親仁の意見-50男の素朴な想い

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September 9, 2007
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カテゴリ: カテゴリ未分類
「親仁の意見」として再出発した当サイトですが、本来の硬派なエッセイから外れ、ここ最近は身近な話題で済ませておりました。勿論、それはそれで書きたいことを書いているので、自分としても不満がある訳ではないのですが、本来の硬派な内容を書かねばと思っておりました。

今回、その第一弾として「左翼は嫌い」を、何回かのシリーズで書いてみようと思います。僕は決して、「日の丸」を前面に押し出した、日本の伝統的な右翼ではありませんし、そういう人達とは肌が合うことがない人間です。それと同時に、左翼の言動は生理的に受け付けることが出来ません。僕の信条は「個人主義と自己責任」ですが、左翼の連中は徹底して「自己責任」を排除しようとします。ここが、僕の「左翼嫌い」の原点かも知れません。

ここで先ず、「左翼と右翼」の定義について、考えてみることに致します。恰好な解説資料として、京都大学大学院経済学研究科教授 大西広氏が「京大公論」に書かれている 君は右翼か、それとも左翼か を御紹介します。全文をこちらに引用すると長くなりますので、僕が注目した点を幾つか御紹介いたしましょう。


社会科学的に非常に重要な概念であるにも関わらず科学的な定義がさなれていない言葉がある。それは「右翼」と「左翼」だ。たぶん辞書では「大革命後のフランス議会で右に座ったのが右翼、左に座ったのが左翼」という程度の定義しか与えられていない。また一般に民族主義を右翼と呼ぶ傾向があるが、これもまた正確ではないだろう。なぜなら、現在の状況下ではグローバリゼーションの推進派は「左翼」ではなく「右翼」であるからである。君は右翼か、それとも左翼か。これは人間の行き方を決める非常に重要な分かれ道である。君はどちらか。

<引用-2>
・・・・・私はこの現象をもって、「左翼」とは社会的弱者の側に立つ勢力であり、したがって国家主義の暴力が存在する時にはアナキストが「左翼」の中心となる。また逆に市場主義の暴力が支配する時には国家主義者が「左翼」の中心を占める。そのようなものだと考えている。言いかえると、「左翼」は社会的弱者の立場に立つという点では一貫しているが、何が社会的弱者の側に立つことかという問題自体が歴史的に転回しているのである。

<引用-3>
・・・・・社会的弱者は一般に社会の変化への対応力がない。金がないか、智恵がなく、そのために変化一般に基本的に否定的だ。街を守れ、制度を守れと保守的な志向性を持ち、よってほぼ常に彼らの=「左翼」の運動は「反対運動」となる。しかし、もし社会が何の変化もできないのであれば、その社会はどのように発展するのか。したがって、この「発展」の課題を遂行するには社会的弱者の利益をある程度無視せざるを得なくなる。「右翼」はこの課題を遂行するために社会に存在しているのだというのが私の理解である。

<引用-4>
・・・・・したがって、社会的弱者の利益にこだわり過ぎては社会的進歩をリードできない。このことは分かった。が、かといっていつもそうした進歩をリードすることによって生じる反面の矛盾=社会的弱者の没落を無視していいとはならない。直接的には政治的混乱を避けるために、また倫理的にも「進歩」が社会の全構成員にとってのものとなるために社会的弱者の立場が他の誰かによって省みられなければならない。この意味で「左翼」もまた適切な歴史の進行には不可欠の存在として尊重されなければならない。

<引用-5>
・・・・・あるいは、より社会科学的に資本主義下の「左翼」の存在意義を説明したい。それは、資本主義は「資本の蓄積」を目的として様々な「搾取」を行ない、これは生産力発展をもたらす(経済学ではこのことを生産=f(資本の蓄積量)として時に表現する)。が、こうして歴史的課題となる「搾取」もそれが(「右翼」によって)無限に追求されるだけではこの生産力拡大は人々の生活水準の上昇に結びつかない。人々は貧しいままでただ社会の生産力が発展するだけとなる。したがって、高まった生産力の分配が労働者に対してなされなければならず、ここに「左翼」の主張が意義を持つ根拠がある。


大西教授は、京大の学生諸君に対し、以下のような言葉で締め括っておられます。

「私はきっと、学者でない君たちの人生でも、先に見たように個々の企業の中で私の言う「右翼」と「左翼」の両者が存在する。そして、その両者の狭間で君たちは生きなければならない。だから、きっと問題の本質は同じだと思う。どちらかにつけば個人としてはうまく生きれる。が、それだけでいいか。そんなことを1度考えてみて欲しい。」

「が、それだけでいいか」という問い掛けは、僕を含め全ての人に投げかけられたものでしょう。そのことは十分分かった上で、僕はこのシリーズにおいて「左翼は嫌い」な理由を整理して行きたいと思います。左翼系の方からの反論が予想されますが、それは大歓迎であって、議論の中から新たな認識が生れれば素晴らしいと思っています。





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Last updated  September 9, 2007 07:36:06 PM
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