ザビ神父の証言

ザビ神父の証言

2009.10.25
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カテゴリ: 国際経済
世界経済の現状 (82)

為替市場でドル・円関係が、再び円安に振れてきました。斉藤元大蔵次官の日本郵政会社の社長就任が発表されると、その動きは一機に加速してきています。この動きは世界が斉藤元次官の就任を、郵政改革ひいては規制緩和の動きへの逆行と捉えていることを示しています。

斉藤元次官の社長就任と同時に、日本郵政の民営化法を見直す新法が臨時国会に提出される旨も発表されました(詳細な内容は未定)。当然かつての国営銀行としての郵貯に再び近づけるる方向で見直されることは間違いないでしょう。

これは、とてつもなく大きな問題を含みます。郵貯の民営化はなぜ必要だったのかをおさらいしてみましょう。問題を分かりやすくするために、簡保を外して考えますが、郵貯の貯金高はダントツの世界トップでした。そこに集められた500兆円近い貯金は、郵貯が国営銀行であるがゆえに、ごく一部を除く全額を政府が財政投融資資金として、低利で借り受け国会審議にもかけられず、国民の眼に触れない形で第2の政府の財布として好きなように使われてきました。20数兆円に上った国鉄の大赤字であるとか、○○公団の大赤字であるとか、皆郵貯資金が使われました。

後になって、どうにもならなくなってから、税金で穴埋めされたのです。これではいけないということで、郵貯全体が赤字化する前に民営化して、政府が郵貯を都合の良い財布代わりに使うのを止めようとしたのが、小泉改革の狙いでした。まず、郵貯を民営化して、しかる後に、郵貯資金を当てにしていた政府系金融に大ナタを振う、これが小泉=竹中路線でした。

2人は昨今ボロクソに言われることが多いのですが、この点の狙いは正しかったし、必要な改革だったと私は評価しています。ただ、志半ばで小泉氏は政治を投げ出してしまい、彼自身の強烈な個性に頼ってきた改革そのものまで放りだした結果にしてしまったことは、批判されるべきでしょう。

改革半ばの郵貯はどうしたか。自由化、民営化を見越して財政投融資への貸し出しを減らし、さらに財政投融資そのものがなくなった現在、郵貯資金はどうなっているかというと、その8割が国債への投資となっているのです。民間への貸し出しは僅かで、残りの資金のかなりの部分が100%政府出資の政策投資銀行や住宅金融支援機構、日本政策金融機構などへの貸付となっているのです。

西川社長下の郵貯銀行は、こうした公的機関への貸付を減らし、徐々にではあっても民間への融資を増やす傾向にありました。そこには民間銀行との競争条件をどうそろえるかという問題がありましたが、少なくとも民営化を意味あるものにする方向は読み取れました。

今回の民営化法の再改正と斉藤社長の就任は、こうした改革を逆行させるものであり、日本経済全体の再活性化にマイナスになると、世界が見抜き、世界経済の中での日本経済の立ち位置は弱まると受け止め、円売りに出たことが、今回の円安の背景にあると私は見ています。


                           続く





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最終更新日  2009.10.25 21:33:01
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