ザビ神父の証言

ザビ神父の証言

2009.05.30
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カテゴリ: 国際経済
世界経済の現状(15)

信用保証協会の融資保証という制度があります。中小企業への銀行や信金などの貸し出しについて、全国の信用保証協会が返済を保証する制度です。この制度を利用すると金融機関は、リスクなしで中小企業に貸し出せます。

10余年前の金融危機の際にも、利用され一部には悪用されたケースもあるなど、問題も多かった制度だったのですが、この制度が昨年から復活し、勢いを増しています。昨年10月以降で、この5月前半までに、既にこの制度を利用した融資は10兆円を超えています。

政治は金融機関の貸し渋りから中小企業を守るためと称しているのですが、融資が倒産を先延ばしするだけの、単なる延命措置にしかならないケースが紛れこまないようにする、厳しい選別作業が全く行われないという問題が指摘されています。

それはそうですよね。信用保証協会とそのバックにある政府が返済を保証してくれるのですから、どんなに倒産寸前の会社でも、貸し出せば確実に利子分は儲かるのです。審査などする必要はないのです。返済確率100%なのですから…。

それゆえ、金融機関はどこもみな、保証付きの融資にのめりこみ、保証のない通常の有志は絞り込んだままとなります。先日の日経新聞は、「怪しげな融資の申し込みでも、保証つきなら断らない」という大手銀行幹部の話を掲載していました。

これをモラルハザードといわずして何と言うのでしょうか。金融機関は、会社の将来性、存続可能性を審査し、評価して貸し出しを実行するがゆえに、経済界の水先案内人の役割を担ってきたはずです。融資審査の眼力こそが、バンカーにとって最も必要な資質のはずです。それが、政府保証にもたれかかっているのだとしたら、こんな銀行に将来はありません。

かつて、時々眺めた『なにわ金融道』という漫画がありましたが、そこには自らの眼力で人を見、その眼力で金を貸す、金融王の姿がありました。「金は担保で貸すんやない。ワイは人に貸すんや。」ここにこそ、金融のあるべき姿が描かれていました。

自力でリスクをとろうとしない、銀行の姿勢は、日本の金融道の明らかな衰えを示しており、現在の政府の政策は、そうした傾向をさらに助長しています。このまま進むなら、麻生内閣の経済対策は、結果として日本の財政状況をさらに大きく悪化させて終わるでしょう。早期の政策転換が明らかに求められています。





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最終更新日  2009.05.30 10:55:52
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