ザビ神父の証言

ザビ神父の証言

2009.10.26
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カテゴリ: 民衆の歴史
デパートの誕生(15)

薄利多売を看板にしたボン・マルシェでは、現金決済と大量購入で仕入れ価格を抑えた上に、マージンも抑制して低価格を実現、安さを強調して売り上げを伸ばす販売方法をとっていました。そのためボン・マルシェの販売マージンは、通常の商店の4分の1程度だったと推計されています。

だとすると、1回の仕入れの量が通常商店の4倍あって、はじめて利益額が同じになります。しかし、店の面積が広く店員数も多いのですから、これでは話になりません。商品の回転率を高め、さらに売り上げを高めることが欠かせませんでした。

当然回転率が落ちれば、利益はガクンと落ちます。短期の手形や現金で仕入れているのですから、売り上げ減はただちに次の仕入れに影響してきます。このように回転率の低下は、商品の滞留を招いて、絶えず流動する新しい商品群が次々に登場してこそのボン・マルシェ等のデパートにとって、致命傷になりかねない危機的状況を招くのです。

仕入れたらすぐに販売し、販売したらすぐに仕入れるという、在庫を最小に管理すること、商品の寝ている時間を徹底的に短くすることが、大切でした。悪い意味ではない自転車操業が目指されたのです。

ボン・マルシェでは、地下に商品の搬入部と仕分け部がありましたが、それ以外の一階以上は全て売り場でした。そこには在庫品を置く場所は、設けられていないのです。そこでは不良在庫ゼロが目指されていたのです。

しかし、当然ながら顧客のニーズを読み違ったりの、見込み違いが全くおきないということはありえません。時には売れ残る商品も出ます。時代のテンポは、現代に比べて遥かにゆっくりですが、マガザン・ド・ヌヴォテとは流行品店のことですし、デパートはその発展形態です。そこで扱う商品の大部分は、流行の先端を行く商品です。ですから流行遅れになった商品が、売れる見込みはないのです。

バルザックは『幻滅』の中で、旧来の衣料品店が売れ残り商品を地方からの旅行社や外国人に、最新流行と偽って売りつける手口を紹介しています。しかし、顧客の信頼を得るために史実をモットーとし、返品にも応じていたボン・マルシェらデパートでは、こうした顧客を騙すような商売は一切ご法度でした。

ここでプシコーのもう一つの戦略が飛び出したのです。それが在庫一掃セール、即ちバーゲンセールの発明でした。








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最終更新日  2009.10.26 13:06:30
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