Over The Moon.

Over The Moon.

2006年12月17日
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カテゴリ: *能関係の日記*
仕舞『加茂』は
正直、稽古不足だと思うのだ。

師匠「まあ、そんな感じでいいんじゃないですか」

って師匠は仰るけれども。

いやだって、明らかに飛びかえり出来てないし
半身のバランス取れてないし
しゃきっと立ててないし
ダメなところを挙げればキリがない。


・・・それでも出来ているように見えるから恐ろしい。

叱咤して、向上するのもなかなか難しい。


でも本番はやってくるわけで。



鴨くん(仮名) 「扇ありますね」

狭い切戸口に5人で並ぶ。
鹿くん(仮名) 地頭の、男地だ。

「「「よろしくお願いします」」」


随分慣れた、この古い小さな能楽堂。
今回はいつにも増して
ひどく落ち着いているのだ。

えーい、もういいや本番だし。
思いっきりやってやれ。





『加茂』のシテは、神様の中でも力強い、雷様。
大きく、迫力があるように舞う。

「わけ雷(いかずち)の雲霧をうがち・・・」

面切り。
松が見える。



「降り来る足音は」

拍子の連打。

「ほろほろ・・・」

雷が鳴るように
徐々に乗って
徐々に大きく

「とどろとどろと踏みとどろかす」

うまく見所まで
雷は鳴り響いただろうか。

「威光を顕しおわしまして」

後ろに下がって飛びかえり。
む、あんまり上手くいかなかった。
・・・ってことも考えながら舞ってる自分がいる。

そろそろフィニッシュ。

「虚空に」

乗り込み拍子。

あららせ

あららせって何。

「あがらせ」でしょうが!
何間違えてるんですか!
・・・という怒りもちょっとこめて
思いっきり舞台を踏んで

「給ひけり・・・」



亀さん(仮名) 「ごめんごめん」

勘弁して下さいよほんとに。

師匠「うん、なかなか良かったけど一箇所
   『ほろほろ~』の前だけど」

私「あ、はい」

師匠「あそこは片開きじゃなくて開きの型ね」

・・・

やべ。

私「すみません・・・・!!」

師匠「あとは拍子、もっとでかくてもいいね。
   他は悪くなかったし、地もまあ概ねいいんじゃないですか」

えーうそ、あんだけ落ち着いてたつもりだったのに
気づかなかった、マジで気づかなかった。
当てにならないなぁ、自分の感覚なんて。



そのあと連吟『敦盛』があり
それはまぁ、特筆すべきこともないのでカットして
最後の出番。

亀さんの卒業仕舞『生田敦盛キリ』だ。


毎年、秋の京宝連は
卒業生にとって最後の舞台となる。
そこで番組の最後に、どの大学も卒業仕舞を持ってきて
みんながそれを楽しみに見る。


鴨くん「早くして下さいよ」

・・・ってゆっくり他大学の卒業仕舞見てたらもう出番。
あわわ。

亀さん「じゃあ」

鴨くん「はい。では」

「「「よろしくお願いします」」」


こうして亀さんと舞台に立つのも
最後になるのだろうか。



「片時の暇と仰せられしに・・・」

地は2回生以上全員が入った、5人地。
地頭は鴨くん。

『生田敦盛が上手く行けばそれでいいですから』

鴨くんは、この卒業仕舞を非常に大事に考えていた。
それは私もそうだし
他の皆もそうだろう。


「言うかと見れば不思議やな・・・」


地謡は簡単ではない。
でも、謡っていて気合が入る。

「天地を」

亀さんが扇で
天と
地をさし

「響かし」

拍子一発。

「満ちみちたり・・・」


本当に半身が上手い。
きっと『船弁慶』の稽古で磨きがかかったのだろう。
これくらい、腰を入れられるようになりたい。


「忽ちに消えうせて」

そして場面は急展開し
転調する。

「月澄み渡りて明々たる」

音が若干あってないけど
それでも。

「暁の空とぞなりたりける」

ここの部分は好きなのだ。
雰囲気ががらっと変わって
上手くいけばぞくっとするから。
・・・上手くいかなかったけど。


「形は消えて失せにけり」

修羅物の雰囲気が消え
ゆっくりとしたハコビと共に

「形は消えて失せにけり」

シテの姿が消えていく・・・



師匠「非常に
   卒業生らしい仕舞でした」

そうだろう、きっとそうだろう。
謡っていて誇らしかった。


こうして毎年
卒業生は卒業生らしく、宝生会を去っていくのだ。
京宝連は見所満載で楽しいのだけれど
やはりそこが少し、寂しい。



鹿くん「2次会はカラオケですか」

亀さん「よしじゃあ行こう」

全体の後席の後、カラオケへ。
二部屋に分かれて3時間予約。


途中でこちらの部屋に

「「どうも~」」

向こうの部屋の人が全員、やってくる。
おおっと狭い。

「亀さんにプレゼントが」

亀さん「えっ、あっ
    そうか・・・」


卒業生には毎年送られるプレゼント。
今年もみんなで買いに行った。


犀ちゃん(仮名) 「どうぞ」

亀さん「ありがとう」

その場で開ける。
中から


「「 ライトセイバーです 」」


修羅物好きの亀さんにぴったり!の
光るライトセイバー!! (サウンド付き!)

寅くん(仮名) 「これで是非修羅物舞ってください!!」

亀さん「・・・ありがと(笑)」



今年の京宝連もつつがなく終わり
今年度も終わりをつげました。
しばらくはOFF期間。

みなさまお疲れ様でしたー!





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Last updated  2006年12月21日 23時19分23秒
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