2012年03月09日
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カテゴリ: 洋画 [SF]


近未来を描く、映像的新体験
ブレードランナー
BLADE RUNNER
アメリカ/香港 (1982年7月) 117分
■ 監督 リドリー・スコット
■ 出演者
ハリソン・フォード /ルトガー・ハウアー /ショーン・ヤング
エドワード・ジェームズ・オルモス /ダリル・ハンナ


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-INTRO-

ヴァンゲリス
という名前は、 カール・セーガン 製作の科学バラエティ番組
「コスモス」 で音楽を使用された事で始めて聞いた名前だが、
知るきっかけになったのは、
「コスモス」にも使われた 「反射率0.39」より”アルファ”
BGMとして使用していた
FMラジオドラマ版の 「宇宙戦艦ヤマト」 である。

当時タイトルも分からないままいち早く耳にしていたこの曲は、
「コスモス」で使用されたことにより、
めでたく曲名と作者を知る事となった。

多くの方は 「炎のランナー」 のテーマ曲の作者としてご存知の事と思う
このギリシャ出身のシンセサイザー奏者が本作の音楽を担当した事は、
「炎のランナー」の時とは比べようの無い程の、
本作のビジュアルと一体となった
目くるめく 巨大な音空間 を構築する役割を担う事であったと言える。


シンセサイザーと言えば、
シンセサイザー・ミュージックの第一人者である日本の 冨田勲 が、
岐阜県の 岐阜城 のたもと、長良川の河川敷で巨大コンサートを開催し
クラシック界を賑わせた事があるが、
同じようにヴァンゲリスも、各地で巨大コンサートを開催し、
クラシック界を大いに賑わせている。

他にも 坂本龍一 など、キーボードでアルバムを製作してきたアーティストが、
映画音楽家 として成功し、
クラシック界で話題になるのは定番とも取れる流れで、

映画音楽でオーケストレーションを学び、
形骸化するクラシック界にやがて新風を巻き起こし
音楽界全体を盛り上げる事に務めるのは、日本も海外も状況は同じの様である。


この様にシンセサイザーミュージックは、
映画などのような個性的なビジュアルを目指した
巨大な音空間を構築するのに良く似合うジャンルといえる。

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-STORY-

人間を殺害し殖民惑星から脱走し、地球に潜入したアンドロイド
「レプリカント」を捕獲する為に、
逃げ出したレプリカントを捕獲する捜査官 ブレードランナーに復職するよう
デッカード(H・フォード)に命が下る。

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-解説-

生命の尊厳と死の抑制を、壮大な映像美で描く
SFフィルム・ノワール というべき作品。

物語は、
環境破壊に晒された世紀末の様相漂う近未来の地球に
宇宙開拓地で叛乱と殺人を犯し指名手配された人造人間「レプリカント」の一行が
逃亡潜入したとして、

腕利きのレプリカント捕獲捜査官「ブレードランナー」デッカード(ハリソン・フォード)が
問題のレプリカント一行の捕獲殺害の任務を命じられ

ブレードランナーとしての職務を果たして行く中で
人間の様にアイデンティティーを持ち感情を持つレプリカントの女性
レイチェルとの出逢いと
逃亡レプリカントのリーダー格ロイ(ルトガー・ハウアー)の追跡を通して

人としての価値観を問い始める

という話で


光と影の魔術師の異名を持つ『エイリアン』『グラディエーター』の
リドリー・スコット監督による
その後のハリウッド作品や日本のアニメーション作品に多大な影響を与えた
和洋折衷した様な世紀末をイメージする特異で壮大なビジュアルが見所の
作品で、

デッカードを負傷させながらも、
レプリカントとして生まれ生きて来た証を伝授するかの様に始終振る舞う
レプリカントリーダーロイを演じるルトガー・ハウアーの演技が印象に残る

「生きる」事の意味や「人は何処から来て何処へ向かうのか」という
生命の根源的な答えなき問いかけとなる

哲学的領域にまで切り込むという側面を持った異色作である



一方、
大金を掛け最高のスタッフとキャストで映像化された本作であったが、
スター・ウォーズ の様なスペース・オペラを想像して鑑賞し
肩透かし を食らった観客の逆クチコミから興行成績は振るわず、
重々しい陰鬱な雰囲気が全体を占める カルト作品 として、
ETのヒットの影で興行を打ち切る映画館も少なくなかったという
不運な作品でもある。

その後、
メディアの時代と共に作品の評価は高まり、
家庭用ビデオの普及と共にレンタル、販売で爆発的なヒットを飛ばし、
映画が 映画館を離れて名画 となる 上映形態に拘らないあり方
というものが本格的に論議されるようになった初めての作品といえる。


R・スコット監督は当初、
映画の観念的である側面を重視した演出を目指していたが、
分かりにくいとの製作サイドの憂慮から、急遽主人公によるナレーションと
別転地へ向かうハッピー・エンドの映像を追加して公開となり、

監督の思惑とは外れた、
チャンドラー風の外連味あるハード・ボイルドSF作品として
世に知られる事となった。


見やすい映画とは言いにくいが 生と死 を扱いながら決して宗教的にならず
一風変わったクライム・サスペンスとして楽しめるように出来ている
劇場公開 版と未公開シーンを加えた 完全版 があり

ナレーションと蛇足なシーンを排除し、
人間とは何処から来て何処へ行くのかという、
本作のテーマをより分かるように当初目指した演出を施した、 最終版

更に未公開シーンと特撮シーンを追加した ファイナル・カット 版の、
実に 4バージョン 存在する事になる。


当時SF以外の題材に退屈を覚え、
風変わりな題材に挑戦するのが楽しいと語るスコット監督は、
ハリウッド作品の個性的な脚本は刺激的であったというが

本作のハリウッド・システムの為に本分である撮影技師として
ファインダーを自ら覗く事が出来ないのが
編集権を与えられない事よりも楽しい事では無かったようだ。


「エイリアン」 のキー・デザインに奇才H・R・ギーガーを起用したように、
本作のキーとなる個性的な未来デザインを担当したのは
工業デザインのカリスマ、 シド・ミード である。

他の映画美術と大きく異なる点は、
シド・ミードが描くデザインは小物、武器、車、衣装にいたるまで全て
実現不可能なものは無い 点である。

車のデザインを依頼されたS・ミードは、
車の背景となる未来都市の外観まで描き込み
それに魅了されたスコット監督は、建造物、街路など細部のデザインまで
意見を取り入れる様にしたと言う。

本作のビジュアルと音世界は、
その後様々な作品に影響を与えた SF映画の金字塔 として現在に到る事になる。



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最終更新日  2017年12月04日 01時35分07秒
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