかwowowで済ませようと思ったのですが趣味のウクレレ日記を中心に、音楽と大人のホビーを紹介するアットホームなサイト「ウクレレレ」のブログ主 kiboringさん からいつものアベンジャーズ作品だったという情報を頂き3D吹き替え版で鑑賞してきました☆■本作は『アイアンマン』から始まった「マーベル・シネマティック・ユニバース」と呼ばれるMARVELコミック・スーパー・ヒーロー作品の映像化12作目となるSFアクション娯楽作品です絶対的に守られた企業のセキュリティーも突破する腕利きの技術者でありながら 不正を正す正義感から歯車が狂って留置場送りとなり別れた妻と暮らす娘の養育費も払えず仕事も家族も全てを失った今や仲間と金持ち狙いの強盗を計画する人生崖っぷちの男 スコットは元シールドの科学者ピム博士が極秘で開発した人体が1.5cmに縮小するアントマンスーツを手に入れ人生のやり直しをかけて 決死のミッションに挑むと いうお話ですが泥棒がスーパーヒーローになるというプロットからは正義は何処にあるのか というヒーロー作品の根幹を揺るがす違和感が感じられましたが日本の場合、ルパン三世的痛快アクションを想像したりと意外と理解に繋がるフックがあったりするのは 別のお話として・・・実際に鑑賞してみますと失業と不況に喘ぐ現代社会を背景に法に抵触しなければ問題ないと迂回献金したどこかの代議士と会長達や発覚しなければ良いという論理で不正を行う企業などの様な一般市民が 1人では立ち向かえ無い 巨大な欺瞞や社会悪に対して正義感の強さから、手段を選ばない誤った形で不正を正そうとしたある才能高き技術者の 喪失と再生の物語を柱として一人娘の信頼を再び取り戻す為に奮闘するダメな父親が人生のやり直しをかけて巨大な陰謀に立ち向かい決死の任務に挑むやる時はやる お父さんの立派な姿をユーモラスなタッチで描いた家族向け娯楽作として作られた作品でした■■物語そのものは、門外不出の技術を他国に売り渡し金にしようとする悪漢というほぼ『アイアンマン』第1作の焼き直しの様な使い古されたプロットを使用しているのですが人体を縮小してどこにでも侵入し諜報活動を行う新たな形のヒーロの活躍を描き人体が縮小してもパワーを小さくせずに巨漢の男が吹っ飛ぶ程のパワーを持たせてビルの高さに匹敵する障害物も飛び越える能力を持ち自分の身体の5倍もの大きさの物を運ぶ事が出来る「アリ」の驚異の身体能力に着目し電磁波で中枢神経を刺激する方法を使ってアリの集団を自在に操りミクロで行動する時の 強い味方にするという設定が斬新で最新のCG技術を駆使したミクロ世界の描写はかつて無い驚異の映像がもたらしたアクション場面の連続となっておりむしろ良くある物語であればこそ 映像に集中しながら新しいアトラクションを愉しめる様な作品に仕上がった様に感じました☆■■■通常はコメディーになりがちな本作の様なプロットをいつもの「アベンジャーズ」シリーズの娯楽作に仕上がったのも主人公の体当たりな行動力とは対象的なアントマンスーツの生みの親 ピム博士を演じたベテラン俳優 マイケル・ダグラス の シリアスで円熟したクールな演技によるものが大きいと思います熱血主人公を導く科学者という図式は古来日本のロボット・アニメで良く見られた 定番の作りでありそうしたヒーロー作品の「肝」を押さえた演出によるいつもの「アベンジャーズ」シリーズの布石と刺激に満ちた SFアドベンチャー娯楽作品でありつつも誰もがいつも正しい判断をして生きている訳では無く時に過ちも犯しながらも 正しいと信じて日々を精一杯生きている現代人に対して「親は子供のヒーロー」で「愛する子供のヒーローでありたいと願う親」というこの誰もが理解出来る心情を描き今ヒーローに憧れる子と、かつてそんな子供だった親が共に愉しみながら鑑賞し、共に語らう事が出来る本作はそんな素敵な時間を共有出来る様な家族映画でもあると思いました☆【日本語吹き替え版に付いて】アベンジャーズシリーズの日本語吹き替え版に付いてはお笑い芸人雨上がり決死隊 宮迫博之 と 女優 米倉涼子 の起用がAmaz◯nでも炎上する程 不評 だったり洋画マニアの方々には そもそも映画は原語が基本だとハナから無視されたり と数十年モノ歴史ある鑑賞スタイルでありながらも今更課題の多い吹き替え映画事情ですがw個人的には昭和のTV映画で育った世代で鉄壁の『吹き替え映画』ファンだったりしますのでWマイケル・ダグラス 演じる ハンク・ピム博士の娘役のキャサリン・ゼタ=ジョーンズ似の エヴァンジェリン・リリー の声が一発で声優では無い事が分かる違和感オーラを放ち今後Amaz◯nでの炎上が十分期待出来る女優内田有紀が当てていたり主人公ラングの同房者で窃盗団の一員ルイスの声をブラックマヨネーズ小杉竜一の明らかに「飛び道具」としての起用が31アイスクリームの人気商品 「ポッピングシャワー」のポップロックキャンディが口の中で弾ける度放置していた虫歯が過敏に反応する様に日本のMARVELファンの神経を逆撫でしてまるで炎上させるのが目的の様な不敵な挑戦の如くの話題作りだった事とは裏腹に意外とハマった声を披露していたりと愉しい日本語吹き替え鑑賞でした~☆【アベンジャーズ新作へ向けての布石】さて、『フェイズ3』と呼ばれる 今後5年のMARVEL映画のラインナップは5月、7月、11月期の年3本ずつ新作公開のスパンでアベンジャーズの最新作『アベンジャーズ:インフィニティー・ウォー』へ向けての布石とも言える10本以上もの作品で占められて行きますその中でも最大の話題は来年に公開される 「キャプテン・アメリカ」「アイアンマン」コラボ超大作『キャプテン・アメリカ:シビルウォー』で実現するスパイダーマンの参戦でしょう☆これまでMARVEL作品でありながらスパイダーマンがアベンジャーズに参戦出来なかったのはソニー・ピクチャーズ制作の『アメージング・スパイダーマン』シリーズ独占契約による縛りからで今回の決定は『アメージング・スパイダーマン3』の制作が事実上無くなった事に起因したソニー・ピクチャーズが契約更新が出来無くなった裏事情からと推測されます現在公開が決まっている作品はざっと以下の通り2016年『キャプテン・アメリカ:シビル・ウォー』『ドクター・ストレンジ』2017年『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー2』『スパイダーマン』『マイティ・ソー3:ラグナロク』2018年『アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー Part1』『ブラック・パンサー』『キャプテン・マーベル』2019年『アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー Part2』『インヒューマンズ』これに、現在WOWOW他 Dlifeなどで放映中のTVシリーズ『エージェント・オブ・シールド』が加わり盛り沢山なラインナップとなっております☆現在、ドラマ『エージェント・オブ・シールド2』の中で初めて言及された能力者達を総称した「インヒューマン」の他は『ドクター・ストレンジ』『ブラック・パンサー』『キャプテン・マーベル』が 未出になってますので一体どの様な作品になるのか今後も興味は尽き無い所です☆アントマン MovieNEX【Blu-ray】 [ ポール・ラッド ]価格:3585円(税込、送料無料) (2016/12/16時点)「『スパイダーマン』のタイトルの上に「アメージング」とか「アルティメイト」とか付ける事自体が大人の事情そのものだーーっつ!!! な~んて誰もが思っている事なんだろうなあ~」【Blu-ray】ウルトラバリュー スパイダーマン ブルーレイセット価格:5,368円(税込、送料込)
2015年10月05日
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不都合な真実を元にした新たな形の社会派アクションキャプテン・アメリカウィンター・ソルジャーCAPTAIN AMERICA: THE WINTER SOLDIER2014年4月19日公開 アメリカ 136分■監督 アンソニー・ルッソ/ ジョー・ルッソ■出演 クリス・エヴァンス/ スカーレット・ヨハンソン/ セバスチャン・スタン アンソニー・マッキー/ コビー・スマルダーズ/ ロバート・レッドフォード- INTRO -■国際情勢や政治を取り上げた作品は社会派映画と呼ばれシリアスなタッチのサスペンス映画として70年代に数多くの名作が制作されて来ましたが「ジャック・ライアン・シリーズ」の様なポリティカル・アクション映画が登場するのは90年代に入ってからになりそれまで社会派にアクションの要素はそぐわないものとして捉えられて来た印象があります一方で国際情勢を盛り込んだ作品は一見子供向け娯楽作品の様な映画にも古くから見られ見た限りではほとんど意識されない様な形で物語に導入されて来た歴史があり本作の場合も 若い世代にとってほとんど意味が分からない様な多分に政治色の濃いプロットが用いられ作られていました■■本作の46分過ぎのシールド本部が映る場面にワシントンのポトマック川を挟んでCの字の形をした丸いビルが映るのですがこれはウォーターゲートビルと言ってかの「ウォーターゲート事件」の舞台になった建物です「ウォーターゲート事件」と言うのは金からドルの交換停止によるドルショック「ニクソン・ショック」や「ベトナム戦争」敗戦などによる政府の支持率急落によってニクソン大統領の次の任期の選挙が不利になった事で有力な情報を集めようと「ウォーターゲート・ビル」にある対立候補の民主党事務所に盗聴器を仕掛けた事が新聞にすっぱ抜かれた事をきっかけに任期中に辞任に追い込まれるというアメリカ大統領による一連の不祥事の事を言いますが今の世代の方にとって アメリカの不祥事は「スノーデン事件」の方がピンと来るのかもしれませんちなみに「エドワード・スノーデン事件」とは政府がマイクロソフト他大手IT企業が運営するサーバーにアクセスしユーザーのデータを収集し監視している事を元CIA局員のエドワード・スノーデン氏が告発した事件を言います何気なく映された建物でしたがこの様な政治的な趣旨をを示唆する「サイン」としての意味合いが含まれていた訳ですこれらは近くて遠い外国の日本とは違った国際情勢の中での自分とは何の関係の無い過去の事件の様に捉えられて来ましたがつい最近、日本政府や大手企業などを対象にした米国による盗聴疑惑が報道された事からも今や情報社会と呼ばれる今日の私達の周りの状況は大きく変わって来ていると言えます■■■さて、これら事件の意味する所として米国政府は国民を守るどころか実は監視をし国を信じていた国民の「信頼」を裏切っていたという事実に国の「信頼性」を揺らがせる深刻な問題がある訳ですがある意味私達はしばしば「信頼」の揺らぐ事柄に出遭いその都度「信頼性」の重要性を感じながら日々の生活をより豊かに送る為に日々情報収集をし日常を送っていると言えますしかし情報の「信頼性」一つ取ってみても得た情報の「比較」は出来ても情報そのものの「信頼性」を確かめる方法は無くそのまま「受け入れる」しか方法が無いのが現状な訳です従って得た情報の「信頼性」に置いて「信じるか否か」という答えの定かで無い問いかけに囚われるのでは無く「信じるに値するか否か」という情報を得る事による価値感を先ずは考える必要があるのでは と思うのでした☆という訳で今回はアメコミ大手のMARVELがディズニーとタッグを組みこの夏公開を控えたSFアクション超大作『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』の前日譚に当たる『キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー』をご紹介します- STORY -アベンジャーズの戦いから2年。シールドの一員として活動していたキャプテン・アメリカはシールドの新たな防衛システムに疑問を抱く。そんな中、何者かの陰謀に巻き込まれブラック・ウィドウとともに命を狙われるキャプテン・アメリカだったが…。(allcinema)- 解説 -【政治スリラーとしての側面】本作はアメリカン・コミックスの大手MARVELがディズニーと組んで同社が出版するアメコミ・ヒーローを主人公にした巨額の制作費をかけマーベル・シネマティック・ユニバースと呼ばれる一連の作品のこの夏公開された『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』へ繋がる急展開を迎えた問題作で前作に当たる(2011)『キャプテン・アメリカ/ ザ・ファースト・アベンジャー』では戦時中を舞台に、善悪がはっきりとした戦時中の世界での勧善懲悪に近いヒーロー作品として描かれた事に対し政治的駆け引きとテロリズムが行われる現代を舞台にそれぞれの立場の主張が交差するグレーな世界に置いて70年後の世界で目覚めた主人公が過去の価値観とは違った現代社会に戸惑いながらも受け入れつつ時には納得出来ない不条理さに立ち向かいながら正義を貫き 巨大な陰謀に立ち向かう姿を描く意欲作となっております■■本作はスーパーヒーローが 国の欺瞞に真正面から立ち向かう痛快娯楽アクション大作で硬派なミリタリー系アクション映画としても見応え満載の造りになっておりますが911事件以降のセキュリティー過剰な風潮が高まるアメリカで「ウォーターゲート事件」や「スノーデン事件」をモチーフに監視社会と偏狭な考えに取り憑かれる事への危険性と安全の為に どこまで人々が自由を犠牲に出来るのか、どこまで安全を政府にゆだねて良いのかを問う「政治スリラー」としての側面を持った作品でもあり70年前の白黒がはっきり分かれた世界から来た主人公の眼から観た現代の常識の不条理と不都合な真実を語らせメスを入れる新たな形の社会派アクション映画とも言える作品になっています【名優ロバート・レッドフォード】ロバート・レッドフォードはアメリカン・ニューシネマの旗手として70年代に『明日に向かって撃て』『スティング』等の大ヒット作に出演したハリウッドを代表する大スターです一方で、『普通の人々』ではアカデミー監督賞を受賞する映画作家という顔を持ち映画を大手産業主導の大作志向のものから離れて、個人的で小規模な編成で制作する インディペンデント系作品を世に送り出した先駆者の一人でもあり若手映画人の育成を目的として設立したサンダンス・インスティテュートの主催者でもあります俳優としては社会派俳優としての側面を持ち本作でもモチーフとして使われたウォーターゲート事件を映画化した『大統領の陰謀』やわざと戦争を起こしてアメリカの敵を排除しようとするCIAの陰謀を描いた『コンドル』などの問題作に出演して来ました小規模体制の映画作りを続けてきたインディペンデント映画の主催者にとっては大規模な出資を元にした超大作を作るディズニー作品は言わば敵とも言える存在なのですが社会派映画の「顔」としてだけではなく、反体制側の「代表」としての存在感が本作にマッチしたキャスティングになった様に思われました【アメリカの戦争とテロリズムの縮図を見る構成】空中空母ヘリキャリアによるテロリスト一掃作戦を阻止するスペクタクルが本作のクライマックスになりますがこれは絵空事では無く近年日本でも大きく取り上げられる アメリカの対テロ無人攻撃機「ドローン」による対テロ作戦が元になっていますこれは戦争をしないと宣言したオバマ政権でのアメリカで国民や兵士を危険にさらさずブッシュ政権の時の様な従来の戦争での多くの血を流す事無く民間人の犠牲を最小限にして、アメリカに脅威をもたらすテロリストを排除する為の攻撃システムとして使用された「新たな戦争」「実体なき戦争」と呼ばれるもので空中空母がテロリストを一掃する本作のプロットと一致する訳ですこの「ドローン」攻撃によって誤爆による無実の民間人やアメリカ人数名が巻き込まれる事件が多数起こっており本作が問題定義をする所でもありますまた、本作の「ウィンター・ソルジャー」とはベトナムで行われた戦争犯罪を告発する集会の総称で72年に「ウィンター・ソルジャー ベトナム帰還兵の告白」というタイトルのドキュメンタリー映画として制作されながら短期間の公開後封印され日本では2010年の6月に公開され 長い間お蔵入りしていた いわゆるアメリカにとっての「不都合な真実」が描かれた作品のタイトルでもありそれを敵超人兵士の名前に当てたのも意味深いものがあった訳でした☆★★★ 楽天エンタメナビ レビュアーランキング ★★★ 楽天映画レビュアーランキング参加中☆「不都合な真実を元にした社会派アクション」※リンク先に設置された 参考になった ボタンはランキング用クリックボタンです☆☆☆「『不都合な真実』のタイトルを拝借した作品を調べたら「男と女の不都合な真実」をはじめ、サッと検索かけただけでズラッと20件出てきましたw内容の深刻な不都合さとは裏腹に 作家達にとってはサクッと使える都合の良いタイトルだった訳ですねえ~(・∀・)ヘラヘラ」【中古DVD】不都合な真実価格:440円(税込、送料別)
2015年08月24日
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■新作映画レビュー■戦いの火種を消す為に行動する「ヒーロー」を描くアベンジャーズエイジ・オブ・ウルトロンAVENGERS: AGE OF ULTRON2015年7月4日公開 アメリカ 142分■監督 ジョス・ウェドン■出演 ロバート・ダウニー・Jr / クリス・ヘムズワース / マーク・ラファロ クリス・エヴァンス / スカーレット・ヨハンソン■■さて、いつもは旧作をご紹介する当サイトでしたが 今回は現在公開中の映画からアメコミ出版社大手 MARVELがディズニーとタッグを組み「マーベル・シネマティック・ユニバース」として制作され話題となった一連の作品の 最新作であり この夏話題の超大作『アベンジャーズ:エイジ・オブ・ウルトロン』をご紹介します☆- STORY -アイアンマンこと“戦う実業家”トニー・スタークは、将来出現するかも知れない新たな脅威から地球を守るために、人工知能“ウルトロン”による平和維持システムを開発する。しかしウルトロンが平和を維持するために導き出した答えは、その障害となっている人類を排除するというものだった。仮の肉体を得て暴走を始めたウルトロンを阻止すべく再び集結したアベンジャーズ。そんな彼らの前に、人の心を自在に操るワンダと超高速で動く肉体を持つピエトロの超人姉弟が立ちはだかる。(allcinema)- 解説 -【作品のキーワードは「守る」】本作はアメリカン・コミックスの大手MARVELがディズニーと組んで同社が出版するアメコミ・ヒーロー達を一同に介し異星人の侵略から地球を守る ドリームチームの活躍を描いた超大作『アベンジャーズ』の続編でマーベル・シネマティック・ユニバースと呼ばれる一連の作品の11作目であり次の展開となった「フェイズ2」のクライマックスとなった超話題作でもあります■■自ら作り上げた人工知能が暴走して人類を襲うというのはこれまでも映像化され散々やり尽くされた題材ですがロボットが一般レベルで商品化されつつある近年以前とは違って現実味を帯びて来た題材でもあり今、敢えて取り上げるべく題材としても毎回社会問題をモチーフにして来たハリウッド作品らしい不気味な現実味のある作品になった所が興味深く思いました。又、恐怖から来る過剰な自衛が火種となり次の争いを生むという様な現在のアメリカ本国の世相を斬る観点から描かれた問題作としても「集団的自衛権」が論議される日本に置いて決して無視出来無い題材を描いている作品でもあり300億もの巨費をかけた ど派手な映像と大仕掛けが魅力のこの夏話題の娯楽超大作としてふさわしい 見応えある作品である一方、防衛の為に常に戦いを選んで来たヒーロー達が、今の時代に、戦いの火種を消す為に行動し愛する人達を「守る」という視点で描かれた多分にメッセージ性の強い作品でもあります【ファンは賛否両論、だが・・・】一方で シリーズを通して鑑賞し来たファンにとっては賛否が真っ二つに分かれた作品でもあり緊張の糸が最後まで途切れないでクライマックスを迎えた前作と比べると大仕掛な展開とテーマを支えるプロットがちぐはぐで、大ヒット作の続編として、内容の単純明快な荒唐無稽さはそのままに一歩踏み込んだ意欲作としての作りも「何よりもかけがえの無い守るべきものは手で触れられる 何気ない小さな幸せ」 というメッセージを巨大で壮大な内容に絡めて描く狙いから敢えて一つの家族に限定して愛情を描いた演出的意図は理解出来ますが大仕掛で壮大な本作の展開を支えるには過不足な印象もあり家族の描写が入る度 SF的寓話との接点が曖昧に感じむしろ様々な家族の形を描くべきプロットだった様にも取れる事から小さくまとめたかの不安定感が拭えない印象はありました只、家族の日常の描写がきめ細かい分構造的な波状を起こす程の演出の傷にまでは至っては無くアベンジャーズのメンバーの家族感とロマンスが描かれた多くのファンにとって興味深い作品になった様に思いました■■賛否の真意はともあれ、ブロックバスター級作品が続編公開をした時に期待が余りにも巨大な時に起こる過敏な反応という良くある社会現象でもある性質からこれらの評判は余り当てにせずこの夏話題の娯楽作の一つとして先入観無くお愉しみいただくのが一番かと思われます☆【「守る」がキーワード】物語は、(2014)『キャプテン・アメリカ/ ウィンター・ソルジャー』で登場した秘密結社「ヒドラ」殲滅作戦の ド派手な総力戦から始まり敵のリーダーも匙を投げる程のアベンジャーズの面々の胸のすく様な無敵振りに圧倒される超話題作に相応しい怒涛の幕開けとなりますがアベンジャーズの存在が敵を招き活躍そのものが毎回都市に破壊を招くとして被害を受けた市民に疎まれる描写が挟まる事で今回の作品が 痛快娯楽作ではあっても トーンをガラリと変え戦いの影に隠れたものを描く内容のものである事が見えて来ます■■前作は、思惑と目的がバラバラだったヒーロー達が一致団結して強大な敵に立ち向かう痛快作でしたが異星人の脅威に対して地球の無防備を過剰に危惧した事で開発した戦闘A.I.「ウルトロン」が 思わぬ自意識を持って人類抹殺を企てるという意味深な内容になった本作は戦いに駆り出される意志と心の奥の闇の関係に焦点を当てコミック版でも人気の敵キャラの「ウルトロン」を己自身の恐怖が生み出した象徴として描きコミック版の人気キャラ「スカーレット・ウィッチ」と「クイック・シルバー」を前作のニューヨーク決戦で家族が戦いに巻き込まれ犠牲となりアベンジャーズ達に恨みを抱く戦争被災者の姉ワンダと弟ピエトロとして登場させ「ヒドラ」研究施設で強化されたサイコキネシス能力でアベンジャーズの敵として立ちはだかる役所として描いて映画独自の展開で ドラマに一歩踏み込んだ印象を与える作品となりました姉ワンダの 人の心を操る能力で恐怖心を促されたアベンジャーズは侵略への恐怖から「ウルトロン」を生み出し、侵略戦争で家族を失った怒りと戦争の火種を作るアベンジャーズへの恨みから「ウルトロン」に付け込まれ利用されるワンダ姉弟という、互いの心の「闇」によって翻弄される負の連鎖を描いており新たな緊張が生まれる世界情勢から 過剰な防衛へと向かわせ、結果的に火種を作り続けるきらいがある 本国アメリカの世相に対し一石を投じる内容でもある点が興味深くともすれば世界紛争の火付け役という側面を持つ本国への警鐘として自衛の為に打って出るのでは無く 全力で火種を消すのが筋であるという自己啓発の問題作という側面を持った作品とも取れ本当の敵とは恐怖を生み出す己自身にある という自分自身との戦いと、守る事の意味を描いた作品でもあります【MCU (マーベル・シネマティック・ユニバース)の展開】MARVELとディズニーが共同制作するシリーズはMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)と呼ばれる連作となっており全作が同じ設定で作られている点でも 近年稀に見るシリーズで元々の原作を映画独自の展開で現代の世相に沿った内容に再構成し単純な娯楽作という形態を持ちつつ世相や国際情勢を盛り込んだ意欲作である点でも注目すべきシリーズだと思います■■MCUシリーズの前作に当たる第10作「キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー」は未曾有のミリタリー・アクション作品でしたが国民の思想を統制する政府の欺瞞を描いた「政治スリラー」でもある点が興味深い所でもありました又、アベンジャーズの次回作2018年の「アベンジャーズ:インフィニティー・ウォー」へ向けての展開としてMARVELのシリーズの中でも問題作となった超人登録法を巡りヒーロー達が真っ二つに分かれ激突する2016年5月6日全米公開予定「キャプテン・アメリカ: シビル・ウォー」は911以降のアメリカで テロの脅威に対応する為 立案された「米国愛国者法」をモチーフにした作品になる様で「インフィニティー・ウォー」へ向けての布石として重要な作品となる模様です■■他にも 「インフィニティー・ウォー」への布石としての作品が目白押しで「マイティー・ソー:ラグナロク」や「ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー」の新作に加えベネディクト・カンバーバッチに主演が決定し「インフィニティー・ウォー」にも関わって来る元脳外科医で魔術を操る異色のスーパー・ヒーローの映画化「ドクター・ストレンジ」などこれからも話題は尽きない様です☆アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン MovieNEX 【Blu-ray】 [ ロバート・ダウニーJr. ]価格:3585円(税込、送料無料) (2016/12/16時点)■■■楽天市場■■■次回作にスパイダーマンが出るとか出ないとかネットでも話題になってますが次回作の原作は内容からして「Infinity War」では無くておそらくコチラ・・・[電子書籍版]Infinity GauntletJim Starlin価格:1,055円
2015年07月06日
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個人主義が交差するチームとして描かれた「ヒーロー」像アベンジャーズTHE AVENGERS2012年8月14日公開 アメリカ 144分■監督 ジョス・ウェドン■出演 ロバート・ダウニー・Jr/ クリス・エヴァンス/ マーク・ラファロ/ クリス・ヘムズワース スカーレット・ヨハンソン- INTRO -□■■以前 欧米の国民性について「個人主義多民族国家ながらも 有事には一丸となる国民性を持つ」 という記述の記事を書いた事がありましたが近年 ハリウッドでは権利保有の観点から大手映画会社との共同出資を取り止めた独立系スタジオが数多くのコンテンツを所有する新たな企業とパートナーシップを結び多作品を融合したクロスオーバー作品を企画しその後もディズニーによるルーカス・フィルム買収などをはじめ巨大企業吸収合併が著しいのは通常の映画制作興行では成り立た無くなった有事を業界全体が協力体制を取る事により成功に導き一般的な認識として、欧米では苦手とされる「チーム・プレイ」を行う事で一丸となって乗り切ろうとするというのはそのままハリウッドの危機を物語るものでもある様に思われます□□□対する日本は「協調性を重視し個人よりも多数の利益を重んじ安定化を図る冷徹なまでの潔さ」と書きましたが近年の邦画の映画産業の動きを見るだけでも映画界大手が手を組み 世界に焦点を定めた巨大な資本が動く大作志向制作よりも独立系が日本国内の需要を見越し出資を募り小規模の映画製作に乗り出す動きが活発となり時期やタイミングを関係無しに 創りたいものを作りたい時に作るというフィルムからデジタルへ以降して 映画製作が大手主導からプロダクション制作へシフトした現れという印象を受けますこれらの動きからはフィルム時代の技術が価値を失うという危機的状況を感じ団結するハリウッドに対してフィルム時代は技術所得者にしか出来なかった作業から開放されクリエイティブな表現が個人レベルで可能になり大手主体による興行を離れ本来日本が苦手とする「個人プレー」の独立制作を目指す邦画の動きは映画を 日進月歩で進化と世代交代を繰り返す「技術職」としてでは無く永遠に不滅のクリエイティブな「芸術」と捉える 日本との差を表すものでもあり今両国の業界が何を求めているかという「好きこそものの上手なれ」を見るものとしても非常に興味深いものを感じました☆という訳で今回はアメコミ大手のMARVELがディズニーとタッグを組み総力を上げて制作されたこの夏続編公開も控えるSFアクション超大作『アベンジャーズ』をご紹介します- STORY -国際平和維持組織シールドで研究中だった四次元キューブが地球の支配を目論む邪悪な神ロキに奪われ 地球は史上最大の危機に直面する長官のニック・フューリーは周囲の反対を押し切りスーパー・パワーを持つヒーローを集めて最強チーム“アベンジャーズ”を結成することを決断シールドのエージェントとなった魔性のスパイ、ナターシャ・ロマノフらとともにヒーローたちの招集に乗り出すこうしてアイアンマン、キャプテン・アメリカ、ハルク、そしてロキの兄ソーがシールド本部に勢ぞろいするのだが…。(allcinema)- 解説 -本作はアメリカン・コミックスの大手MARVELがディズニーと組んで同社が出版するアメコミ・ヒーロー達が一同に介し巨額の制作費をかけマーベル・シネマティック・ユニバースと呼ばれる一連の作品の最初の締めくくりとして制作された超大作で前作に当たる(2011)『キャプテン・アメリカ/ ザ・ファースト・アベンジャー』で登場した異星人のテクノロジーによる超エネルギー体「4次元キューブ」を巡り(2011)『マイティ・ソー』のラストで宇宙空間に飛ばされたアスガルド王族の異端者ロキが宇宙人種族「チタウリ」と手を組み 地球侵略戦争を仕掛けスーパーヒーロー達で結成されたチーム「アベンジャーズ」が立ち向かう宇宙規模の壮大な物語として作られた痛快娯楽SFアクション・アドベンチャー作品です又、同社の人気作「スパイダーマン」が コロンビア映画で制作された為参戦出来ない大人の事情や『アイアンマン』『アイアンマン2』『インクレディブル・ハルク』『マイティー・ソー』『キャプテン・アメリカ』と言ったこれらの作品を鑑賞済みである事を織り込んで描かれた連続性を持った内容や何十年もの間連載され続けた人気アメリカン・コミック作品ならではの国内では「周知の事実」として浸透し作品に馴染みの無い国外では伝わり切ら無い事項を前提とした演出など十分に愉しめ無い様々な不利な条件を含みながらも諸共しない超弩級の映像に圧倒される2時間40分で国外でも観客動員数の記録を更新したブロックバスター級の大ヒット作でもあります□■アメコミヒーロー達の活躍を宇宙的規模で描かれた壮大な物語をダイナミズム溢れる迫力の映像と 快活で分かり安い演出で作られた極上のハリウッド・エンタテイメント作品で巨額な費用をかけた怒涛のSFX映像やそれぞれのキャラクターに合わせたファンも納得の登場場面にここ一番のピンチになるとヒーローが駆け付ける 絶妙な演出などエンタテイメント作品には欠かせ無い「見所」が満載で迫力ある戦闘シーンや緊迫したストーリー展開に加えユーモアを交えた SFミリタリー系アクション映画としても文句なしに愉しめる娯楽作品に仕上がっています一方でこの様なハリウッド・エンタテイメント系映画には付き物のアメリカ国内の世相を盛り込んだ演出が随所に見られ宇宙最強のヒーローが一同に介したドリームチームが 実はそれぞれの立場の事情と我を抱えた 紛争状態にあり一見最強に見えて、裏を返せば中身はバラバラという烏合の衆の集まりで一触即発で敵対関係になる世界情勢の縮図を観る造りになっておりアメリカを象徴するキャプテン・アメリカがリーダーシップを取り所属組織の「シールド」が秘密裏に異星人の技術を入手し密かに大量破壊兵器を開発していた事に不信感を抱き強大な力を脅威の抑止力とする原理が「矛と盾」の理念の裏返しとして強大な敵を生む源となるという本作の柱となる議論の場面がそのままアメリカの内政へ向けての警鐘とも取れる展開など現在日本国内でも議論の的となっている「集団的自衛権」に関連する改正法案にも通ずる事項としても多分に社会的側面を含んだとても興味深く鑑賞出来る作品でもあります【スタッフロール後の2シーン】ディズニー制作の映画が定着させたとされる「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズでもお馴染みの「スタッフロール後のワンシーン」ですがこれは映画本編が終わると同時に席を立つ観客を引き止める手段として考案された「おまけシーン」でこれによって最近では 話題作は映画の最後まで席を立た無いというのが定着しつつある様です本作では2シーン設けられスタッフロールが一時中断して登場する 「チタウリ」軍を操る黒幕はMARVEL作品中でも最も有名なヴィラン(悪役)「サノス」で『ドラゴンボール』で言う所の「フリーザ」的な存在「ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー」へ繋がる布石として挿入されておりますもう一つ、クレジットタイトルが終了するとトニーが食べに行こう勧めていた「シャワルマ」をヒーロー達が微妙な表情で黙々と食べるシーンが登場しますが時系列的には 決戦直後の場面でもあり、疲労の極みにあって死ぬ思いをした後に 敢えて食べる程のものでは無いという事でアノ様な疲労困憊な感じになっていた という理由と「シャワルマ」が中東系の食べ物でありNYが攻撃を受けた直後に食べる物としては やや出来過ぎ としてアメリカの多文化多民族問題を 何気に象徴するものという理由が考えられますが真意は定かではありません☆★★★ ランキングサイト・楽天エンタメナビ ★★★ 「個人主義が交差するチームのヒーロー像」※リンク先に設置された 参考になった ボタンはランキング用クリックボタンです☆SY「コレまでは映画化が冗談位に思っていた『攻殻機動隊』の公開スケジュールが発表され本当にスカヨハでやるんだあ~☆と クチでは言いながら完成したって絵面は どうせ「コレ」と同じだろう~wwとか 思ってるんじゃ無いでしょうねっつ!!!」アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロンムービー・マスターピース 1/6フィギュア: ブラック・ウィドウ 価格:23,500円(税込、送料別)
2015年06月17日
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時代が求めるアンチ・ヒーローとしての形アイアンマンIRON MAN2008年9月27日公開 アメリカ 125分■監督 ジョン・ファヴロー■出演 ロバート・ダウニー・Jr/ ジェフ・ブリッジス/ テレンス・ハワード グウィネス・パルトロー/ ショーン・トーブ- INTRO -□■■百戦錬磨のスパイに完璧な美女という取り合わせのジェームズ・ボンド作品も『ダイヤモンドは永遠に』では詰めが甘く女でヘマをするボンドに日和見的な性格で銃を撃たせると反動で海に落ちるボンドガールという2枚め半な描き方で人気を博したロジャー・ムーア-ボンドへと繋がって行く造りとなりその後も様々な形に姿を変えシリーズは継続されて行きましたボンド作品に限らず 様々な娯楽作品が時代に呼応しながらヒーロー像、ヒロイン像を変化させ当初はシャム猫を撫でる世界征服を企む謎の秘密結社のボスという「悪」の存在も近年は 過激な思想を持つテロ組織のリーダーの様な世相を考慮した存在へと様変わりをして行きますアメコミの場合は、世相を投影する作品作りを行う性質上「敵」を鏡としヒーロー像を創り出すジャンルという逆転で発想する側面を持っております鋼鉄の防護服で防弾し銃器で敵兵士をなぎ倒すパワードスーツを装着した「アイアンマン」 は冷戦下の最中戦争を毛嫌いする若者で溢れるアメリカの風潮の中で世相と相反し忌み嫌われる 軍事産業の社主の金持ちの色男を主人公に据えて鋼鉄の兵士としてベトナム戦争に参戦するという軍産複合体を象徴する様なコンセプトで誕生した 異色のヒーローでした連載時は単純にアメリカの外敵を悪役に据えアメリカ人は善良で外国人は悪者という図式で描かれるというある意味ブラックな内容の 大人向けコミックという側面があり主人公の心臓のリアクターも忌み嫌われる人間を象徴した様な「心が壊れた人物」という意味合いもあった様でしたしかしベトナム戦争敗戦でアメリカの地位が揺らいだ時主人公の立ち位置も変化し自分の罪を自覚し葛藤する悩める人物へと方向性を修正したという経緯がありました■□■主人公は 自ら開発した兵器を軍へ売り付け多額の利益を得尚且つ自身も積極的に戦闘に加わる度が過ぎる程の「死の商人」でありモラルに照らし合わせれば、この様な罪多き人物を主役に据えてもヒーローとして支持される事など 考えられ無い事と思えますがこの様な人物でなければ描けない一般人には備わって無い驚くべき「視点」と聖人君子とは違った「人間臭さ」に罪多き人物ならではの壮絶な「人生」を通して善悪を越えたダークな魅力が アンチ・ヒーロー としての人気を集めて読者の関心を得る事があります同時期 邦画の世界では やくざの世界を描いた 任侠映画の全盛期で高倉健、鶴田浩二、藤純子の主演作が人気を博し邦画の一時代を築きました任侠道が舞台となるのは、遡る事 江戸時代に武家政権の階級社会の世の中で、抗う様に大胆な生き様を遂げた国定忠治、清水の次郎長などの実在の任侠道の人物が当時の民衆のアンチ・ヒーローとして語り継がれて来たという歴史があり邦画の氷河時代と言われた時期に一斉を風靡した「極道の妻たち」や近年でも「ごくせん」「任侠ヘルパー」のヒットからも世の風潮に物申す 歯に衣着せぬ世の中の代理人としての邦画ならではのアンチ・ヒーローの立ち位置が 定着している様です又、アニメ作品では機動戦士ガンダムのアムロ・レイや新世紀エヴァンゲリオンの碇シンジなど巨大な才能に対して 至らなさが目立った人として大きくバランスを欠いた人物を主人公に据えた作品が登場する様になり主役がヒーロという典型的ジャンルだったものがヒロイズムから行動そのものを切り出して誰もがこのこの立場になりうる「プレイヤー」としての共感を伴う造りのゲーム世代をターゲットに絞った内容へと大きく変化しアニメヒーローもそれまでとは違った入り組んだ社会の複雑さを象徴する内省的なものが主流になって行きました■■□この様なアンチヒーローが取り上げられる時は多くの場合 社会不安 が根底にあり大躍進する経済に対して 人の理念とモラルが付いて行かないと言う様な世の中が大きくバランスを欠いた時にそれらを象徴するかの様に登場するもので世界でも同時期に同時多発的に あらゆる形で現れる現象でもある様ですこの様にヒーロー、アンチ・ヒーローが求められる理由とは世の中の鑑として、反面教師として学ぶものが多いという印象とは別に何時の時代にも多くのストレスを抱えた人々がそれぞれのヒーローを介して 自分を投影し再発見する事でガス抜きとしてのカタルシスを求める所に真意がある様に 感じるのでした△▼△▼△という訳で今回はマーベルスタジオ制作の記念すべき第1作目となったアンチ・ヒーローを描く『アイアンマン』をご紹介しますそれでは今回も始めましょう-STORY-巨大軍事企業スターク・インダストリーズの社長で、発明家としての顔も持つトニー・スターク彼はある日、アフガニスタンで自社新型兵器のデモ実験を成功させるがテロリスト集団の襲撃に遭い、胸に深い傷を負ったまま囚われの身となってしまうしかし、彼は一味の目を盗んで飛行可能なパワードスーツを開発それを装着して脱出し、生還を果たすが…-解説-これまで20世紀FOXやコロンビア映画などと手を組み映画制作をして来たマーベルスタジオが単独で制作をして来た作品の1つでマーベル・シネマティック・ユニバース 第1弾として制作されたSFアクション娯楽作品です原作は1963年の冷戦下でのベトナムが舞台の作品でしたが本作では 現代の中東情勢に舞台を変えアメリカ軍に新型兵器を卸している軍産複合体の社主で大金持ちのプレイボーイ天才発明家のトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)がアフガンのテロ集団に拉致された事で自社の兵器がテロ集団に横流しされていた事を知りテロ集団の眼を盗みながら爆弾の破片が心臓に達するのを電磁石で抑制する為のリアクターを電源にしたパワードスーツを開発し脱出に成功した後軍事産業から全て撤退する事を表明しその後は 新たに開発した戦闘用パワードスーツで自ら アイアンマン となり表向きはプレイボーイの社主を演じ自社の兵器で被害を受けた地域へ赴きテロ攻撃を鎮圧する 二重生活を送るという、国際情勢とアメリカの社会を大きく皮肉ったブラックな色合いに ユーモアを交えどちらかと言えば嫌われるタイプのアンチ・ヒーローを主人公に据えたSFテイストのミリタリー系アクション痛快娯楽作品に仕上がっております■□DCコミック作品を映像化した 「ダークナイト」「マン・オブ・スティール」のダークな色合いのシリアス路線が人気を博す中ディズニーの配給らしい、ユーモアとシリアスさがバランス良く配されたハリウッドエンタテイメント作品の骨頂とも言える作品で前者の様な、何かを訴えるテーマ性を持った重厚さは見られませんがストーリーテリングに重きを置いた 誰もが愉しめる娯楽作となっております一方で、大画面向きな娯楽作品の見本の様な造りでありながら胸に心を病んだ象徴の様なリアクターを持ち物事の頂点を極めた自分を持て余した桁外れな人物が何処へ向かうともしれない、ある種の焦燥感を持ったまま強大な力を向ける方向を模索する様を描いており70年代の名作 スティーブ・マックイーン主演作『華麗なる賭け』やチャールズ・ブロンソン主演作『メカニック』など頂点を極めた者だけが体験する誰も眼にした事も感じた事も無い感覚を際限なく追い求め続ける人物を主人公にした作品の中にも見られる危険な薬に手を出す様なスリルに身を投じる内容のやがて手段が目的と変わる行為を描いたベトナム戦争後の病んだアメリカを象徴する様な異色クライム・サスペンス作品の持つ緊張感ある精神的な息苦しさと終わりの見え無い無軌道で不安定な感覚が本作にも根付いている点が興味深くこれは作品の原作者で現マーベル・コミック編集委員、マーベル・メディア名誉会長でもあるアメコミ界の巨匠スタン・リー氏の大戦中の体験と底知れ無く巨大な 氏の人物像を背景にした独自の世界観が色濃く現れた所にある様に思います【ロバート・ダウニーJr】70年代から映画監督だった父親の映画に出演し17才で俳優としてデビューした後喜劇王チャーリー・チャップリンを演じた『チャーリ』では英国アカデミー賞 主演男優賞を受賞する輝かしい経歴の持ち主ですが少年期から摂取してきたと言われている ドラッグ依存による問題では6度もの逮捕歴がある 問題多き人物としても有名な俳優です本作では ディズニー資本という性質上主演にロバート・ダウニーJrだけは無いという意見が上層部から上がったそうですが幼少期の多感な時期から映画界と関わり浮き沈みの激しい業界の光と影を眼にしながら思春期を過ごし成人後はスターダムにのし上がりながらもハリウッドの怪物的な力に翻弄され続けた事で精神を病み旧友メル・ギブソンの助力を得るまでドラッグに依存し続けた壮絶な人生を送った事が主役スタークスの人物象とリンクして結果的に 作品に奥行きをもたらしロバート・ダウニーJr自身 映画さながらのアンチ・ヒーローとしての役割を担うのでした☆★楽天エンタメナビランキング★「時代が求めるアンチ・ヒーローとしての形」※リンク先の 参考になった ボタンは ランキング用クリックボタンです■■■ 楽天市場 ■■■コレ、絶対買ってしまうんだろうなあ・・・S.H.Figuarts アイアンマン マーク43価格:4,930円(税込、送料別)
2015年04月10日
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バランスの取れたヒーロ象とリーダシップを描くキャプテン・アメリカザ・ファースト・アベンジャーCaptain America: The First Avenger2011年10月14日公開 アメリカ 124分■監督 ジョー・ジョンストン■出演 クリス・エヴァンス/ トミー・リー・ジョーンズ/ ヒューゴ・ウィーヴィング ヘイリー・アトウェル/ セバスチャン・スタン - INTRO -□■■アメリカのコミック界の最大手DCコミックが設立したのは1934年それまで新聞連載マンガを纏めた出版としてでは無くコミックのみを掲載する全く新しい雑誌形態を目指した発足でしたそして1938年に史上初のヒーロ「スーパーマン」の連載が始まります遅れる事1939年にもう一つのアメコミ大手マーベル・コミックが設立されキャプテン・アメリカが出版されたのは 1941年正に太平洋戦争勃発当時に登場したヒーロという事になります通常ならヒーローのキャラクターを創造してから後 物語や敵役を考える所をまず敵を決めてからそれと戦うヒーロを考える方法を取ったとの事で当時はバットマンが人気の頃で 個性的な悪漢と戦うのが魅力だったとの理由から当時の現実世界のアメリカと敵対するドイツに実在した 悪と考えられていた人物「ヒトラー」を適役に据えて 愛国者を対抗させる物語を考えて作られたそうで当時の世相があったとしても、他のどのコミックもやらなかった題材を使った異色の作品だった訳です当然内容は当時の世界情勢とリンクした物語となり主人公は 戦時中は当時のアメリカの枢軸国と戦うのですが戦後は国内の犯罪者や未来人と戦い国内の赤狩りの風潮に合わせて 共産主義者とも戦ったというアメコミ中 最も異色で ある意味過激な作品という訳でした■□■その後、国内情勢の変化に伴い赤狩りをしたのは 別人に仕立てて無かった事にしてキャプテンアメリカ自身も数代存在する再設定が行われ4代目に至っては 勝手に襲名した典型的な差別主義者という偽キャプテン・アメリカまで登場する色物へと変化し主人公も快活なアメリカのヒーローから悩める人物と設定が変わり80年代に入ると 政府の欺瞞に 袂を分かつ展開となり果ては「キャプテン・アメリカ」の称号を返上すらしておりアメリカ国内の悩みに呼応し 作品は錯綜を初めて行きます■■□更に2000年に入りますと 同時多発テロ事件直後に可決され全米でも議論の的になったテロ阻止法案「米国愛国者法」を意識した危険な超能力を持つ人物を管理する「スーパーヒューマン登録法」を柱とした「シビルウォー」という問題作まで登場します戦後の共産主義の脅威に神経質な程に過敏になっていた時期や911以降の情勢で 近年でも ともすれば監視社会と化す憂慮が残りオバマ政権発足時でも投票率で国がほぼ二つに分かれる様な様々な国内の情勢を作品に反映させながら 時代と共に変化して来たアメコミ出版でしたがリーダーとしてのあり方を描き続けた「キャプテン・アメリカ」は「ヒーロー」というのが設定事項だった他の作品とは違って時には正義に反して過ちを犯し汚名も背負うこのタイプの作品には極めて異例な「人の道」を説いた幅のあるシリーズであり三四半世紀もの長きに渡って 唯一国名を名乗るヒーロであり続ける所に興味深いものを感じる次第です △▼△▼△という訳で今回はマーベルスタジオ制作作品の5作目となり大戦中の時代設定に近未来的世界観を持込んでヒーローを描いた異色作『キャプテン・アメリカ・ファースト・アベンジャー』をご紹介しますそれでは今回も始めましょう-STORY-ヒトラー率いるナチス・ドイツがヨーロッパを席巻していた1941年。虚弱体質ゆえに入隊テストに合格できないアメリカ人青年スティーブ・ロジャース。愛国心にあふれる彼は、軍の“スーパーソルジャー計画”に参加、極秘実験に志願し、超人的な肉体を手に入れるのだったが…。-解説-本作はマーベルコミックスの人気アメコミ作品「キャプテンアメリカ」を原作に映像化された作品で「アイアンマン」「アイアンマン2」「インクレディブル・ハルク」「マイティ・ソー」と続く一連のマーベル・シネマティック・ユニバースとしてのクロスオーバー作品の5作目となる映画でもあり超大作「アベンジャーズ」に繋がる重要な作品でもあります□■■大戦中の欧州が舞台の作品ですが本作に登場するドイツのヒトラーの秘密結社「ヒドラ」の兵器は「コズミック・キューブ」のエネルギーを利用した実際には存在しない近未来的な近代兵器という戦時中の物語でありながら SFテイストで描かれたミリタリー系アクションに「過去の未来」ビジュアルが加わったスタイリッシュな映像とスリリングな演出が愉しめる娯楽作になっておりますちなみに「コズミック・キューブ」とは不死の種族アスガルドの王子『マイティ・ソー』の父オーディンが600年前地球で戦っていた頃 地球に置いてきたとされる伝説の未知のエネルギー体でこの後のマーベル・クロスオーバー作品となる『アベンジャーズ』に繋がる重要アイテムとなります■□■小柄で痩せた青年スティーブ・ロジャースが軍の極秘プロジェクトスーパーソルジャー計画に志願し肉体を改造する薬品の投与により大柄で立派な体格と強大なパワーを手に入れるキャプテン・アメリカの物語は昔の雑誌の エキスパンダー の広告を思い出す様な設定ですが声の大きい者が注目を浴び 非力な人間の意見は通らないと言う様な戦時中のアメリカの世相を反映した印象と人の価値とは力ではなく器であるという価値観との現代のアメリカの問題にも通じる様な保守派な世相と普遍的な価値観がせめぎ合いながらリーダーシップを描いた作品である点が興味深く本作でも キャプテンこと主人公が 国の英雄として国債販促キャンペーンに駆り出されるというスティーブン・スピルバーグ制作の戦争ドラマ『パシフィック』に描かれた同様の場面があった事を見る限りでも出版作品やエンタテインメントは人を魅了する分ともすればプロパガンダに利用される立場にあった事を指摘しつつ人気の高さや華やかな見た目と「正義」は 何の関係も無いと言った様々な欺瞞と複雑な世相を反映させた内容を背景に主人公を「良心の象徴」として浮かび上がらせる様に描いている事からも本作は純粋で単純明快なヒーロ映画として制作された事が伺えます■■□本作を監督したのは (95)『ジュマンジ』(99)『遠い空の向こうに』(01)『ジュラシックパーク3』の ジョー・ジョンストンで本作ではジョンストン監督の作風でもある「空飛ぶ描写」へのこだわりが様々な場面で見る事が出来ますキャプテンがブーメランの様に盾を飛ばすアクションや列車へ飛び移るアクロバティックな場面にラストの超巨大飛行空母のスペクタクルなどジョンストン監督らしい見所満載なアクション大作に仕上がっております【小柄なスティーブの映像】キャプテンアメリカに変身する前の小柄で痩せた青年スティーブ・ロジャースですがこれは一部吹き替え俳優が演じた箇所を除き全てCG技術によって小柄に処理された 主演のクリス・エヴァンス本人のものです去年のオスカー候補となった「ダラス・バイヤーズクラブ」という作品での主演のマシュー・マコノヒーが約23キロ減量するという体当たりな役作りが話題となりましたが本作ではそれを凌ぐ体型改造が必用となって来る為当初小柄なスティーブはCGで造って合成させる予定でしたしかしCGでは どうしても不自然さが目立ってしまう事と主人公スティーブがキャプテンアメリカに変身する柱となる場面が小柄から大男へ変身する描写自体既に様々な作品でやり尽くされた感がありどうしても衝撃度が足りないという理由から変身そのものよりもCG技術によって小柄で痩せたスティーブの方をクリス・エヴァンス自身の演技によって変身する前から正義感の強い勇気ある立派な人物として描きリアルで実在する人物として強く印象付ける方法を取り本作のバランスの取れた好感の持てるヒーロー像が描かれる事になるのでした【マーベル・ワンショット】Blu-ray版には 特典映像として「ハンマー墜落現場へ向かう途中での出来事」という 数分の短編ドラマが収録されておりますこれはフィル・コールソン捜査官を主人公に「アイアンマン2」のスタッフロール後の場面となったマイティー・ソーのハンマー墜落現場へ向かう途中のコンビニでの一幕を描いた短編で後のTVシリーズ「エージェント・オブ・シールド」のひな形とも言える作品となっていますこの短編ドラマは現在5編作られそれぞれ「マイティ・ソー」「キャプテンアメリカ」「アベンジャーズ」「アイアンマン3」「キャプテン・アメリカ・ウィンター・ソルジャー」のBlu-ray版特典映像として レンタルでも観る事が出来ます☆★楽天エンタメナビランキング★「バランスの取れたヒーロ象とリーダシップ」※リンク先の 参考になった ボタンは ランキング用クリックボタンです■■■ 楽天市場 ■■■コレに手を出し始めたら、安ゲードコロの騒ぎじゃ無くなるなあ・・・ムービー・マスターピース キャプテン・アメリカ 1/6キャプテン・アメリカ(ステルス・スーツ版)[ホットトイズ]価格:19,600円(税込、送料別)
2015年03月24日
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壮大な冒険SF活劇を彩る70'sHitsの数々ガーディアンズオブ・ギャラクシーGUARDIANS OF THE GALAXY2014年9月13日公開 アメリカ 121分■監督 ジェームズ・ガン■出演 クリス・プラット/ ゾーイ・サルダナ/ デイヴ・バウティスタ ジャイモン・フンスー/ ジョン・C・ライリー- Column 日本特有の出版事情 -□■日本の漫画は漫画雑誌で連載された作品をその後定期的に纏めてコミックスと呼ばれる本として発売され発行部数何百万部を誇る人気作家の作品でも そうで無い作品でも漫画作家自身が 原作・作画の全てを担当するのが常ですそれに対してアメリカのコミック界では例えば「スパイダーマン」の様な作品の場合漫画制作プロダクション大手の マーベルスタジオが統括し企画、原案、脚本、作画、彩色を完全分業化しアニメーション作品を作り上げる様な体制を取っているという違いがあります又、発表の仕方も日本の様に大手出版社が発行する週刊雑誌掲載の様な方式を取らず漫画制作プロダクション各社が それぞれの作品のエピソードのみを収録した単体の冊子本として定期的に発表するという形態を取っておりその点に置いても 大きく異るものがあります日本の漫画作品掲載の形態が欧米に比べ独特なのは明治時代中期に文学と評論が共に掲載された「国民之友」「太陽」「中央公論」などの 定期刊行雑誌が人気を博し連載された小説を後にそれぞれ単行本にして纏めて発表する形態が定着したという日本特有の出版の歴史と多くの作家を抱えた人気大手出版社が印刷と流通を抑えて出版物が物販されてきた事情からマーベルの様な企画から制作まで行うタイプの出版社が後から参入して来たとしても作品を発売出来る環境を有するのが困難を極めた為単体作品の冊子販売が 同人誌の様な形でしか定着しなかったという日本の出版における文化的側面が大きい理由の様に思われます■□日本に倣う近年のアメコミアメコミの形態の利点としては日本の漫画の様に一人の作家が版権を持つ事が無い為 何よりもまずライターや作画スタッフを変えながら永久的に作品を続けられる事が上げられ又、別作品のキャラクターが一同に介するクロスオーバー作品が容易に実現出来る所にあると思います一方で作品の作家性が希薄であるという問題があり回によって完成度のバラ付きが現れるという大きな欠点があります近年では一人の作家が原作作画の全てを担当し日本のコミックスの様に単行本の様な形で作品を発表する「グラフィック・ノベル」の人気が高まって来ている様でこれは日本のアニメーション人気と並行してドラゴンボールの様な 日本のコミックが欧米に進出して高い人気を得た事と同じ作家がコミックを執筆する事で物語や作画の質や世界観が統一される所に読者の支持が集まった事が考えられ日本のコミックの様式が欧米文化に浸透した事が大きな理由と思われますその為従来のアメコミ形態の販売が落ち込む現象が起こっている様ですが業績不振企業が合併によって巨大企業となって生まれ変わりトップに返り咲くと言った事が世の流れの様に人気作品のキャラクターが一堂に会するクロスオーバー策を取り作品を全く別の作品として生まれ変わらせたり自身の企業も現在躍進中のディズニーピクチャーと吸収合併を遂げディズニーの巨大なマーケットを利用しての展開を可能にさせるなどここ数年マーベール作品が大躍進を遂げたのは従来のビジネスが通用しなくなった御国事情からの逆境を踏み台にした成功例と捉える事が出来非常に興味深いものがある様に思われます△▼△▼△という訳で今回はマーベルスタジオ制作作品の10作目となったスペースオペラの傑作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』をご紹介しますそれでは今回も始めましょう-STORY-幼くして地球から誘拐されたピーターは今や宇宙をまたにかけるプレイボーイのトレジャーハンター。自ら“スター・ロード”と名乗り、どんなピンチも持ち前の悪知恵と度胸で乗り切ってきた。そんなある日、ピーターは強大な力を秘めたパワー・ストーン“オーブ”を手に入れる。しかしそのせいで、銀河存亡を懸けた戦いに巻き込まれてしまうピーターだったが…。-解説-これまで20世紀FOXやコロンビア映画などと手を組み映画制作をして来たマーベルスタジオが単独で制作をして来た作品の1つでマーベル・シネマティック・ユニバース 第10弾として制作されたSFアドベンチャー超大作 スペースオペラです総製作費170万ドルという巨費を投入した超大作ながらならず者が銀河を救う荒唐無稽なアクション活劇というやり尽くされた感のある激戦区の様なジャンルに敢えて切り込んで来た作品ですが冬にスター・ウォーズエピソード7を控えたウォルト・ディズニー・スタジオがその前哨戦として制作した様な優位性と話題性を最大限利用しての公開という感があります実際 既に9作もの大ヒット作を出して来たマーベル・スタジオが制作し記念すべき10作目にチョイスした企画としては日本はおろか本国アメリカに至っても殆ど知られていない漫画原作の映画化でありこれはブラッカイマー制作作品が間違いないと言った類の実績がヒットを出す事を念頭に置いた公開前から大ヒット間違い無しという確信犯的な企画作として生み出された作品で敢えて知られざる原作を持ち出して「パイレーツ・オブ・カビリアン」の様なエンタテインメント性の高い新たなシリーズ化を狙った映画化なのだと思われます■□本作はスター・ウォーズの様な重厚な群像劇作品では無く幼い頃宇宙海賊に拉致誘拐されトレジャーハンターとなったピータ・クイルこと〈スター・ロード〉を主人公に頭脳の要で凶暴なアライグマの〈ロケット〉に不思議な力を持った樹木型宇宙人の〈グルート〉敵から寝返った美しき暗殺者〈ガモーラ〉に妻子を殺された復讐に生きる戦死 〈ドラックス・ザ・デストロイヤー〉というチームを組むには余りにも噛み合わないキャラクター達が「マイティ・ソー・ダーク・ワールド」のラストに出てきた強大なパワーを秘めたインフィニティ・ストーンを巡って宇宙の存亡を掛けた大冒険に繰り出す荒唐無稽なSFアクション活劇ですしかしながらこの手の作品にありがちだった笑いも覚めていればテンポも悪く尚且つ話も面白くも何とも無いという80年代に量産されて来た企画作とは完全に一線を画しシリアスな部分とコメディーの部分が良いバランスで共存しスケールも大きくアクション活劇としてのテンポも良い丁度 日本の「踊る大捜査線」の様なドタバタ騒動の笑いをテンポ良く交えながら 手に汗握る活劇を愉しめるエンタテインメント作品として仕上がっております【カセット・ウォークマンが奏でる70年代ヒット曲】本作で最も重要なポイントとしては70年代ヒット曲を挿入歌として使っている点でしょうしかも壮大なスペースオペラを引き立てるのが主人公スターロードが肌身離さず持っている母の形見のカセット・テープ・ウォークマンに収録された音楽というのですから往年の洋楽ファンの琴線をくすぐる 確信犯的な憎い演出と言えます以下が収録曲になるのですがご覧の通り 曲名だけでは分からないが聴いてみたら聴いた事があるというタイプのいわゆる 『一発屋』 ソングのオンパレードです全米ではサントラ盤が発売されたとたん1週で11万枚のセールスを記録し新曲では無く 過去曲のコンピレーションアルバムをサントラにしてビルボードランキングの一位を飾ったのは史上初の快挙との事でした『サウンド・トラック収録曲』10cc - 愛ゆえに(アイム・ノット・イン・ラブ)レッドボーン - カム・アンド・ゲット・ユア・ラブ(1974)ラズベリーズ - ゴー・オール・ザ・ウェイ(1972)ブルー・スウェード - ウガ・チャカ(1968)ルパート・ホルムズ - エスケイプ(ザ・ピニャ・コラーダ・ソング)(1979)デヴィッド・ボウイ - 月世界の白昼夢 (1972)エルヴィン・ビショップ - 愛に狂って (1976)ザ・ランナウェイズ - チェリー・ボムザ・ファイヴ・ステアステップス - ウー・チャイルド (1970)マーヴィン・ゲイ & タミー・テレル- エイント・ノー・マウンテン・ハイ・イナフ(1967)ジャクソン 5 - 帰ってほしいの(1969)ラズベリーズと言ってもピンと来ない方はエリック・カルメンがボーカルと言ってもピンと来ないのでしょうからそういう方は置いていくとして・・・wつまり そういう曲を聴いて青春を送った世代の方にとって想い出が蘇るストライクな選曲という訳です☆ブルー・スウェード の 『ウガ・チャカ』などはCMでもお馴染みの曲なので耳にした事があると思いますどうしても「ウガチャカ♪」という奇妙なイントロが耳に残る曲ですが80年代のリゾートブームでリバイバルヒットするタイプの主題部分は非常にトロピカルな南国ムードたっぷりの曲になっている所が注目すべき点です☆そして 悪と戦う為 遂に全員が一丸となって出撃するシーンではザ・ランナウェイズのチェリー・ボムを使用し他でも、日本でも有名なルパート・ホルムズの『ヒム』では無くてコチラの曲をチョイスする所が A級では無くタランティーノ的 B級選曲の妙を感じる所でしょう☆★楽天エンタメナビランキング★「壮大な冒険を彩る70'sHitsの数々」※リンク先の 参考になった ボタンは ランキング用クリックボタンです■■■ 楽天市場 ■■■映画冒頭の「I'm not in Love」にヤラれます(T_T)[CD]ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシーオーサム・ミックス VOL.1 [輸入盤]価格:1,614円(税込、送料別)
2015年03月17日
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- 新作映画レビュー -2014年公開 ハリウッド版ゴジラ第2弾GODZILLA ゴジラGodzillaアメリカ(2014年)123分■ 監督 ギャレス・エドワーズ■ 出演者 アーロン・テイラー=ジョンソン/ 渡辺謙/ エリザベス・オルセン ジュリエット・ビノシュ/ サリー・ホーキンス70年~90年代を中心に 映画レビューを更新する当サイトですが今回は久しぶりの『新作映画レビュー』をお送りいたします新作映画紹介は2013年09月27日更新の『スター・トレック・イントゥ・ダークネス』以来ですので我ながら本当に映画を映画館で観に行かなくなったものだと思いますが新作映画レビューは他サイト様にお任せするとしてw当サイトは『面白い、面白く無い』『良い、悪い』という主観的な解釈と現代の感覚で語られる価値観を一切排除し何を描いているのかという製作者の主旨と当時の時代背景を考慮して些か独断と偏見の入り混じった独特の解釈と切り口で旧作映画を解説する方針で運営しておりますという訳でハリウッド版としては98年のローランド・エメリッヒ監督作『GODZILLA』から16年振りとなり2004年の『ゴジラ・ファイナルウォーズ』からは10年ぶりとなった日本からも渡辺謙の出演で話題となりました『GODZILLA ゴジラ』をご紹介します☆-STORY-1999年、フィリピン。採掘現場の調査にやって来た芹沢博士が謎の巨大生物の痕跡を発見する。同じ頃、科学者のジョー(ブライアン・クランストン)とその妻サンドラが働く日本の原子力発電所が謎の大振動に見舞われ、深刻な放射能事故が引き起こされてしまう。15年後。ジョーの息子フォード(アーロン・テイラー=ジョンソン)は米海軍に所属し、妻と息子とサンフランシスコで幸せに暮らしていた。そんなある日、父ジョーが立入禁止区域に侵入して逮捕されたとの知らせを受け、急ぎ日本へと向かうフォードだったが…。-解説-■ 今回は吹き替え3D 版を鑑賞しました手前まで飛び出してくる様な、極端でチープな3D効果は控えてあくまで景観としての奥行きを感じる様な 自然な立体視を感じる観賞でしたので途中から3Dという事を忘れてしまう程の、過剰なサービスは避けた画面作りが好感を感じる観賞後感でした☆■吹き替えに関しては、出演の渡辺謙は自ら吹き替えを担当した他は主な主演俳優には声優を起用した吹き替え版となりましたが話題作りと付加価値の為に、毎回ジョーカーの如く人気女優を吹き替えとして担当される枠は本作にも導入され(笑)主役の妻役 エルに、金城一紀原案『BORDER 警視庁捜査一課殺人犯捜査第4係』で女性検視官 比嘉ミカを演じたファッションモデル出身の人気女優、波留が担当しエイリアンシリーズ最新作『プロメテウス』での棒読み女王振りを遺憾なく発揮した人気女優 剛力彩芽の時と同じ既視感を感じる2時間となりましたWWW俳優と声優の表現法の差とも取れますが渡辺謙の吹き替えが、何の問題も違和感も無く素晴らしく重厚であった事を考えますと俳優の資質である演技における『語り口』と『口調』は似て非なるものである事が理解出来る今回の吹き替え版の鑑賞となりました。■さて、98年のエメリッヒ版は無かった事として、リセットされ心機一転制作されたハリウッド版ゴジラでしたがエメリッヒ版同様に、核実験のフィルム映像から始まる東宝ゴジラをリスペクトした導入となりました戦争の爪痕と高度成長を危惧する警告として制作された54年の第一作のテーマを拡大解釈をして自然をコントロールしようとする人間の傲慢さを破壊するのが今回のハリウッド版ゴジラのテーマだった様に感じる観賞後感でした余りハッキリと書きますとネタバレの恐れがありますのでボヤケさせて解説しますがw今回ゴジラを自然の摂理の一部として捉え自然の摂理に逆らった巨大エネルギーによって誕生したモノを排除に向かう存在として描いておりこれは、95年『ガメラ 大怪獣空中決戦』での基本設定そのままであり平成ガメラシリーズを知らないアメリカ向けの、確信犯的演出なのか2010年のSF映画『モンスターズ/地球外生命体』を制作し怪獣の擬人化を避け、日本の怪獣映画を愛するギャレス・エドワーズ監督のリスペクトからなのか、定かではありませんがw主人公達を脚本の面白さを際立たせた、立ったキャラクターにして積極的に物語に投入させたエメリッヒ版とは異なり電気に依存している現代社会において、電磁パルスで電気機器を無力化させるモノの前に軍の戦闘機器や戦闘機は為す術無く使用不能に陥り都市は麻痺し破壊され人間が団結して事に当っても、圧倒的な破壊力の前に無力を晒す様に描きスティーブン・スピールバーグ監督作(05)『宇宙戦争』の様に状況に巻き込まれて行く主人公の視点で物語を進行させ映画本編の画面視点をことさら(08)『クローバーフィールド/HAKAISHA』の様なPOV視点に定めたのも正義の味方のゴジラが悪い怪獣をやっつける、という様な旧来の擬人化された怪獣映画として描くのでは無くオゾン層破壊や地球温暖化などが引き金に引き起こされるエルニーニョ現象や巨大台風や竜巻、地震、津波などの震災の様な天変地異を現代の科学力を持ってしてみれば、どんな自然災害に遭っても被害を避け、コントロールする事は可能だと豪語し万全の策を持って備えていれば安全だと高を括るそんな思い上がった人間の想像の遙か上を行く自然の猛威として破壊を描いた所に 本作の狙いがあった様に感じました日本のゴジラ映画の『ゴジラ2000ミレニアム』でもゴジラを自然現象の一部として捉えヤン・デ・ボン監督のヒット作『ツイスター』を思わせるプロットが登場しましたがこちらは未消化の印象が強い作品に終わりました当サイトがゴジラ映画の解説を通して一貫して語って来た怪物を誕生させる人間こそ真の怪物であるというゴジラ映画の真のテーマに対して自然の摂理や猛威の象徴としての意味も含まれる怪物にレーザー光線やメカロボットの様なテクノロジーを使って対決させようとする図式そのものが結果として、ゴジラ映画の理念と大きく外れる事となった所に日本のゴジラ映画衰退の理由の一つがあると思われました本作は一方で、平成ガメラシリーズのプロットと同じとしながらも平成ガメラシリーズの様な脚本的情報量は一切無く情報量の多い、緻密で説得力のある圧倒的迫力の映像に対し物語の根幹を成す様々な重要事項が只単に設定として一言のセリフのみで進んで行く様な脆弱な作りの為近年のハリウッドVFX超大作の特徴とも言える映像を支える内容はあっても薄さは否め無い作品と言う印象がありました又、作品が主人公の視点で物語が進み、その都度ディテールが明らかになって行くミステリアスなPOV視点を取りながら一方で、渡辺謙が怪獣の生態を何気にあっさり看破するなど、作品全体のディテールを解説する語り部が登場し積み上げて来たミステリー感を台無しにする様な演出の方針がまるで定まら無い散漫さが目立ち、映画に集中しづらい違和感がありましたこれについては、おそらく雇われた立場であるギャレット監督には責任は無く『エクスペンダブルズ』のデヴィッド・キャラハム『バットマン ビギンズ』『ダークナイト』のデヴィッド・S・ゴイヤー『ザ・セブンス・サン』のマックス・ボレンスタイン『アイアンマン3』のドリュー・ピアース『ショーシャンクの空に』のフランク・ダラボンという、名立たる脚本家が参加した脚本と言えば聞こえは良いですが実際には、デヴィッド・キャラハムの書いた脚本をデヴィッド・S・ゴイヤーが改稿しマックス・ボレンスタインが更に改稿しドリュー・ピアースがそれを改稿しフランク・ダラボンが更に改稿すると言う脚本家をたらい回しにされた脚本だったらしくこれというのも、プロデューサー陣の意見が一致せず巨大予算が動く超大作にありがちな、資本者が増える事で口出しする人間も増えると言う制作サイドとスタジオ側の方針が定まらない為の錯綜だった様ですこれによって豪華脚本家参加による期待感は一掃され、新鋭監督起用の不確定要素に加え最終的な改稿をしたとされる(※多分)フランク・ダラボンのインタビューも『第一作目の伝統的な視点』『素晴らしい人間ドラマ』『今までに無い』と自画自賛なコメントが 逆に不安を後押しして通常何度も改稿された作品に一貫性は無く、駄作の代名詞として大ヒットの機運は一転して駄作への危惧一色となって行くのでしたw確かにダラボンの言う伝統的視点と人間ドラマは、映画に反映されておりますが今までに無いと言うのが、もしも『平成ガメラシリーズ』的自然論であるとするならばガメラ未見のアメリカ側から見ればともかく、ゴジラ発祥の地の日本の映画ファンにとってすれば20年遅いプロットと言わざる負えない残念感が残ります・・・wともあれ、一貫性が危惧された脚本も、大きく破綻する事が無かったのもギャレス監督による演出力による所が大きく緻密に構成された大迫力の映像はそれだけでも見る価値はあり夏休みに愉しめる映画の一つとして オススメ出来る作品だと思いました☆GODZILLA[2014]【Blu-ray】 [ アーロン・テイラー=ジョンソン ]価格:2000円(税込、送料無料) (2016/12/16時点)『本当は東宝ゴジラシリーズよりも何気に「どうでしょう軍団」が出ている平成ガメラシリーズの方が好きなんだよっつココのブログ主はっつ!!!』S.H.MonsterArts モンスターアーツ ゴジラ(ゴジラVSシリーズ) バンダイ 価格:11,580円(税込、送料別)【Blu-ray】平成ガメラ BOX価格:10368円(税込、送料無料) (2016/12/16時点)
2014年07月29日
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リメイク・ブームに制作された、当時のアメリカ社会を象徴するモンスター映画GODZILLA ゴジラGODZILLA1998年 アメリカ 138分■監督 ローランド・エメリッヒ■出演 マシュー・ブロデリック/ ジャン・レノ/ ハンク・アザリア マリア・ピティロ/ ケヴィン・ダンブームと言うものはいつか弾ける バブル の様なもので1990年代から2000年にかけてのアメリカは、いわゆる ドットコム景気 でIT企業への投資が活性化していた時期でGDP が増加し インフレ は押さえられ 景気は上昇する中にありましたがITバブル崩壊で、株式市場は急激に落ち込みます又、2001年から 空前の住宅ブームが起こりサブプライムローンと呼ばれる、低所得者層への住宅購買用資金の高利貸しで返済不可能になる者が出る事を承知で どんどんお金を貸しては銀行は債権を発行してお金を補充し高額の金利で儲けを得ておりましたというのも、返済不能者が出ても 担保となった住宅を差し押さえて売れば買った時より高値が付く状態だったのでむしろそれを狙って貸し付ける様な半沢直樹 に倍返しされ 土下座をしなければならない様な呆れた銀行もあった程で正に浮かれた景気の中に 国内は包まれておりましたやがてブームは去り バブルが弾けて 差し押さえた住宅は下落しリーマン・ショックで 銀行は100倍返しされる目に遭うのですが怪物の断末魔の様に 咆哮しながら最終回で土下座をした 香川照之 の様に世界中が アメリカの金融 という 怪物 が倒れるのを目撃した瞬間でもあるのでしたそのバブルが弾ける10年前、好景気にあった国内での ハリウッドではというとリスクの高いオリジナルの企画を嫌い作れば確実にヒットし、極めてリスクの低い リメイク企画が横行しここでも空前のハリウッド・リメイク・ブームが起こっておりましたこのハリウッド版 『GODZILLA ゴジラ』も その流れの中で制作された作品ですが日本のゴジラが ミサイルを受けながらも倒れる事無く高度に発展した都市を破壊しながら練り歩く姿がリスクを恐れない団塊の世代の 気骨 を見る様でもあり発達し過ぎた文明に対する恐怖の 象徴 でもあり文明と経済の高度成長への 警鐘 の意味があった事に対してハイリスクを嫌い、好景気に浮かれた中で制作されたハリウッド版ゴジラの姿は 日本版とは似ても似つかない元は爬虫類が巨大化した生物のフォルムをしており危険を察知すると生物的勘で素早く逃去る事が出来る長い足を持ちミサイルには当たる事無く 見事に避けて、アメリカ軍を罠にかける 狡猾さを持ち安全な場所に隠れ、無数の卵を産んで 種を残そうと画策しながらも結局 普通にミサイルでやられる脆弱性を併せ持つ と言った攻撃が最大の防御を実践する 訴訟国アメリカの姿を見る様な造りで正に リスクを避け、相手を出し抜き、高利益を優先し、資産を拡大する怪物の様に巨大化した、調子に乗った当時のアメリカ社会を象徴し形にした様なその後、弾ける バブル を予感させる造りになっている所が今観ると とても興味深く感じます近年のハリウッドアクション超大作が中身を感じない漫画のような作品が乱立するのも本作以降制作された作品が 大ヒット作を形ダケ模倣する特徴的な流れの様に感じ興行的に失敗する作品が多くなって来るとブームが限界点に達した事を察知したのかその後ハリウッド超大作は 童話ファンタジー作へスライドさせる安全策を取る動きが目立って来た様に感じます思うに、映画で描かれる 怪物 とは世を映す 鏡 のような存在であり元は小さかったものが膨らんで巨大化した やがて弾ける バブル そのもの と言える存在なのかもしれません☆という訳で、来月7月25日の ハリウッド版としては2作目となる 『ゴジラ』 公開を控えてハリウッド版 前作にあたる 98年公開 ローランド・エメリッヒ監督作『GODZILLA ゴジラ』をご紹介します- STORY -タヒチ沖で海難事故が続発する一方、パナマの丘陵地帯で巨大な足跡が発見される。調査にあたった生物学者ニックは、これが核実験の影響で誕生した新種の巨大生物ではないかと推測。長雨に曝されていたニューヨークへ突如、その生物-ゴジラ-が現れた。ニックはこの巨大生物がマンハッタンに巣を作ろうとしている事を突き止めるのだが……- 解説 -着ぐるみをメインとした日本版に対して、CGをメインにして巨額の制作費をかけ制作されたハリウッド版らしい エンタテイメント性を重視したモンスター映画です監督は『インデペンデンス・デイ』の ローランド・エメリッヒ爬虫類たちの姿をバックに不穏な雰囲気が高まりハリウッドのゴジラは 恐竜の生き残りではなく巨大化した爬虫類だと言う事が 分かるオープニンで幕を開きます穴だと思ったら巨大な足跡の名場面などオリジナルでも描かれたものを更に大仕掛にアレンジしたシーンや座礁した船に残った巨大な爪あとの場面に釣りをしていたら海が盛り上がる登場シーン、ニューヨークの街に現れる直前 巨大な振動で車や歩行者が飛び上がる場面など大仕掛な演出を得意とするエメリッヒらしい ミステリアスな画面がゴジラ登場までの 期待感を高めます物語は ニューヨークに出現したゴジラを退治するまでが描かれフランスの機関から派遣された謎の人物を演じた ジャン・レノと共に 主人公達とゴジラとの、壮大な追っかけっことなるクライマックスへと流れて行きますどちらかと言えば 明るめのタッチの作品なのですが『ランボー2』 でも見せた フル装備で最強を誇るアメリカ軍の軍用ヘリがまるで刃が立たず、ハエの様に叩き落とされ、潜水艦もまっぷたつにされるなどニューヨークのデザスターシーンでもゴジラが貫いた穴が開いてもそのまま建っているビル、といった様に全てが漫画の様に描かれながら、リアルに人が死ぬ描写が無いのはレイティング・システムの厳しいハリウッド映画で12歳以下の世代の客層を得る為の 大ヒットを見込んだ演出と思われます■ 烏合の衆のニューヨーク市民に 特ダネしか頭にないマスコミや保身と選挙の事しか考えない市長にまともな作戦も立てられない アメリカ軍などアメリカ社会を 漫画の様に描いた稚拙さやマディソン・スクエア・ガーデンで 無数の卵を産みミニラならず ミニ・ゴジラの大群に追われリアル志向で描かれた一作目の日本のゴジラに無い実にアメリカらしい 物量的展開に 違和感を感じるファンの方も多くそれらが批判の的にされ映画としての評価も分かれ、ゴールデンラズベリー賞(最低映画)最低リメイク賞を受ける作品となりました一方で、日本のゴジラ映画が平成に目指した様なエンタテインメント要素がふんだんに盛り込まれユーモラスがバランス良く配置された誰もが愉しめる娯楽作として作られておりアメリカがCGを用いて 初めて本格的に制作したモンスター映画として評価するべき作品と言う見方もあります■ 本作をモンスター映画と評価するならば、そもそもゴジラは必要あったのかという意見もありますがそれ故に、ハリウッドでオリジナルの企画が立ちにくい風潮で怪獣映画 を制作する必然性をリメイク作に求めるという業界の体質が問題なのであり故に見方を変えて、既にあるものをアレンジして発展して来た日本の特徴を ハリウッドが習ったと考えれば黒澤明以来 ハリウッドが日本へ返した返事と捉える事も出来本作は 続いて (02)『ザ・リング』の様な展開に繋がった邦画にとって転機となった作品と考える事が出来る事からもゴジラは日本が世界に誇るコンテンツの一つであり本作は日本が世界に進出する新たな一歩を迎えるきっかけとなった記念すべき作品と 言える様に思いました☆【敷居の高さを見せ付けるゴジラ】リスクの高い オリジナル企画は鳴りを潜め他国で作られた作品のリメイク作ラッシュの動きの中で制作された映画の一つですが他の作品が、本国でのヒットの実績からアメリカでのある一定の興行収益を見込んだヘッジファンド的企画 だったのに対し本作はオリジナルへの強固な思い入れと 根強いファンの批判を考慮して多くの者が二の足を踏んだ、映画人にとっては鬼門の作品となり実に10年もの間 様々なプロデューサー、監督の中でたらい回しになった 企画でもありました最終的には ID4のヒットメイカー、ローランド・エメリッヒがメガホンを取りますが、それも決して平坦な道ではありませんでしたエメリッヒが 4度断ったオファーを受けたのはゴジラファンには不評のイグアナの様なフォルムのゴジラのデザインを見てからでむしろこのデザインがあったからこそ、可能性が見えたと言いますゴジラ映画に対する各界の期待は それ程巨大過ぎるものがあり結局どう作ろうと批判は回避出来ないという実状がこの話から見えて来る様でした★★★ 楽天エンタメナビ ランキング ★★★ 「当時のアメリカ社会を象徴するモンスター映画」※リンク先 参考になった は、ランキング用クリックボタンです。楽天市場『ゴジラの大ファンで知られるスティーブン・スピルバーグはこの映画を見て「二度と作るなっつ!!!」と激怒したらしいけれど結局スピールバーグが作っても、こうなったんじゃないのっつ?』GODZILLA60周年記念版【Blu-ray】価格:3,807円(税込、送料込)
2014年06月27日
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極端なまでに現実離れした風刺が効いた ユニークなヒーロー映画ロボコップRoboCop1987年 アメリカ 103分■監督 ポール・バーホーベン■出演 ポール・ウェラー、ナンシー・アレン、ロニー・コックスカートウッド・スミス、ミゲル・ファーラー.........................................................................................................ウルトラマン・シリーズ、仮面ライダー・シリーズ など夢と希望と勇気を与えてくれた 様々な特撮ヒーロー番組は放送開始から今日まで 日本の子どもたちを TVに釘付けにする程の人気を博してきましたこれらの日本の特撮作品は 海外でも人気作であり時には熱狂的なブームを作る事でも しばしば話題になりました映画作品で特殊効果を利用して撮影する時に使われて来た『特撮』という言葉は海外の超大作映画の時に使用される SFX、VFX という言葉に移行されだんだん使用されなくなって行く一方で日本の特殊効果の伝統技術である ミニチュア、着ぐるみ作品を指す言葉へと変わって行きました本作は、日本の特撮戦隊作品のオマージュ的映画としても話題となった『トータル・リコール』『氷の微笑』の ポール・バーホーベン監督の大ヒット作で代表作でもある 『ロボコップ』をご紹介します- STORY -近未来のデトロイト。犯罪の多発するこの地域では、警察の経営が民間の巨大企業オムニ社に委ねられていた。ある日、オムニ社は凶悪な犯罪を激減させるため、重装備の大型警察ロボットを開発。これは失敗に終わるも、サイボーグ警官ロボコップの製造計画に着手する。そんな中、地元警官のマーフィは女性警官ルイスとコンビを組み、クラレンスら強盗一味を追跡していた。だが、逆に一味に取り囲まれ、惨殺されてしまうマーフィ。しかし、彼の遺体はオムニ社へ回収され、やがてロボコップとなって復活する…。- 解説 -■2013年にリメイクもされた 1987年制作のポール・バーホーベン監督作品で近未来 SFポリス・アクション映画です本作の特徴は 非常にアクの強い演出で有名だったバーホーベン監督の極端なまでに誇張され、滑稽なまでにアメリカ社会の風刺を描いたその作風にあります本編中 殊更ギミックのニュース映像や架空のCMが流れるのもその特異な世界観に鑑賞者をスムーズに引き込む為の演出で当時本国で物議を呼んだ 突き抜けた過激なバイオレンス描写が日本でも話題になりましたがソコだけが突出していた訳でも 浮いていた訳でも無くむしろ上手く映画に馴染んでいた程で本作は いわゆる 『怪作』 ではありますがプロットが弱く アクだけが強烈に残る、後期の監督作と比べますと作品の内容と共にバランスが取れていた点でも、 非常に興味深い作品と言えます■現代のゲームCG画面で刺激の強い映像でなれた世代に取ってはバーホーベン監督のアクの強い演出のバイオレンス映像を見た所で悪趣味と感じても もはや大した刺激とは言えない 20年以上も前の作品ですが本作の醍醐味はそこにあるのでは無くスター・トレックの様な 近代的に描かれたSF作品の未来像に対して当時のアメリカ社会の現状を描く事で、 ポストモダンとも言える新旧の感覚が共存した形で 近未来を描いた所にあります一つは 低予算作品を効率よくSF作品に仕立て上げる為の着想としてもう一つは ロボット警官が悪を叩くという観客層枠を低年齢化させる内容にするしか 道が無い様な発展性にも話題性にも欠ける元々の企画に当時のアメリカの世相を戯画的に織り込む事で 一気に客層を引き上げる目算もあった様に思われます■日本の戦隊特撮番組の黎明期に作られた(82)『宇宙刑事ギャバン』のデザインを引用したと言われるロボコップこと 正義のヒーローが叩きのめすのが悪の秘密結社ではなくて、アメリカ経済の仕組みを悪用する 企業のトップ達と言った様に本作は客層を子供から大人へと引き上げる 現実的思考を柱として作られました本作が公開された当時のアメリカの世相はソ連のゴルバチョフ書記長が訪米し 中距離核戦力全廃条約に調印すると言った様に崩壊前のソ連が本格的に競争原理を導入して企業の自主運営を認め世界経済に参入するという2つの大国が冷戦を終結させ、戦いは 軍事行動から経済制覇へと移行して行った大きな転換期を迎えた時期で中国では 天安門で大学生がデモを行い日本では 旧国鉄が分割民営化を行い JRが発足する様な国営確実性神話が崩壊して行った風潮の中一方でNTT株が上昇し空前の財テクブームが引き起こるというバブルの時代でもありそれまで 銀行がディズニーカレンダーを作るにも国に伺いを立てていた位だったという程超過保護な日本の体質が 自立を余儀なくされた 世界的にも激動の時代でした日本のゴジラが 当時の世相を象徴するモノを叩き壊すのが一つの売りだった様にハリウッドのヒーロー達も、同様に挑む構図は 変わり無いのですが軍隊を運営する民営の企業がアメリカ軍へ兵士を派遣する時代に警察が民営化された未来で、それを運営する企業の権力欲に取り憑かれたトップを悪に据えるというアメリカにとっては十分有り得る未来像を設定として選んだのは自然な流れでむしろブラック・ユーモアな切り口で 現実感を浮かび上がらせる演出は真正面から生真面目に描く事よりも 有益な方法としてほぼ 確信犯的に取られた手法と言えます■稚拙な位に物語を極端化させて、場面に不釣り合いな演出を施し一見するとコメディーに見える様な場面が多々ありその描写が余りに戯画的に徹底されている為 一般的な価値観で観賞しますと非常に馬鹿げた描写に満ちた 視聴に耐えない作品に感じられると思いますが実はこれが本作の一つの鍵になっている様に思います極端に風刺の効いた作品を アクション映画として成立させる為にアクションの要となるバイオレンスシーンを現実離れした過激さで描く事で一種の 滑稽 を生み出し、これによってコメディーに見える場面はこれらの場面と違和感無く共存させる 手法としての演出だと言う事が分かりそのバランスは特筆するべきものがあると言えます映画そのものに違和感を感じる方には おかしな話なのですがそもそも 銃社会であるアメリカが当時抱えていた 様々な社会問題そのものがどう遠回しに表現しても 熾烈で過激なものであった以上ボーホーベンが語る様に 撃たれた所を見せない様な演出をするバイオレンスには表現としては意味が無く、まして それらをあり得ない描き方をして笑い飛ばせない様な世の中は真の意味で 健康的な社会とは言えないのかもしれませんこれらの事を念頭に置いて本作を鑑賞すると 又別の意味が見えて来て本作を単なる 怪作 としてだけでは無い、アメリカが抱える問題が見え隠れする一つの鏡として、興味深く観る事が出来る作品の様にも思いました☆【くだらなさに脚本を床に投げ付けたバーホーベン】・・・というのは有名な話ですw本作はアメリカ中の監督をたらい回しされ断り続けられた企画で当時 国営の保守的なオランダ映画界で 表現者として上手く行っていなかったバーホーベンに話が行き ようやく映画化に漕ぎ着けた作品でした妻に諭され監督をOKしますが、図らずしも 表現者として行き詰っていたバーホーベンの突破口となる話でもあったのです【デザイナーと揉めて撮影が夏へずれ込む】プロダクション・デザイナーのロブ・ボーティンは当初ジャッジ・ドレッドの様なデザインを考案し頭の中にあったイメージが SF映画の名作(1927)『メトロポリス』のロボットマリアの現代版だったと言いますが日本のアニメなどを参考にした 新たなデザインを構想していたバーホベンには既存のデザインの焼きまわしに感じたロブのデザインには不満でしたこの見解の相違はその後も尾を引いて、スタジオ中を巻き込んだ論議へと拡がって行き最終的にはスタジオが折れる形となりようやくロボコップのデザインが決まりますがこれによって撮影が2ヶ月遅れる事になり主な撮影の季節は映画人が最も嫌う 夏へと雪崩れ込んで行きスタッフ達は灼熱のスタジオ内での作業に 苦しまされるのでしたバーホーベンは全ての元凶は自分にあると苦笑しながら語りデザイナーのロブは悪の枢軸の自分と口も聞いてくれなかったと話しましたがその後ロブが撮影に姿を表さなくなったのは制作そのものに対しての不満の意と言われていますが猛暑の中、高温と湿度で酷い状態のスタジオで作業を強いられたスタッフに対し撮影を遅らせる原因を作った 責任の一旦を感じての 顔向け出来ない意味も含まれていたのかもしれません..........................................................................................................『3作目には主演のピーター・ウェラーはスケジュールが合わず降板した となっているケド本当はもう出たくなかったからじゃないのw』【中古Blu-ray】 ロボコップ ディレクターズカット価格:1540円(税込、送料別) (2022/8/11時点)
2014年05月10日
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実現不可能と言われた壮大な企画を映像化トータル・リコールTotal Recall1990年 アメリカ 113分■監督 ポール・バーホーベン■出演者 アーノルド・シュワルツェネッガー /レイチェル・ティコティン /シャロン・ストーン マイケル・アイアンサイド/ロニー・コックス古来、忘れた頃にやって来るものは有難いものもあれば、有難くないものもありますがこれは 後者に近いかもしれません、久しぶりのリクエスト特集です(爆)今回は パパメイアンさん、 レトロ(^^)さん からのリクエストで2012年に コリン・ファレル主演でリメイクもされた最も脂が乗っていた時期の アーノルド・シュワルツェネッガー 主演の当時は実現不可能と言われた 壮大な企画を映像化した痛快娯楽SF超大作 『トータル・リコール』 をご紹介します- STORY -西暦2084年。火星の夢にとりつかれた一人の技師が、夢による疑似体験を受けようとした事から何者かに命を狙われ始める。今の記憶が植え付けられた物である事を知った男は本当の自分を探すため火星へ飛び立つ……。- 解説 -アーノルド・シュワルツェネッガーが最も脂が乗っていた時期の代表作で空前の巨費をかけて制作された SFアクション超大作です『ロボコップ』 で注目を浴び『氷の微笑』で シャロン・ストーン を世に送り出したポール・バーホーベン監督 の代表作でもありますCGが全盛になる以前の作品ですが本作は 80年年代に登場した SFの新しいジャンル『サイバー・パンク』 のその生みの親と言われハリソン・フォード主演 リドリー・スコット監督作 (82)『ブレードランナー』 トム・クルーズ主演 スティーブン・スピルバーグ監督作(02)『マイノリティー・リポート』マット・デイモン主演 (11) 『アジャストメント』などの作品の原作者 フィリップ・K・ディックによる夢と現実が分からなくなるという 白昼夢を描いた代表作の短編小説『追憶売ります』 を脚色した当時映像不可能といわれた ハリウッド10大シナリオの一つダン・オバノン の奇想天外な脚本を公開当時史上最高の制作費をかけて作られた事で話題となった作品でアカデミー視覚効果賞を受賞した 特殊効果と、一場面ごとに作られたという圧倒的な巨大セットで撮影された怒涛のアクションシーンが見もののSF超大作です当時の最高水準の合成技術を駆使した絢爛豪華な映像が盛りだくさんです本作にはバーホーベン監督 の特徴である非常にアクの強い過激な描写が随所に出てきますが、シューティング・アクションのゲーム画面の過激なCG描写で慣れた今となっては火星のミュータントの若干衝撃のある クリーチャー・メイクやアクションシーンでの残酷描写も過激描写という印象より、古き良き時代の特殊メイクという感じに受け取られるかもしれません本作は 夢と現実が曖昧な世界感を描いた 元祖的な作品でもあるので、それを考慮すれば、当時のハリウッド・エンタテイメントの最高穂だった演出を愉しむ事ができるでしょう主演のアーノルドシュワルツェネッガーは、今回生身の人間の役柄でしたがいつもの突き抜けるようなサイボーグ的なアクション画面は健在。ただ動きは若干重めで、これは 漫画ヒーロー的存在感が特徴のシュワルツェネッガーの映画の味なので切れよりも重量感を求めるアクション映画ファンの方 向きの作品と言えますほかにも当時話題になった鼻の穴から、ありえない大きさの追跡装置を取り出したり 格闘の末 手がもげたり気圧の違う火星表面に投げ出されて 目が飛び出すほど身体が膨張していく様な他の映画作品には見られない 突き抜けたユーモラスな描写が特徴のアクの強いバーホーベン演出を巨額な費用をかけて 苦悶の表情や残酷な描写を特殊メイクで再現した超大作と呼ばれる映画の中でも ハリウッド映画史上でも 稀なユニークな作品と言えると思いますこの辺りに本作の いまだカルト的な根強い人気がある理由があるのでしょう【国内の風潮に呼応した映画製作】労働者が夢を買って日々の憂さを晴らすというのはサラリーマンが飲んで憂さを晴らすという図式に他ならないのですがこの映画が公開された1990年代はソ連が崩壊して事実上アメリカが経済面で独占する形になる一方グローバリゼーションの影響で自由貿易をする国が拡がり文化と経済に囚われない貿易が増えた事により末端の労働者の失業が問題になっていた頃でした火星の支配階級が酸素の配給を独占し労働階級から搾取するという設定はアフリカ諸国で多国籍企業が その国で採取された鉱石を独占してその国の労働者を低賃金で雇い入れ搾取する図式に酷似しているあたりにこの映画の狙いがあるように思われます本作は 2012年に コリン・ファレル 主演でリメイクされておりますが今度は TPP を推奨する新たなる グローバリゼーション が拡がろうとする世の中に再び本作が最映画化されるのも 同じ狙いがある様に思われました90年にも反グローバリゼーションが起こったようにアメリカ国内でデモが起こるとこの手の映画の企画が浮上するというのも 非常に分かりやすいものがあります- プロダクション・ノート -【映画そのものが巨大な夢オチという噂の真意】全てが終わり、朝日が昇り画面が真っ白になるエンディングが夢から醒めた事を示唆しているという解釈について監督のバーホーベンは 『夢でした』 と言い切っておりますが制作者は 観る者に解釈を委ねると言う事で 真意が錯綜した事がありました映画の全権を握るのはプロデューサーであってあくまで監督は雇われる立場がほとんどのハリウッド作品に置いてはプロデューサーの意図が 映画の意図と考えるべきでしょうしかし 映画監督の言及を尊重したのか、VHS日本版には夢だったという日本独自の演出がラストに施されたバージョンがあるそうでこれが 当時ラストの解釈で揉めた 原因となったのだと思いますそういえば 昔、同じように ラストが観る者に解釈を委ねたラストで話題になった『氷の微笑』 という作品がありましたが、その時もVHS版をリリースをした時に 日本版特別編と称して犯人はコイツだという証拠で終わるラストをくっつけて終わりに バーホーベン監督の 日本向け解説を添えるというVHS日本版だけの独自のバージョンが存在しましたがコチラについても バーホーベン監督の言及をそのまま 形にしたリリースでした物議を醸すどっちとも取れる作品のモヤモヤが許せない日本人の器質がそうさせるのかこういった 完成した映画を特別編と称して 独自に編集するやりようはたとえ映画監督が絡んだものとしても、はっきり言って 無粋の極みではないかと思うのですがwこの記事の 『楽天プロフィール』 のつぶやきは >>こちら★★★ 楽天エンタメナビ レビュー ★★★ 「実現不可能と言われた壮大な企画を映像化」※リンク先 参考になった は、ランキング用クリックボタンです。■■■ 楽天市場 ■■■リメイク版の方はTSU◯AYA独占レンタルという事だが、これは要するに低価格化競争に負けてアチコチで店が潰された新手の腹いせなのかっつ!!!トータル・リコール【Blu-ray】価格:1,500円(税込、送料込)トータル・リコール(2012年版)【Blu-ray】 [ コリン・ファレル ]価格:1,500円(税込、送料込)
2013年11月01日
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映画史に残る スピルバーグ監督の最高傑作E.T.E.T. THE EXTRA-TERRESTRIAL1982年 アメリカ 115分■監督スティーブン・スピルバーグ■出演者ディー・ウォーレス/ ヘンリー・トーマス/ ロバート・マクノートンドリュー・バリモア /ピーター・コヨーテ-STORY-森の中に降り立った宇宙船の傍で地球の植物を調査する宇宙人達それを追跡する人間達の集団に遭遇する追跡を逃れ急遽地球を離脱した宇宙船には 地球に取り残された宇宙人が居たその森林から程近い住居では 少年エリオットが裏庭の小屋に潜んでいたその宇宙人”ET” と鉢合わせをする- 解説 -4月19日公開中の 『リンカーン』 を監督したスピルバーグの歴史的大ヒット映画です第55回アカデミー賞では作曲賞/ 視覚効果賞/ 音響賞/ 音響効果編集賞 を受賞しております映像の魔術師 スピルバーグ監督を世界的にした 大ヒットSF映画ですスピルバーグはSF映画の監督というイメージがありますがファンタジー系の『ジュラシック・パーク』『アメージングストーリー』 などを除きますと意外にも 01年の 『A.I』 まで SFは 撮っておりません■□本作は エイリアンと地球の少年の 心温まる触れ合いを描いた ファンタジーで映像作家スピルバーグの、映画のカラーが決定した 初めての映画です地球に取り残されたエイリアンを子供達がかくまって様々な困難や妨害を乗り越えて 宇宙へ返すという 単純な物語ですがアメリカ当局による国家的な陰謀が 不気味に描かれるプロットが加わる事で未曾有のサスペンス映画という側面を持った作品となりましたこの サスペンスとファンタジーが両立するのは巨大な陰謀の進行を予感させつつ多くを見せ無い様にして必要なプロットにのみ 的確にスポットを当ててサスペンス感を上げるスピルバーグ監督の類まれなバランス感覚によるものでしょう有名な、自転車のシーンに 感動するのもスピルバーグ監督ならではの 演出に理由がありそれが不当な行為だと分かっていながら 巨大な力に対して抗えないそんな無力さを 誰もが思い知る様な 場面で少年達が何とか逃げて欲しいと願う気持ちで 観客の想いが一つになった時少年達の友情の力と E.T.の起こす奇跡によってそれを鮮やかに打破してくれるので 私達は素直に心打たれるのです□■スピルバーグのファンタジーが 決して薄っぺらでは無く 感動を与えてくれるのもどれだけ時が流れても色あせる事が無いのも抵抗出来ない程の巨大な力に裏付けられた 重い現実をファンタジーと同時にしっかりと 描きそれを踏まえつつ私達が抱いている願いを 映像で叶えてくれるからなのでしょう□■■ 20周年特別版2002年には 『E.T.20周年アニバーサリー特別版』 が作られており『スター・ウォーズ 特別版』 同様に、いくつかのシーンをCGに差し替えて最新技術でフィルムをリマスターした決定版でした一部場面で変更があり、銃を持って子供達を追うシーンではCGで 銃を トランシーバーに差し替える処理が加えられました時代性を考慮した上での変更でしたがアメリカ同時多発テロ事件 の影響を考えた配慮からと思われました□■ 天才子役 ドリュー・バリモア主役の少年 『エリオット』 の妹役を子役時代の ドリュー・バリモア が 演じておりましたがこの女優は典型的な 『転落子役』 で学校では人気者になるどころか、人気子役 が付いて回りいじめに遭うなどで 通学も満足に出来なくなり学力が付かず 常識も身に付かなくなった挙句 夜遊びを覚え未成年にして 喫煙、飲酒果てはドラッグに手を出す様になり 自殺騒ぎを引き起こしすさんだ少女時代を過ごす事になりますこうなる原因の一端となった 母親と義絶してからは独立を目指し現在のドリュー・バリモアになるまで 壮絶な人生を歩んでおりました人としての情緒が形成される 少年少女期を芸能界の様な 華やかで欺瞞に満ちた世界で過ごした子供達が正常な生活を送れなくなるケースが多発してハリウッドでは 大きな問題として取り上げられております最近では ハリーポッターの出演者達が最も憂慮される事態となりましたがドリュー・バリモアのケースとは異なり学校側が 在学中に映画に付いて触れさせない様に生徒達に徹底させるなどの配慮が見られセレブの子供達に対しての明らかな 世間の意識の変化がありました■□ 撮影のエピソードさて、子役俳優の労働時間がキビシイのはハリウッドも同じでETでも 一日 4時間 という限られた時間を強いられる撮影となったそうですしかしスピルバーグは予定の撮影日数を4日も早く終了させていますその理由は、いつも通りの 克明な画面スケッチを描くストーリーボード (映画の筋通り撮っていく方法) に 頼らない撮影をしたからと言いますスピルバーグはこの時の事を『以前なら5ショット先の事を考え撮影に挑んだがこの時は、せいぜい 次のショットが頭にある程度。この映画の場合はそれで正解だった』と語っておりました主役のエリオットを演じた ヘンリー・トーマスは 中庸な少年を抑えた演技で見事に演じ、スピルバーグを驚かせました特に泣く演技では 『死んだ愛犬の事考えたら自然と泣けた』 との事でヘンリーに言わせると 泣く事よりも 笑う事の方が 難しいと語っていますこの様な 子役達が主演する映画を演出するのはさぞ骨が折れた事だろうと 想像する所ですが子供を描く事についてスピルバーグは『子どもとの仕事のコツは 大人風を吹かない事』 と答え『子供の成長は時代とともに変わる。 彼らを子供扱いした途端無視される一人前の人間として扱う事』 の様に語りました子供を主人公にした経緯としては故、フランソワ・トリュフォー監督の助言が大きく以前、『未知との遭遇』 で フランス人教授として出演した時『子供に向けた映画を撮るべき』 との言葉を 忘れずに居たとの事でした主人公エリオットは 両親の不和から離婚をした家庭の言わば 当時のアメリカの 珍しくない環境で育った典型的な 現代アメリカの男の子という設定でしたこれは 少年時代のスピルバーグととても似た環境にありこの作品では 両親の不和によって 心に 深い影を落としたエリオット少年が未知の宇宙人との交流を通して 人としての成長を遂げる 物語として描く事でスピルバーグ自身の少年時代の想いと 重ねて行った作品の様にも感じられました この記事の 『楽天プロフィール』 のつぶやきは >>こちら■■□ 楽天市場 □■■GWでも旅行先の車でビビっつ!!!ってキタ 人多いでしょ?E.T.コレクターズ・エディション [初回限定生産] [Blu-ray]価格:3,729円(税込、送料別)帯電量が多くてもスムーズに除電!【メール便指定で80円発送!】ビー・ビーンズ プチアートシリーズビーシリーズ(静電気除去グッズ) 価格:780円(税込、送料別)
2013年05月11日
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スピールバーグ印の奇想天外なSF娯楽作バック・トゥ・ザ・フューチャーBack to the Futureアメリカ(1985年)116分■ 制作 スティーブン・スピルバーグ■ 監督 ロバート・ゼメキス■ 出演 マイケル・J・フォックス/ クリストファー・ロイド..........................................................................................................■ INTRO ■本来なら、スター・ウォーズ 新エピソード製作決定でルーカスフィルムディズニーに買収の記事に喰い付くのが映画のレビュアーの本分なのですが・・・こういうブログですwさて、間もなく当ブログは開設一周年となります。何の記事が一周年記念で更新されるかは・・・そういうイベントはありませんが今回は久々にまともな映画レビューの更新です最近は『ブラッカイマー』制作が 大ヒット作品の一つの目安となっているハリウッド映画事情ですが以前は『スピルバーグ』の一文字が入れば立ち所にヒットする魔法の キーワードでした今では、『テラノバ』 『THE RIVER』 と スピルバーグ製作のTVシリーズが立て続けに打ち切られているのが現状で以前の 夢を与えてくれる スピールバーグ・マジック は、現在のハリウッドTV戦国時代の前にはまったく歯が立たない 『錆び付いた』 アイテムと化している様に見えますしかしそれは、別にスピルバーグの感性が錆び付いた訳ではなくてスピルバーグの天才性を出し惜しみして視聴者にコンテンツを魅力のあるものとして提供出来ずに小出しにした制作側の旧体質の姿勢が現代に通用しなかったという話であり情報は全てを共有するネット社会に見限られたというのが本当の所なのだと思います日本の場合でも 視聴率低下を招き続けるプロダクション主導のドラマ制作事情はタレント保護を優先した「隠蔽体質」の所から優位性を主張して出し惜しみする「旧体質」の所まで様々ですがTBSの様に どこかの人気グループの一人を探偵にした90年然とした時代遅れの錆び付いたドラマを大金を掛けて平然と制作するのは前回 同グループの超人気タレントを起用し大金を掛け豪華ゲストを招きながら視聴率低迷で終わった結果を知りつつも未だプロダクション主導から逃れられないTV局の呪縛が感じられます人気のあるドラマが最終回を迎えると次は映画館でという フジが始めた観客動員策はすでに消費者に見透かされながらも 未だ続けられる常套策ですあの、シリーズ通算 『視聴率平均20%』 を誇る長寿シリーズの『相棒』 でさえそのまま何もしないで TV だけ続けておけばいいと考える所を毎回 重要なタイミングで映画化を敢行し 更なる 人気を決定付けて次のシリーズに繋げる努力を惜しみない姿勢を長年貫いております平均視聴率20%を取る 『相棒』 の様な番組が 番組維持に対して取るべき策は全て取る 『必死』 な姿を見せているというのに 人気タレントを配置するだけで特に何の工夫も見られない10話程度のミニシリーズを乱立させ それで上手く行けば映画化で稼ごうとする危機管理能力の極めて低い製作のあり方では結果がどうなるか火を見るよりも明らかでは無いでしょうか今回のフジは、ドラマの内容では無くドラマ作りの発想を大胆なコンセプトの元に制作して旧体質からの脱却を目指した感がある作品がいくつか見られました90年代に『ドラマの王国』を築き上げたフジが今世紀を十何年も経てようやく自分達が『裸の王様』になっていた事に気付いた様なそんな印象を受けた最近のTV事情なのでした☆..........................................................................................................■ STORY ■普通の高校生のマーティーは 友人である発明狂のエメット博士 通称 『ドク』 にタイムマシンの試運転の立ち会いに誘われる当日 思わぬテロリストの乱入でタイムマシン『デロリアン』に乗り込み避難したマーティーはそのまま30年過去の自分の街にタイムスリップしてしまったその後救出されたマーティーは 看護をしてくれた若き日の母に恋をされた事で自分の存在がこの世から消えない為に、過去のドクの協力の元若き父と母との恋のキューピット役を買って出るのだった..........................................................................................................■ 解説 ■Robert Zemeckis (画像参照:wikimedia)既に様々な作品でやり尽くされた感のある 『タイムスリップ』 ネタを『太古』『未来』の地球や 『歴史上』 の一場面に設定せずに時代を主人公の過去の街に設定して 両親と同世代として登場させた点が何よりも本作の着眼点の非凡な所だと思われます監督のロバート・ゼメキスは デビューの時から独特の着眼点を生かし誰も見た事の無い映像の 『マジック』 を披露して来た 稀有な映像作家です78年の『抱きしめたい』 で監督デビューした時には『ビートルズの出ないビートルズ映画』 を謳い文句にして話題をさらいましたクライマックスのエド・サリバン・ショーのシーンでは手前に映るモニターの中のビートルズの映像と奥に見えるステージ上のビートルズの吹き替えの俳優の動きを完全にリンクする事によってあたかもステージ上の人物達を本物の『ビートルズ』に見せてしまう『演出のマジック』が圧巻の作品でした続く80年の『ユーズド・カー』 でも、塩のジンクスを使ってテレビ中継の試合が勝ちに転じて行く様に見せるマジカルな演出シーンがあったりオスカー受賞作の94年の『フォレスト・ガンプ/一期一会』 では実際の歴史上の人物と主人公が対面したりと演出上の工夫だったり最新技術のCGであったりと様々なテクニックを駆使した演出のマジックを見せ続けていますそれらを可能にしているのは ゼメキス監督独特の『着眼点』にある様に思われます■本作の主旨は 80年代から50年代へタイムスリップする事で過去の出来事を知っている主人公の若干の優位な立場を追体験出来る所にありますその為の布石を映画の冒頭に全て詰め込んでおいて観客はそれぞれの場面に添ってその事を思い出しながらあたかも自分自身が主人公になった様に考え、気付き、驚き両親の恋話に心を砕き 親友のドクの運命に心を痛め そして感動する鑑賞しながらある種の「イベント感」を味わえる造りになっている点が本作がヒットした要因の一つだった様に思われます。ゼメキス監督は師匠に当たるスティーブン・スピルバーグと同じで、映画のストーリが良いのは当たり前という事を前提にしてそのストーリーをどう見せるかに作品作りの為の多くの時間を注いでおり映画は ストーリを大画面で観る大きなテレビの様なものなどでは無く席に座って音と映像による『アトラクション』 を体験する『イベント空間』 として捉え常に作品そのものが大掛かりな仕掛けを持ったコンテンツとして上映するそんな作品作りを心がけている映像作家という印象があります。本作が『ユニバーサル・スタジオ・ジャパン』のアトラクションやゲーム などに適しているのも本作が娯楽作品でありながら深い感動を与えてくれるのも 本作がストーリを越えた所の独特の「着眼点」によって作られているからなのであり そこにゼメキス監督の作品作りの鍵が潜んでいるのだと思うのです。■Michael J. Fox (画像参照:wikipedia)さて主演のマイケル・J・フォックスの代表作となった本作ですが主演の決定まではかなりの紆余曲折がありました当時抱えていた TVシリーズ出演のため 一度は依頼を断ったマイケルでしたが次の俳優選びに難航した為 スケジュールが合わなくなった主演女優が降板し選んだ主演俳優はイメージに合わなくて結局降板その頃にはTVシリーズが一息付いたマイケルが出演依頼をOKしマイケルとでは彼女役にバランスが悪いと降板させた女優に変わり再びスケジュールが合うようになった最初の主演女優と合流しての撮影となった経緯がありましたしかし初日から 今まで主演して来た俳優と同じシーンを撮る訳には行かず中途参加のマイケルに気を使ったゼメキスが最初の撮影に選んだのはマーティーがタイムスリップした直後の放射線防護服を着て農家の納屋から現れるシーンからでこの奇抜な場面のお陰で マイケルは映画やスタッフ・キャストにすぐ馴染んだと言いますしかしその為に 既に撮影済みで撤去したセットを再び建て直しキャスト、クルーが再び呼び戻され、何百万ドルもの大金を掛けての撮影再開だったと言いますからゼメキスの『魔法』が生み出される背景には 様々な労苦が潜んでおりそのエネルギーは計り知れないものがあると思わされるものがあります地道に働く者を尻目に 書店の本の著名人の立志伝から美味しい話を頂いて自分の出世に役立てようと 冬のボーナス増量を目論む不逞な輩にはとうてい及ぶ筈のない 話でした・・・w..........................................................................................................M『携帯があれば腕時計要らないって人多くなったなあ・・・』【Blu-ray】バック・トゥ・ザ・フューチャー [ マイケル・J.フォックス ]価格:1500円(税込、送料無料) (2018/5/28時点)目としっぽが振り子になった ビンテージ なネコ 時計♪映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」ドクの部屋で使用☆価格:7,350円(税込、送料込)【Blu-ray】フォレスト・ガンプ 一期一会 [ トム・ハンクス ]価格:1500円(税込、送料無料) (2018/5/28時点)【DVD】【アウトレット品】ユーズド・カー価格:4104円(税込、送料無料) (2018/5/28時点)
2012年11月13日
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人間探求の旅を描く2001年宇宙の旅2001: A Space Odysseyアメリカ (1968年) 149分■ 監督 スタンリー・キューブリック■ 出演 ケア・デュリア /ゲイリー・ロックウッドウィリアム・シルヴェスター /ダニエル・リクター /レナード・ロシター..........................................................................................................- INTRO -「2001年になってもこんなの出来てねぇよ~W」という突っ込みは11年前に済ませたお約束としてこの壮大な叙事詩を満を帰して解説するというのに、事もあろうに何回目かのリバイバルで映画館に観に行った、馬鹿な学童(ブログ主)の体験談(フィクション)で幕を開ける事になろうとは、わが身の事ながら致し方ないと言う他無く4月1日の新年度 レビュー100回目として、又どえらい(名古屋弁で物凄い)ものを用意したものだと思わずにはいられない更新となりました。。。wという訳で映画の解説の前にまずはコチラのコーナーからスタートです☆■ブログ主の映画鑑賞回願録■□クロスオーバーイレブン的スクリプト□(※脳内で津嘉山正種氏の声でお読み下さい)さて時は昔、とある 今はなき名鉄メルサ内名鉄東宝劇場にて、久々の都会に高揚しつつ自分的にはすっかり『都会慣れ』したと思い込む馬鹿な学童のブログ主は、この後どんな体験が待ち構えている事も知らずに映画館入り口横に設けられた壁一面の看板前に仁王立ちし宇宙ステーションのビジュアルに浮き出た映画の題名の巨大な切り文字の数字を眺めながら帰りの立ち食いのきしめんには今日は一つ天ぷらでも乗せてみようかと鑑賞後の行動を段取る余裕をかましていた。入場し席に付いた後、程なくして画面が暗くなりパイプオルガンの重低音が腹に浸透しながらシンボライズ化された宇宙をバックに高らかな管楽器のファンファーレが劇場狭しと鳴り響けばさすがの頭の弱い世間知らずの馬鹿な学童も暫しきしめんの事は忘れ多少の神妙な気持ちになるというものである。そもそもSF映画といえば、主人公達が光る棒を振り回し宇宙船がドンパチするか耳の尖った男が滔々と意味不明の論理を講釈しながら宇宙を旅する程度の印象しか無く無学の学童は何の予備知識も無いままSFとは最も遠い原始時代の地球でサルとヒョウがのた打ち回る意表を付く画面に放り出された。物語と言える様な物語もないセリフの無い理解不能な場面がひたすら続き四国から届いたトレーラー一杯のうどんの玉も一瞬にしてきしめんと化す様な重苦しい空気が続れそれでいて画面に目が釘付けになる理由も分からないという勝ち目の無い戦いを強いられる様な孤独な鑑賞の中で世間の荒波にすら匹敵する勉強ができない我が子に怒れる母親から身を守る手段として勉学よりも先にいち早く空気を読む術を身に付けたブログ主は先程から場内から断続的に感じていたハトが各所で豆鉄砲を食らうのを察知し同病相哀れむとの言葉のごとく宇宙でも劇場でも我々は一人ではないのだとこの前観た宇宙人の映画の事を思い出しながら劇場全体が一つになる様な ある種の一体感の空気を感じていた。そうこうしている内、神々しいファンファーレが再度場内に響き渡る頃にはタヌキにばかされた空気はやがてキツネに摘まれた表情に一斉に移行し場内に明かりが灯り始めると、各所から半笑いの面々が様々なタイミングで口から空気を吐きつつ何処に向けるか釈然としない無言の抗議を、沸いては消えるのを遠い目で見送りながら皆声も無く立ち上がり、悪い犬にでも噛まれたと思い無かった事にしようと誰もが決心するかの様な光景であった。サルで始まった映画はやがてハトが飛び回りタヌキが出たと思ったらキツネに持って行かれ最後はイヌに噛まれてネコ被りをする 本作はSF叙事詩だと思って観に来たが、場内は野生の王国だった。帰りの立ち食いもキツネうどんにいつの間にか移行しそう言えば きしめんに天ぷらを乗せるなんて考えていたっけ と少しは大人の階段を登った様な気になる学童時代の、ブログ主なので あっ た・・・..........................................................................................................-STORY-太古の昔、傲然屹立と猿人の目の前にそびえる謎の石版「モノリス」。それに触れた猿人は、それまで雑然と廃棄されてきた骨の一つを手にし武器として他の猿人を打ちのめし空高く放り上げると、その人類初の道具は長い時を経て宇宙船へと進化を遂げる。..........................................................................................................-解説-初めて鑑賞する時、特別な何かがある凄さが画面から伝わって来るが理解不能だと誰もが口を揃えて言う数ある難解な映画の中でも最も成功した作品で当時のMGMの重役達は、完成した作品を観ても理解を示さず何人も途中で退席し口々に『これでキューブリックも終った』と語っていた程映画人ですら本作に理解を示さなかった点においても異色作です公開後は若い層を中心に受け入れられストーリではなく脅威の映像と音響による体感で映画が進行する新しい映像体験として世界的な大ヒットを遂げた作品でもあります本作は主に原始時代の地球を描く「人類の夜明け」月面で謎の黒い石板を見つける「モノリス発掘」木星探査船に乗船中の「木星使節」木星に到着して脅威の体験をする「光のトンネル」の4つのパートで作られており本作には物語と呼べる様なものは無く延々と環境ビデオの様な映像が続く映像詩と言うべき芸術作品の一つと捉える作品で『スター・ウォーズ』『スター・トレック』の様なエンタテイメントSF作品とは根本的に異なっている為その手の映画を期待して鑑賞すると肩透かしを食らいながらも本作の4つのパートのプロットは非常に計算された脚色によって演出され撮影された事が素人目にも分かる程に全ての場面に引き込まれる様な凄みを感じるという点に於いても異色作であると言えると思います又、現在SF映画では未来やエイリアンを当たり前の様に計り知れない存在として描いていますが本作以前のSF作品は映画も小説も未来を計り知れないものとして描いておらず本作はSF史上始まって以来、未来世界を計り知れないものとして描いた作品でもありました■映画で描かれる様々な謎■モノリス と呼ばれる黒い石版は冒頭で猿に文明を閃かせ、月では人類に木星へと導き木星では光のトンネルへと誘う 謎の物体でしたが光を一切反射しない事から何らかのエネルギーを吸収する造りの物体だと捉える事が出来それが知性の様なものも吸収できるのであればある意味情報を保存した巨大なUSBメモリーの様な存在とも考えられ映画ではタッチした者が電磁波の様な耳鳴りを受けた後ある種の開眼をしている所からタッチによってアクセスし情報を脳に直接伝達する造りになっている様にも捉えられます。所で本作は、黒画面のままリゲティの『アトモスフィア』が流れ『ツァルツストラはかく語りき』が流れるOPへと繋がって行きますがあの「黒画面」は 思うに モノリス そのもの を表していて合唱とも叫びとも呻きとも取れない「肉声」に加えオーケストラの演奏とも雑音とも取れない「音声」によってあのモノリスの真っ黒な空間の中に凝縮された宇宙の種子が混沌とした状態で脈打ちながら誕生の瞬間を待つという宇宙誕生直前の壮大な息吹の様子を描いている様にも感じられるものがあります。■次に、宇宙船ディスカバリー号をコントロールする人工知能 A.I HAL9000が突如人工スリープ状態の乗組員を殺害し壊れてしまう場面の意味に付いてですがこれは、映画を観る限りでは司令部の密命を受けたHALが任務を遂げる為自分を停止しようとする因子を処分した行為と捉える事が出来ますがなぜそんな事になってしまったのかに付いてはキューブリック監督作の (80)『シャイニング』でも描かれた様に人間の頭脳の様に造られたHAL9000が1年半もの短調な宇宙の任務に対して人間同様のストレスを受け続けて更に、乗組員に知られてはならない密命を受けたプレッシャーも加わりプレッシャーやストレスの解消法までプログラムされていなかった為なのか『シャイニング』のジャック・ニコルソンの様に狂ってしまったのではないかと考えられます従ってこの場面の真の意味とは身体を持った人間という生物だけがアイデンティティを持った生命という存在ではないという「思考」や「精神」そのものも「生命」であると言った「人間とは」という哲学的定理を説こうとした狙いに加えてHALを解体して行くプロセスで、最後に残ったユニットが「恐怖」だったという事から人間を模して造られた人工知能を解体する事が同時に人間の根源に迫る行為にもなるという演出上の狙いがあった場面の様に思われるものがあります。「恐怖」が人を狂わせ、又それを乗り越えようとして人を未知への探査にも駆り立てる「源」にもなるのだと言う多分に映画的表現で描かれた重要な場面の様にも思われました。次に、木星の場面での光のトンネルとラストの意味に付いてですが原作のアーサー・C・クラークは 、クライマックスの目くるめく光の描写や非現実な部屋の描写でアインシュタインが解いた 時空の驚異 その感覚を本作で出そうと務めたと語っておりつまりは主人公が木星で遭遇した光の束は「時空のトンネル」でいわゆる「ワームホール」を通って着いた所がこの宇宙とは違う次元の異次元空間で、人類がまだ理解不能で、対話をする事も不可能な高度な科学力と知性を持った宇宙人或いは異次元人と時空を超えて出会う様子を、言葉による説明では無く、観客が映像で体験して感じるアトラクション的演出を極めた場面だった様に思います。特に本作のハイライトとなる「スキャニメーション」と呼ばれる撮影法を使った木星の目眩く光のトンネルの映像シーンは現在では『スタートレック』や『スターゲート』などのSF作品による空間を一気にジャンプする「ワープ航法」や別の宇宙へ繋がる「ワームホール」などの描写が一般的にも認知されている為ワームホールを使って異次元空間へ旅をしている場面である事が分かりシンメトリーにデザインされ白一色に塗られた部屋での場面もある種の違和感を感じる所からもこの世ではない異次元空間を表現していると思われ主人公自身がどんどん歳を取って行く自分を見続けている所からもここが時間の流れが一方向では無い4次元的な異次元空間に於ける結果が同時に起こる量子力学的世界で人間の生き死にも同時に起こっている事を描いている様である事も一様に理解出来る場面でもあると思われます。■最後に、ラストの宇宙に浮かぶ胎児 に付いては続編となった(84)『2010年』は無かった事にし 無視するとして・・・w80年代以降、ジョージ・ルーカスやスティーブン・スピルバーグ 他様々な映画作家達が生み出した多彩なSF作品が数多く制作され様々な哲学的な主旨が描かれる作品が世の中に増えた事からこの場面の「スターチャイルド」が異次元空間の異次元人の手によって超生物となって生まれ変わり地球へ帰還したボーマン自身であろうという事も容易に理解出来、真空の宇宙空間に浮かび、宇宙を旅して地球にやってくる様な所から果たしてあれは肉体を持った存在だったのかと考えるとキューブリックが語った「神を描いた作品」という言及からも実は肉体は異次元空間の部屋場面で既に失っており身体から離れて精神の存在となったボーマンが意識の力だけで宇宙を旅する神の様な存在となった姿とも捉える事が出来その様に解釈を見る者に委ねたラストの様でもありました。又、米国の天文学者カール・セーガン博士をホストに80年代にTV放送された宇宙科学番組『コスモス』でも語られた「人間とは一つの宇宙でもある」という博士の理念を映像化した人間は宇宙によって誕生し宇宙と繋がっているという壮大なメッセージを伝える作品だったとも解釈ができるラストでもある様に思われます。この様なSF作品が存在しなかった60年代当時の世の中では映画の主旨を理解できる観客はほとんど居なかった様に思われ本作の存在そのものが冒頭の人類の曙の場面同様にSF映画史に於ける曙となった作品である事が分かり本作は21世紀となった現在においてもなお語るべき点の多い、非常に多義に渡る解釈が出来る奥の深い歴史的SF映画だと言えるものがあります。■原作から離れた映画的帰結■後に原作者のアーサー・C・クラークは本作の解説をしていますがスティーブン・キングの『シャイニング』の時と同様に本作も原作者の思惑を離れてキューブリックによる一人歩きした作品だと言えるものがありました例えば、主人公が宇宙服を着て壊れたA.Iを停止して行くという見ていて物凄く息苦しくなってくる様な場面は人間の脳を模して作られたシステムの最後に残ったユニットが「恐怖」だった事からフランシス・フォード・コッポラの『地獄の黙示録』同様に人間の根源的にあるものを息苦しさを伴い垣間見た感じを五感で体感させる演出だった様にも取れつまり本作には厳密な解説など存在せずただ 映像によってある種の体験をする為の映画 と思えばそれでも良いと言う事になります一方原作者のクラークは本作に関して生者と死者の割合は、一人の背後に30人の霊といえる。有史以来地球に誕生した人類は一千億人以上で銀河系に輝く星の数と同じつまり全人類に一つずつ恒星が存在し一つ以上の地球が存在すると言及しており、思想、宗教とは切り離し 人は宇宙の中に属し、宇宙も又 人の中に属すというクラークの説く精神が本作の根底にあるのならばラストの「スターチャイルド」の意味も含めて宇宙を旅しながらも同時に人間を探求する「人間も一つの宇宙である」という哲学的側面を描いた作品とも取れるものがあります■思うに本作は、冒頭の原始時代の描写によって「知性の芽生えと探求の始まり」を描き光のトンネルによるスペクタクルによって「異次元空間への旅」を描きながらラストで地球を見つめる「スターチャイルド」によって「人間も一つの宇宙である」という映画的発想の帰結を描くというその様な様々な解釈を鑑賞者に委ねた映画だったのかもしれません☆本作はアカデミー特殊効果賞を受賞し、寡作家であるキューブリックの最初で最後のオスカーとなるのでした。▼▼▼この記事のTwitterはコチラ▼▼▼【再更新】映画『2001年宇宙の旅』- 人間探求の旅を描く- 楽天ブログ(Blog)vo「新年なので、コノ問題作を加筆修正して再更新してみました正月ボケした頭を使って更なる思考の迷宮へと突入するのも一興かと思います・・・w」https://t.co/WtLBIEkpyC #r_blog— Voyager6434 (@voyager6434) 2018年1月6日 B「わたあめが女の子用だって誰が決めたんだよぉ~」【Blu-ray】2001年宇宙の旅価格:1080円(税込、送料無料) (2017/12/6時点)【送料無料】ハピネットふんわりおいしい New あめdeわたあめ価格:9936円(税込、送料無料) (2017/12/6時点) 2001年宇宙の旅 1/144 ディスカバリー号 プラモデル[メビウスモデル]【送料無料】《発売済・在庫品》価格:24120円(税込、送料無料) (2017/12/6時点) メディコム・トイ マフェックス No.034 MAFEX SPACE SUIT ORANGE Ver. 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2012年04月01日
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近未来を描く、映像的新体験ブレードランナーBLADE RUNNERアメリカ/香港 (1982年7月) 117分■ 監督 リドリー・スコット■ 出演者ハリソン・フォード /ルトガー・ハウアー /ショーン・ヤングエドワード・ジェームズ・オルモス /ダリル・ハンナ..........................................................................................................-INTRO-ヴァンゲリスという名前は、カール・セーガン製作の科学バラエティ番組「コスモス」で音楽を使用された事で始めて聞いた名前だが、知るきっかけになったのは、「コスモス」にも使われた「反射率0.39」より”アルファ”を BGMとして使用していたFMラジオドラマ版の「宇宙戦艦ヤマト」である。当時タイトルも分からないままいち早く耳にしていたこの曲は、「コスモス」で使用されたことにより、めでたく曲名と作者を知る事となった。多くの方は「炎のランナー」のテーマ曲の作者としてご存知の事と思うこのギリシャ出身のシンセサイザー奏者が本作の音楽を担当した事は、「炎のランナー」の時とは比べようの無い程の、本作のビジュアルと一体となった目くるめく巨大な音空間を構築する役割を担う事であったと言える。シンセサイザーと言えば、シンセサイザー・ミュージックの第一人者である日本の冨田勲が、岐阜県の岐阜城のたもと、長良川の河川敷で巨大コンサートを開催しクラシック界を賑わせた事があるが、同じようにヴァンゲリスも、各地で巨大コンサートを開催し、クラシック界を大いに賑わせている。他にも坂本龍一など、キーボードでアルバムを製作してきたアーティストが、映画音楽家として成功し、クラシック界で話題になるのは定番とも取れる流れで、映画音楽でオーケストレーションを学び、形骸化するクラシック界にやがて新風を巻き起こし音楽界全体を盛り上げる事に務めるのは、日本も海外も状況は同じの様である。この様にシンセサイザーミュージックは、映画などのような個性的なビジュアルを目指した巨大な音空間を構築するのに良く似合うジャンルといえる。..........................................................................................................-STORY-人間を殺害し殖民惑星から脱走し、地球に潜入したアンドロイド「レプリカント」を捕獲する為に、逃げ出したレプリカントを捕獲する捜査官 ブレードランナーに復職するようデッカード(H・フォード)に命が下る。..........................................................................................................-解説-生命の尊厳と死の抑制を、壮大な映像美で描くSFフィルム・ノワールというべき作品。物語は、環境破壊に晒された世紀末の様相漂う近未来の地球に宇宙開拓地で叛乱と殺人を犯し指名手配された人造人間「レプリカント」の一行が逃亡潜入したとして、腕利きのレプリカント捕獲捜査官「ブレードランナー」デッカード(ハリソン・フォード)が問題のレプリカント一行の捕獲殺害の任務を命じられブレードランナーとしての職務を果たして行く中で人間の様にアイデンティティーを持ち感情を持つレプリカントの女性レイチェルとの出逢いと逃亡レプリカントのリーダー格ロイ(ルトガー・ハウアー)の追跡を通して人としての価値観を問い始めるという話で光と影の魔術師の異名を持つ『エイリアン』『グラディエーター』のリドリー・スコット監督によるその後のハリウッド作品や日本のアニメーション作品に多大な影響を与えた和洋折衷した様な世紀末をイメージする特異で壮大なビジュアルが見所の作品で、デッカードを負傷させながらも、レプリカントとして生まれ生きて来た証を伝授するかの様に始終振る舞うレプリカントリーダーロイを演じるルトガー・ハウアーの演技が印象に残る「生きる」事の意味や「人は何処から来て何処へ向かうのか」という生命の根源的な答えなき問いかけとなる哲学的領域にまで切り込むという側面を持った異色作である■一方、大金を掛け最高のスタッフとキャストで映像化された本作であったが、スター・ウォーズの様なスペース・オペラを想像して鑑賞し肩透かしを食らった観客の逆クチコミから興行成績は振るわず、重々しい陰鬱な雰囲気が全体を占めるカルト作品として、ETのヒットの影で興行を打ち切る映画館も少なくなかったという不運な作品でもある。その後、メディアの時代と共に作品の評価は高まり、家庭用ビデオの普及と共にレンタル、販売で爆発的なヒットを飛ばし、映画が映画館を離れて名画となる上映形態に拘らないあり方というものが本格的に論議されるようになった初めての作品といえる。■R・スコット監督は当初、映画の観念的である側面を重視した演出を目指していたが、分かりにくいとの製作サイドの憂慮から、急遽主人公によるナレーションと別転地へ向かうハッピー・エンドの映像を追加して公開となり、監督の思惑とは外れた、チャンドラー風の外連味あるハード・ボイルドSF作品として世に知られる事となった。■見やすい映画とは言いにくいが生と死を扱いながら決して宗教的にならず一風変わったクライム・サスペンスとして楽しめるように出来ている劇場公開版と未公開シーンを加えた完全版がありナレーションと蛇足なシーンを排除し、人間とは何処から来て何処へ行くのかという、本作のテーマをより分かるように当初目指した演出を施した、最終版と更に未公開シーンと特撮シーンを追加したファイナル・カット版の、実に4バージョン存在する事になる。当時SF以外の題材に退屈を覚え、風変わりな題材に挑戦するのが楽しいと語るスコット監督は、ハリウッド作品の個性的な脚本は刺激的であったというが本作のハリウッド・システムの為に本分である撮影技師としてファインダーを自ら覗く事が出来ないのが編集権を与えられない事よりも楽しい事では無かったようだ。■「エイリアン」のキー・デザインに奇才H・R・ギーガーを起用したように、本作のキーとなる個性的な未来デザインを担当したのは工業デザインのカリスマ、シド・ミードである。他の映画美術と大きく異なる点は、シド・ミードが描くデザインは小物、武器、車、衣装にいたるまで全て実現不可能なものは無い点である。車のデザインを依頼されたS・ミードは、車の背景となる未来都市の外観まで描き込みそれに魅了されたスコット監督は、建造物、街路など細部のデザインまで意見を取り入れる様にしたと言う。本作のビジュアルと音世界は、その後様々な作品に影響を与えたSF映画の金字塔として現在に到る事になる。【訳あり】「ふぞろいエビ天ぷら」1キロ(13〜20尾)※冷凍【冷凍同梱可能】価格:2222円(税込、送料別) (2017/12/3時点)H「ふたつで充分ですよお」【Blu-ray】ブレードランナー クロニクル価格:1080円(税込、送料無料) (2017/12/3時点) ブレードランナー ファイナル・カット 日本語吹替音声追加収録版【Blu-ray】 [ ハリソン・フォード ]価格:6469円(税込、送料無料) (2017/12/3時点)
2012年03月09日
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もはやゴシック・ホラーエイリアンALIENアメリカ(1979年7月)117分■ 監督 リドリー・スコット■ 出演者トム・スケリット /シガーニー・ウィーヴァージョン・ハート /ヤフェット・コットーハリー・ディーン・スタントン..........................................................................................................■INTRO■第52回アカデミー賞、視覚効果賞受賞。■公開当時の封切りの映画館での久々の都会の要素に高揚しながら劇場に入場する列に並んでいた時の事、館内から壁越しに伝わってくる薄っすらとした爆音が響くロビーは大ヒットでごった返す客のザワザワ音とが混ざる中の期待と興奮に満ちた混沌とした盛況の中にあった程なくして上映が終ると、館内出口から次々と焦心した顔付きの観客達が一様に ゾンビ 化しながらゾロゾロ出て来る現象を確認し口々に「すごかった・・・」と溜息のように漏らしながら劇場を後にするのを眺める事となった一体この中で何があったのかとベルベットで裏打ちされ観音開きした館内入り口の扉をまるで異世界へ繋がる門の様に見つめながら今まで体験した事の無かった期待と不安で冷や汗が出て来たのをよく覚えている。上映が始まりスター・トレックやスター・ウォーズなどの娯楽SF映画とは全く違う空気を持ったミステリアスな場面が次々と現れ上映中のデカイ画面とデカイ音(ドルビー音響効果導入)がこんなに怖いものなのかと思い知り映画とはデカイテレビぐらいにしか思っていなかったヘタレなブログ主は映画館全体が巨大なアトラクションと化した恐怖空間の中に晒されて始終ビクビクしながら手に汗握り縮こまり「もうお願いだから早く終ってくれ~・・・(@_@;)」と何度も心に祈りながら終始ビクビクしながら手に汗握って縮こまっていたそうして上映が終了した後はすっかり焦心した顔を晒しながら劇場を後にする先程の様なゾンビの隊列に自らも参加する事となりこれから入場する観客の期待を否応無しに煽るのに一役買ってしまう、映画少年時代のブログ主なので あ った・・・■というわけでSFにホラーの要素が加わり新感覚映画の先駆けとなった「光と影の魔術師」リドリー・スコット監督の代表作『エイリアン』をご紹介します..........................................................................................................-STORY-地球へ帰還する途中、知的生命体らしき信号を受信した宇宙貨物船ノストロモ号は規約にのっとり未知の惑星へ調査に降り立つ。そこで半壊した不気味な宇宙船とミイラ化した生命体の死体を発見し捜索を続けるうちに何かの卵らしき物体が無数に並ぶ場所へたどり着く。不注意に卵に近づいた航海士ケインはヘルメットめがけて飛びかかってきた謎の生き物にメットを破り顔に張り付かれてしまう。謎の生物に襲われたケインを収容しノストロモ号に帰還した一行は受信信号が実は死んだ宇宙人の発した警告である事を身を持って知る。..........................................................................................................-解説-「グラディエイター」のリドリー・スコット監督の名を世界的にした出世作。当時にしては珍しいメディア展開を実施して「宇宙では、あなたの悲鳴は誰にも聞こえない」のキャッチコピーを始め物語の内容に一切触れないミステリックな宣伝が功を奏し日本でも大ヒットした映画である。SF作品にしてサスペンスホラー映画である本作は、現実とは切り離された世界観を設定した密室ミステリーの先駆けとしてもはやゴシック・ホラーと言っても良い緊張感たっぷりの画面に圧倒され続ける2時間となっている。物語は、貨物宇宙艦で地球へ帰還途中のクルー達が救難信号を受けて立ち寄った惑星で発見した人類のものでは無い不気味な宇宙船の残骸の中で卵から孵化した未知の生物にクルーの一人が寄生され急遽艦に帰還した所、寄生されたクルーを宿主にして誕生した謎のエイリアン生物によって命の危機に晒されるという内容で強靭な戦闘能力と生命力を持ち本能的に殺戮を繰り返すという、コミュニケーション不能な「殺戮マシン」が未知の宇宙空間の中で密室と化した宇宙船の艦内に閉じ込められた無防備な宇宙船クルー達を一人又一人と襲って行く恐怖を描いたSFサスペンス映画で十分な明かりの無い暗闇で占められた宇宙船艦内で何時出現するのか分からないエイリアンに怯えながら次々と人間が餌食になるというホラーミステリーの要素が加わった物語では無く体感して鑑賞するタイプの当時としては新感覚なイベント性の高いエンタテイメント作品として仕上がった話題作である■光と影を操る稀代の映像作家リドリー・スコット監督は本作ではその稀有な作家性が突出する事無く映像作家として本領を効果的に発揮しながら映画の内容と自然に馴染む様な 有機的 に溶け込んだ映像作りを成功させている。いわゆるそれまでの「スペクタクル映画」とは異なり映画史の中で最新の 映像と音響 を駆使し映画を アトラクション化 したのは成功した完成例では本作がおそらく初めてであり映画で映像的体験を目指したスティーブン・ピルバーグ監督 の出現以後、本作は映画が到達したエンタテイメントに於ける一つの骨頂でもあり映画史に残る一作でもあると思う。■後にディレクターズ・カット版が公開されて未公開カットが挿入されたのを見たが、宇宙船の船室の壁に餌付けされた乗組員の場面があり何ともB級テイストな作りとなったこのシーンをなぜ当時カットしたのかという理由が良く分かった。エイリアン4 の ジャン・ピエール・ジュネ監督作 なら アリのこの場面。取り様によっては悪趣味とも取れてもし当時このシーンを導入していたらショッキングなシーンにはなってもミステリアスな雰囲気はとたんに吹き飛び瞬時にB級映画に転落する所であったであろうブラックレインでトンデモ日本を描いた前歴のあるR・スコットであったがカットはプロデューサーの判断だったのだろうか■ラスト近くまで全容を見せない映画史に残る特異なクリーチャーは奇才H・R・ギーガーのデザインによるもので世紀末をイメージするショッキングな画風を持ち味とするギーガーの画集は当時センセーショナルな話題となった。この今まで見たことの無い五感を揺さぶられるような不気味なエイリアンは映画の中で圧倒的な存在感を放っておりプリプロダクション中のリドリー・スコット監督がこの画家の画集を見せられた時に 体から力が抜ける位の衝撃 と言わしめた通りこの生物のデザイン無しで本作は成立しなかったと思わせるものがありまだ「世界観」という言葉が無かった時代に後に様々な影響を与えた本作のビジュアルは映画史に残る画期的な発明であったと言える。■映画のもう一つの顔である主演の シガニー・ウィーバー は本作が映画デビューの遅咲きの女優として知られた人物だが女優としてのキャリアは長くイングリッド・バーグマン の舞台でデビューしTV界にも進出したベテラン女優である正式な映画デビューは 鬼才ウディー・アレン監督 のアカデミー受賞作「アニーホール」でもある事から、本作の主役抜擢となった事は当時映画界の新生として多大な期待を受けていた事を物語るものがある。..........................................................................................................A「形が手にフィットしないとPC作業は肩がコルよね・・・」【Blu-ray】エイリアン価格:1000円(税込、送料無料) (2017/12/1時点)【エレコム】EGGマウス フリーBluetooth/3ボタン/IRLED/ホワイト M-EG30BRWH(M-EG30BRWH) メーカー在庫品価格:3652円(税込、送料無料) (2017/12/1時点)
2012年02月10日
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ギネスに載ったSF・TVシリーズの原点的作品スターゲイトSTARGATE■ アメリカ(1994年)121分■ 監督 ローランド・エメリッヒ■ 出演者カート・ラッセル / ジェームズ・スペイダー / ジェイ・デヴィッドソン ヴィヴェカ・リンドフォース / アレクシス・クルス今回はTVシリーズとして10年の長寿番組となり長寿SF・TVシリーズとしてギネスに認定された「スターゲイトSG-1」や スピンオフとなる「スターゲイト・アトランティス」に日本未公開の「スターゲイト・ユニバース」や最新作のCGアニメ「スターゲイト・インフィニティ」に至るまで、様々なシリーズを生み出す原点 となった 『スターゲイト』をご紹介します-STORY-エジプトの遺跡から謎の文字が刻まれた巨大な「輪」が発掘されて66年。学会で異端者扱いされた考古学者ダニエル・ジャクソン博士の協力から、輪は別の星系に繋がる門(ゲイト)である事を突き止める。アメリカ空軍ジャック・オニール大佐の秘密部隊は、ジャクソン教授の先導でゲートをくぐる作戦を実行する。ゲイトの向こう側で見た世界は、古代エジプトに良く似た遺跡とそれを恐れ崇める部族が暮らす熱砂の地であった。-解説-□■■■本作はミステリアスな古代伝説をモチーフにした SF作品で『ID4』のローランド・エメリッヒ監督作品特有のユーモアを交えながらポイントで締める演出で進行し本格ミリタリー・アクションとしての側面を持ったハリウッド作品ならではの大仕掛な特撮を交えた大ヒット超大作作品です古代の遺跡から発見された未知のテクノロジーで作られた銀河を瞬時に移動する「スターゲイト」で銀河の果ての星に訪れたアメリカ空軍チームが、太古の地球から連れ去られた地球人の末裔を 支配から開放する為太陽神と名乗る強大な力を持ったエイリアン「ラー」との壮大な戦いに挑んで行きます極右な豪腕軍人のカート・ラッセル演じる ジャック・オニール大佐とそのチームにペ・ヨンジュン 似の末成りな学者 ジェームズ・スペイダー演じるダニエル・ジャクソン博士との 対照的なキャラクターのキャスティングは エメリッヒ作品ではお馴染みの切り口で知恵と行動力で次から次へと現れる危機に一丸となって立ち向かう 本作の様な作品はこの時期のハリウッド作品に見られる特徴の1つで膨大な制作費をかけたVFXアクション大作となった本作は大ヒット作品になるべくしてなった作品だったと 言えると思います■□■■しかし映画としての一般的な評価が分かれ奇想天外なSF物語としては未曾有の展開がアクション作品にしては度肝を抜く迫力が もう一つという設定が活かし切れていない印象も否めず「ID4」 の様な映像的カタルシスを期待して鑑賞すると 尻すぼみに見える所がその様な評価になった要因と思います又、主人公オニール大佐の持つ息子を失った辛い過去というドラマティックな設定もともすればアクション大作映画の勢いを削ぐ諸刃の刃の様なプロットでもありまして映画の設定としてはやり尽くされた感もあってかジャン・クロード・バンダム映画的な B級テイストが漂って来るものがあり本作がそれを回避しているかと言えば 微妙な所ではありますしかしそれについてはジェームズ・キャメロン、ローランド・エメリッヒなどの初期の作品が低予算映画の雛形という側面を持つ事からそれらをB級作品が踏襲しての乱立がその様な印象を与えている感もあり本作はもっと再評価すべき作品であると思います■■□■さてこの作品は、この後実に10年間に渡って放送されたTVシリーズ「スターゲイトSG-1」の プロローグとなる作品でもあります映画では未消化となった壮大な設定と物語でしたがTVドラマでは様々な宇宙を旅する壮大な戦いの冒険物語として制作されその後も「スターゲイト・アトランティス」というスピンオフシリーズも誕生しますのでそういう意味でも本作には大ヒット番組となる要素が詰まっていたと言えるのでしょう△▼△▼△▼△各レンタルショップの価格も大幅に下がり大量レンタルが気軽に出来る様になった今日本作を皮切りにSG-1チームの冒険さながら200話を越える長丁場のレンタルの旅に足を踏み出し「スターゲイトSG-1」「スターゲイト・アトランティス」と次々に攻略しレンタルコーナーの回転率を高めて微力ながら日本経済の活性化に一役買うのも悪くないかもしれません☆■■■ 楽天市場 ■■■【DVD】スターゲイト [ カート・ラッセル ]価格:1000円(税込、送料無料) (2017/11/28時点)【DVD】スターゲイト SG-1SEASON1SEASONS コンパクト・ボックス価格:2,566円(税込、送料込)【DVD】スターゲイト:アトランティスSEASON1SEASONS コンパクト・ボックス価格:2,566円(税込、送料込)
2012年01月13日
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宇宙探検を通して描かれる未曾有の群像劇コンタクトCONTACTアメリカ(1997年)150分■ 監督 ロバート・ゼメキス■ 出演者 ジョディ・フォスター / マシュー・マコノヒー / ジョン・ハート / ジェームズ・ウッズ / トム・スケリット..........................................................................................................- Intro - 捨てる神あれば拾う神ありで、前回紹介した 仕事を干された M・ギブソン でしたがそれを起用して監督したのが本作の主役を演じているジョディ・フォスターでした。さてその役柄というのは・・・仕事に失敗したトラウマから鬱病にかかりコミニュケーションを取れなくなった男が、ぬいぐるみを利用して徐々に克服してゆくというシリアス・コメディだそうで・・・これは「打ちのめされた男の傷跡に塩を塗る」かの様な行為か或いは「ライオンを千尋の谷から引きずり下ろして北極のトドにする」かの様な行為でこのジョディ・フォスター 救いの女神と思いきや鬼 か 度S かもしれないというお話でした・・・wそれでも、愛してる スペシャル・エディション【Blu-ray】 [ メル・ギブソン ]価格:1500円(税込、送料無料) (2017/4/2時点) さて、R・ゼメキス監督の隠れた名作で、ブログ主の 好きな映画ベスト10 の中に挙げられる本作をご紹介します☆..........................................................................................................-STORY-知的生命体の探査と研究を続けていたエリー(J・フォスター)は天文学の権威ドラムリン(T・スケリット)の独断によって研究を打ち切られてしまう。数年後、新たな資金を得て始めた電波望遠鏡による天体探査も懐疑的な保守派研究者達の干渉を受け中止を余儀なくされる。失意のエリー達ではあったが突然明らかな外宇宙からの発信を受信して・・・..........................................................................................................-解説-難解なプロットと宗教的とも取れる数々の言及から作品の主旨は誤解されがちですが本作は宇宙探検物でも宗教物でも無く宇宙探検を通して様々な思惑を持った人間達が複雑にからみ合う群像劇を描いた作品で人は個々では力も無く群衆の前に押しつぶされ宇宙に比べれば塵にも満たない存在だがだからこそかけがえの無い存在なのだ と訴える未曾有の人間ドラマ です『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズのロバート・ゼメキス監督作ですがバラエティーな娯楽SF映画だと思って鑑賞すると肩透かしを食わされる社会派という側面を持ったヒューマニズムを描いた作品でもあります■主人公エリーを取り巻く様々な人物達は、共通の目的の元一堂に会しますがその多くは 個々に思惑を抱き、互いの結びつきを 損得勘定 で計る様な極めて欧米的性質の権力志向の強い人物達 として描かれているのが興味深く果たして人間とは宇宙の中では孤独な存在なのかと説く以前に結束が無い と 作品は言い放ちます劇中エリーは 当初誰も見向きもしなかった研究で孤立を余儀なくされますがひとたび 前人未到の功績を上げた途端打って変わった様に 降って湧いた寄ってたかる人物達によって巧妙に功績も仕事も奪われて 第一線を追われます巨大企業の人事にありがちなこの描写は、米国でも社会問題化した「階層社会」を生々しく描いたものと言えます■一方エリーの功績を次々と我が物にし その度強大な権力を手にして来た人を踏み台にしてのし上がる権力の権化 の様に描かれたドラムリン博士 (T・スケリット) はマシン起動テストの前のエリーとの印象的な会話の中で平等を信じる真っ直ぐな人物だった若かりし頃があり人が変わってしまう程の大きな何かがあった過去を思わせる発言をしている事から一件、典型的なステレオタイプなキャラクター劇の様にも見える作りの中で登場人物たち一人一人ひとりの背景まで考慮した例え悪人であっても薄っぺらではない非常に深みのある人物描写によって作られている群像劇を得意とするゼメキスならではの緻密な構成力が光る脚色の力を感じさせるものがありました。■天才であるが故に常人には理解され無い 孤独 を感じ続けて来たエリーは孤独の象徴の様な宇宙に思いを馳せてそこに自分の 居場所 を作って来た様に描かれますが映画クライマックスのマシンのシーンで圧倒的な宇宙の存在の前に塵のような存在の人類を案じ人と宇宙との 繋がりと絆 を感じた時宇宙の真髄を感じる様な体験から 人が存在する真意 に気付きもう孤独ではないと悟りを得ます一方、マシュー・マコノヒー 演じる 宗教家 パーマー はエリーがマシンに乗って始めて悟った 人が存在する真意 に付いて宗教的体験から 早い段階で気付いており、宗教家として大勢の支持を得ながらも真の意味で誰一人理解できず、恋人とすら分かち合えないこの悟りの境地に対してエリーとは又違った形で「孤独」を常に感じていた人物でしたその後法廷で訴えるエリーの演説から自分と同じ悟りの境地に達していた事に気付いてパーマーも又、自分はもう孤独ではないと知りますタイトルの「コンタクト」とは知的生命体との接触を指す意味と同時に人間同士 との 絆 を指す意味でもあるのですがこの場面で描かれる本作のテーマとも言える人と人との真の繋がりとは、形を越えた互いの理解にあると説く所に多国籍民族を抱える米国の社会問題にメスを入れながら社会派作品としてではなくまして宗教的観点からでも無くあくまでヒューマニズムの点から訴えている所に本作の意図があったような印象があります■J・フォスター演じるエリーが一人グランドキャニオンで過ごすシーンは、満天の星空の元1人切りで孤独を噛み締める様に佇む中盤に対して、薄っすら浮かべる笑みから心境の変化が汲み取れるラストで、人は1人ではあっても孤独では無いという映画全体を象徴する真のテーマがこの場面に凝縮された宇宙的スケールで人間ドラマを描いた本作は人との繋がりが真に問われる現代にこそ再評価すべき作品だと思うのでした☆■Carl Sagan (画像引用:wikimedia)80年代、「コスモス」 という宇宙バラエティー番組が放送され大いに話題となり、この番組製作者であり「コンタクト」の作者でもある今は亡きカール・セーガン博士の伝えたかった「我々は孤独ではない」という 誰もが理解できる単純で奥深いメッセージは、時は流れ、価値観が変わり100年に一度の経済危機と呼ばれる世の中になろうとも、いつまでも変わらずに人の心に響き続けるのでしょう。【コンタクトレンズ】【処方箋不要】メダリストワンデープラス 90枚パック2箱セット/1日使い捨て/ボシュロム価格:7776円(税込、送料無料)(2017/4/2時点)J『使い捨てって 貧乏性にはどうも馴染めないのよねぇ~』【DVD】コンタクト 特別版価格:1000円(税込、送料無料) (2017/4/2時点)
2011年12月27日
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「逃亡者」のSF版。ただし無実ではない 55点ジャンパーJUMPERアメリカ(2008年)88分■ 監督 ダグ・リーマン■出演者 ヘイデン・クリステンセン /ジェイミー・ベル /レイチェル・ビルソン /サミュエル・L・ジャクソン/ダイアン・レインここ数日、お隣の先の国の御家事情のニュースで大騒ぎになっているが、特番の生放送でテレビから撤退したはずの池上彰氏による分かりやすい解説を聞く所によると独裁権力とは、政治力のある人物達に立てて貰って初めて成り立つものらしく、国民に発言権が無く憲法の上に地位があることを除けば人々自ら望んで行っている体制だと言う事にまず驚かされる。それは現在NHKで放送中の韓流ドラマ「イ・サン」「トンイ」などでも描かれる王と臣下の関係に酷似し、国を動かす為に権力を行使する王という立場が、政治力を持つ臣下達の力を必要とする王と、権力を欲する臣下達との契約であるという欧州の歴史そのものの姿が見て取れた、誰もが21世紀の世界情勢を憂慮した数日間の出来事であった。さて、さながら 「逃亡者」 のSF版である本作。ただしこの主人公は、無実の罪ではなかった。監督は 「ボーン・アイデンティティー」 のダグ・リーマン。...............................................................................................................................................................-STORY-ある日自分の超能力を知った デビッド (H・クリステンセン) は家を飛び出し銀行を襲う。大金を手にし気ままな暮らしを始めたデビッドは、やがて当局から追われる身の上となるが。...............................................................................................................................................................-解説-この映画のハイライトはダイナミックなVFXシーンで、これだけでも見る価値がある映画だ。特殊能力を持つゆえに当局から負われる身の上となる主人公は「逃亡者」 のリチャード・キンブルと言うよりはこの監督の出世作であるジェイソン・ボーンの身の上に近い。SF的演出で 「ボーン・・・」 さながらに展開される逃亡劇は目を引くものがある。正直、自分の特殊能力を犯罪に利用し、無軌道な生活を続ける主人公には 共感は沸かない。反面、家庭問題から家を飛び出す若者という深刻な社会問題に根ざした描き方には血の通ったもの を感じる。製作者がリーマン監督を起用し、逃亡する 主人公の焦燥感 を描く狙いは分かる。だが、脚本のSF的寓話感の大きい荒唐無稽な展開に、この監督の持ち味である 実存感ある人物描写に裏付けられたアクションとサスペンスが抑えられた形になり、主人公の逃亡劇は息をも付かせぬと言うより 目まぐるしい慌しさ がある。近年のアメリカにおける景気と社会の問題が、若年層の犯罪多発に繋がるとする憂慮から派生させた人物設定には人間的体温を感じるが、映画を描く要素が、SFにアクションにドラマに問題定義にと・・・いささか窮屈に盛り込み過ぎな所が、内容を薄くしてしまっている感は拭えない。目的の為に機敏に行動するジェイソン・ボーンの 鍛え抜かれたスリムな体のごとく焦点を合わせて削りに削った、筋肉質で硬質な演出 が好ましかったかもしれない。映画ファンを納得させる作りとは言えなくても、話題作である本作は、楽しむには見て損はない映画である。喉元過ぎて暑さを忘れなければ、病は気からとも言って中国には 杞憂 と言う言葉がある様に、唯でさえ増え続ける懸案事項の上に、身に降りかかっても居ない心配事にまで気を揉むより話題作の映画を楽しむ位の 気持ちの余裕 は何時だって持っておきたいものだ。★★★ 楽天エンタメナビ ★★★『「逃亡者」のSF版。ただし無実ではない』※リンク先 参考になった ボタンはランキング用クリックボタンです。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・- 楽天レンタル -絶賛レンタル中楽天レンタルで「ジャンパー」を借りよう楽天レンタルで「【Blu-ray(ブルーレイ)】 ジャンパー」を借りよう
2011年12月21日
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トム・クルーズの転機となった作品宇宙戦争WAR OF THE WORLDSアメリカ(2005年)114分■ 監督 スティーヴン・スピルバーグ■ 出演者 トム・クルーズ /ダコタ・ファニング /ティム・ロビンス /ジャスティン・チャットウィン /ミランダ・オットートム・クルーズは 『トップガン』 でのパイロットの好演以来レオナルド・デカプリオ同様、定着したイメージから脱却しようと迷走して来た大スターの一人でしたが俳優生命を掛けた『M:I』の出演以後、頭脳明晰な役柄の似合うアクション・スターとしてMr.ハリウッド と呼ばれるまでに成長しますスピルバーグ監督の 『マイノリティー・リポート』 はそんな彼の魅力が発揮された作品で、Mr.ハリウッドとしての飛躍はまだまだ留まる所を知らない様ですしかし、キャリアに傷を付ける様なプライベートのゴシップの数々によりスタジオ解雇処分を受けるなどMr.ハリウッドの 迷走 ぶりは未だ着地点を見つけられないまま続いている様でした-STORY-港湾労働者のレイ (T・クルーズ) は別れた妻の子供達との面会の日、突然天をも貫くほどの異常な稲妻が次々と落ちる怪現象が起こり、良からぬ異変を感じ始める。-解説-本作は大掛かりなSF的仕掛けをふんだんに使ったアクション超大作で物語は全て主人公達の視点で描かれ場所を移動していく度 徐々に事実が見えて行く作りというミステリーになっております何気無い日常が 突然のテロ攻撃に見舞われそれまで 当たり前に送っていた生活が一転し何の情報も与えられないまま危険な逃亡を強いられる一般市民の恐怖を描いています本作の監督であるスティーブン・スピルバーグは本来ファンタジーの人ですが『ジョーズ』や『ジュラシックパーク』での凄惨な場面一つ取ってみてもその作風とは裏腹な冷徹なまでに物事を見通す強固な視点を持った人物だと言う事が分かりますこの作品でスピルバーグ監督は持ち前の冷徹な視点からSFでありながらミステリーの様式に則った舞台劇の様な演出法を取りトム・クルーズをヒーローでも何でも無いどちらかと言えば自堕落的などこにでも居る等身大の無力な一般人として描く事で観客も同時に危険な中に放り出された様な状況を作り出し主人公の中庸な機転で危険を回避する展開により物語の深刻さを浮かび上らせリアルなサスペンス効果を上げる作品に仕上げております又、ティム・ロビンス とのやり取りが黒澤明 作品に通じる人間の闇の部分を描く重厚なシーンになったのもこれ迄ヒーローを演じて来たトム・クルーズ とは違う 素 の演技が極限状態での人間の行動を、より血の通うものに見せた事によるものでありスターとしての地位が揺らぐ程の連日のゴシップ報道に晒されて来たこの時期のトム・クルーズからこの演技が引き出せると確信していたスピルバーグの目利きは確信犯とも言えるものがあります■只、スピルバーグの演出のみに視点を置いて作品を眺めると映画そのものの成り立ちが911同時多発テロ事件に端を発したものである事は明らかで本作の侵略の恐怖とはひとえにスピルバーグ監督の単純な 恐怖心が生んだ悪夢 に他ならなく本作の本質とは「戦争」そのものにあるのでは無く負のアトラクションとも言える悪夢の映像が続く未だ恐怖が癒えないアメリカの心の闇を描いた所にある様に思われ「プライベート・ライアン」の時とは真逆の恐怖を見据え切れていないバランスの悪さを感じる内容でもありました■■一方で視点を変えますとスピルバーグ自身の恐怖心を再現する為迷走する トム・クルーズ の素の部分を引き出した転機となる作品でもあったと言えます☆★★★ 楽天エンタメナビ ★★★『T・クルーズの転機となった作品』※リンク先 参考になった ボタンはランキング用クリックボタンです。■■■ 楽天市場 ■■■「宇宙戦争の宇宙船と言えば、このイメージが強いですねえ~」【プラモデル】宇宙戦争 1/144 マーシャンズウォーマシン 襲撃ジオラマセット価格:3,170円(税込、送料別)
2011年12月17日
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『プレデター』の、ほぼ、続編。60点プレデターズPREDATORSアメリカ(2010年)107分■ 監督 ニムロッド・アーントル■ 出演者 エイドリアン・ブロディ /ダニー・トレホ /トファー・グレイス /ローレンス・フィッシュバーン /アリシー・ブラガ誰もが一度は経験する、永遠と続く様な何時終るとも知れない『先の見えない息苦しさ』というものがある。とても辛い経験であるが、全てが終了し長いトンネルを抜けた様な開放感を味わえば掛替えの無い体験をしたと思えたりもする。映画の場合はどんなに先の見えない息苦しい展開を見せても、必ず2時間後に開放される事が分かっているからなのか、そんな掛替えの無い体験とは無縁な気軽さからなのか、やたら強烈に先の見えない息苦しさを前面に押し出してくる作品が人気があったりする。...............................................................................................................................................................-STORY-気が付いたらパラシュートでジャングルに降り立っていた8人は、医者を除いた他、全てが殺しのプロだった。ジャングルに詳しい傭兵のロイド(E・ブロディ)は、不本意ながら集団をまとめるのだが…。...............................................................................................................................................................-解説-『デスペラード』 『スパイキッズ』 の ロバート・ロドリゲスが製作指揮を取り主演は 『戦場のピアニスト』 でオスカーに輝いた エイドリアン・ブロディ にロドリゲス作品常連の ダニー・トレホ ら個性的な面々が脇を固るミステリー仕立てのSFサスペンス・アクション。『ソウ』 などと同系統のスリラーである本作は、事情を知らぬまま現地に放り出された主人公達が危機を回避し行動して行くうちに少しずつ全体像を見せて行くといった作りとなっている。事実を小出しにする事によって張り詰めた緊張を維持し鑑賞者を飽きさせない工夫を施している。設定であるSFとしての面白さや寓話性などには欠けるが、舞台劇の様に俳優の演技を追う粘りのある演出が見所であり、その結末は となると、さっきの先の見えないトンネルの話になるが、更なるトンネルが・・・後は御自身でご確認を。1作目とのリンクが張られた事 以外は さしたるストーリー性も無く名作でも無い本作ではあるが、映画としての面白味が堪能出来る作品としてお勧めしたい。★★★ 楽天エンタメナビレビュー ★★★「『プレデター』の、ほぼ、続編。」リンク先の 参考になった ボタンはランキングクリックボタンです・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・- 楽天レンタル -絶賛レンタル中楽天レンタルで「プレデターズ」を借りよう楽天レンタルで「【Blu-ray(ブルーレイ)】 プレデターズ」を借りよう
2011年12月14日
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E.Tと言うよりクローバー・フィールド 60点SUPER 8/スーパーエイトアメリカ(2011年)111分■ 監督 J・J・エイブラムス■ 出演者 ジョエル・コートニー/エル・ファニング /カイル・チャンドラー /ライリー・グリフィス /ライアン・リー1982年、とある映画館で上映が終わっての一コマ。後ろの席の男が連れに 「オレ、映画館で寝なかったの初めてだよぉ」映画館で寝た子を起こし拍手を起こし日本中の映画館で様々なミラクルを起こした「E.T」。まさにスピルバーグ・マジック。間違いなく歴史的名作であった。さて、筆者は本作をS・スピルバーグとJ・J・エイブラムスによる新世代E.Tと思って鑑賞したのだが8mm映画少年だったエイブラムス監督の少年時代を スピルバーグ映画に重ねた様な、ジュブナイル的作品の仕上がりだったかなり期待して鑑賞したが、「E.T」と言うよりも、「クローバー・フィールド」寄りのこの作品は、監督の持つ現実感に対する感性のズレがあり、子供に見せるには納得が行かない作りになっている様に感じた。...............................................................................................................................................................-STORY-1979年の夏、オハイオのある小さな街で父親と二人暮らしの少年ジョー(ジョエル・コートニー)は8mm映画を仲間と撮影していた。ある夜、駅舎で映画の撮影中列車の脱線事故が目の前で起こり、回り続けた8mmカメラは大破した車両の中を蠢く何かを捉えていた。...............................................................................................................................................................-解説-スピルバーグ映画は少年を主人公にしても 映画の設定は常にリアルだった事に対して本作の場合はそれを意図的になのか踏襲しておらずその為か 必要なサスペンス感が削られた様に感じられた。拘留された父親の国家反逆的逃走劇やバスが襲われた時の子供達の都合の良い脱出劇など映画の柱を崩す様な展開を好んで採用する脚本や、主人公とヒロインの仲を 「少年と少女」 と言うより 直接的な表現は無くても 「男と女」 に描いて 自ら良い話をドロドロさせたり、「アレ」が、散々一般人に被害を与えておきながら感動的な場面で帰って行くラストなど今までのスピルバーグ映画に見られたやらかした事に対しての 「ケジメ」 というものが 完全に抜け落ちているこの映画は少なくとも 子供向け作品では無いように思えた。この様な見方こそ オマージュ作品に対しては焦点がズレているという意見もあるが事、鑑賞の対象が 少年少女向けとなれば 話も変わってくるというもの。もし自分の子供に 事の顛末について尋ねられたら、「アレ」は人間じゃないんだからしょうがないんだよ と、焦点のズレた事を言えというのか「エイリアス」「LOST」と、魂の震えるようなドラマを作るかと思えば頭でっかちの子供が大きくなって撮ったような映画を作ったりする巷では評価の高いこの作品ではありますが男と女は描けるのに、男の子と女の子は描けなかったという事か。★★★ 楽天エンタメナビ ★★★「E.Tと言うよりクローバー・フィールド」 ※リンク先 参考になった ボタンはランキング用クリックボタンです☆楽天レンタルでDVD「SUPER 8/スーパーエイト」を借りよう楽天レンタルで【Blu-ray(ブルーレイ)】 「SUPER 8/スーパーエイト」を借りよう
2011年12月12日
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- 大人版「グーニーズ」の見付けた大切なモノ とは 45点タイムラインTIME LINEアメリカ(2003年)116分■製作・監督:リチャード・ドナー ■原作:マイケル・クライトン■出演者ポール・ウォーカー/フランシス・オコナー/ジェラルド・バトラー...............................................................................................................................................................-STORY-フランス南西部の修道院遺跡の発掘現場。調査を行っていた学生たちは、14世紀の地層から驚くべき遺物を発見する。それは、発掘プロジェクトのリーダーで、スポンサー企業ITCを訪ねたまま行方不明になったジョンストン教授から教え子たちへのSOSだった。教授の息子クリスをはじめとする発掘チームは、ITCの社長から衝撃の事実を知らされる。教授は、ITCが極秘に開発した時空間転送装置で14世紀フランスに転送され、現地で消息を絶ってしまったというのだった。そこでクリスは、仲間とともに中世フランスへ教授を救出に向かうのだったが...............................................................................................................................................................-解説-遥か昔、壮大な戦いの舞台となった場所へ思いを馳せるのは世界中何処の誰もが思う事。 リチャード・ドナー監督による大人の 『グーニーズ』 達が発見する大切なモノは、 『洞穴への地図』 ではなく 『感動へのタイムスリップ』 だった。古今、マイケル・クライトン作によるコンテンツの数々は、映画製作者達の創造の餌食と化しているが本作も例外ではない。科学的考証に裏付けられたタイムスリップと言ったSF映画としての面白さやヨーロッパの歴史的舞台へのロマン溢れるミステリーと言った要素はあまり無い。込み入った内容を自ら紐解き知的好奇心を満足させたい方向きではない。唯只、未曾有の迫力ある100年戦争を背景に主人公達の人情溢れる行動に泣く・・・という映画だ。それらの全てが些か見え透いた伏線が張られて殆どお約束な感じなのだが、分かりやすくて爽やか。おそらく原作は面白いに違いないが込み入った内容は良くまとめられていて画面も迫力がある。家族で安心して楽しめる娯楽映画としてお勧めしたい。★★★ 楽天エンタメナビ ★★★「大人版「グーニーズ」の見付ける大事なモノ」※リンク先 参考になった ボタンはランキング用クリックボタンです☆楽天レンタルで「タイムライン」を借りよう
2011年11月29日
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極端な結末を恐れずに撮り切った潔い演出に、映画らしさを見た。65点ノウイング KNOWINGアメリカ(2009年)122分■ 監督 アレックス・プロヤス■ 出演者 ニコラス・ケイジ /ローズ・バーン /チャンドラー・カンタベリー ...............................................................................................................................................................-解説-タイムカプセルに残された手紙は、衝撃の事実が隠された暗号表だった。監督は 『アイ・ロボット』 のアレックス・プロヤス。暗号を解読した主人公が大惨事を回避するために奔走する姿を追うミステリー。次々と判明していく事実がサスペンス感を増して行き、物語りが進むにつれスケールも大きくなり観客の期待を徐々に高めて行き頂点を迎える作りになっている。やがて衝撃の事実が判明する終盤 「ある」 展開を迎える。このクラスの映画としては異色の結末を取る。この製作者の決断には、自ら異端もやぶさかでない 極端な位の潔さに映画らしさを見た 思いがした。何の事かは、御自身でご確認を・・・一方、主人公をヒーローとしてではなくあくまで等身大の人物として描いた事は多くの共感できるシーンを生む土台となった。『2012』 の様なディザスター・ムービーを期待したら微妙な鑑賞後感を受ける事になるが見て損の無い映画だ。 ★★★ 楽天エンタメナビ ★★★「極端な位の潔さに映画らしさを見た。」※リンク先 参考になった ボタンはランキング用クリックボタンです☆楽天レンタルで「ノウイング」を借りよう
2011年11月29日
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