Pastime Paradise

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2009.10.04
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カテゴリ: 書籍・雑誌
新・MUSIC8089 よしくん おすすめの 藤沢周平 著「 密謀 (上・下)」を読んでみた。

 いたるところに策略と陥穽が口をあけて待ち構えていた戦国末期。謙信以来の精強を誇る東国の雄・上杉で主君 景勝 を支えるのは、知謀の将として聞える 直江兼続 。その兼続の慧眼と彼が擁する草、すなわち忍びの者の暗躍を軸に、戦国の世の盛衰を活写した歴史時代小説―ということで、今年の大河ドラマで脚光を浴びる兼続モノを今更ながら初めて読んでみた次第。

 兼続や上杉家にあまり興味がなかったせいもあって、正直、上巻は然程面白みを感じなかったのだが、秀吉の遺制を次々と破って我が物顔の家康に対抗するため、兼続が肝胆相照らす 石田三成
 実際に三成が挙兵し、世を挙げて関ヶ原決戦へと突入していく過程で、上杉勢は遂に参戦しなかった。なぜなのか…。
 それが著者である藤沢さんの歴史の謎のひとつだったそうで、この作品はその謎の解明を焦点としている。

 本当に何故あの時、上杉は動いてくれなかったのか?有名な 直江状 といわれる挑戦状まで家康に叩きつけておきながら、どうして三成との“密謀”を実行してくれなかったのか?
 上杉景勝は…いや、藤沢さんは、「密謀」はこう答える。
「わしのつらをみろ。これが天下人のつらか。わしは武者よ」
更に続く。
「上杉の家名を残すのだ。降れば領国を削られ、世に嘲られることは眼にみえているが、武者は恥辱にまみれても、家を残さねばならぬことがある。いまがその時ぞ」
 景勝の言葉に、天下人の座に坐るには、自身欲望に首までつかって恥じず、人の心に棲む欲望を自在に操ることに長けている家康のような人物こそ相応しい、と兼続は思い至り、無念さを滲ませる。
 ― 義はついに、不義に勝てぬか


 後半は関ヶ原オールスターズが登場するので読み応えがあって面白かったし、何より藤沢さんの文章の温かさがじんわりと心に沁みた。
 だんだん史実(兼続や景勝、三成等)中心となって、小説というか架空(草の者たち)が若干生きてないのが少々残念なところ。もうちょっと草の者… 牧静四郎 宗千代 についても丹念に描いてほしかったなあ(^^ゞ

 関ヶ原といえば家康と三成、その三成といえば彼の盟友である義将・ 大谷吉継
関ヶ原関連の小説をいくつか読み漁ってきたが、吉継を悪く書いた作品というものに未だ出会ったことがない。それはそれで嬉しいような、ちょっぴり物足りないような…。
 吉継もよかったが、この作品で最も興味を惹かれたのは兼続ではなく上杉景勝だった。無口で滅多に喋らなかった殿様だったということぐらいしか知らなかったので、この作品で描かれている無口ではあるが人間的な景勝は魅力的だった。

 よしさん、「密謀」とっても面白かったです。これを機にもっともっと藤沢作品に触れていきたいと思いまする~






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Last updated  2009.10.05 06:02:43 コメントを書く
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