昨夜、もう日付の変わった日本時間29日の午前0時40分頃から、菅首相とバイデン大統領との電話会談が開かれました。これまで、日米首相の電話会談は、日本時間の午前中、10時から昼ぐらいにかけて行われるのが常でした。米国時間の夜、大統領のその日の執務の終わりに、いわば超過勤務の形で行われてきたのです。その点で今回の時間は大変珍しかったのですが、この時間帯は、ワシントン時間では、午前10時過ぎの時間でした。
今回の会談は、カナダ並びに欧州諸国に続く形でした。日本側としては、アジアではトップバッターとして、会談に臨んだことが確保され、メンツを保てたというところのようですが、官邸職員並びに外務省関係者は、大変だったでしょう。何故従来と違う形になったのか。
会談の開始時のワシントン時間にヒントがあります。あちら時間は、午前10時半頃です。バイデン大統領の日々の執務時間内に、今回の電話会談がセットされたことが分かります。通常、電話協議であっても首脳同士の会談となれば、事前に事務方同士で日時の擦り合わせが行われます。従って、今回の時間設定には、米側の強い要請があったことが伺えます。つまり、ホワイトハウスのメンバーは、首脳の協議に常に同席するよう要請されているカマーラ・ハリス副大統領を含め、揃ってアイデン大統領の健康問題に気を配り、大統領の執務が重くなりすぎないよう細心の注意を払っていることが伺えます。
バイデン大統領自身、4年間の長丁場を見通し(この点ではオバマ大統領下の2期8年の副大統領を経験していますから、自分である程度の見通しを持てるはずです)、力の入れ加減を調整できるでしょうが、国際政治の分野では、いつ何が起きるかは分かりませんから、どこかでオーバーワークが生じる可能性は否定できません。
つまり、内政問題の困難とは別に、78歳という私と同年齢の大統領は、もし自分に不慮の事態が起きた時に、政治経験の浅い、特に外交分野についてはズブの素人に近いハリス副大統領に、自分が元気なうちに、可能な限り自らの知見を教えておこうと考えているのでしょう。
バイデン政権、特にバイデン大統領にとって、もう一つ内輪の頭痛の種は、シューマー上院民主党院内総務にあります。共和党のマコーネル上院院内総務が、下院が可決したトランプ前大統領の弾劾決議について、2月14日の週から審議することにしたいと提案してきたことに対し、ハリス副大統領票を加えると51票の多数となることに舞い上がって、1週間繰り上げて7日の週から審議すると通達したのです。バイデンさん、俺の気も知らないで、まんまとマコーネルに乗せられたなと、残念がっているでしょう。焦って前倒しで議論を始めれば、未だ選挙を盗まれたと本気で思い込んでいる共和党多数派の議員たちが、弾劾否決に持ち込むことは、誰にでもすぐ分かることです。
ここは一番、弾劾審議をさらに後方にずらして、トランプ熱が次第に覚めていくのを待ち、その間に進むバイデン政策の進行で、低所得者に優しい政治が多少でも実感できるようになってから、審議すれば、共和党議員の弾劾賛成票を増やすことも可能になるかもしれないのです。まして、弾劾審議が始まれば、この審議は全ての議案をストップして行われますから、上院の承認が必要な官邸スタッフの承認も遅れることになるのです。
長い上院議員生活で、日本の国対族のような裏方の仕事を手掛けてきたバイデン大統領は、未熟さを露呈して、共和党のマコーネル総務に軽くあしらわれてしまったシューマー総務の尻拭いをどうするのでしょうね。ここにも、彼の悩みのタネがあります。 続く
ウクライナ戦争を考える…2 2022.06.21 コメント(34)
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