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2005年01月29日
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カテゴリ: カテゴリ未分類

ゆうあい工房ママさん、

きときとさん、

とこさん、

更羅沙さん

留守中にご訪問していただいたみなさん~

一週間もご無沙汰してました~

すいませ~ん(汗”

鼻炎カプセルを服用してまして~

どうも眠くなって仕方がありませんでしたぁ~

ぼちぼちはじめます~



~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~


というわけで
はじまりはじまり~^^

『ユキ女』




「降雪のため1時間ほど

運転を見合わせています。」

と改札のところに張り紙があった。

帰りを急ぐ人は皆ため息をつきながら

携帯で連絡をしたり、公衆電話に並んだりしている。

僕は千葉駅の構内の喫茶店でコーヒーを飲みながら

待つことにした。

「お客様、相席をお願いしても

よろしいですか?」

マンガ週刊誌を読んでいる僕に店員が声をかけた。

店内はもう満席常態だ。

どうせ、僕の前の空席に座るのは会社帰りの

よれよれのコートを着たサラリーマンに決まっている。

もしくは起業家精神バリバリの営業マンで

経済の話や株の話にもりあがり、

名刺交換をして、じゃ知り合ったお祝いに

一杯行こうって事になるかもしれないが。

ウェイトレスにつれられて来たのは若い女性だった。

コートを近くにかけて

「失礼します。」

といいながら席についてウェイトレスにブレンドを

下さいと言う。

パステルピンクのスーツに身を包んでブラウスの襟は

刺繍柄。

今時就職活動の女子大生かなと思いきや、

ヴィトンのバッグから取り出した手帳の厚みから

そうではないと分かった。

でもキャリアウーマンでもなさそう、

かといってデパートの店員のような派手さもなく、

思わず僕は声をかけてしまった。

「今日はよく混んでますね?」

「えぇ、久しぶりの大雪だと言うことです。」

「どちらまでお帰りですか?」

「市川です。」

「僕は木更津なんですが、」

「あら、ずいぶん遠くから通ってらして?」

「え、まぁ。去年まで小岩にいたんですけど、

ひとり暮らしだと面倒でついつい親元に

帰ることにしたんです。

あの、会社のお帰りですか?」

「はい。あなたは?」

「僕はこの近くのDスーパーに応援で

今日たまたま来たんです。」

「あら、大手ですわね。」

「といっても、そのテナントのメガネ屋さんなんですが。」

「そうですか、最近のメガネはアイウェアと呼ばれるくら

い、おしゃれ感覚ですわね。」

「あの、お嬢さんはどういった関係のお仕事ですか?」

「IT関連と言ってよいかしら。

広告を作って携帯電話のウェブサイトに載せたり、」

そんな他愛のない話をしながら、僕は彼女の面影を記憶の糸

から手繰り寄せていた。



苗場のスキー場はこの間の大雪で

コンディションも最高だった。

広瀬香味やユーミンのBGMは

エッジが雪を削る音と調和する。

ユキはスキーが上手だった。

結局僕らは知り合いになり、

互いに携帯の番号を教えあって

一緒にスキーに来てしまった。

長い間彼女も出来なかった僕には奇跡的なことだった。

ユキにはパステルカラーがよく似合う。

出あったときはパステルピンク、

今日のスキーウェアは

パステルブルーの迷彩柄。

晴れ渡る空をジャンプすると

まるで空の一部になってしまったかのように

消えてしまう、

「おぉーい、ユキぃー!」

ホントに消えることはないだろうが――

「ばぁー!」

「!!」

大きな木の下の雪だるまから手足が出た。

「やれやれ」

それから僕らはふざけあって雪の中をころがったり

雪をぶつけ合ったりして遊ぶ。

よろけるユキを抱きとめる、

気がつくとユキの瞳に僕が映っていた。

「この次はふざけても僕の前から消えないで」

言うよりはやく僕の口はユキに塞がれてしまう。



ユキは子どもたちを学校に送ると

自分の部屋で仕事をする。

インターネットで会社に行かずとも仕事ができる世の中。

僕にメールを送ることも忘れない。

(今日はどう?)

(あまり―ぱっとしないかな―)

(まっすぐ帰ってくるでしょう?)

(イエス・オフコース!

でもなんだか雪が降りそうなんだ。)

(いいわ、おばあさんになるまで待ってるからww)

あの思い出の千葉駅からそう遠くないところのマンションに

僕らは住んでいた。

ユキにはじめて出会った時、

忘れていた記憶の糸がほぐれだしていた。

あの日のように横殴りの雪が僕の脳裏にも降り出した。

大学のワンゲル部で行った冬山だった。

僕が沢に落ちたのを先輩が迎えに来てくれた。

「良祐-!だいじょうぶか―!」

「先輩、すいません、足をくじいたみたいで、」

そのまま、先輩と僕を残した部員は山小屋にたどりつき、

僕と先輩は沢の中の岩のくぼみで寒さを凌いでいた。

明け方になって岩のくぼみのはるか下で冷たくなっていたの

は先輩だった。

夢の中で先輩は雪女と話をしているようだった、

なんでも先輩の女性遍歴を懺悔するように

言われているらしく

「こ、この時代に、ゆ、雪女なんて、

ウソだぁー!

わー!

「フッフッフフフ――」

そして寝ている僕の方を見た。

「お前はだいじょうぶだ、

ただこのことは誰にも言うでないぞ―」

般若にも夜叉にも見えたその顔は

いつか穏やかなものになり、

一人の女性に見えた。

その面影がユキに似ていた。



「あなた?何を考えているの?」

「いや、ちょっと昔の事を思い出したんだけど、」

「何?」

「いや、こればかりは人に言えないことなんだ。」

「夫婦の間で隠し事なんて・・・

最近、メールの返事も遅いし、もしや?」

ダブルベッドの温みがなくなり冷たくなって来ている。

まるで冷凍庫の中にいるような冷気がまとわりつく。

僕は悩んでいた。

もし、あの事を話したら絶対ユキは豹変する。

そして最愛の子どもたちと夫を残して氷の世界へ

旅立ってしまうだろう。

子どもはまだ小学生と幼稚園、まだ手がかかる。

それにこれから再婚するとなると子どもたちも

慣れるまでたいへんだろうし、

だいいち、そういう雪女ならまた何をされるか

理解を超えている。

ユキが雪女であることは状況的にも理に叶っていた。

話さなければ、とりあえず家庭は守れる。

それは子どもと家庭を守るという結論にいたり――

そう、僕がいわゆるオヤジになりきればいいんだ。

とうとう、僕は言った。

「ゴメン、ユキ。

実は隠し事があった、」

「なに?」

「行きつけのスナックの娘(こ)とメル友になった。」

「一緒に寝たわけじゃないでしょうね?」

「まだ、いやいや、そういう気は毛頭ないですから~

愛してるのはユキ・オンリー~」

ユキの体に体温が戻った。

雪女もユキも一人の女性だったんだ。









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最終更新日  2005年01月29日 13時26分39秒


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