ザビ神父の証言

ザビ神父の証言

2007.10.22
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カテゴリ: 日本経済
バブルを考える(23)

日銀が金融引締めに転じたのは、株価が高値更新を続け、前年末に3万円台に乗せた日経平均株価が,さらに上伸を続けていた89年の5月末でした。株価の上昇は問題視されなかったのですが、金余りによる地価やゴルフ会員権などの値上りについては、ようやく問題視する空気が強くなっていました。

地価の高騰が齎す、住宅や土地を持つ者と持たない者の不公平感は、地価上昇によって、増大していました。東京圏のマンション価格はサラリーマンの平均年収の8,9倍に達し、「一生働き続けてもマンションひとつ買えないのか」という、政府の土地無策に対する国民の不満は野火のように広まり、ようやく政治家の感性に強く響くようになってきてもいました。

自民党内でも、地価の上昇率は定期預金の金利の範囲に抑えるべきだという声が拡がり、公定歩合の引き上げ環境も整っていたのです。日銀は89年5月、10月、12月と立て続けに3回の利上げを実施、公定歩合は7ヶ月で2,5%から4,25%へ、1,75%引き上げられました。3度目の引き上げで、株価はようやく天井を形成して、もみ合いに転じ、2月からはっきりとした下落局面に入って行きます。

しかし、その分行き場を失った資金は、なお値上りを続けていた土地取引に集中し、なおしばらく地価は上がり続けました。「地価の値上り益は不労所得だ。労せずして儲けるのはおかしい。」こうした持たざる者の声は、勤勉を美徳する日本の社会風土の中では、それなりの説得力を持ちました。

株価バブルに続いて,土地バブルも退治しなければならない。バブル潰しは一種の国是となり、住田に代わって日銀総裁に就任した三重野は、90年に入っても、3月に1%、8月に0,75%の利上げを行ない、日銀幹部の1人は「バブル潰しを終えるまで、引き締めを続ける」と明言していました。

政府も地価税導入の検討を開始する(92年1月導入)など、土地バブル潰しに協力する中、大蔵省は、90年第2四半期(4月~6月)から不動産関連融資に対する総量規制を導入します。不動産業者向けに加え、土地取引関連の融資が多い、ノンバンクやリース各社に対する融資も対象に含まれました。こうした関連会社に対する融資の伸び率を、90年3月末比でゼロにするという主旨の規制でした。

ゼロになるのは、伸び率ですから、預金量が拡大すれば、その分の比率は融資できますが、確かにそれまでに比べて銀行の不動産融資の伸びは、大きく減速しました。後に地価の下落が止まらなくなった時に、地価崩落の主犯に奉り上げられたのが、この規制でした。

確かに91年に入ると地価も下落に入ったことは明らかでした。しかし、この時はまだ株式市場のような暴落はしていませんでした。総量規制そのものも、2001年12月末をもって、目的を達したとして撤廃されています。そして何より農協と住専は既述の通り、総量規制の対象外でしたから、住専経由の不動産融資は急拡大を続けていました。


動を絡めて考えなければならないだろうと、私は考えています。
                       続く






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最終更新日  2007.10.22 13:06:01
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