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年末年始は例のごと帰省しました。ということで、今回から帰省時に飲んだものなど帰省ネタです。先ずはフランスの自然派赤。シャトー・ルラン2017。生産者ブノワ・カミュはフランス・ブルゴーニュのボージョレーの造り手です。ローヌやジュラで働いたのち、2006年にボージョレーの南部、ヴィル=シュル=ジャルニウーという土地でワイン造りを始めました。栽培時の有機無農薬は勿論、醸造時にも自然酵母での醗酵、亜硫酸塩無添加というナチュラルっぷりです。セパージュは、ガメイ100%。価格は3520円程度。色は赤黒ですが紫感もあり。香りは赤ベリーを中心に、青や黒のベリー、それにチェリー、そして、それらフルーツのコンポートやジャム(特にイチゴジャム)といったものも感じられるフルーティなもので、余韻にかけて少し穀物っぽい雰囲気も。また、ハーブやちょっと茎っぽいニュアンスや軽いチョコといった要素もあります。時間と共に、茶色いスパイスや黒土、腐葉土、バルサミコ、麦チョコといったような気配も出てきました。味わいは、しっとり明るい酸味がアタックから余韻までスッと通っています。果実味は柔らかく大人しいですが、時間とともにやや強まって、酸よりも前に出てくるくらいかも。渋みはそこそこで、アタックからある程度感じられ、後口まで印象は変わりません。ただ、時間経過でやや大人しくなります。ボディはミディアム。滑らかさ、しなやかさを感じる質感で、やや硬質ですらあるかも。食事には合わせやすく、砂肝のから揚げなんていいつまみになりました。砂肝特有の、よりはっきり出る鉄っぽい旨みにワインの黒いニュアンスがよく馴染みますし、その食感に対してもワインに硬質さがいいですね。その他、鴨のローストやマグロの中トロ、シカ肉のソーセージなんてものもよく合いましたし、黒いパンの酸味や風味とはよく噛み合いグッと華やかになりました。自然派のガメイらしい風味ですが、味わいのシュッとした感じ、のど越しや口当たり良さは素性の良さを感じさせてくれるものでした。食事にもよく合いスルスルと飲んでしまいましたが、3日4日かけて飲んでも面白そうです。にほんブログ村
2020年01月12日
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さて、12月に行いましたコスパワイン会のワインもこれで最後。トリはブルゴーニュで。コート・ド・ニュイ・ヴィラージュ2016。生産者ショーヴネ・ショパンは1975年に自社ドメーヌを立ち上げたユベール・ショーヴネがショパン・グロフィエの娘エヴリーヌと結婚し、その畑を継承したことで出来ました。クロ・ド・ヴージョなど14のアペラシオンに畑を有し、本拠であるニュイ・サン・ジョルジュには実に4つの1級畑を持ちます。価格は3500円程度でした。色はルビーカラーで透明度もありますが、やや暗さのあるものでもあります。香りは赤ベリーを中心としたベリーフルーツがよく出ていますが、青や黒も少し見えたでしょうか。また、チェリーやチェリーリキュール、オレンジピールといったものも。そこに、紫の花や赤い花、砂糖菓子、それに若干の黒砂糖やカラメルといった雰囲気が加わります。また、軽くトリュフ的なニュアンスもあったでしょうか。味わいはバランス型ではあり、果実味がふわっと広がりつつもその奥からしっとり系ながら骨太な酸が見えるといった所。渋みは意外と存在感を見せ、タンニンの軽い質感と共に後口まで感じられました。ボディはミディアムライトで滑らかな質感ですが、全体的にやや硬い雰囲気はありました。会では最後に飲みましたが、パスタとの相性はまずまず。ポルトガルの果実感との華やかなマリアージュほどではありませんでしたが、それでもトマト系の酸味や肉、チーズのもたらすコクやまろやかさといったものに、ワインのやや硬質ながらもフルーティさのある味わいが嵌ってくれました。このワインに合わせるなら、やはり鶏系でしょうね。それもローストチキンなど素直なものの、その鉄っぽい旨みがよく噛み合いそうです。最近はすっかり高くなったブルゴーニュですが、この生産者のワインは以前からあまり変わらず、今でもしっくりいくコストパフォーマンスなのではないかなと。1000円2000円のワインではありませんが、そういった部分で今回選んでみました。個人的にも好きな生産者で、前からボチボチ飲んでいますが、最近は結構若いうちは堅い感じなようです。以前の華やかな感じも良かったですが、今のスタイルも面白いですね。寝かせて変化を見てみたいものです。赤:[2017] コート・ド・ニュイ・ヴィラージュ ルージュ(ショーヴネ・ショパン)Cote de Nuits Villages Rouge (Chauvenet Chopin)楽天内でも比較的取り扱いの多い生産者です。投稿時時点で3201円のところもありました。これは中々コスパ高い価格かなと。ただ、ヴィンテージはもう2017に切り替わっているようです。にほんブログ村
2020年01月08日
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今回は久々にブルゴーニュのピノです。ベーシックレンジのものにはなります。ブルゴーニュ・ピノ・ノワール2017l。生産者はジョゼフ・ドルーアンです。言わずと知れたコート・ド・ボーヌの名門ワイナリーですね。130年以上の歴史を持つ家族経営の造り手ですが、1988年からは有機栽培を実践、1997年からはビオディナミを開始、2007年には全ての自社畑で行っているという自然派だったりもします。ACブルゴーニュものという事で、ブドウは勿論ボーヌ全土からになります。価格は2000円程度。色はルビーカラーですが、若さもあってか若干の紫を感じます。香りは、開けて直ぐは思いのほか閉じていて、黒っぽい果実やスパイスが香る程度。それが、時間と共に開いてきますと(今回は翌日で丁度いいくらいでした)、赤や青のベリーのコンポート、チェリー、チェリーリキュール、プルーンやプラム、それに洋酒漬けの赤いフルーツといったものが感じられるように。また、スパイスもよりはっきりと茶色いそれや軽いコショウっぽさが出ます。その他、スミレや赤い花、ローズマリーないし軽い茎系の雰囲気、梅、なめし革といったものも。味わいもやはり開けたてはあまり印象に残らない感じ。それが、開いてきますと明るい酸がビシッと感じられ、その背景に柔らかい酸がしっとりした渋みを伴いつつ広がる、といったバランス感になりました。また、その果実味は案外後口にかけても存在感があります。ボディはなめらかなミディアムライト。宅配のマルゲリータピザをつまんでみたのですが、これが中々いい相性。トマトソースの香りや酸味甘味に対し、ワインの赤いフルーツのニュアンスや果実味酸味が合うのは勿論、黒っぽいフルーツやスパイスの香りと、生地の香ばしさや甘味が結構馴染んでくれました。価格も手頃なACブルゴーニュレンジ、定番の生産者という事で軽く見られてしまうようなところもあるかもしれませんが、中々どうして、2017年は良い年だったという事もあるでしょうが、いいものを見せてくれました。親しみやすさとブルピノらしさの両方を、手軽に楽しめる1本だったように思います。2017 メゾン ジョゼフ ドルーアン ブルゴーニュ ピノ ノワール 750ml楽天内にも扱いは沢山あります。こちらは投稿時現在で1925円。クリスマスにチキンと気軽に楽しむのもいいでしょうね。にほんブログ村
2019年12月07日
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スロウカーヴプレゼンツ、県庁通りワンナイトバーで飲んだワイン、今回はフランスのオレンジ?ワインです。レストン・ナチュール エドニスト。生産者クンプフ・エ・メイエはフランス、アルザスのローゼンハイムにあるワイナリーです。元々別々の2つのワイナリーでしたが、子供同士が結婚して一つのワイナリーになったそうです。2010年にジュリアン・アルベルチュスをヴィニュロンとして招き、畑をビオロジックへ転向、ワイン造りでも自然派なスタイルとなっています。セパージュはピノ・グリ100%。価格は3300円位のようです。色は、一応製法としてはオレンジワインなのですが、ご覧の通りの鮮やかなルビーカラーないしバラ色です。透明度は流石にしっかりありました。香りはピンクグレープフルーツやブラッドオレンジといった色のしっかりした柑橘が感じられ、そこに赤ベリーっぽさや赤い花のニュアンス、それに軽いナッツや白コショウといったものが加わります。ただ、時間が経ちますと柑橘っぽさに代ってクランベリーなど赤ベリー感が前に出てきまして、スパイシーさでもピンクペッパーが、更には若干のハーブや下草の様な要素も感じられました。味わいは果実味がアタックにありますが、柔らかなものでふわりと広がるような感じ。そこに、ベリー系の明るい酸がビシッと入ります。その酸と共にバランスをとるのが渋み。優しいものですがきっちりと感じられます。ボディはライトで丸さ、まろやかさを感じるものです。イベントでは、前菜盛り合わせの中のトマトソースのナスとの相性が良かったです。トマトの甘みやコクに対してワインの果実感、特に赤ベリーやブラッドオレンジ的な要素がいいですし、乗っているチーズのまろやかさが加わりますと、味わいの酸や渋みがまろやかになり旨みを盛り立ててくれました。またおでんとの相性も悪く無く、牛筋の旨みも出た出汁の味わいにワインの中の旨みが引き出され噛み合うような印象です。そのだしを吸った大根とも好相性で、大根の風味自体ともワインの香りや渋みが合うようでした。オレンジワインというよりはもはやロゼワインといった色合いや香りでしたが、バランスの取れた味わいと色合いに似合った華やかな香りは飲んでいて楽しいものでした。また、時間経過で出てくる香りの要素って、結構ピノ・ノワールを思わせるものがありまして、ピノ・グリがピノ・ノワールに連なるブドウであることを思い出させてくれたワインでもありました。にほんブログ村
2019年09月24日
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9月のピノ・ノワールの飲み比べ会のワイン、続いてはフランス・ブルゴーニュになります。メルキュレ・ルージュ ラ・ペリエール 2016。生産者ミッシェル・サラザンはコート・シャロネーズのジヴリにあるワイナリー。1671年から続く歴史あるドメーヌで、1986年から現当主が弟と共に営んでいます。33ヘクタールの畑を持ち、本ワインはメルキュレのものになります。価格は3500円程度。色はガーネットといえるくらいしっかりしており、黒さのあるルビーです。香りはやはりベリーフルーツ感しっかり。ブルーベリー、ラズベリークランベリーなど赤ベリーとそのドライフルーツが感じられます。また、少々のアセロラっぽさもあったでしょうか。加えて、軽くオレンジピールやプルーンといったしっかりしたものも。その他、トマトや金時人参の様な雰囲気や、赤い花、紫の花といったものも。味わいは果実味しっかり。アタックからインパクトがあり、柔らかなものではありますが、明確にメインの要素となっています。そこにしっとり乳酸系の酸と旨味、きゅっとしまるタンニンの渋味が加わります。ボディはミディアム。滑らかで目のつまったしなやかさ。会では、やはりチーズプレートのところで飲みましたが、じっくりおいて最後のペンネとも合わせています。チーズプレートのチーズは、やはりブルーにはやや負けますが、他のものはウォッシュも含めて問題なし。しっかり目の果実味をまろやかにしてくれました。また、そのブルーも、やはりドライフルーツ、今回は赤ベリーのものでしたが、それを合わせてやるとワインに勝ち過ぎず、つまみと呼べるところに落ち着いてくれました。ブルーチーズのペンネとは、ペンネのソースとなってまろやかになったおかげで、その旨みに対しワインの果実味や渋みがいけました。しっかりした果実味、華やかな香りと、非常にとっつきやすい事もあり(今回のワインの中では一番外向的でした)、ブラインドの際には全員一致でこれがアメリカ・オレゴンのピノだという話になったのですが…意外や意外なんとブルゴーニュで驚かされました。フルーティでバランスもよく、ブルゴーニュでこのワインがこの価格帯と言うのは嬉しいところではないかなと。にほんブログ村
2019年09月14日
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いよいよ7月も終わりが近づいてきましたが6月のリースリングと和食の会のワイン、続いてはフランス・アルザスのものになります。リースリング・キュヴェ・テオ2017。生産者ドメーヌ・ヴァインバックはその始まりを1612年まで遡ることが出来るという歴史ある作り手です。今では多くの新しい造り手も登場しているアルザスですが、ヴァインバックはヒューゲル、トリンバックとともに当地を代表する生産者と言えるでしょう。ただ、実は1998年からビオディナミを一部導入し、2005年には全面移行していたりも。本ワインに付けられている「テオ」と言う名前は、ワイナリーの現所有者ファレール家の二代目で、ヴァインバックは勿論、アルザスワイン全体の向上に大きく貢献したテオ氏へのオマージュです。価格は4800円程度。色はしっかり黄色です。ツヤ感も少々。香りはフルーティさしっかりで、青リンゴやリンゴ、白桃黄桃、軽い洋ナシやカリンといったものに、レモンやグレープフルーツ、微かなオレンジやレモンピールといった柑橘っぽさが加わります。また、蜜っぽさもあり甘いニュアンスをよく感じる華やかなものでした。ただ、勿論それだけではなく濡れた石的なミネラリーさを感じさせる要素や白コショウなどの乾いたスパイス、それに乾燥ハーブっぽさなども。味わいは、結構しっかり果実味のインパクトがあります。ただ、そこは流石と言うべきかしっとり系も強さのある酸が入りバランスの良さを感じさせます。ボディはミディアム位ですが、硬質乍ら角ばる感じでは無い質感が、エキス分のあるボリューム感と相まって奥行きや深さ、スケール感と言ったものと丸さの双方を感じさせます。会では、鮎の塩焼きの辺りから飲み始めました。鮎との相性もまずまず。意外に、脂や香ばしさと言った部分よりも、身の旨みそのものとワインの果実味や酸が噛み合うような印象でした。天ぷらとは、やはりズッキーニの甘みが好相性。そこに、揚げてあることでの香ばしさや油のコクが加わり、ワインのボリューム感とも馴染んでくれました。その他、タコの土佐酢の旨みや、鰻の香ばしさと言ったものとも悪く無い感じで、存在感のあるワインですが和食との組み合わせも無難にこなしてくれました。味わいのバランス、香りの華やかさ、そしてスケール感を感じさせる質感と、名門ドメーヌがワイナリーの歴史上の重要人物の名前を付けているだけの事はあるワインでした。ただ、今回のものは2017ヴィンテージと言う事で勿論まだまだ若いです。現段階でも美味しく飲めますが、これが5年、10年…と熟成すると、またハチミツっぽさが強まるなど素晴らしいところを見せてくれそうです。リースリング キュヴェ テオ[2017]ドメーヌ ヴァインバック(750ml)白/フランス・アルザス同一ワイン12本以上で3%現金割引キャンペーン楽天内にも投稿時時点で取り扱いがいくつかあります。こちらは4707円と少しお手頃。にほんブログ村
2019年07月02日
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今回の5月のワイン会のワインはフランス・アルザス地方の自然派な白です。アリアンス2016。生産者はマルク・テンペはアルザスの中心部付近の村にあるドメーヌで、ツェレンベルクなどの優良な畑も所有しています。ただ、ドメーヌ・マルク・テンペとしてのスタートは1993年と最近だったり。その後、3年をかけて自然農法へ転換、1996年からはビオディナミを実践しています。セパージュはピノ・ブランとオーセロワ30%、シルヴァーナー25%、ゲヴュルツトラミナー20%、シャスラ10%、ピノ・グリ10%、リースリング5%。価格は、2700円程度です。色は麦わら系ですが割にツヤ感はあります。香りはパイナップル、カリン、ミカンやライムと言った柑橘、それにゲヴュルツなどの影響かライチやマスカットと言った要素も感じられフルーティ。しかし、ハチミツやミード、オリエンタルスパイス、それに若干の還元的なニュアンスと言ったものもあり複雑です。加えて、時間経過で還元っぽさは大人しくなり、リンゴ的な雰囲気や黄色い花、ハーブなども現われました。味わいはバランス型。以前飲んだ際は結構甘さに振れている感じでしたが、メインの要素ではあるものの大人しい果実味に、しっとりながら骨太な酸が加わるといった所。ボディはふっくらかつ滑らかなミディアムライトと言った印象ですが、軽くミネラル感もあったでしょうか。会では、全体を通して飲んでみました。チーズプレートでは、レバーペーストとの相性の良さが光っており、レバーのコクや香りに対し、ワインの収斂味のある味わいや複雑な香りが馴染んでくれました。また、肝心のチーズとも悪く無く、中でもブルーチーズの香りや癖を無理なく受け止めてくれるところは他のワインにはない相性でした。また、写真を撮り忘れましたカマンベールのガレットともバッチリ。熟成したカマンベールの強い旨みや香りの癖にこれまたぴったり馴染みます。加えて、ガレット生地の風味にもいけますね。結構久々に飲みましたが、以前よりも辛口寄り、香りもより複雑な印象だったかなと。それでいて華やかさも健在と、参加者の方々の評判も上々な1本でした。個人的には、癖のある物との相性の良さが結構面白く、アジア料理や魚卵、塩辛系など色々合わせてみたいところです。ドメーヌ マルク テンペ アリアンス 2016 白 フランス オーガニックワイン 自然派投稿時現在、楽天内にも取り扱いがあります。こちらのお店では2786円でした。にほんブログ村
2019年06月04日
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先日行いました台所山猫さんでの爽やかワインと和食の会のワイン、続いてはフランスワインです。サンセール・レ・モン・ダネ2015。生産者ドメーヌ・ドゥラポルトはフランス・ロワール地方のワイナリーです。チーズのクロタン・ド・シャヴィニョールでお馴染みのシャヴィニョール村で17世紀からワイン造りを行っています。現在は2010年からワイン造りを行うマテュー氏のもと品質を大きく向上させている他、シレックス土壌が中心の自社畑に、マテュー氏の叔父から受け継いだコート・デ・モン・ダネのキンメリジャン土壌を含む幾つかの畑を加えています。本ワインは、そんなキンメリジャン土壌であるモン・ダネのソーヴィニヨン・ブラン100%。価格は5000円程度です。色は青みがかった黄色。濃くはありませんが薄すぎるものでもなく、麦わら感もあります。香りは青リンゴやハチミツがパッと薫る華やかなものです。また、そこに焼きイモや焼き栗など香ばしさを伴う甘いニュアンスも加わります。そこに、時間経過とともに、グレープフルーツやレモンといった柑橘っぽさや黄色いパプリカなどフレッシュなソーヴィニヨン・ブランの典型的な要素が現れてきました。また、白桃や洋ナシ、それに少々のキウイっぽさといったフルーティさや、緑のハーブ、白い石的なミネラルといったものも。味わいはフルーティな香りに似合ったジューシーなもの。果実味のアタックが明確に最も強い要素として存在します。ただ、そこは流石フランスワイン、太く強い酸がしっかりあり、その果実味の背骨として感じられます。ボディもミディアムくらいはあり、エキス分やハリ、膨らみといったものを感じさせる質感です、滑らかながらしっかりした印象を受けました。会では、椀物から焼き物の辺りで飲みました。椀物との相性は問題なし、くらいで劇的なマリアージュとはいきませんでした。それでも、ワインのインパクトのある香りと味わいの後に、出汁の旨みと程よい塩気が加わることでほっと一息つける感じでした。焼きものとの相性は良かったです。中でも、ミル貝の強い甘みと旨みに対してはワインの果実味や酸のしっかりした味わいがよく馴染んでくれました。また、香りの面でも、貝の特徴ある香りに対しワインのハーブや柑橘のニュアンスが噛み合います。爽やかなワインの代表的品種としてソーヴィニヨン・ブラン、それもあえてニュージーランドではなくフランス・ロワールで行ってみましたが、果実味の強さはニュージーランドのものにも負けないくらいの印象ありました。勿論その果実味に似合った酸や香りがありバランスもよく、爽やかでありつつも力強さや奥深さを見せてくれたワインだったかと思います。ドメーヌ・ドラポルト サンセール レ・モン・ダネ [2015]750ml楽天内にも投稿時現在1件取り扱いがありました。価格は5076円。オールシーズン、明るいうちに食事と楽しむもよし、しっとりワインを主役に楽しむもよしなワインではないかなと。にほんブログ村
2019年04月29日
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と言う事で、今回からヴィノムオカヤマで飲んだワインです。先ずはフランス・アルザスのものです。ピノ・グリ・レゼルヴ2013。生産者はジェラール・シュレールです。16世紀から栽培農家を続けていたそうですが、1958年にジェラールが自社での醸造を開始、現在はジェラールの息子であるブリューノ・シュレールが当主となっています。その自社醸造開始の頃から畑では有機無農薬栽培を実践、醸造時もフーダーでの醗酵・熟成が中心で酸化防止剤は極力抑えているそうです。価格は5000円程度ですが楽天内には同ヴィンテージは既に無いようです。色はツヤのある黄色で、黄金と言っていいレベルかも知れませんが少々の濁りがあります。香りは、メロンやリンゴ、軽いアプリコット、それにオレンジやキンカン、レモンと言った柑橘など、フルーツ香がしっかり出つつも、その中に軽い還元的なニュアンスや酵母っぽさ、穀物と言った気配も見えます。また、そこにシナモン的な微かなスパイシーさや生姜っぽさ、ハーブ、それにマリーゴールド的な黄色い花と言った要素も加わったでしょうか。味わいは酸しっかりで、アタックにはメインの要素として出ます。明るく硬質さを感じるそれがビシッと感じられます。その背景に果実味が柔らかく広がりますが、それは弱いものではなく確かな存在感がありました。更に、後口にかけて軽い渋みも感じられました。ボディはミディアム程度で、クリアーさとグリス感のある質感でした。イベント当日は鯖のコンフィと合わせました。鯖の旨みとの相性はまずまずと言った所でしたが、かかっているカボスの風味が合わさるとグッと馴染みます。やはり、ワインの柑橘香と噛み合いますし、ワインの酸ともいいようで、それが魚の旨みや塩気とも連続性を感じさせてくれました。しっかりしたワインですので、鶏の丸ごとオーブン焼きに合わせても良かったかなと。鶏肉や豚肉など白い肉との相性は手堅そうですし、スパイスやハーブの利いたアジアンな料理にも面白そうです。香りにはビオ感少々ありましたが、高いエネルギーを感じさせつつもバランスがいいところなどは流石だなあと。その香りも、しっかりフルーティさがありますし、決してとっつき肉と言う事は無かったかなと。前菜からメインまで、コースを1本で通せるようなワインだったように思います。ジェラール・シュレール・エ・フィス / ピノ・グリ・レゼルヴ [2016]【白ワイン】楽天内には現時点で2016ヴィンテージが4828円でありました。今飲んでもいいでしょうが、もう数年寝かせればさらに輝くかもしれませんね。にほんブログ村
2018年11月20日
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先日のオレンジワイン飲み比べ会のワイン、続いてはフランス・アルザスのものになります。シ・ローズ。生産者はクリスチャン・ビネールです。フランス・アルザス地方で1770年からワイン造りを行っているという歴史あるワイナリーで、11ヘクタールの畑を持ち、家族経営を続けています。こちらも、畑では無農薬栽培を実践、SO2も不使用と言う自然派な造り手でもあります。セパージュはゲヴュルツトラミナー65%、ピノ・グリ35%。両品種を8ヶ月醸した2016年と8日間醸した2017年のキュヴェを合せ、大樽でシュールリー熟成しているという変わり種です。価格は3500円程度。色はオレンジカラーですがしっかりしたもので、夕焼け色ないしタマネギの皮といった感じ。香りはライチやアロエヨーグルトのアロエのニュアンスが出ており流石はゲヴュルツだなと。そこに、チェリーやクランベリーと言った赤いフルーツのニュアンスやちょっとスイカっぽい雰囲気も加わりフルーティです。ただ、それだけではなく赤コショウやオリエンタルスパイス、ハーブっぽさや若干のカイワレ?のような気配、それに薔薇的な赤い花の要素と言ったものも感じられました。味わいは渋みしっかり。赤ワインかと思うほどはっきりアタックから感じられ、後口にかけても印象を残します。果実味は柔らかく、しかし渋みの背後からじわじわと後口まで長く広がります。酸の印象はそこまでではありませんが、果実味や渋みを裏か支えると行った感じ。ボディはミディアムで、ハリのある、クリアーで滑らかな質感です。会では、チーズプレートからサラダ辺りで抜栓しましたが、その強い渋みやフルーティさのおかげか、ウォッシュなど癖のある物にも合いました。中でも、ブルーチーズとの相性はバッチリで、青カビの部分にワインの渋味が嵌って旨みを感じさせますし、リモンチェッロで洗ってあることでの仄かなフルーティさや甘味に、ワインのフルーティな香りや果実味が馴染みました。また、フラムクーヘンの生地の香ばしさに対しても中々。加えて、乗っているチーズとキッシュ的なソースの塩気やコクに対しても悪くありませんでした。あと、少し残しておいてメインのカボチャの肉詰めにも合わせてみましたが、挽き肉の脂やコク、カボチャの甘み、それをまとめるチーズのミルキーさ、どれに対してもワインのフルーティさを伴う渋味が馴染んでくれました。そのフルーティな香りの印象とは違った渋みのインパクトの強さが面白いワインでした。質感のクリアーさや色合い、香りと決して赤ワインではないのですが、その渋みは半端な赤ワインよりずっと存在感ありました。その分、癖のあるチーズや肉カボチャの甘みとよく合ったのかなと。豚肉や焼き鳥など、白合せるか赤合せるか、と言う料理・食材に対して面白い選択肢なのではないかと思います。[NV] "シ・ローズ" ヴァン・ド・フランス (クリスチャン・ビネール)Si Rose VDF (Christian Binner)楽天内では、投稿時現在こちらのお店が3326円で最安値のようです。今回は岡山のお店で購入しており、上部の写真は購入店で後日撮らせて頂きました。にほんブログ村
2018年11月12日
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今回はかなり久々のフランス、ブルゴーニュの赤になります。サントネー・アン・ヴィヴォー2014。生産者ドメーヌ・バールは1982年創業のマルサネを本拠とするワイナリーです。同地の名門クレール・ダユのジョセフ・クレールを祖父に持つという造り手で、マルサネを中心にサントネーやフィサンのブドウを用いてワイン造りを行っています。鯖委ではリュット・レゾネを実践。サントネーの土壌はジュヴレ・シャンベルタンと同じ地層なのだそうです。セパージュは勿論ピノ・ノワール100%。価格は楽天内で6480円です。色はダークルビー。ただ、暗さははっきり感じますが透明度は高いです。edgeにかけてはまだ少し紫も見えたでしょうか。香りはラズベリーやクランベリーと言った赤ベリー、ブルーベリーと言ったベリーフルーツがよく出ています。また、それらのドライフルーツやコンポートと言ったものも感じられ、濃い雰囲気があります。加えて、少々の柿っぽさも。そこに、下草のニュアンスやシナモンなどのオリエンタルスパイス、黒蜜、赤い花、軽い桜のような気配と言ったものが加わります。味わいも、勿論そこまで濃く強いものではありませんが、果実味のアタックをきっちり感じます。そして、じわっと広がるその果実味の奥から明るくしなやかな酸がグッと出て来てバランスをとります。しぶみもしっかりしており、こちらもアタックから印象を残します。ボディはミディアムで割に柔らかな印象。ふわっと膨らむ感じです。食事にもよく合いましたが、結構しっかり目の味わいのものの方がよかった印象です。最初、やはりピノには赤身魚かなと鮪の刺身を合わせたところ、臭みなどは出ず悪くはありませんでしたが、がちっとマリアージュする感じにはならず。次に肉じゃがを合わせますと、これはバッチリで、甘辛い味わいや醤油ベースの香りにワインの果実味や渋み、黒っぽい香りのニュアンスがよく馴染みました。また、イカの煮ものなんかもいいつまみで、イカの旨みや食感に対しワインの果実味や酸、質感が合いますし、これまた醤油ベースの味わいと言う事で香りの相性も良かったです。また、トリとキノコを赤味噌を混ぜつつお煮掛けにしたところ、これにも好相性。鶏肉やキノコの旨みは勿論、赤味噌のコクや香りに、ワインの果実味、スパイシーさが合うようでした。しっかり目のピノですが、香りの要素の多さやバランスの良さなどはらしさを感じさせてくれるものでした。まだ若さすら感じるところがあったので、もう3年5年置いてみても面白いのかもしれません。また、醤油や赤味噌との相性の良さは興味深い点でした。やはりワインと食事の色で合わせるというのは良いアプローチだなと思います。[2014]サントネー アン・ヴィヴォー / バール / ブルゴーニュ / フランス / 750ml / 赤楽天内ではこちらのお店でのみ扱いがあるようです。スーパーセール半額で買えましたのでラッキーでした。にほんブログ村
2018年10月19日
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先日の中華料理とロゼワインの会のワイン、続きましてはフランス・ブルゴーニュのものになります。マルサネ・ロゼ2007。生産者ジョセフ・ロティはドメーヌとして10代以上続く歴史ある、ジュヴレ・シャンベルタン村のワイナリーです。その歴史に由来する古木を多く所有しており、リュットレゾネで栽培しています。厳しい収量制限を行う造り手は多いですが、ジョセフ・ロティはその先駆けでもあります。醸造時には1年近い樽熟を行い、長期熟成型のワインを造っています。セパージュは勿論ピノ・ノワール100%。ロゼ用のアペラシオンのブドウを用いています。価格は、同ヴィンテージのものは楽天内で3888円。色は熟成の影響かもうオレンジと言っていいほどのもの。夕焼け色です。香りにも、フルーティさはあり赤ベリーやチェリーのニュアンス、ピンクグレープフルーツっぽさを感じるものの、アンズや黄桃、それに梅っぽさといった要素が見え、タイムやローズマリーの乾燥ハーブの気配と共に熟成を感じさせます。加えて、バラの花や紅茶、それに微かな蜜っぽさと言った要素もあったでしょうか。味わいは酸が基軸ですが、若いうちは強かったであろう雰囲気は持つものの、こなれて落ち着いたものとなっています。そこに、意外と存在感を見せる果実味が拡がってきます。旨みもあり、立体感・奥行きを感じます。ボディは一応ライトと言えるレベルですが、エキス分があります。会では、紅茶漬け鴨肉の燻製のところで飲みましたが、まあ合わないわけがないという組み合わせですね。鴨の旨みや塩気に対してワインの酸、果実味が合うのは勿論、肉の穏やかな燻製香とその奥に見え隠れする紅茶の気配に対しワインのフルーツ香や紅茶っぽさがドンピシャです。そのままでもいい相性ですし、添えてある味噌をつけても、その甘辛さがまたワインの果実感に馴染み、味噌有り味噌無しどちらもいい相性でした。このロゼは評判も良かったという事で2005、2006ヴィンテージを飲んでいるのですが、それはもう7年も前の話。今飲む2007は当時のそれらとはやはり違いますね。ロゼも熟成するんだということ、そして、熟成したロゼの魅力をしっかり見せてくれるワインでした。[2007] マルサネ ロゼ 750ml ジョセフ・ロティ Marsannay Rose / Joseph Roty楽天内では現在2014、2015くらいが多いようですがこちらはこの2007ヴィンテージをまだお持ちです。値段は若いものより高いですが、その価値は十分あるのかなと。にほんブログ村
2018年09月17日
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今回は、やっぱり暑い時期には白ワインと言う事で、フランス・アルザスのリースリングです。アルザス・リースリング・キュヴェ・レゼルヴ2015。生産者はテュルクハイム葡萄栽培者組合です。その名の通りアルザス地方のテュルクハイムにある組合で、伝統産地フランスですが歴史自体は1955年設立と新しいものです。230名の組合員が居り、その畑の総面積は500haに上ります。グランクリュも7つ保有しており、最近では栽培にリュットレゾネを導入しているようです。価格は、写真のお店では1922円です。色は青みがかった麦わらと言った所。香りはガムシロップ、オリーブオイル的な軽いオイリーさ、黄色い花、ミネラルや緑のハーブ、それに少々の蜜っぽさ等がありつつも、やはりフルーティさが出ています。ミカンやオレンジ、スイーティやライムなどの黄色いや緑の柑橘が感じられ、さらに、リンゴ、南国フルーツ、軽い柿っぽさと言ったものもあったでしょうか。味わいは、アタックには果実味が柔らかく広がりますが、太く量も多い酸がその後から追いかけてきて前に出ます。どっしりした印象で、後口にかけてその酸が支配的となりますね。また、後口には苦味もキュッと。ボディはミディアムライトで、柔らかさと膨らみを感じる質感でした。食事との相性では、お寿司なども良かったですが、サラダビーンズ+アボカド+トマトを岩塩とオリーブオイルで和えただけのシンプルなつまみを作ったところこれがバッチリ。豆の旨みやトマトの酸味甘味旨みに対してワインの辛口な味わいが合いますし、アボカドのまろやかさやコクに対しても、ワインの力強い酸がいい対比になります。それらをオリーブオイルのまろやかさと香りが纏め、岩塩の味わいがアクセントになる、と言った感じでした。また、上記つまみには加えていないのですが、サラダチキンのハーブ風味なんかもいいつまみでした。酸のバランスや香りのフンに機などアルザスリースリングのらしさを感じられ、中々コスパ高いワインだったかなと。スーパーで購入したのですが、こういったものが手軽に買えるというのは有難いところです。因みに、つまみの食材も同じスーパーで購入しています^^敬老の日 ギフト テュルクハイム葡萄栽培者組合 アルザス リースリング・キュヴェ・レゼルヴ 白ワイン 辛口 フランスこちらは購入したスーパーと同じ系列のお店です。値段も同じでした。楽天内では、1つ後の2016ヴィンテージならもう少し安く見つかるようです。にほんブログ村
2018年08月20日
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さて、6月のちょっと熟成したワインの会のワインもこれでついに最後です。ボルドーの赤になります。シャトー・ラ・ジラード1996。AOC・ボルドー・シュペリュールになります。タイエという家が、数世代にわたりブドウ畑を所有しているとの事。コルドンヴェール輸入と言う事で、イオンでの扱いとなります。セパージュは、メルローとカベルネ・ソーヴィニヨン。価格は、2462円でした。色はガーネットカラーですが黒さのあるものではあり、透明度も低めです。香りは、黒コショウっぽさがはっきり出ており、更に各種茶色いスパイスの雰囲気も。また、キノコっぽさや腐葉土的な湿ったニュアンスも微かに。それでいて、フルーツっぽさもちゃんとあり、赤ベリーやチェリー、軽いオレンジピール、ベリーのドライフルーツといったものも。その他、若干のカカオやココアっぽさも。味わいは、こなれた果実味がアタックに広がります。そこに、穏やかで優しい酸と軽い渋みが加わってバランスの良さを感じさせます。ボディは流石にミディアムと言った所で、柔らかくしなやかな印象でした。会では、やはりラザニアと最後の焼きチーズのところで飲みました。ラザニアとの相性は上々で、やはりトマトっぽさにワインのベリー感が馴染みます。また、肉のコクに対してはスパイシーさや湿ったニュアンスがいいですし、ソースの甘みとワインの果実感が香りの相性もあってかよく噛み合いました。焼きチーズは流石のニュートラルさと言うべきか、つまみとしては満点でした。こなれてきていますし、赤ベリーのニュアンスもありますから、肉料理には合うでしょうがあまり濃厚、あるいは脂の強いものではなく、ローストビーフや鴨のローストなど、赤身系のものが良さそうです。22年の熟成を経ていてこの値段ですし、正直そこまで期待はしていなかったのですが、これがどうして、スケール感こそ値段なりですが、「熟成したボルドー」のらしさをしっかり感じさせてくれました。コルドンヴェールはイオンとやまやの共同出資で造られたインポーターですが、やはり目利きしっかりされているんだなと脱帽です。にほんブログ村
2018年08月04日
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先日の日本と海外ワインの飲み比べ会のワイン、日本のシャルドネ2種と来まして、次はフランス・ブルゴーニュのシャルドネです。ブルゴーニュ・シャルドネ2015。生産者はシャントレーヴです。日本人醸造家の栗山朋子さんが、パートナーのギヨーム・ボットさんと一緒に始めた、2010年ヴィンテージが初リリースのネゴシアンです。栗山さんは、元々ガイゼンハイムをご卒業後ラインガウのワイナリーで醸造責任者をされていたそうですが、シャルドネをやりたいとお考えになり、どうせならとブルゴーニュへ参入されました。そこで、シモン・ビーズで醸造をしているボットさんと協力して、ネゴシアン、それも果汁、若しくはブドウの段階で購入しワインを造るスタイルで開業されました。セパージュは勿論シャルドネ100%。オート・コート・ド・ボーヌのものになるようです。価格は、2700円弱程度。色はツヤのある黄色。香りは、開けたては白い花や石灰的ミネラル、ナッツっぽさといったものが強く、そこに少々の柑橘が加わる程度。それが、時間とともに一気に開き、石灰っぽさが弱まりつつ、ミツ、完熟リンゴ、アプリコット、パイナップル、更には若干の焼きイモといった華やかさが出て、柑橘香もグレープフルーツ感がよりはっきりしてきます。そこに、若干の乾燥ハーブっぽさも。ただ、ナッツっぽさは開いてからも健在です。味わいは、特に開いてからですが果実味の印象はあります。割とトーンの低いものでした。勿論酸もしっかりありますが、しっとりした太い印象を受けるもので、果実味の中心に芯の様に1本通っているような感じでした。ボディはミディアム。エキス分やミネラル感のある、ハリを感じるものでした。会では、やはり豚の冷製3種の辺りで飲みましたがやはりどれも相性がいいですね。テット・ド・フロマージュやパテとは、他のシャルドネ2種と同じように、質感と食感、果実味と旨みや塩気がよく馴染みます。特に、開いてからのよりしっかりした果実味の印象と華やかな香りは、豚の味わいによかったです。ブータンノワールのテリーヌとも、特にリンゴソースがやはり相性がよく、味全体に一体感が出ました。一方、マンガリッツァ豚とは、肉とワインの相性は悪く無いですが奥出雲シャルドネほどでは無し。香りや味わいの濃さが、逆に肉から浮いた感じになりました。ただ、そこに添えてあったゴボウのローストを加えると一変。ゴボウの香りとワインの香りが噛み合い、そこに豚の風味やソースが加わり華やかさが出ます。また、ゴボウの食感が加わったことでワインの量感と豚肉の柔らかな質感の間を取り持ってくれる感じに。一度飲んでみたかったワインでしたが、ようやく飲むことが出来ました。開くまでは少々時間を要しましたが、華やかさと果実味の濃さを感じられました。日本の2種類とはやはり香りに似た要素などもありますが趣は違いますね。マンガリッツァ豚との相性の差などは興味深いところでした。白:[2015] ブルゴーニュ シャルドネ (シャントレーヴ)Bourgogne Chardonnay (Chantereves)楽天内にもありました。上のキュヴェも興味深いところ。にほんブログ村
2018年05月28日
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先日の土着品種白ワインの会のワイン、続いてはフランス・ローヌ地方のものになります。ケラーヌ・ブラン・オー・クスティア2013。生産者はドメーヌ・ド・ロラトワール・サン・マルタン。南ローヌの、2016年にAOCとして認められたケラーヌと言う産地のワイナリーで、300年以上の歴史を持ちます。栽培ではビオディナミを行い、醸造は野生酵母ですが、栽培は昔からその方法でやっていたから、醸造はテロワールを反映させ個性を出し他の生産者と差別化するために行っているのだとか。セパージュは、マルサンヌ、ルーサンヌ、ミュスカ、クレレット、ヴィオニエと5種類のブドウです。ローヌの土着品種と言っていいかと思いますが、流石フランスのブドウ、新世界でローヌブレンドを志向する生産者などはこういったブドウを用いていますね。価格は4320円程度ですが楽天内に2013ヴィンテージはもう見かけません。色はツヤのある黄色。しっかり目です。香りは干しブドウやラムレーズンを思わせるニュアンスが感じられたのが特徴的でした。そこに、バナナや洋ナシ、カリン、それにミカンや微かなオレンジといったフルーツ、白い花、グリーンオリーブの要素や、若干のオリエンタルスパイス、それに乾燥のタイムやローズマリーなどのハーブっぽさ等が加わります。味わいは果実味しっかりのアタックがあります。酸はその果実味の中からジワリと出てくるような感じですが、わりにトーンが高く明るさのある酸です。後口にかけては果実味より印象が強まるほど。ボディはミディアムで、エキス分がありある程度の量感を感じます。会では、魚のメインのところで飲みましたがこれはバッチリでした。まず、ワインの量感がソースのクリーミーさに、果実味が塩気や旨みのある味わいによく嵌ります。そこに、魚の旨みや皮目の香ばしさが加わることで、より重層的な味わいとなり深みを感じられました。このワインには、やはりお寿司や刺身より、こういった味わいのしっかりした魚料理や、あるいは鶏、豚などの白い肉の料理が良さそうですね。ローヌの白、ましてこういったセパージュのワインの経験はあまりありませんが、干しブドウっぽさがはっきり出ていて面白かったです。今回はいつも以上に特徴あるワインが多かったですが、その中でもひと際インパクトありました。ケラーヌ・ブラン・オー・クスティア [2014] (ドメーヌ・ド・ロラトワール・サン・マルタン) Cairanne Blanc Haut Coustias [2014] (Domaine de L'Oratoire St. Martin) 【白 ワイン】【フランス】【コート・デュ・ローヌ】楽天内には2014ヴィンテージがありました。2013は暑かった年ですが14だとどう違うのか興味深いところです。にほんブログ村
2018年04月04日
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今回はフランス・ブルゴーニュの白。ムルソーになります。ムルソー・レ・ナルヴォー2016。生産者はイヴ・ボワイエ・マルトノです。4世代にわたりムルソーでワイン造りを行っているドメーヌで、ジュヌヴリエール、ペリエール、シャルムと3つのプルミエクリュ全てに畑を持っています他、ピュリニィ・モンラッシェやポマールなど、ボーヌ各地に合計10ヘクタールの畑を所有しています。レ・ナルヴォーは、ムルソーの谷を眼下に望む粘土を含んだ石灰質土壌で、ジュヌヴリエールと地続きとなっています。セパージュは、勿論シャルドネ100%。価格は7000円程度が多いようです。色は青みがかっていますがツヤのある黄色、軽い黄金といったところです。香りは、らしいナッツやクリーム、それにトーストや蜜的なニュアンスがあります。また、オレンジピールやオレンジ、少々のグレープフルーツといった柑橘、あるいは洋ナシや完熟蜜入りリンゴ、カリン、軽いバナナといったフルーツ感もいっぱいです。加えて、オリエンタルスパイスの気配や乾燥ハーブ、軽いキノコのポタージュ、白や黄色の花、酵母、若干のミント?のような要素も感じられたでしょうか。味わいは、香りに似合った果実味のアタックがあります。酸は明るいものが、じわりと出てくる感じで後口にかけてしっとり繊細に残る感じでしょうか。ボディは思いのほか柔らかく軽やか。流石にそれなりの密度は感じられますが、ミディアムライトくらいでしょうか。余韻もそこまででもなく、寧ろすっと切れるくらいでした。今回は、帰省した際にワインバーで頂きましたので食事とは合わせて居ないのですが、香りのアタックを考えればやはり皮目を焦がした白身魚のバターソテー+クリーム系のソースなんていいでしょうし、鶏肉もフリカッセなどにすると良さそうです。また、鶏肉ならもっとシンプルに焼き鳥でも良さそう。塩は勿論、果実味の印象もありますしタレでも問題なさそうです。印象の繊細さや余韻の弱さ等、状態としては万全ではなかったのかもしれません。それも香りの華やかさ等はバッチリでしたので、決してお手頃なワインではありませんが、また機会を作って飲んでみたい1本です。ドメーヌ・イヴ・ボワイエ・マルトノ(Domaine Yves Boyer-Martenot)[2016]ムルソー・レ・ナルヴォー 750ml 【送料無料対象外】【白ワイン】【ブルゴーニュ】こちらでは7214円です。フレンチに合わせて、ワイン会で飲むのもいいかなと。にほんブログ村
2018年03月19日
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今回はフランス・アルザスの白です。甘味のあるタイプになります。アルザス・ゲヴュルツトラミナー・フルシュタンチュム2009。生産者はマルク・テンペです。アルザスのツェレンベルク村で1996年からビオディナミに取り組み、芽かきによる収量制限や夏季剪定も行わないという自然派の作り手になります。フルシュタンチュムは、石灰の多い粘土質の土壌だというグラン・クリュになります。セパージュは、ゲヴュルツトラミナー100%。価格は、写真のお店では6361円。色はツヤも濃さもあり、黄金と言っていいレベルです。香りは華やか。ハチミツやリンゴのニュアンスがよく出ており、そこにゲヴュルツらしいライチっぽさや白コショウ、それに若干のオリエンタルスパイスと言ったものが加わります。加えて、フルーツ感は他にも感じられ、黄桃や洋ナシ、若干のオレンジピール的な雰囲気も。その他、ディル等のグリーンハーブや、石的なミネラルも感じられました。味わいは甘みをしっかり感じます。勿論、酸はキッチリ入りますが、割と柔らかでおとなしい酸がふわりと果実味に乗って来るといったものでした。また、旨みやミネラル感も、その酸と一緒にやってきます。それら各要素が相まって、全体的にバランスのいい味わいとなっています。ボディはミディアム。丸さやまろやかさのあるもので、エキス分もそこまでゴツいものではなく程々。今回は、チーズをつまんだくらいでしたが、ブルーチーズはやっぱり合いますね。ワインの甘みやボリューム感と、チーズの塩気や旨み、青い部分の癖やミルキーさが馴染みます。また、香りの華やかさとブルーチーズ独特のニュアンスとの相性もやっぱりいいです。また、ウォッシュチーズとも、ミルキーで癖の少ないタレッジョだったこともあるでしょうが、塩気やミルキーさ、コクがよく合い良いつまみになりました。そこまで甘い!と言う感じではないので、食事にも合わせてみたい印象でした。アジア料理、あるいはフルーツの祖s-スを使った肉料理など面白そうかなと。マルク・テンペのワインは岡山でも購入できるお店があり、口にする機会も比較的多いのですが、下のキュヴェからこういった良いレンジのものまでいいですね。にほんブログ村
2018年03月15日
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今回も続けてマルク・テンペです。自社畑産ブドウを使った白になります。ツェレンベルグ・ゲヴュルツトラミネール2013。アルザスと言いますと、ドイツに近く涼しそうなイメージを持ちますが、南仏並みの降雨量の少なさで乾燥し、夏場などは南向きの斜面では目玉焼きが焼けると言われるほどに暑くなるそうです。本ワインは、そんなアルザスのグラン・クリュに指定されているマンブールのゲヴュルツトラミナーを用いたワインになります。自然酵母で除梗・破砕せず醗酵させていますが、プレス時と瓶詰時に少量の酸化防止剤は使用しています。価格は、写真のお店では3610円。色はツヤのある黄色、あるいは黄金と言った感じ。香りは、ライチっぽさが出ており、さらにオリエンタルスパイスやローリエなどのしっかりしたハーブといった、らしさを感じるものです。また、洋ナシや黄桃、完熟リンゴ、リンゴジャム、ドライマンゴーと言ったフルーツ感も加わります。その他、若干のベッコウアメっぽさやアロエヨーグルト的なニュアンスもあったでしょうか。味わいは乳酸系の酸がどっしり入っており、そこに勝るとも劣らない果実味も加わります。後口にかけてはやはり若干の苦味も感じられたでしょうか。加えて、旨みも有ったように思います。ボディはミディアムライトといった所で、丸く柔らかですがやはりライトなりの量感は感じられるものです。食事との相性では、各色のコショウの利いたローストチキンをつまみますとまあ間違いないですね。コショウのスパイシーさと香りの相性の良さは勿論、肉の旨み、特に鉄っぽい部分、さらには適度な脂感といった肉の味わい自体が、ワインの果実味の量感、香りの各要素と相性がいいようです。また、ゲヴュルツはカレーにもいいという事で、タラをソテーしてジャガイモ、キャベツ、タマネギと春の味覚と共にカレースープ風にしてみましたが、まあ悪く無い感じです。カレーの風味とも喧嘩せず行けますし、キャベツやタマネギの甘みとは果実味がよく馴染んでくれました。魚に対しては、ワインがやや優位かなと。もう少し味付けしっかりすればよかったかもしれません。元々マンブールとして作ったようですが、出来に納得がいかずこのキュヴェとしてリリースしたのだとか。成程、グランクリュにするには柔らかすぎるかもしれませんが、それでもゲヴュルツらしい華やかさと果実味、それにキッチリした酸の感じられるいいワインでした。にほんブログ村
2018年02月23日
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12月のピノ・ノワール飲み比べ会のワイン、今回と次回は楽天スーパーセールで手に入れた掘り出し物になります。今回のものはブルゴーニュのものです。ニュイ・サン・ジョルジュ2012。生産者はドメーヌ・ジャフランです。ニュイ・サン・ジョルジュ村で1925年から続くワイナリーで、現在で3代目。その奥様が、ヴォーヌ・ロマネのドメーヌのご出身だったことから、今ではジュヴレ・シャンベルタンとヴォーヌ・ロマネの畑も所有しているそうです。畑ではリュット・レゾネを実践し、醸造は完全天然酵母のみで行うそうですが、除梗は100%しているそうです。楽天内に2012の在庫は無し。色はガーネット感のあるルビーで、これぞピノ、という趣です。香りはダークチェリーやアメリカンチェリー、それにマラスキーノなどサクランボっぽさが結構出ており、そこに各種赤ベリーやそのドライフルーツが加わるといった感じで、フルーティさが前に来てはいます。ただ、スパイシーさも十分で、甘草などオリエンタルなそれがよく感じられました。その他、定番の下草っぽさや、微かなヨード、それに赤い花の雰囲気も少々。味わいは流石のバランスのよさです。柔らかな果実味と明るくも落ち着いた酸が拮抗した、しかし落ち着いた存在感を見せ、そこにしっとりした渋みが乗ります。ボディはミディアム。目の詰まった印象で、タイトさやハリ、しなやかさを感じる質感でした。ミネラル感もありますね。会ではパスタの辺りで飲みましたが、相性はまずまず。ガッチリ噛み合う、と言う程ではありませんが、トマトの酸味や甘味、旨み、肉の旨みに対して柔らかに包み込むといった力関係だったでしょうか。このワインにはやはり、鴨やシカなど旨みの強い赤身肉、あるいは鶏肉といったものが良さそうです。シンプルな焼きで肉の味わいと合わせたいところですが、香りにはフルーティな中にスパイスの複雑味もありますので、煮込み、あるいは茶色いソースをかけるなど、ちょっとしっかりした味わいでも面白いかもしれませんね。均整の取れた味わいと香り、さらに、その香りには複雑さもあると、ブルゴーニュのピノを飲んでいる、と言う感覚をはっきり楽しめるワインでした。輸出分は生産量の10%程度とかなり少なく、あまり見かけることのない生産者かも知れませんが、中々面白い作り手ではないかなと思います。ドメーヌ・ジャフラン・ニュイサンジョルジュ 2009 赤750ml【ワイン(西)】楽天内にはより古い2009ヴィンテージがありました。現在価格は6700円と言う事ですが、今回の2012はスーパーセールで3000円程度でしたのでかなり良い買い物だったかなと。にほんブログ村
2018年01月16日
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先日の倉敷でのピノ・ノワール飲み比べ会のワインもこれで最後。トリはやはりブルゴーニュで。モンテリー・クロ・デュ・メ・ガルニエ・モノポール2014。生産者はモンテリー・ドゥエレ・ポルシュレ。コート・ド・ボーヌ地区、ヴォルネイの西隣にあるモンテリー地区で、300年以上の歴史を持っています。現在の体制になったのは1989年、ルロワやオスピス・ド・ボーヌで醸造長を務めたアンドレ・ポルシュレ氏がドゥエレ家と養子縁組をした事によるそうです。現在はアンドレ氏の孫娘カタルディーナ氏が醸造長を務めます。畑は6.5ha、リュット・レゾネを実践しています。クロ・デュ・メ・ガルニエはこちらのモノポールで、粘土石灰質土壌との事。価格は、楽天内では5000円程度です。色は鮮やかなルビーカラー。黒さもありますが赤い印象の方が強いですね。香りはベリーフルーツの印象は強いですが、ボーヌらしくはつらつとした赤ベリー、と言う感じではなくブルーベリーや軽いブラックベリーを感じるものです。赤も勿論ありますが、クランベリーのドライフルーツといったものとなっています。また、プラムやダークチェリー、マラスキーノ、それに若干のザクロやブルーベリーヨーグルトといった要素も感じられる、フルーティさの強いものでした。そこに、若干のハーブ、薄荷、土っぽさといったものが加わったでしょうか。味わいは結構果実味のインパクトがあります。勿論、明るい酸も加わりますし、べったりしたような印象を受けるものではありませんが、香りとも相まってフルーティな印象を受けます。渋みもそこそこ感じられ、後口にかけて味わいの印象をキュッと締めてくれます。ボディはミディアム。目の詰まったタイトな印象を受けるもので、滑らかさも感じられる質感でした。会では、鴨や野菜串、それに〆の鶏ダシ茶漬けともちょっと合わせてみました。鴨との相性はまさに教科書的と言っていいモノだったと思います。鴨独特の香りに対しワインのベリー感が合いますし、塩気+旨みに対しても、果実味や渋みが対比を見せつつうまみを引き出し、酸がそれをより華やかにしてくれる感じでした。また、モッチモチの鴨肉の食感に対しても、ワインの目の詰まった質感が負けませんね。野菜串に対してはまずまずといったところですが、これもやはり金針菜の食感と若干の青さがより相性良かったでしょうか。また、鶏ダシ茶漬けとも悪く無く、鶏ダシの済んだ旨みに対し、ワインの味わいの各要素が優しく寄り添ってくれるような感じだったのは良かったです。最近評判の作り手と言う事で飲んでみましたが、バランスの良さや複雑味を感じさせつつも、果実感が主体でとっつきやすさもあり、それでいて鶏ダシ茶漬けのような繊細な味わいとも合うと、噂に違わない良いワインでした。やはり、このワインが一番落ち着く、と言う方もいらっしゃいましたね。モンテリー クロ デュ メ ガルニエ モノポール (単一畑産) 2014 ドメーヌ モンテリー ドゥエレ ポルシュレ元詰 AOC モンテリー フランス ブルゴーニュ コートド ボーヌ 赤ワイン 辛口 ミディアムボディ 750mlこちらのお店では、同じヴィンテージが4946円。勿論まだ若さはありますが、年始のワインとしても面白いのではないかなと思います。にほんブログ村
2017年12月26日
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前回がシャルドネでしたので、今回も続けてシャルドネです。シャブリ・プルミエ・クリュ・レ・ヴァイヨン2014。生産者ロン・デパキは1791年創業という大変歴史ある作り手で、1972年にはボージョレー・ヌーヴォーでお馴染みのアルベール・ビショーの傘下に入りました。シャブリ全体のグランクリュの1割に当たる9ヘクタール、さらにプルミエクリュも16ヘクタールを所有するなど、ビショーの傘下に入ったことで大きく変わりました。因みに、このヴァイヨンには4ヘクタールの畑を持っているとの事。価格は、楽天内では現在、リンク先のお店が4680円で最安値のようです。色は明るい麦わら色ですが、軽いツヤ感も無きにしも非ず、といった所。香りはレモンやグレープ部ルーツといった定番のニュアンスがあり、さらに、ボンタンアメのような雰囲気も若干あったような。他に、洋ナシやリンゴ、カリンといったフルーツ香も感じられました。その他の要素としましては、ビャクダン的な白い花、根菜や土っぽさ、石灰の気配といったシャブリで連想される要素がキッチリ。また、ハーブっぽさや、微かなベッコウアメ、それに、カスタードといったものも感じられたように思います。味わいは、果実味のインパクトが割としっかりあります。ただ、そこはシャブリ、太く明るい酸がビシッと、果実味に負けない強さをもって入っています。ボディは、ハリと目の詰まった印象こそ受けますが、基本的にライトボディで、滑らかさや柔らかな印象を受けるものでした。食事との相性は、こちらもかなり幅広かったです。まあまずは魚介と言う事でお刺身を合わせたところ、マグロやホタテといった、滋味深い、味わいのしっかりしたものとの相性がやはり良かったです。果実味のインパクトやボディの質感の影響でしょうね。また、サーモンの脂にも負けず旨みを引き出してくれます。それも、サーモンの引き立て役になるのではなく、ワインの美味しさにサーモンの美味しさを無理なく取り込む、といったような印象だったのは面白かったです。他に、塩鮭で潮汁をしてみたのですが、これとの相性も良好。塩鮭の塩気と旨みに対し、ワインの果実味や酸が引けを取らず、しょっぱい印象を抑えつつ旨みを際立たせる感じでした。具にした根菜やキノコともいい感じ。それでいて、チキンソテーのヨーグルト粒マスタードソースなんかにも合いますし、こんにゃくやはんぺんの金平が、いいつまみになったりと、いい価格帯のワインではありますが食中酒として大いに活躍してくれました。実は、前回の長野シャルドネとはほぼ同じタイミングで飲んでいます。開けたてのインパクトは長野シャルドネも負けてない感じでしたが、抜栓後3日目4日目くらいになりますと、味わいや香りの残り方にしっかり差が出たのは流石でした。均整が取れていて、かつ、味わいもしっかりしており、さらには食事にもよく合うと、ちょっといいディナーなんかに楽しむには最適なワインではないかなと。クリスマスのオードブルやチキンにもいいでしょうが、お節と合わせるのも楽しそうです。【正規品】ドメーヌ・ロン・デパキ シャブリ・プルミエ・クリュ レ・ヴァイヨン '14 Domaine Long Depaquit フランス/ブルゴーニュ/一級/辛口/フルボディ/750ml/メルシャン【希少品・取り寄せ品】久々にシャブリを飲みましたが、やはりいいですね。個人的には、あまりキンキンしたものより、この位ボリューム感のある方が親しみやすかったりはします。食事にも、より合わせやすいのかなと。にほんブログ村
2017年11月23日
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いよいよ先日のワイン会のワインもこれで最後。ボルドー2種類飲み比べの二つ目は、シャトー・ラグランジュのセカンドになります。レ・フィエフ・ド・ラグランジュ2013。こちらは、前回のル・オー・メドック・ド・ラグランジュとは違い、ファーストと同じサン・ジュリアン村のブドウを使用しています。シャトー・ラグランジュでは、サントリーによるワイナリー取得後カベルネ・ソーヴィニヨン中心に畑のブドウの植え替えを行っていますが、その際若いカベルネだけでは難しいという事で、プティ・ヴェルドを植えています。本ワインには、そのプティ・ヴェルドも使われています。セパージュはカベルネ・ソーヴィニヨン75%、メルロー21%、プティ・ヴェルド4%。楽天内では、2590円が現在のところ2013ヴィンテージの最安値のようです。色は黒さのある赤黒で透明度も低め。厳しい2013ヴィンテージですがしっかり目の色合いではあります。香りはシナモンやクローヴ等の茶色いスパイス、下草、腐葉土、それに黒コショウといった、らしいニュアンスが出ており、そこにフレッシュ赤ベリーやドライ赤ベリー、チェリーといった赤いフルーツのニュアンスが加わります。また、フルーツ香では軽く黒ベリーやカシスといった雰囲気も感じられたでしょうか。加えて、若干のチョコっぽさも。味わいは果実味のアタックがほんのりとしたものですが有ります。それこそ、ル・オー・メドックにくらべれば確かによりはっきり出ていますね。そこに、速やかに明るくインパクトのある酸とビシッとした渋みが加わってきます。ボディはミディアムフルといった所で、丸く滑らかな、しかし、その内側はびっしり目が詰まっている、というような質感の印象でした。会のつまみはどれも良かったですが、サンマと粒マスタード缶は狙い通りのいい相性でした。サンマの脂としっかりした味わいに対し、ワインの明るい酸やしっかりした渋み、密度のあるボディ感が負けず、旨みやワインの果実味を引き立て合う感じに。また、粒マスタードのおかげか、ワインのスパイシーさや黒ベリーのニュアンスなどと香りの面でのマリアージュもそれなりに見られました。さらに、ブルサンチーズの黒コショウとの相性も中々で、黒コショウの香りと、ワインの香りが間違いなく合いますし、それをチーズのクリーミーさでまろやかにしつつ伸ばしてくれたかなと。難しい年のセカンドワインと言う事ですが、確かに、7月に飲んだファーストに比べれば小ぢんまりとしてはいるものの、色もあり、香りや味わいもきっちりで、流石厳しい選果をしているだけのことはあるという感じでした。ル・オー・メドック・ド・ラグランジュとの飲み比べとしては、ボディの質感や果実味の出方などはやはりこちらの方が強いものの、向こうも香りはしっかりあり味わいのバランスはよく、こちらがまだ固いという事もあってか現時点では好き嫌いが分かれるといった感じでしたね。いつもワイン会をさせて頂いていたワインバーヒラタさんの閉業1日前に開催出来たワイン会でしたが、ある程度の人数の方々にもご参加いただけ、ワイワイと、華のあるワインも飲めたのでよかったかなと。ヒラタさんありがとうございました!レ・フィエフ・ド・ラグランジュ 2013 750ml メドック格付第3級 セカンド 【赤 ワインレッド お酒 ワイン 赤ワイン 男性 女性 彼氏 彼女 お祝い 結婚記念日 記念日 歓迎会 米寿 百寿 還暦 ギフト ハロウィン パーティー】【ワインならリカオー】こちらのお店で2590円です。この値段なら中々お買い得かなと。にほんブログ村
2017年11月07日
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先日のワイン会のワインも残り2種類、ボルドーの飲み比べとなりますが、一つ目は7月のセミナー&ディナーでも頂いたラグランジュの新顔です。ル・オー・メドック・ド・ラグランジュ2013。生産者はシャトー・ラグランジュ。1600年代の文書にもその名が登場する歴史ある、サン・ジュリアンのワイナリーです。その後、複数のオーナーの手に渡る中で荒廃、サントリーによる取得時にはシャトーの建物が火事で燃えているにもかかわらず修繕もされていないという状況だったそうです。その後、3級にふさわしいワイン、そして、3級の中で最高のワインとなるべく取り組みが行われ続けています。このル・オー・メドック・ド・ラグランジュは、近年価格高騰の著しいボルドーワインですが、食卓で気軽に、きっちりしたボルドーワインを楽しんでもらいたいと新しくリリースされたブランドです。セパージュは。カベルネ・ソーヴィニヨン70%、メルロー30%。その名の通り、オー・メドックのキュサック村のブドウを中心に作られています。価格は、楽天内では2600円位からのようです。色はガーネットカラー。7月に飲んだ時の印象と差はありません。香りの印象は少し違っており、7月に感じた野菜的な雰囲気はなく、フルーツも、チェリーやマラスキーノ、それに赤ベリーといったものが中心でプラムや黒ベリーの気配はあまり感じなかったかも。その他、バルサミコやココア、黒コショウ、茶色いスパイス、軽い木のニュアンスに、赤い花といったものも感じられました。味わいの印象も、2013は雨の多い難しい年だったという事で、7月に飲んだ際は明確に軽い・薄いというものでしたが、今回はそれと比べるとややしっかりしたものになりました。やはりほのかなものではありますが、アタックに果実味の広がりがありました。ただ、明るい酸としっかりした渋みを感じるところは7月同様ですが。ボディも、完全なライトと言うよりはミディアム寄りのライトといった感じで、軽いですが外骨格的なしなやか、滑らかな質感を感じるものでした。会では、ボルドーに合わせるべく用意したサンマと粒マスタードをつまみましたが、渋みや旨み、酸がサンマの濃厚な味わいによく合うものの、ちょっと負け気味かなという印象も無きにしも非ず。一方、鴨のローストなどは非常にいいつまみになり、ワインの渋味と肉の旨みが合いつつ、その旨みと塩気が果実味の印象をより鮮明にしてくれる感じでした。ボディ感もちょうどよかったですね。軽いですが、そこはやはり何だかんだボルドー、あっさり目の肉料理などと一緒なら非常に輝くようです。ソース無しのローストビーフや、ローストチキンなど合わせてみたいところです。ボトル差と言う事もあるでしょうが、7月から3か月の経過で状態に変化があった部分もあるのかもしれません。ワインの奥深さを改めて感じさせてくれる経験になりました。ル オー メドック ド ラグランジュ 2013 ボルドー赤ワインこちらのお店では現在2592円。他にもサトイモの煮ものや肉じゃが、あるいはトマト系でミートソースパスタなど、家庭料理と気軽に試してみたいところです。にほんブログ村
2017年11月05日
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先日のシャトー・ラグランジュセミナー&ディナーのワインもこれで最後。最後も勿論トップキュヴェのシャトー・ラグランジュです。シャトー・ラグランジュ2011。2011年は、9月までは比較的順調な気候となったヴィンテージのようですが(それでも6月末に39度の熱波が来たり8月に雨が多かったりしたようです)、9月1日に雹を伴う雨に見舞われたとの事。多くのワイナリーは9月10日には収穫を始めたようですが、そこは流石ラグランジュ、もう少し粘って9月15日からの収穫になりました。また、粘った甲斐があり、9月25日から連日の好天に恵まれ、メインの品種であるカベルネ・ソーヴィニヨンは9月26日から10月頭にかけて、じっくりいいブドウを収穫できたとの事。セパージュは、カベルネ・ソーヴィニヨン62%、メルロー32%、プティ・ヴェルド6%。価格は、楽天内では写真のお店で4676円が現時点での最安値のようです。色はしっかり赤黒く、透明度もありません。香りはカシスやブラックベリー、プラムといった色の濃いフルーツや、干しブドウ、ドライイチゴなどのドライフルーツっぽさ、さらにはベリージャムといったようなしっかりしたフルーツ感があり、そこにチョコやローストナッツといったものが加わります。また、血っぽさやジビエ、焼いた肉のような気配もあり、複雑味を感じさせます。その他、茶色いスパイスや黒コショウ、少々のインキーさなどのニュアンスも。味わいは流石にアタックから果実味の広がりがあります。そこに、明るい酸がしっとり、果実味の奥からジワリと出てくるような感じで加わり、さらに渋みのインパクトもありといった感じで、各要素が存在感を見せつつ調和・拮抗した印象。ボディは、ミディアム寄りのフル、くらいでそこまでガツンと濃く重い!と言う感じではありませんが、丸さやしなやかさのある口当たりながらも骨格を感じるものでもあります。会では、イベリコ豚のスモークソテーのところで頂きました。まあ、これが合わないわけはない、という組み合わせですね^^。肉の旨み、脂の甘みや広がりといったものに、ワインの果実味や渋みがよく合いますし、そこまで強くなく、肉の旨みを引き立てるようなスモークの香りに、ワインのスパイス感や肉っぽさ等がこれまた嵌ります。加えて、醤油ベースのシャリアピンソースとも相性がよく、旨みの強いソースがワインの果実味、肉の旨みと合わさることでより重層的になりますし、ワインの香りのフルーティな部分との噛み合いも良かったです。このワインには、やはり肉、それも牛や、シカなどのジビエ系、鳥で行くなら鴨、といったしっかりした味わいの肉を合わせるべきでしょうね。どうしても魚、というのなら脂の乗ったブリのアラ炊き辺りでしょうか。煮汁にバルサミコを隠し味で使ったりするとさらに相性良くなりそうです。ボディもそこまでごつすぎず、味わいも果実味が軸にありながら各要素バランスがいい、という感じで、まさにボルドーという味わいと香りを楽しむことが出来ました。2013年との比較は興味深く、2013年がいかに難しい年だったかという事を感じられました。ただ、その2013のエレガントさの方が、現時点ではこの2011年より好み、という声もあったりして、中々面白いなあと。確かに、合わせる食事によって使い分けたりはしてみたいかなと思いました。ボトルの写真を撮り忘れましたので^^;、再掲にはなりますがワインの色の違いを。右端がこの2011、その隣、右から2番目が2013のラグランジュになります。にほんブログ村
2017年07月28日
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先日のサントリーさん主催シャトー・ラグランジュのセミナー&ディナーのワイン、続いてはワイナリーのトップキュヴェであるシャトー・ラグランジュです。シャトー・ラグランジュ2013。こちらも、厳しかった2013年のものです。具体的にどう厳しかったのかと言いますと、3月から6月まで雨と低温が続き、萌芽や開花の大きな遅れが生じ、7月8月こそ暑い夏になったもののやはり生育は遅れてしまったそうです。さらに、9月は実に月間16日にもわたる雨の影響で果皮が割れやすい状態となってしまい、おまけに9月27日から10月5日まで9日間連続で雨となり、もはや完熟を待てず、それでもギリギリまで粘るべくボトリティスの発生とのせめぎ合いとなった、との事です。セパージュは、カベルネ・ソーヴィニヨン75%、メルロ21%、プティ・ヴェルド4%。色は流石に黒さがありますが、それでも深いルビーといったくらいの赤さはあります。香りにも、赤ベリーやチェリー、それにチェリーリキュールなどの赤いニュアンスの強さが出ています。ただ、それでもブラックベリーやプラム、熟成バルサミコのような雰囲気など、黒い雰囲気もある程度しっかり感じられるのは流石トップキュヴェと言う所でしょうか。その他、茶色いスパイスやキノコ、加えて軽いビスケットっぽさや柚子胡椒のような要素、さらにオレンジピールのようなものも少々。味わいは、果実味のアタックが仄かにですが拡がるのが印象的でした。また、果実味は後口にかけても少し気配を残します。そこに、旨みの乗ったしっとり系の酸が続くといった感じ。渋みは結構しっかりあり、明確に渋いと言えるほどの存在感が。ボディは丸く、目の詰まった滑らかな印象ですが、やはりフルボディとは言い難く、ミディアム位でしょうか。素性の良さは感じられました。会では、アイナメのポワレ、江戸味噌クリームソースのタイミングでご提供いただきました。アイナメの外側のカリッとした部分や、クリームソースのボリューム感との相性はまずまず。ただ、そこはやはり3級ワイナリーのトップキュヴェ、アイナメの味わいにはいくら穏やかとは言え何だかんだワインの味わいが勝りますね。一方、付け合わせの夏野菜とイカとは、旨みの相性の良さもありました。このワインなら、ローストチキンや焼き鳥など、鶏肉との相性が面白そうですし、ローストビーフを醤油ベースのあっさりしたソースで、なんてのにも良さそうです。軽さや色合いなどに、2013年の厳しさは見えますが、一方でそれでもアタックに果実味があったり、ボディの目の詰まった印象など、ワイナリーの努力、実力が見える部分もあり、非常に面白いワインでした。特に、同じヴィンテージのル・オーメドックと比べますと、各要素が一回り大きい印象ですし、逆に次記事にします2011年のラグランジュと比べますと小ぢんまりと感じられるなど、飲み比べが非常に楽しめました。シャトー ラグランジュ [2013] 750ml 赤 Ch. Lagrange楽天内では、写真のお店で4622円です。エレガントな味わいを楽しめるかなと。にほんブログ村
2017年07月26日
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続いてのシャトー・ラグランジュのセミナー&ディナーのワインは、2012年より新スタートのブランドです。ル・オー・メドック・ド・ラグランジュ2013。こちらのワインのブドウも、レ・ザルム・ド・ラグランジュと同じキュサック村のブドウを用いています。また、サン・ジュリアン村に隣接するサン・ローランという村のブドウも用いています。これは、ボルドー格付けワインの近年の価格高騰という情況を受け、もっと気軽に楽しんでもらえる本格的なボルドーワインを、と前述の二つの村にブドウ畑を取得したからで、その気軽に楽しんでもらえるワインとして、本ブランドが作られました。セパージュは、カベルネ・ソーヴィニヨン70%、メルロー30%。カベルネは、樹齢40年になるそうです。この2013年、過去30年で最も厳しい年となったそうで、9月から10月はほぼ雨という天候だったのだとか。特に、9月の雨は応えたようで、ブドウの皮にかなり痛みなども出てしまったようです。価格は、楽天内では2700円前後が多いようです。色はガーネット寄りの濃い目のルビーといった所。透明度もキッチリあり、ボルドーのイメージとは異なる、2013年の厳しさを感じさせるものとなっています。香りは黒コショウや茶色いスパイス、それに黒ベリーやプラムといったこの手のワインらしいニュアンスもありますが、少々の梅っぽさや赤パプリカなどの赤い野菜のような雰囲気も。ちょっとミントっぽい要素も感じられたように思います。その他、若干のターリーさ、それに醤油ないしみたらし団子のタレのようなものもあったでしょうか。味わいは、香り以上に2013年の厳しさを感じるものでした。ボディはまあライトと言っていいでしょう。目の詰まった滑らかさや丸さを感じさせるところは、流石ハイテクを導入した優れた選果技術を背景にギリギリまで完熟させただけのことはあるなあというところですが、それでも小ぢんまりした印象はありますね。酸主体のインパクトに、旨み、渋みが感じられ、果実味は極繊細で背景にじわっと広がる感じ。会では、カツオの藁焼きのタイミング位でお出し頂きました。成程、この感じなら赤身魚には行けそうと思いましたが、藁焼きの強い香り、カツオの凝縮した味わい、そこに加わる赤タマネギのクリーミーなドレッシングと、各要素しっかりしておりワインがちょっと負け気味に。それこそ、添えてある野菜の赤パプリカとの相性は、パプリカの香りとワインの香り、パプリカのフレッシュな味わいとワインの軽やかさが割と良く馴染んで、いいものでした。また、少し鱧とトウモロコシのすり流しを残していたのですが、鱧+梅との相性や、すり流しの甘みや香りとの相性も悪く無かったかも。それと、意外や意外、デザートのマンゴープリンと合わせますと、マンゴーの甘い香りが、ワインの中にあるフルーティさをぐっと引き出してくれますし、滑らかな口当たりとワインの軽やかさも馴染みました。流石に、プリンの甘さで渋みがやや際立ちはしますが、それでも香りの相性のおかげで甘い雰囲気は残り、中々いい相性だったかなと。2013年本当に大変だったんだなと。それでも、お手頃レンジでも本格的なボルドーをと言うスタンスで造られたこのワインの矜持は端々に感じられはしました。カツオの藁焼きには負け気味でしたが、それでも赤身魚、マグロなどには合わせてみたいですし、この軽やかながらもまとまった味わいを活かすマリアージュをもっと色々試してみたくはありますね。ル オー メドック ド ラグランジュ 2013 ボルドー赤ワイン楽天内ではこちらのお店が2590円で現時点の最安値のようです。にほんブログ村
2017年07月24日
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今回から先日のサントリーブロガーイベントで飲んだワインの個別記事です。先ずはシャトー・ラグランジュのセミナーのワインから。レ・ザルム・ド・ラグランジュ2015。シャトー・ラグランジュは、拠点であるサン・ジュリアンではほぼ赤用品種の栽培に特化している状態ですが、昔から白もやっていなかったわけではなく、少しだけ作っていた白ブドウで来客用の白ワインを作っていました。その後、2009年にサン・ジュリアンの南東にあるキュサックという村に畑を増やした際、そちらで白ブドウを多く栽培、本格的に白ワインの生産・販売を始めるに至りました。ただ、ACオー・メドックは名乗れず、ACボルドーしか名乗れないようです。セパージュは、ソーヴィニヨン・ブラン60%、ソーヴィニヨン・グリ20%、セミヨン20%。価格は、楽天内ですと3963円程度のようです。色は薄めですがツヤ感を感じる黄色です。香りは洋ナシや和梨、白桃や黄桃、それにパッションフルーツなどの南国フルーツ、さらには温州ミカンなどの黄色い柑橘や軽いライム的な緑の柑橘など、フルーティさがバッチリ。そこに、白い花や酵母っぽさ、蜜蝋、マジパンといったような白さを感じるニュアンスが加わります。ただ、そういったものだけでなく、モカっぽさや若干のはちみつバター的な、樽由来と思しき雰囲気や、若干のレモングラス的なハーブっぽさも。味わいはフルーティさの強い香りに似合った果実味のアタックのしっかりしたものでした。そこに、明るくもしっとりした酸が、旨みを伴いつつじんわりと加わり、後口にかけて主役交代、といった感じでした。また、その後口にかけては若干の苦味もあったでしょうか。口当たりは丸く、まろやかさとクリアーさを併せ持つライトボディでした。軽い!というよりはしなやかさもある感じ。会では、毛ガニの冷たい茶碗蒸しと鱧のくず打ちトウモロコシのすり流し添えのところで頂きましたが、特に茶わん蒸しとの相性は良好でした。茶わん蒸しのソースはカニを使った濃厚なビスクのようなものでしたが、そういったものとボルドーブランが合うイメージはあまりありませんでした。しかし、果実感が強く、そこに樽のニュアンスも加わるこのワインなら、ソースの甘さ、濃厚さに負けず、むしろ香りの面で良く馴染んでくれましたし、茶わん蒸しとカニのしっかりした旨みに対しても、ワインの果実味と明るい酸が、これまたいいアクセントになってくれました。今回のマリアージュの中では、個人的にはトップレベルによかった組み合わせの一つです。鱧に対しては、ややワインの味が勝ち気味ではありましたが、梅と一緒に鱧を頂きその風味を高めてやると、ワインともまずまず調和したかなと。特に、梅の味わいや香りがワインと結構悪く無かったのは面白いところでした。また、トウモロコシのすり流しは甘みやコク、香りがワインと好相性。ボルドーの白と言いますと、そこまでしっかりしたイメージは無かったのですが、このワインは中々どうして、フルーティで暑い時期に冷やして楽しめもしますが、ボリューム感があり飲み応えもあったかなと。食事との相性も幅広そうで、甲殻類のパンチ力に負けないのは驚きでしたし、特に梅の風味が合ったのは面白いところでした。ウナギの白焼き+梅にこのワインなんてのも面白いかも。【6本〜送料無料】レ ザルム ド ラグランジュ 2015 シャトー ラグランジュ 750ml [白]Les Arums De Lagrange Chateau Lagrange楽天内での2015ヴィンテージの扱いは、現時点ではここだけのようです。ボルドーブラン、もっと色々飲んでみないといけないなあと。にほんブログ村
2017年07月22日
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さて、先日の白ワインを飲む会のワインもこれで最後。1種類くらいは赤を、という事で、コスパ重視のこの会ではちょっと例外的な銘柄を飲んでみました。シャトー・ラ・ミッション・オー・ブリオン2006。オー・ブリオンの名の通り、ボルドーのペサック・レオニャンにあるワイナリーです。シャトー・オー・ブリオンの真向かいにあり、畑も実は交錯状態になっているとの事で、長年シャトー・オー・ブリオンのライバルと言われてきました。1983年に、そのシャトー・オー・ブリオンを所有するクラレンス・ディロン・ワインズが取得し、両者は兄弟ワイナリーとなりました。セパージュは、メルロー60%、カベルネ・ソーヴィニヨン40%。価格は様々ですが、楽天内では36720円が現時点の最安値のようです。色は黒いですが、エッジにはルビー感も見え、全体的にも赤さのある印象です。香りは杉っぽさや黒コショウ、茶色いスパイス、軽い鉛筆の芯、焼いた肉、タバコ、それに少々の土っぽさやトリュフといった複雑なニュアンスがあり、それがカシスや黒ベリー、その他赤や青や黒のベリーのドライフルーツ、加えて軽いチェリーリキュールっぽさといった要素と一体感をもって感じられました。また、遠くにビターチョコ的な雰囲気や、煮詰めたバルサミコのようなものもあったでしょうか。味わいは渋みと堅牢さが印象的。渋みの量は多く、アタックからしっかりインパクトがあり、後口にかけてまで、味わいメインに存在感を見せます。そこに、穏やかで繊細な、全体の背景的に存在する果実味や、明るい乳酸系の、渋みの隙間から顔を出すように感じられる酸といったものが加わります。ボディは、目の詰まった、骨格やエキス分、密度を感じるものではありますが、そこまでゴツいものではなく、タイトでシュッとした印象すら受けました。フルと言えばフルですが、ミディアムと感じる方もいるかも。会では、生ハムや黒コショウのブルサンチーズとの相性の良さを感じられました。生ハムは、肉の旨みや塩気に対し、ワインの渋味や香りが旨みを引き出しつつ、その引き出した旨みを自身の味わいに取り込んでいくような感じに。また、ハムの食感とワインのタイトさの相性も良かったかなと。一方、ブルサンチーズは、なんと言っても黒コショウの香りがワインのスパイス感とがっちり噛み合いますね。加えて、チーズのミルキーさがワインの渋味を程よく緩和してくれ、まさに赤ワインとチーズの典型的な馴染み方を体験できました。また、意外とと言うと何ですが、結構トマトとの相性も良く、トマト寒天はオリーブオイルを入れていたというのがよかったのかもしれませんが、トマトの香りや味わいがワインに馴染んで深みを感じられるようなところもありました。当然まだまだ若いです。このタンニンの感じや堅牢な雰囲気からすれば、後何十年瓶熟するのか、とすら感じてしまいます。ただ、今でも香りの華やかさや余韻、均整の取れた味わいといった部分を楽しむことも出来ました。2006年は極めて古典的な出来の年との事で、そういう雰囲気は感じられましたが、それでも全く今飲めない、というものでもなかったのかなと。シャトー・ラ・ミッション・オー・ブリオン [2006]年 750ml【赤ワイン】久々にザ・ボルドーな1本を飲むことが出来ました。にほんブログ村
2017年07月06日
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今回で、先日のシャンソンセミナーのワインも最後です。モノポール=単独所有畑のブドウによるものになります。クロ・デ・フェーヴ・ボーヌ・プルミエクリュ・モノポール2012。クロ・デ・フェーヴは、1307年の土地台帳にすでにその存在を確認できるという大変歴史ある畑で、現在は3.8ha、その全てをシャンソンが所有しています。土壌は、粘土石灰質で石灰多め。本ワインも、やはり全房醗酵を行っています。醗酵前には低温浸漬を8~10日行うそうで、色やアロマの出をよくするのが目的だそう。価格は、12000円位が小売価格になるようですが2012ヴィンテージは楽天内には無し。1990年というバックヴィンテージが楽天内にありましたが、この頃はボランジェによる買収前ですね。なお、写真の右端のワインがそれです^^;色は鮮やかなルビーカラーですが、若干の紫感も見えます。香りは、やはり茎っぽさや下草、それにドライローズマリーのような乾燥ハーブなどのニュアンスが出ています。また、若干のドライトマトも感じられたでしょうか。ただ、カシスやプラムといった色の濃い果実や、コーヒー、チョコレートといった黒い要素といったものもよく感じられました。また、黒コショウや茶色いスパイスも。加えて、時間経過で赤いフルーツも見えはじめ、イチゴやクランベリーなどのドライフルーツや、フリーズドライっぽいものも感じられたでしょうか。味わいは、アタックに優しい果実味があり、それが徐々に印象を増す感じで、後口の段階まで存在感があります。また、果実味の印象が増すと同時に、明るい酸がググッと出て来て、結果バランスの取れたものに。渋みは後口にかけてじわじわと、果実味や酸の間から染み出してくるような感覚でした。ボディはミディアムフルくらいでしょうか。ボリュームやスケール感を感じるものですが、一方で柔らかさがあり硬質な印象などはありません。料理との相性は、資料によると雉などのジビエ、家禽、熟成させたチーズといったものが良いとありました。確かに、色の濃いフルーツやチョコなどのニュアンスもありますし、味わいもバランスがいいものながらボディ感ありますので、鳥系ジビエとの相性もよさそうです。雉なら、しっかり熟成させたものでも大丈夫そう。一方で、ローズマリーなどのハーブを利かせたシンプルなローストチキンの旨みなどにも良さそうです。魚系には難しいかもしれませんが、それでもブリ大根など濃い目の味わいの、脂のある煮魚等なら案外行けるかもしれません。複雑さとフルーティさを併せ持つ香りに、深みのある味わいと、流石のワインでした。クロ・デ・フェーヴはクロ・デ・ムーシュにも匹敵する畑との事ですが、そのポテンシャルは感じられたように思います。ただ、やはり開くのに時間もかかりましたし、もっと寝かせてみたいところです。その意味では、楽天内にあるバックヴィンテージが今どういう状況なのかは興味深いところ。にほんブログ村
2017年04月11日
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先日のシャンソンセミナーのワイン、今回と次回で赤2種類です。一つ目はこちら。クロ・デュ・ロワ・ボーヌ・プルミエ・クリュ2011。クロ・デュ・ロワは、コート・ド・ボーヌの銘醸畑レ・マルコネの下に位置する畑で、シャンソンはその総面積の35%を所有しています。土壌としては砂と粘土を含む石灰質で、やや粘土多めという構成だそう。そんなクロ・デュ・ロワの、所有面積の3分の2にピノ・ノワールを植えています。また、シャンソンではピノ・ノワールの全房醗酵に拘っており、茎まで熟すのをじっくり待つそうです。価格は、楽天内では5378円。色はやや暗さのあるルビーカラーですが、透明度はしっかりあります。香りは、全房醗酵だからでしょうか、下草や茎っぽさ、それに木の皮っぽいニュアンスが感じられました。また、キノコや土、ゴボウ的な根菜っぽさや、甘草のような雰囲気も。そこに、チェリーやラズベリー、クランベリーなどの赤ベリー、さらに赤ベリーのドライフルーツやコンポート、加えて軽い干し柿っぽさといったフルーツ感が加わります。また、チョコレートやタバコ、バニラといった要素もあったでしょうか。味わいは優しい果実味と優しい酸が拡がるバランスのいいもの。ただ、その酸は乳酸系で明るさはあります。後口にかけては酸と旨みが優位かなあといったところ。また、渋みの存在感も後口にかけて増しますね。ボディはミディアムで、丸さや柔らかさの印象がありつつ、少々のハリや滑らかさも。料理との相性は、資料には家禽、グリルした肉、ソースを添えた肉料理、エポワスなどのチーズといったものが好相性なものとして挙げられていました。確かに、家禽、特に鶏肉との相性は良さそう。下草っぽさや甘草に合わせて、ハーブ焼きにしたりするとなお良さそうです。また、ソースを添えたとありますが、トマト系なんか案外いいかもしれないなと。加えて、味わいの乗ったワインですし、鴨といった赤身の、やや滋味の強い肉でもいいでしょうね。鴨のローストに、ベリーのソースなんてのも是非試してみたいところ。複雑な香りがあり、味わいもバランス型と、注いでいただいて直ぐからこのワインは結構楽しめました。勿論、時間経過で香りの各要素がよりはっきりしたり、下草っぽさ等が落ち着いてベリー感が増してきたりと、変化を楽しむこともできます。個人的に、この香りは結構好きだったりしますのと、6年熟成しているものを今買えるという所で、嬉しいワインだなと感じました。にほんブログ村
2017年04月09日
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先日のシャンソンセミナーのワイン、続いては白の2種類目です。シャサーニュ・モンラッシェ・1erCru・レ・シュヌヴォット2012。レ・シェヌヴォットは畑の名前。かのル・モンラッシェの真隣にあるという、2ヘクタールの自社畑です。粘土と石灰を主とする地質で、さらに東向きでフレッシュな空気の循環がいいという環境だそう。今回のワインの2012ヴィンテージは暑い年だったそうですが、その空気の通りの良さがいい方向に出たようです。飲むのは最低5年は待って欲しいそうで、10年以上のエイジングも十分可能との事。楽天内では、写真のお店で9180円。色はしっかり黄色いです。ツヤ感もあり、黄金に近いものとなっていますが、若干の青さもあるでしょうか。香りは白い花やハチミツっぽさ、それに軽いブリオッシュやトーストっぽさ、ナッツ、バター、カスタード、カラメルといった華やかで濃厚なニュアンスがよく出ています。また、フルーツも、柑橘でもオレンジなど色の濃いものが感じられますし、トロピカルフルーツや完熟リンゴといったしっかりしたそれが感じられます。加えて、若干のママレードも。そこに、軽く火打石っぽさも見られました。味わいはバランスのいいものながら、アタックには果実味の広がりがキッチリあります。その後ろからしっとり乳酸系の酸や苦味、旨みが出てくるといった所。ボディはミディアム程度で、柔らかさやまろやかさを感じる質感ですが、そこは流石と言うべきか、その柔らかさの中に収斂味も持っており、滑らかな質感も相まって懐の深さを感じられるものでした。食事との相性としては、資料にはフォアグラ、魚貝類、グリルした魚、白身の肉、エポワス、ロックフォール、マンステールといったチーズによく合うという記述がありました。また、セミナー内で補足があり、フォアグラに対しては特にしっかり熟成させてからが良いとの事でした。さらに、魚料理としては、クリームソース+アニスなども良いとのお話でした。確かに、このワインの華やかなニュアンスはフォアグラや、香ばしく焼いた魚介、それに加わるバターやクリームソースの風味には間違いなさそうです。また、アメリケーヌソースとかもよさそう。あと、力のあるワインですし豚肉のローストなどもいいでしょうね。豚の脂にも負けないでしょう。セミナーでは、お寿司など和食系には難しいかもというお話でしたが、ネタならアナゴや寒ブリなどコクのあるもの、シャリなら甘みがある程度ある関西風のものなら、個人的には結構いけるんじゃないかなと。華やかな香り、柔らかながらも収斂味のあり、バランスのいい味わいと、まあ流石のワインでした。その分お値段もしますが^^ただ、やはり固いです。事前抜栓は勿論して下さっていましたが、注いでいただいて直ぐでは、特にやはり香りの要素が時間経過後と比べると随分少ないですね。今飲むならじっくり時間をかけて飲みたいところですし、もっと寝かせてもいいでしょうね。また、印象的だったのが、セミナーをして下さったアヴネル氏が、このワインと食事のマリアージュについて良く語って下さったところ。フランスでは、こういったワインも食事と合わせて飲むのが当然というお話で、単独で鑑賞することも多い日本との違いを感じられました。にほんブログ村
2017年04月08日
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ということで、今回からは先日のシャンソンセミナーのワインです。先ずはペルナン・ヴェルジュレスから。ペルナン ヴェルジュレス・プルミエクリュ・レ・カラドゥ・ブラン2014。シャンソンのペルナン・ヴェルジュレスは粘土石灰質土壌で、斜面の中腹にある1.9ヘクタールほどの畑だそうです。コルトン・シャルルマーニュの真向かいにあり、土壌も標高も同じで、異なる点は真東向きだという所だそう。生産量は年2万本。樽も掛けますが、新樽比率は20~25%になります。ちなみに、本ワインの2014ヴィンテージは良い年だったそうで、特に白の出来は良かったとの事。価格は、楽天内では写真のお店で4298円が最安値のようです。色は薄い黄色ないし淡い黄金といった所。香りは、火打石系のニュアンスが感じられたのが印象的で、そこに軽いバターっぽさや乾燥ハーブ、クリームっぽさといったものが加わります。また、ハチミツの要素があり、時間と共に印象が増していきました。加えて、白い花っぽさも。勿論、フルーティさもしっかりあり、グレープフルーツやミカンなどの柑橘、メロン、洋ナシ、リンゴ、それにリンゴ飴的な香ばしさのあるものも感じられたでしょうか。あとは、白い花の香りも少々。味わいは、アタックに明確な果実味のインパクトがあり、それが拡がります。ただ、あくまでも優しいものではありますね。その奥から、しっとり乳酸系の酸がじわじわと前に出て来て、後口にかけては支配的になります。また、その酸は旨みや塩味のようなミネラル感を伴うものでもあります。後口には、軽くですが苦みもあったでしょうか。ボディは丸く滑らかなミディアム。目の詰まった、密度を感じる口当たりではありますが、柔らかさ・やさしさの印象の方が勝りますね。会の資料には、甲殻類や魚、マイルドなチーズとよく合うと記載されていますが、確かに甲殻類、中でも茹でたエビなどとは是非合わせてみたいところです。塩味だけでもいいでしょうし、案外マヨネーズを付けてもこのワインなら行けてしまいそう。魚なら、やはり白身魚のソテーなどでしょうか。個人的には、ウナギの白焼きというのもありじゃないかなと。あとは、資料では触れられていませんが、案外白い肉系でも問題ないのかなと。豚肉のポトフや、チャーシュー、鶏ならシンプルなロースト、あるいは焼鳥あたりをつまんでみるのも面白そうです。樽香と果実のバランスもよく、時間とともにハチミツ感が膨らんでくるのは非常に楽しかったです。今回頂いたワインの中では、最も早く開いてきたかなと思いますし、2014と若いワインではありますが、今でもそうとっつきにくくはないと思います。価格も4500円でおつりがくるくらいですし、「ちょっといいワイン」としては、かなりいい線行ってくれているのではないかなと。にほんブログ村
2017年04月05日
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先日行いましたメルロー飲み比べ会のワインもこれで最後です。〆はボルドーで。シャトー・ボー・ソレイユ2011。ボルドー右岸、ポムロールのワイナリーになります。歴史あるワイナリーのようですが、1995年にシャトー・クリネのオーナーだったアルコート氏が取得、その友人である有名コンサルタント、ミシェル・ロラン氏とともに手掛けだしたことで一気にその知名度を高めました。隣にはクロワ・デュ・カスが存在し、元々はアルコート氏がどちらも所有していた兄弟ワイナリーだったようです。ポムロール南部に位置し、土壌は砂質。栽培品種はメルローとカベルネ・ソーヴィニヨンですが、95%がメルローです。価格は、楽天内では3218円が最安値のようです。色はしっかり黒く透明度も低いですが、その中に赤さも見え、ガーネット感もあります。香りは、開けて直ぐはやはり閉じています。少々土っぽさが感じられる程度といった所。時間と共に開いてきて、黒ベリーやカシス、ダークチェリーといったフルーツや、フルーツケーキ、カラメル、ビターチョコといった甘いニュアンスや、トースト、茶色いスパイス、黒い土、下草、バルサミコ、キノコといったもの、それに血やジビエ的な複雑なニュアンスも感じられるようになりました。味わいは結構バランス型。最初はやはり閉じていますが、開いてきてからも、突出する要素はなく屋や渋みが前に出るかなといったところ。舌触りなどにタンニンの存在感はありました。果実味は柔らかで、全体を包み込む感じ。そこに、明るくもしっとりした酸が入ります。ボディは、まろやかさやふくよかさを感じさせつつも、凝縮感もあり、芯の部分にハリや強さのあるフルボディです。会では、鴨よりソーセージやレバーペーストの方が馴染みやすい印象でした。ソーセージとは、その塩気や旨みに対しワインの質感が合う感じで、さらにスパイシーさ同士の相性の良さもあったように思います。また、レバーペーストはそのまろやかさやコクに対して、これまたワインの凝縮感、そしてバランスのいい味わいが寄り添うといった印象。また、ブルーチーズをお出し頂きましたが、そちらとの相性も良好。チーズのミルキーな部分がワインをよりまろやかに感じさせつつ、カビの部分の複雑な旨みや香りに対してはワインの香りや渋みがいい感じ。その他あわせるなら、これはもう赤身の肉でしょう。牛肉や、シカなどのジビエの焼き物や煮込み、さらに、今回の鴨のパストラミはそれほどでもありませんでしたが、鴨自体は、オレンジ煮やロースト+黒いソースといったものならよく合いそうです。まろやかさやふくよかさのある口当たりは、ミシェル・ロラン氏の手がけるワインらしいところなのかもしれませんが、果実味がドン!と言うタイプではなく、あくまでバランスのいい、飲み飽きない造りのワインだったように思います。しかしこのバランス感や質感は、やはり他の産地のメルローとは大きく違う所ではあるなあと感じさせられました。同じ品種のワインでも、合わせる食事やシチュエーションで、色々と使い分けていきたいものです。シャトー ボー ソレイユ 2011 フランス ボルドー AOCポムロール 赤ワイン 辛口 フルボディ 750ml (シャトー・ボー・ソレイユ)Chateau Beau Soleil [2011] AOC Pomerol (Thierry RUSTMANN)3500円でおつりがくる価格で手に入るというのは中々お得なのではないかと思いました。にほんブログ村
2017年03月08日
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今回はフランス・ロワールの白です。その名もズバリなミネラル感のあるワインです。ミネラル・プラス2014。生産者フランツ・ソーモンはロワール地方のモン・ルイというアペラシオンのワイナリー。創業は2002年という新しい生産者ではありますが、既に人気を確立しているとの事。栽培ではビオロジックを実践、醸造は野生酵母使用という自然派ですが、酸化防止剤については少量は使用しているとの事。畑は4ヘクタールほどで、土壌としては粘土石灰や砂質、シレックスなどだそう。セパージュは、シュナン・ブラン100%。400リットルの木樽で熟成、無濾過・無清澄で仕上げています。価格は、写真のお店で3002円。色は薄い黄色ではありますがツヤ感があります。香りはメロンやウリ、各種南国フルーツ、レモンや青い柑橘、それに、マスカット香ともラブルスカ香とも違うのですが、ブドウを感じさせるニュアンスも感じられフルーティさがあります。また、焼き栗っぽさや軽い蜜っぽさも少々。白い花の雰囲気もあります。加えて、名前にふさわしい火打石や濡れた石、チョーク?的な要素も出ていました。味わいは辛口ですがキリキリ系ではなく、果実味も繊細なものですが感じられます。ただ、アタックとしてはやはり明るくインパクトのある酸が主役ですね。後口にかけては、旨みや仄かな苦みもあったでしょうか。ボディはライトですが、ミネラル感やハリがあり、目の詰まった印象で、ライトながら骨格を感じる、存在感のある質感でした。食事との相性では、焼き鳥がいいつまみになってくれました。ネギマ串(塩)とは、鶏の旨みとワインの味わいが合うのは勿論、鶏肉の繊維質とワインの質感の組み合わせもいい感じです。また、そこにネギの甘みが加わるとワインの果実味と噛み合うのか立体感が増す感じでした。また、砂ズリ(塩)とも中々で、ズリの持つ鉄っぽい味わいをワインの旨みが引き出す感じに。フルーティなだけではない、意外な懐の深さを見せてくれました。今回は塩ばかりでしたが、タレでも意外と行けてしまうのかも。名前の通りミネラル感のある、それでいてシュナン・ブランのフルーティさも楽しめるワインでした。しかし、それだけではない奥深さも持っているように感じられました。5年10年寝かせてみるのも面白いかもしれませんね。にほんブログ村
2017年02月14日
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今回は、ボージョレーのムーラン・ナ・ヴァンです。サントリーさんからの頂き物になります。ムーラン・ナ・ヴァン2015。生産者はドメーヌ・デ・ロジェール…ですが、このワイン、ジョルジュ・デュブッフの監修の下作られています。ドメーヌ・デ・ロジェールが1976年からデュブッフと協力関係にあるという事もありますし、実はこのワイン、Amazon限定販売なのですが、Amazonの酒類部門の方が日本人に合うワインをと考えアッサンブラージュにまで参加しており、その過程で、デュブッフにこのワイナリーを紹介してもらったという事も一因となっています。価格は、2840円ですが当然楽天内にはありません。色は黒紫。濃く、透明度は低めです。香りは黒い土や茶色いスパイスがありつつ、黒ベリー、プラム、イチゴなど赤ベリーやそれらのジャム、ザクロ、ドライイチジクといったフルーティさがよく出ていました。最初のインパクトとしては黒いフルーツの雰囲気がありますが、中盤から余韻にかけては赤い印象の方が増す感じです。また、赤や紫の花、若干のトリュフっぽさや軽いチョコのニュアンスもあったでしょうか。味わいはフルーティさが強く、果実味のアタックも、柔らかいものですがしっかりあります。そこに、乳酸的な酸がピッと入る感じ。タンニンの印象は結構あり、特に後口にかけて渋みをきっちり感じる他、口当たりにも少々。ボディはミディアムで、なめらかさの輪郭の中にまろやかさや丸みが拡がるといった感覚です。食事との相性では、キノコとホウレン草の炒め物と中々の相性でした。キノコは、シメジ、シイタケ、エリンギの3種、ホウレン草はこの時期ならではの寒締めです。あとは、少しベーコンを加え、醤油バターで炒めたというごく普通の1品ですが、キノコ、バター、それに少し焦げた醤油の風味にワインの黒いニュアンスが合う感じ。また、ホウレン草+ベーコン+バターの旨みに対し、ワインの旨みもボチボチ馴染んでくれます。あと、鶏の手羽元をニンジンと一緒にミカンで煮てみましたが、こちらはさらにいい相性でした。鶏の旨みにこのワインはやはり間違いないですし、煮詰まったミカンの甘みや、そこに加わる味付けの塩気等と、ワインの果実味の相性も行けましたね。Amazonの方々は、日本人の味覚に合ったフルーティなもの、そのフルーティさは赤果実で、タンニンや余韻はしっかりしたもので、かつ熟成も耐えるものを、と考え、デュブッフ氏に生産者の紹介とアッサンブラージュへの参加を依頼されたそうで、その後のアッサンブラージュもかなり白熱したものになったようです。黒果実を中心に、黒さの印象は結構ありましたが、それでも赤いフルーツのニュアンスも勿論出ており、Amazon酒類部門の方々の熱意が形になっているのではないかなと思います。にほんブログ村
2017年01月31日
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まだまだ続くボージョレとベーリーAの飲み比べ会のワイン、続いてもムーラン・ナ・ヴァンです。前回と同銘柄のヴィンテージ違いになります。ムーラン・ナ・ヴァン2011。生産者は勿論ジョルジュ・デュブッフ。前回の2015ヴィンテージより4年古いものになります。ムーラン・ナ・ヴァンはボージョレの中でも長熟も望めるようなものが出来る土地で、2015は結構濃さも感じるものでしたところ、この2011がどうか楽しみに開けました。セパージュは当然ガメィ100%。価格は、楽天内では2603円。色は2015と比べますとより赤みの増したものに。ガーネット系という感じでしょうか。エッジにはルビーカラーも。香りは驚きの赤ベリー全開なものでした。ラズベリー感もかなりしっかりありますし、個人的にガメィとベーリーAの似たところの一つだと思っているイチゴっぽさも出ています。ただ、赤いフルーツのドライフルーツ感もありました。その他、薔薇の花や軽い紅茶っぽさ、それに土や茶色いスパイスといったものも感じられました。味わいは、やはり2015と比べますと、バランス型ながらより落ち着きのあるものとなっています。果実味と酸は拮抗しつつ、それらは強すぎず弱すぎずなこなれた印象を受けます。渋みの印象に至ってはほぼありません。ボディはライトですが、まろやかな膨らみ感は弱まり、むしろ、しなやかさやハリを感じるようなエキス分といったものを感じたでしょうか。会のつまみでは、やはり鴨や鶏、豚のパテですね。ワインのベリー感のある香りは鴨の香りや味わいによくマッチしますし、バランスが良くもハリのある味わいは、鳥肉や豚肉の旨みにこれまたいい感じです。その他何か合わせるなら、これには個人的には赤い魚で行ってみたいですね。マグロの赤身の旨みなどには馴染みそうですし、漬けにしてみても面白そうです。また、カツオのタタキ、サーモンのお寿司なども試したいですね。あと、意外にノリにもいいかも…。4年の違いでここまで違うとはという程印象には差がありました。こちらには、黒果実的な印象は全くと言っていいほどなかったですね。ヴィンテージの違いや、造りの違いなどもあるのかもしれませんが、ボージョレ同士でも中々面白い飲み比べになりました。楽天内でも同一ヴィンテージのものがありました。ただ、取り寄せアイテムになるようです。にほんブログ村
2017年01月05日
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さて、年跨ぎになってしまいましたが、ボージョレとベーリーAの飲み比べ会のワイン、続いてはボージョレの1種類目です。ムーラン・ナ・ヴァン2015。生産者は「ボージョレの帝王」として、ヌーヴォーのイベントなどでもよく来日されているジョルジュ・デュブッフです。会社設立は1964年。それまで、地元の地酒でしかなかったボージョレのワインを1代でフランス全土はおろか、世界規模で有名にしたという作り手になります。ムーラン・ナ・ヴァンは、ボージョレのクリュの10ある村の中でも最も力強いワインを産出しています。セパージュは、勿論ガメィ100%。価格は2500円程度くらいでしょうか。色は流石ムーラン・ナ・ヴァンというべきか結構濃い目。黒紫と言っていいくらいの色合いです。勿論透明度はあり、エッジにルビーも見えますが、しっかりしています。香りにも、黒ベリー的な黒いフルーツや黒い土のニュアンスがよく出ています。そこに、赤ベリーコンポートや、若干のシナモン的なスパイス、少々のジビエ的な獣系の雰囲気などがあったでしょうか。時間経過で変化も見られ、赤ベリーの要素がより強くなり、コンポートだけでなくフレッシュなものも垣間見えました。その他、チョコやココア、バルサミコっぽさもあったように思います。味わいはフルーティさしっかり。暖かみのある果実味が軸です。ただ、それはあくまで優しいものですが。そこに、乳酸系の明るい酸が加わります。やはり、タンニンの印象はあまりなく、アクセント程度に渋みが感じられるくらいでしょうか。ボディもミディアムくらいの膨らみ感はあったでしょうか。まろやかさや柔らかさのあるものです。会のおつまみはどれも良かったです。その中でも、ミートローフは結構味がしっかりしており、そのしっかりした塩分や旨みに対し、ワインの果実味がよく馴染んでくれたかなという印象はありました。また、ローストビーフサラダに対しても、サラダと一緒にサッパリと頂いてもいいですが、ローストビーフ単体と合わせても問題なく美味しいのもワインの濃さのおかげでしょうね。このワインには、焼き鳥(タレ)や和風の牛モツ煮など、ある程度しっかりした、しかし脂っ気が強すぎないもの等を色々合わせてみたいところです。思った以上にしっかりしており、南方の雰囲気を感じることが出来ました。今回のベーリーAからより遠いのはこっちだったかなあと。ただ、果実味しっかりのベーリーAもありますから、その辺とも飲み比べてみたいところです。ジョルジュ デュブッフ ムーラン ナ ヴァン 750ml楽天内には2000円程度でもありましたが、ヴィンテージが不明でした。にほんブログ村
2017年01月03日
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先日行いました中華とリースリングの会のワイン、6本あったのですが、最後のものがややコンディション怪しかったという事で、今回のもので最後です。アルザスのグラン・クリュになります。リースリング・グラン・クリュ・サエリング2012。生産者のシュルンバジェは1810年から続くワイナリー。ただ、畑はやはり旧世界の生産者らしく、その起源はローマ時代までさかのぼるのだとか。もっとも、フィロキセラ禍の際に全面的な植え替えを行ったようですが…。保有するグラン・クリュは合わせて70haもあり、畑の標高も250~380m程の高地にあるそう。有機栽培や、一部の畑ではビオディナミも実践しているようです。価格は4500円くらいのようですが、現時点で楽天内に扱いは無し。色はツヤのある黄色。黄金に近いくらいかも。香りはザ・リースリングという感じのもので、ペトロール香、ハチミツ、白や黄色の花、濡れた石的な鉱物的ニュアンス、それに少々のタイムやローズマリー等の乾燥ハーブっぽさといったものも見られました。勿論、フルーツ感もしっかりで、黄桃、リンゴ、それにレモンやグレープフルーツなどの柑橘、加えてそれら柑橘の皮っぽさ等のニュアンスを感じることが出来ました。味わいは辛口。果実味は繊細なものですが、弱い!という感じでもなく、しっとりと明るく太い酸に包まれるような感じで温かみのある存在感を見せます。ただ、各要素落ち着いており、あくまで辛口は辛口。もっとも、ドライ!というような感覚ではなく、質感の問題もあるのでしょうが、しっとりというか潤いのある辛口、というような印象を受けました。その質感は、ゴツさや重さは無いものの凝縮した印象はあり、クリアーさやしなやかさを感じるものながらも少々硬質な雰囲気も感じさせました。ボディとしてはミディアム位でしょうか。会では、エビ、麻婆豆腐、そして〆のラーメンの辺りで飲みました。海老との相性はどちらもまずまずといった所。どちらかと言いますと、エビチリのスパイシーさや甘味よりは、エビマヨのまろやかさの方が相性良かったように思います。エビ自体とは質感の点など流石に馴染みます。麻婆豆腐とも、まあ可もなく不可もなくといったくらいかなと。繊細な部分もあるので、やや辛みに圧し負けるところがあったようにも思います。面白かったのがラーメンで、スッキリした味わいのスープにワインの味わいが結構馴染み、旨みが際立つ感じに。香りも、ワインのそれがアクセントというかスパイス的な役割を果たすような雰囲気で、結構興味深かったです。香りの華やかさ、バランスの良さの中にあるまだまだ固い雰囲気など、流石グランクリュという要素を堪能できました。2012ヴィンテージですが、まだまだ熟成可能性はありそうです。ただ、そんなワインとラーメンスープの相性がいいというのは楽しかったですね。にほんブログ村
2016年11月14日
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今回のシャルドネ飲み比べ会のワインはブルゴーニュのものになります。結構久々に飲んだかも。リュリー・プルミエ・クリュ・クロ・サン・ジャック・ブラン2011。生産者フォーリーは、ブルゴーニュ南部、コート・シャロネーズのリュリーACのワイナリー。リュリーの北のはずれの辺りになるそうです。赤白両方を生産しており、このクロ・サン・ジャックを含め2つの1級畑を所有、両方ともシャルドネのみを栽培しているそうです。粘土石灰質の土壌で、実はtettaも同じような土壌だったりします。価格は、楽天内では3982円程度。色はやはり薄い黄色。ただ、あくまで同系統の中では、ですが色のある方ではあります。香りはオリーブオイルやグリーンオリーブなどのオイリーな雰囲気があり、緑系につながる、タイムなどの乾燥ハーブっぽさも少々。また、グリーンペッパーのような要素もあったでしょうか。そこに、リンゴや青リンゴ、洋ナシなどのフルーツ感が加わる感じ。黄色い柑橘的なニュアンスも無くはありませんが、そこまで強くはありません。その他、石灰っぽさや花の蜜っぽさも少々。味わいはやはりバランス型。突出した要素が無く、果実味と酸のバランスもいいです。強さとしては、TETTAよりは強いですがクメウ程は出ないといった所。ただ、味の詰まった印象は受けました。ボディも、ミディアムライトといったところで、クリアーさを感じる岩清水水系の口当たりですが、ミネラル感がありハリ、しなやかさを感じるものではありました。会では、やはりどれとも無難に行ける感じですが、バジルソース+トマトのオイル漬けとの相性は良かったかなと。ワインのグリーンな印象が、バジルやトマトの香り、さらに、トマトの酸味と甘みといったものによく馴染む印象でした。これを食事に合わせるなら、火の入った魚介に、ハーブやハーブを使ったバターなどを用いたものなんて間違いないのかなと。また、樽の主張も強くないので、和食系にも面白そうです。揚げてある系のタネを使った椀物なんかに意外と嵌りそうな気がします。派手さはありませんが、静謐な印象で、バランスがよく、それでいて、味わいには存在感があると、秋の夜長にじっくり楽しめるワインだったように思います。決してメジャーなエリアではありませんが、リュリーやサン・トーバン辺りって結構面白いアイテムが多く、個人的に興味を惹かれていたりします。リュリー プルミエ クリュ クロ サン ジャック ブラン[2011]ラ・フォーリー(750ml)白1万円以上で送料無料◆2〜3日中に発送可(土日祝除く)楽天内にもあまり扱いがありません。にほんブログ村
2016年10月11日
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今回も白ワインです。先日色々飲みましたソーヴィニヨン・ブランになりますが、夏向きスッキリ系というタイプではないものです。エム・ド・マリオネ2009。生産者はアンリ・マリオネ。フランス・ロワールはトゥーレーヌのワイナリーです。現当主のアンリがワイナリーを引き継いだのは1969年。その後、1970年代にはジュール・ショーヴェから教えを受け、独自に自然派ワインに取り組みました。そして、1990年にはso2無添加のワインを作り、その品質を国内の多くの人々に認められたそうです。さらに、接ぎ木無しの木からのワイン造りにも取り組んでいます。本ワインは、1971年に植樹されたソーヴィニヨン・ブランだそうで、遅摘みの為貴腐も一部付くのだとか。楽天内に2009ヴィンテージは既にありません。写真のものは最新ヴィンテージの2014で、価格は4280円。09よりは少し高くなりました。色はツヤのある黄金です。茶色感まではいきませんが、やはりこの手のソーヴィニヨン・ブランらしく濃い色合いです。香りは非常に華やか。ハチミツっぽさや、焼きイモ、それに干しブドウやマンゴー、パインなどのドライフルーツといったような要素がよく出ています。また、カラメル的な雰囲気も少々。その他、フルーツ感もしっかりで、完熟リンゴ、アプリコット、ピオーネ系のブドウっぽさなどのニュアンスが。また、そこはやはりソーヴィニヨン・ブラン、レモンやグレープフルーツなどの柑橘も少々。加えて、乾燥ハーブやシナモンなどのスパイスっぽさも。味わいは、柔らかさ、丸さはあるもののインパクトのある果実味が軸。そこに、旨みや、量は多いもののしっとり系の酸が加わります。また、アルコールのアタックも少々。ボディはミディアム位で、エキス分や膨らみは感じつつも、ミネラル感もあり、しなやかな印象です。食事との相性は結構意外な感じでした。まずフライドチキンをつまんだところ、まあこれは鉄板の相性。ワインの華やかさやその中にあるスパイスやハーブのニュアンス、しっかりした味わいが、衣の油に負けず、衣の味わい・肉の味わいとよく一体感を出してくれました。こういうタイプですし貴腐も混ざっているという事で、鮮魚には難しいかなと思いましたがこれが意外や意外、お寿司と好相性。やはり、ネタとしてはブリやハマチ、トロといった脂のあるものがより馴染みますが、生臭みは出ず、魚の甘みと脂、それにシャリの甘みに、ワインの果実味やボリューム感が嵌ってくれます。また、イクラの軍艦ともいい感じだったのも面白い点でした。加えて、焼きサバ寿司(シャリにはガリや胡麻、シソなどが混ぜ込まれているタイプ)をつまんでもこれまたいい相性。鯖と合わせても臭みが出ないのはシャリの具のおかげもあるかもしれませんが、鯖の脂や濃さに負けず華やかな味わいと香りの広がりを感じさせてくれました。これも面白い、そして華やかさを楽しめるワインでした。非常に徹底した自然派の作り手という事もありますが、ソーヴィニヨン・ブランというのは本当に多彩だなあというのを感じさせてくれました。因みに、還元的なニュアンスは開けたてから全くありませんでした。ワイン会で飲みましたセバスチャン・リフォーともまた違った感じで、ソーヴィニヨン・ブランの会はいつか第2弾をやりたいところです。にほんブログ村
2016年07月19日
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先日行いましたソーヴィニヨン・ブランの飲み比べ会のワイン、今回はサンセールの2種類目、自然派のものになります。サンセール・ブラン・スケヴェルドラ2010。生産者セバスチャン・リフォーの家系は代々農家だったそうですが、ワインを作り始めたのはセバスチャンの父の代からだそう。セバスチャン自身はパリの自然派ワインショップに勤め、その経験から2004年から有機栽培、2006年にはビオディナミを行っています。醗酵時にはso2を添加せず、結果マロラクティック発酵が完了しています。熟成において、古樽ながら樽を用いてもいます。変わった名前ですが、リトアニア語で小石という意味だそうで、畑の土壌はシレックスになります。価格は、写真のお店では3758円。色は茶色いです^^;飴色タマネギないしタマネギの皮的な色合いでしょうか。香りはカラメルや黒糖といった色合いに似合った黒いニュアンスが出ています。また茶色いスパイスやクミン、生姜っぽさといったような要素も。加えて、その中にマジパンのような雰囲気が。その他、干しブドウや蜜、完熟リンゴ、アプリコット、オレンジママレード、少々の赤パプリカといったものも感じられました。加えて、ちょっと熟成香というか、貴腐的なものも感じられたかもしれません。味わいは割ときっちり辛口で、果実味もしっかりありますが繊細なもので突出はしません。そこに、しっとり系の、しかし強さのある乳酸系の酸が旨みと共に乗ってくる感じです。ボディはミディアム。口当たりは柔らかいですが、エキス分や目の詰まった印象を受けるもので、スケールの大きさを感じさせます。会では、やはり金目鯛のところで飲みました。これだけしっかりしていると白身魚には厳しいかなと思いましたが、むしろよく合っていました。質感の相性というよりはやはり旨みの相性で、魚の豊富な旨みに対しワインの旨みが嵌るといった印象。また、甲殻類やノイリープラットのソースのコクのある味わいともよくマッチ。これについてはラドゥセットのサンセールよりいい相性でした。という事で、甲殻類などと合わせるのはよさそうですし、他にも白い肉系との相性もよさそうです。豚肉のローストにタマネギのソース、あるいはアプリコットジャムを使ったソースなど面白いかもしれません。まあ、参加者の方々が驚かれたワインです。色合いからもう全く違いますしね^^;ただ、リフォーとしては昔ながらの作り方を踏襲しているとの事で、それこそラドゥセットのものなどの様に、醸造中にso2を添加しマロラクティック発酵を起こさず、フレッシュなリンゴ酸を残しステンレスタンクのみを使う作り方の方が新参なのだそう。どちらが好みか皆さんに伺ってみましたが、結構割れる感じだったのが面白かったです。にほんブログ村
2016年06月29日
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まだまだ続くソーヴィニヨン・ブランの飲み比べ会のワイン、今回はサンセールの1種類目。サンセール・コント・ラフォン2014。生産者はドゥ・ラドゥセット。ブルゴーニュのコント・ラフォンとは関係無いそうです。プイィ・フュメの作り手として知られる、200年以上の歴史を持つ男爵家のワイナリーで、近年は樽による醸造は行わず、ソーヴィニヨン・ブランの香りを前に出す作りを行っています。このワインは、そんな作り手がプイィ・フュメの対岸に当たるサンセールの畑のブドウから作るワインです。コント・ラフォンとは、「ラフォンの物語」といった感じの言葉で、ラドゥセットの先祖で現在の同家の所有する畑を取得したラフォン男爵に因んだネーミングなのだそう。価格は、楽天内では写真のお店で4406円。お店のページは2013ヴィンテージ表記ですが、現在14に切り替わっています。色は明るい黄色。レモネード的な色合いでしょうか。香りもレモンやグレープフルーツといった、薄い黄色の柑橘のニュアンスがよく出ています。そこに、少々のライムやスイーティなどの緑の柑橘の雰囲気が加わります。その他、軽い石灰などのミネラルやハーブが感じられ、さらに、遠くには青リンゴなど、南国フルーツには至らないものの、柑橘よりは甘みを感じるフルーツっぽさもあったでしょうか。味わいは意外とフルーティで、果実味のインパクトはあります。勿論、あくまでもフランスらしい柔らかいものではありますが。酸は明るくフレッシュさを感じさせるもの。果実味の後にピッと入ります。ボディはハリのあるライトといったところですが、柔らかさ・たおやかさを感じる、エレガントな質感なのは流石。会では、魚のメインのところで飲みましたが相性は上々。金目鯛の旨みにワインの果実味やが合いますし、果実の奥にあった旨みを引き出してもくれます。ソースとは、そこまで引き合う、という程ではありませんが喧嘩することなく旨み・塩気にミネラル感や果実味が対比を見せるといった所。それら異常に好印象だったのは質感で、白身魚特有のプリッとハリのある食感に、ワインのしなやかなさとハリがよく馴染む印象を受けました。果実味もありますし、鶏肉などにもいいでしょうが、このワインはやはり魚介と合わせたいかなという印象です。貝類などにも面白いかも。いわゆる「ピピ・ド・シャ」の香りは感じられませんでしたが、それ以外はサンセールらしさのあるワインだったのではないかなと思います。ただ、構成力を感じる質感やある程度存在感のある果実味、それとバランスの良い酸味など、ワンランク上の世界観を感じさせてくれるワインでもありました。にほんブログ村
2016年06月27日
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今回はブルゴーニュの赤。コート・ドール南部のサヴィニー・レ・ボーヌのブドウを用いたものになります。サヴィニー・レ・ボーヌ・レ・ラヴィエール2006。生産者はカトリーヌ・エ・クロード・マレシャル。ドメーヌ自体は、ブリニィ・レ・ボーヌという小さな村にあるそうです。ワイン作りを行っているのはクロードとカトリーヌの夫妻で、クロード氏は生産者の家系に育ちました。そのため昔から見てきている作り方を行い、瓶詰の際もノンフィルター。その後、平均24か月静かに置いておき自然に澱下げをするのだとか。いわゆる「マキコレ」ワインの一つです。セパージュは勿論ピノ・ノワール100%。レ・ラヴィエールはペルナン・ヴェルジュレス側にある1級畑だそう。価格は5000円程度ですが、楽天内にはありません。色は少しガーネットも見えるルビー。透明度は極めて高いです。香りは、ラズベリーやイチゴといった赤ベリー、それらのジャム、さらにチェリーやチェリーリキュールといった赤いニュアンスが出ていますが、そこはやはりボーヌ、プラムっぽさやイチジクといった濃いニュアンスも出ています。また、柿や干し柿のような雰囲気や、洋酒ケーキっぽさも。また、軽いオイリーさないしなめし革、黒蜜、カラメル、トースト、そしてローズマリーやタイムなどのハーブ、赤い花、微かなクリームっぽさ等甘さ基調ながら複雑さもあります。味わいは繊細なバランス型。最初の印象には、ふわっと果実味が来ますがそこにしっとり系ながら明るい酸がすぐに入って来ます。渋みは意外としっかりあり、後口にかけてキュッと締まった印象。舌触りにタンニンの触感も少しあったでしょうか。ボディはライト。非常にクリアーでなめらかな印象を受け、石清水系の雰囲気。香りは華やかながら飲み口は優しいワインですが、そこはやはりボーヌのピノ、ジビエ系にも行けます。実は、ラトリエあべさんで鹿肉のソーセージと鹿やイノシシ、鳩といったジビエに阿波ポークやフォアグラを加えたパテを入手しており、それに合わせようと選んだワインでしたが、いい相性でした。ソーセージとは、鹿肉の脂の少ない、しかし旨みのしっかりした味わいに、ワインのしなやかさや繊細さの奥にある鉄っぽさや旨みがよく合いますし、パテとは、こちらも脂っ気は大人しく、旨み重視に作られていますので、やはりワインの質感や旨み同士の引き合いが見られました。また、やはりというべきかお寿司もいいつまみになり、マグロとはその滋味とワインの旨みは、アナゴとは、その脂にワインのタンニンが、そしてツメにワインの香りや果実味がよく馴染みました。販売店の方曰く(実は徳島にマキコレを買えるお店があります)、このワインは若いうちは若いなりの、熟成すればそれに見合った美味しさがあり、いつ飲んでも美味しいとの事でしたが、成程、2006という良い年のワインながら決してガチガチという事は無くむしろ華やかで優しくとっつきやすい、しかし、それでいてまだ熟成可能性も感じさせるようなワインでした。にほんブログ村
2016年01月13日
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いよいよ今年も終わりですね。年内はあと1回、30日辺りに毎年恒例ですが今年飲んで印象に残ったワインについての投稿が出来ればなあと思っております。今回は北ローヌの赤です。コルナス・ルネッサンス2008。生産者はオーギュスト・クラープ。コルナスの地で250年の歴史を持つ作り手ですが、以外にも元詰めを始めたのは1968年と最近。それでも、so2を控えた醸造や大樽での仕込みなど独特の作りで、ロバート・パーカーからの評価は5つ星となっています。コルナスは、北ローヌの南の方にあるアペラシオン。古代ケルト語で焼けた大地という意味だそうで、その名の通り日差しの強いエリアですが、一方で赤ワインはシラー100%で作られます。そのため、ローヌで最も熟成を要する赤ワインの産地とも言われます。セパージュは、もちろんシラー100%。このルネッサンスは、平均樹齢20年程度のこの作り手の木の中では若いものになります。価格は、写真のお店で5863円。色は、流石に黒いです。が、透明度も皆無という訳ではなく、エッジにかけてはルビー的な赤さも見えます。香り、黒コショウ、甘草、その他シナモンなどのスパイス感しっかり。そこに、プラムやラズベリーなどの赤ベリー、さらにドライストロベリーやベリーのジャムといったフルーティさが加わります。また、トリュフやなめし革、少々の青いハーブっぽさといった要素も感じられ、複雑かつ華やかです。味わいは、比較的早飲みの作りをするという事もあってかもう厳めしい感じなどはありません。明るく、軽快な印象の酸主体で、その酸の後ろから繊細な果実味が旨みと共に顔を見せるといった所。ただ、渋みは確かにキッチリあり、舌触りにもタンニンの印象が残ります。ボディはフルボディですがしなやかなもの。ただ、硬質な質感を感じさせ、思いのほか冷涼な雰囲気を持っています。ローストビーフを合わせましたが…まあ合わないわけありませんね^^;肉の旨み、脂どちらに対してもよく馴染み、旨みを盛り立てつつ渋みや香りで深みと華やかさを加えてくれますし、肉のモッチリした質感に対してワインのボディ感が丁度いい感じ。また、鶏肉にも結構馴染み、ローストチキンなど頂きますと骨周りの鉄っぽい旨みとは特に良くマリアージュしてくれました。また、面白かったのが、勝山で買ってきました銀沫を、とろろ焼きにしますとこれがなかなかいいつまみで、イモの甘みや旨みでワインの果実味が引き出され印象が増し、さらに土っぽさのある香りとワインのスパイシーさや黒いニュアンスが嵌る感じでした。各要素しっかりしており、単独での「鑑賞」にも耐えうるワインだといえるでしょうが、一方でローヌらしいしっかりした部分を持ちながらも濃すぎず、しなやかさがあるタイプなので、食事にも幅広く合わせられます。フランスのレストランからの依頼で作られたキュヴェだそうですが、成程、これは使いやすいでしょうね。やまのいもにも合いますし、案外和食にもよく合うかも。にほんブログ村
2015年12月28日
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今回はフランス、アルザスのピノ・ノワールです。ピノ・ノワール・シニャチュール2011。生産者ルネ・ミューレは、アルザスのローファという地域で1648年から11代にわたって続く歴史ある作り手です。粘土石灰質の土壌の地域に畑を持ち、フォルブルクというグラン・クリュも所有しています。自社栽培ものの他、ローファの生産者と提携しネゴシアンものもやっています。本ワインは、そんなネゴシアンもので、以前ローファの名前を名乗れたものが、INAOの産地呼称強化により名乗れなくなったものです。ただ、自社畑では密植やビオディナミを実践するルネ・ミューレのこだわりや哲学が反映されたブドウによるワインであり、シニャチュール(=署名)の名を付けています。楽天内に、既に2011ヴィンテージはありません。写真のものは2013で、価格は2646円。色はやや暗めのルビーではありますが、それでも透明度は高いです。香りは赤いフルーツ満載。ラズベリーやクランベリー、それにそれら赤ベリーのドライフルーツのニュアンスといったものが出ており、さらにチェリーっぽさも。そこに、ローズマリーやタイム等のドライハーブっぽさや、バラの花、それに微かな山椒っぽさ?のような雰囲気も。加えて、ちょっとダシっぽさもあります。味わいは酸主体。明るく軽快なものが前に出ています。また、ミネラル感も豊かで、軽い塩気を感じるくらい。果実味は優しく、酸やミネラルの背景としてほんのりと感じられ、旨みを伴ったものです。渋みは後口にかけてアクセント程度。ボディはライト。ミネラル感の影響かクリアーで、パリッとした質感。食事との相性では、軽さを考えて魚を合わせてみましたが正解でした。と言いましても、やはり白身魚ではなく、カツオのたたきやサーモンといった色の濃いものや、脂の乗ったブリにいいですね。カツオとは、ワインの旨みが際立ちますし、魚の旨みや食感にも果実味やボディ感がよく馴染みました。サーモンやブリに対しては、その脂の広がる柔らかな旨みに、ワインの酸やミネラリーな質感が対比・アクセントとして嵌る感じ。一方で、果実味や旨みはやはり馴染みますね。また、カツオ、ブリ、サーモンはお寿司や刺身でしたが、マグロの加熱用が手に入ったのでトマト煮にしてみたところ、こちらも中々。火の入った鮪独特の味の濃さ、鉄っぽさ、そこに加わるトマトの旨みや酸に、ワインの味わいの各要素が寄り添う感じでした。デイリーワイン、というには少しアッパーな価格帯かもしれませんが、香りの適度な華やかさや纏まった味わいは、日本の日常の食事に合わせやすいタイプの赤ワインではないかなと思います。にほんブログ村
2015年11月22日
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今回は本当に久しぶりなブルゴーニュです。ラモネ兄弟の弟が手掛ける白になります。ペルナン・ヴェルジュレス・レ・ベユ・フィユ2012。作り手のジャン・クロード・ラモネは、ブルゴーニュにおける白ワインの名手であるドメーヌ・ラモネを兄ノエルと共に引き継いだ人物。本拠地シャサーニュの自社畑では、厳しい終了制限や減農薬農法を実践していますが、こちらは、レ・ベユ・フィユという村名クラスの畑の買いブドウで作られたワインだそう。セパージュは勿論シャルドネ100%。価格は、写真のお店で7600円。色は、薄い黄色。そこまでツヤ感や濃さがあるわけではなく、薄い麦わら位です。香りは、バニラやクレームブリュレのようなニュアンスがよく出ています。また、その奥に根菜や胡麻油のような雰囲気さえ。また、チョークっぽい石灰系を思わせる要素や、白い花っぽさも感じられたでしょうか。フルーツとしては、オレンジやオレンジピール、洋ナシ、それにカリンっぽさといったものが強かったように思います。味わいは太い酸とミネラル感、それに伴う旨みが印象的。ただ、それを仄かな果実味が覆っているような感じで、とっつきにくさはありません。ボディはミディアムライト程度で、丸く、柔らかさのある質感です。豚肉のパテや鶏肉のテリーヌをつまみましたが、白い肉は流石に相性がいいです。パテにはナッツ類が使われていましたが、肉の旨みや塩気は勿論、そのナッツのコクや香りと、ワインの果実味や酸、そして香ばしさを感じる香りの相性が良かったかなと。鶏の方は、中にパプリカが入っていますが、その甘味とワインの果実味が合いますし、そこに鶏の旨みが加わることで全体としてのバランス・ハーモニーが非常に良いものとなりました。魚系には今回合わせていませんが、鮮魚系なら、あっさりした白身よりは脂の乗ったブリや味の濃いエビ等がよさそうですし、いっそ赤身系で行ってみても面白いかも。香りの華やかさに比べますと味わいは大人しい印象ですが、トータルバランスとしてはしっくりいくので面白いですね。思った以上に食事にも合わせやすい感じですし、熟成させればさらに色々な要素を見せてもくれそうです。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2015年09月13日
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先日のコスパワイン会のワイン、続いては、これまた夏場に美味しいアルザスのリースリングです。リースリング2012。生産者ピエール・スパーは1680年にさかのぼる歴史あるワイナリーです。近代的な醸造施設、250万リットルの発酵槽をもち、セラーはコンピューター管理されておりそこに200万本のストックを持つという大掛かりなワイナリーですが、実は家族経営。醸造・栽培共に丁寧に行っていますが、この設備のおかげで価格は抑えてリリースできるというまさにコスパをテーマにした会には最適なワイナリーです。価格は、写真のお店で2160円。色は青みも感じますが、そこまで濃くは無いものの比較的ツヤ感もある黄色。香りはまさにリースリング。モモや洋ナシ、リンゴ、若干のはちみつ、それにレモンや少々のグレープフルーツといった柑橘など、フルーティな印象があります。ただ、それだけでなく、白い花っぽさやアニスなどのスパイス、或いは烏龍茶ないしほうじ茶といった茶色いお茶の雰囲気も。また、ミネラルのニュアンスも少し。味わいはバランス型。果実味が一応軸ではありますが繊細で、しっとり骨太な印象の酸が果実味に寄り添います。ミネラル感豊かで、ボディはライトですが収斂味やエキス分も感じます。また、これもミネラル感の影響でしょうか、後口にかけてはドライな感じです。会では、やはりどれとも喧嘩せず。ただ、その中で相性が良かったのはお肉ですね。サラミは、チーズ入りのものでしたが肉の旨みやチーズのまろやかさにワインの果実味やフルーティな香りがよく馴染みました。一方、パテとは、勿論香りや旨みの相性の良さがありましたが(特に、パテにピスタチオが使われており香り面の相性は良かったです)、パテ独特の柔らかな質感と、ワインのしなやかな強さ、収斂味との対比がとても快適なものでした。他にも、テリーヌやローストポークなど、豚肉系、あるいは鶏肉など白い肉との相性は期待値高そうです。フルーティで、しかし、口当たりのしなやかさ等整った雰囲気も見せる辺り、確かに手ごろですがアルザスのリースリングらしい1本だったかなと。アルザスも今は多様なスタイルが存在しますが、このワインは「らしさ」を手ごろな価格で感じさせてくれる中々貴重な1本だったかなと思います。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2015年08月06日
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今回はフランスワインです。フランスのワイナリーでフランス人が作ったワインなのですが、この作り手、スペインでもワイン作りを行っているという人物です。シノン・パリュ・ルージュ2007。生産者はドメーヌ・ド・パリュ。1883年創業のロワールはトゥーレーヌ、シノンのワイナリーです。現在ワイン作りに携わっているベルトラン・スルデ氏は、ボルドー大学時代に出会ったスペイン、プリオラートのアルバロ・パラシオス、あるいは、チリのサンタ・リタ、ボルドーのシャトー・ムートン・ロートシルトやレオヴィル・ラスカーズ等様々なワイナリーで経験を積み、スペインのドミニオ・デ・アタウタで醸造家デビューしました。そこで高い評価を受け、実家のパリュでもワイン作りを任されるようになったとの事。セパージュは、カベルネ・フラン100%。2007ヴィンテージは楽天内には既にありません。写真のものは2011ヴィンテージで、4800円です。色はルビー系の赤みのあるものですが、濃く、濁りも少々あったでしょうか。香りは、ラズベリーなどの赤ベリーのニュアンスが強いです。そこに、木イチゴっぽさや少々のアセロラも加わったでしょうか。しかし、そこは流石シノンというべきか、定番のピーマンっぽい香りも出ています。そこまで強くはありませんが、ちゃんとそれと認識できますね。また、茶色いスパイスや黒胡椒などのスパイシーさや、赤い花などの雰囲気も感じられました。味わいは酸主体です。乳酸系のそれが、終始支配的ですね。そこに繊細な果実味と旨みが乗る感じ。渋みは、後口にかけて出て来ますが、ごついものではなく、ミネラリーでみずみずしさがあり、しなやかな質感のボディに似合った控え目なものとなっています。食事との相性では、塩コショウ味のローストチキンやカツオ、マグロといった魚をつまんでみましたがいけますね。チキンとは鉄板の相性で、鶏の旨みや脂にワインの旨みや酸、渋みがよく馴染みます。また、スパイシーさ同士の香りの相性もいい感じです。一方、赤身魚とも悪くなく、カツオは欲を言えばもう少し脂がのっていた方がベターだったのでしょうが、それでも独特の強い旨みと食感に、ワインの質感や旨みが合いました。マグロも同じような感じで、また、酸はどちらに対しても後口をさっぱりさせてくれるような感覚がありました。勿論、どちらも生臭みは出ず。香りの印象などザ・シノンといったワインですが、上品さや繊細さの出方は、なるほど5000円クラスだなあという感じです。ボディの質感や酸、或いは香りのベリーっぽさやスパイス感など、メリハリの利き方の良さがありますね。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2015年07月24日
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今回はフランス・サヴォワ地方の白になります。ブラン2011。生産者ニコラ・ゴナンはサヴォワとローヌのちょうど中間くらいのところにあるサン・シェフという村のワイナリーです。スタートは2005年でまだ新しいドメーヌになりますが、オーナーは、サントル・ダンペログラフィー・アルパンというアルプスの古代ブドウ品種の保護をしているセンターの副代表を務めており、その復活にも力を入れています。栽培方法はビオロジックで、醸造でも酵母や糖の添加はしないという自然派な作り手です。セパージュは、シャルドネ80%、ピノ・グリ10%、ジャケール10%。価格は、2200円程度ですが楽天内にはなし。ディオニー輸入ですので、同社のワインの扱いのあるお店にはあるかもしれません。色は黄色。ツヤはありますが、濃いという程でもないでしょうか。香りはフルーティさしっかり。リンゴや洋ナシ、カリンといったものや、ミカン、グレープフルーツ、金柑といった柑橘が感じられます。また、ちょっと南国フルーツっぽさもあったでしょうか。加えて、軽いクリームっぽさや蜜っぽさもあり、シャルドネ+樽の雰囲気も。そのた、白い花や石のニュアンス、それに少々の食用菊のような要素も。味わいはミネラル感の印象が結構あります。クリアーでなめらかな質感です。ただ、印象としては峻厳といった感じではなく、あくまで柔らかで優しいものです。果実味、酸、旨みのバランスがよく、やわらかな果実味にじわじわと追いかけてくる酸と旨みがよく馴染んでいます。また、苦味の印象もボチボチと。食事との相性では、やはり魚ですね。お寿司をつまみますと、カニや甘海老の甘みにワインの果実味がよく嵌ります。質感面もいいですね。ただ、一番良かったのは実はヒラメのエンガワ。脂がのってコクのある味わいに、ワインの果実味や柔らかさがバッチリマッチ。香りの面でも、どこか引き合うものもあったでしょうか。という事で、今度はサーモンやサワラのお刺身をつまんでみますと、これも当たり。サーモンの脂とぷりぷりの食感が、ワインの果実味、樽由来の要素、そしてミネラルに見事に合います。また、サワラとも、柔らかさや旨みの引き合いが見られました。加えて、お寿司の食用菊やお刺身のワサビともいいですね。では、肉系に合わないのかというとそうでもなく、面白かったのが、ケンタッキー・フライド・チキンをつまんでみますと、肉の旨みやスパイス、脂に対しても負けることなく、むしろ肉の旨みを引き出しつつ後口をさっぱりさせてくれるような相性を見せてくれました。南感ありますが、それだけではない、なるほど、ローヌとサヴォワの中間らしい雰囲気があったように思います。個性的ですし、それでいて食事にもよく合う、最近の手頃なフランスワインの中では中々にヒットな1本だったかなと思います。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事を チェック!
2015年06月26日
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