ザビ神父の証言

ザビ神父の証言

2008.01.22
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カテゴリ: 日本経済
バブルを考える(98)

中小企業対策

中小企業対策にも,大きな問題がありました。金融パニックに陥った金融機関は、自己資本比率を改善するために、引き上げられる融資は全て引き上げ、徹底的な貸し渋りに走りました。利子をつけて預かる預金は、基本的に貸付に回さなければ損失が出ます。ですから貸し渋りは矛盾した行動です。何故そんなことが出来たのか。預金金利を限りなくゼロに近づけるという,政治の手厚い保護のおかげでした。

しかし、行き過ぎた貸し渋りは、自民党の支持基盤の1つである中小零細企業の資金繰りに、大きく響く結果になりました。金融機関の融資打ちきりによって,倒産に追い込まれる中小企業が急増したのです。

中小企業対策はここで発令されたのです。金融機関の貸し渋りにあっていること、融資の申し出を断られたことの、いずれかを証明できれば、1社に500万円~5000万円までを、信用保証協会が無担保で融資するシステムを作ったのです。貸し渋り対策として、総額20兆円もの特別保証枠が設けられたのです。

中小企業に直接融資するのは、金融機関なのですが、借り入れした企業が返済できない場合、企業に代わって信用保証協会が返済してくれるのです。即ち金融機関にとってのリスクはゼロになります。しかも貸付の条件は前述の通りですから、企業の健全性は少しもチェックされません。不良債権に懲りている金融機関が、倒産懸念のある中小企業に、リスクを取って自ら貸し出すことはありえません。

金融機関の中には、信用保証協会への融資を申し込ませ、申し込みが受理されて融資金が振り込まれると、そっくりその分を,自行の融資の返済分として、貸付を申し込んだ企業には何も渡さなかったという、ひどいケースも報告されています。

もし信用保証協会の保証が、貸し渋りにあった優良企業を対象にしてのものならば、それは理に叶っています。しかし、そうした条件もなく、融資を受けた企業の2割以上が、2000年の春までに倒産し、信用保証協会に拠る弁済分は、2兆円に迫っていたのです(一律に1社5千万円借りていたとすると、4万社の倒産です)。倒産予備軍への債務保証、これこそ究極の税金の無駄使いに外なりませんでした。
                      続く





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最終更新日  2008.01.22 17:26:50
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