スタンド・バイ・ミー(Stand By Me)』の翌年公開された『ロストボーイ』(The Lost Boys)は若者向けのヴァンパイア映画なのだが、コメディ要素もあるお洒落なホラー作品という感じで、『グーニーズ』(The Goonies)のホラー版だという声も。「グーニーズ」を監督したリチャード・ドナー(Richard Donner)が製作総指揮なので、テイストは若干似てるかも!?
後に “Wコリー(The Two Coreys)” と呼ばれるほど女の子に大人気となり、9作品で共演しているコリー・ハイム(Corey Haim)とは、今作が初共演。 コリー・ハイム演じるサム(Sam Emerson)の母親・ルーシー(Lucy Emerson)役はダイアン・ウィースト(Dianne Wiest)。どこかで見覚えがあるような…と思っていたら、彼女は84年公開の『フットルース』(Footloose)でケヴィン・ベーコン(Kevin Bacon)演じる主人公・レン(Ren McCormack)のGF・アリエル(Ariel Moore)のお母さんを演じた方だった。ダイアンさんは86年公開の『ハンナとその姉妹』(Hannah and Her Sisters)でアカデミー助演女優賞を受賞しており(94年にも再受賞し、アカデミー助演女優賞を2回受賞した史上2人目の女優さんである)、メインキャストを務める若手俳優陣の未熟さを見事にカバーしてくださっている。でもって、越してきたばかりのルーシーが職を得るビデオ屋の店主・マックス(Max Lawrence)役のエドワード・ハーマン(Edward Herrmann)の怪演もなかなかだ。 ヴァンパイアのデイヴィッド( David Powers)を演じているのは、今や『24 -TWENTY FOUR-』(24)のジャック・バウアー(Jack Bauer)役で絶大な人気を誇るキーファー・サザーランド(Kiefer Sutherland)。コリー(フェルドマン)とは『スタンド・バイ・ミー』でも共演していたが、今作でも敵対している。 そのコリーが演じているエドガー・フロッグ(Edgar Frog)と、ジェイミソン・ニューランダー(Jamison Newlander)演じるアラン(Alan Frog)のフロッグ兄弟が面白い。本人たちは大真面目に吸血鬼退治をしてしているのだが、何せまだ少年なので、どこか抜けていて微笑ましい。
作品はそこそこヒットし、サターンホラー映画賞を受賞。続編を待ち望む声も多かったようだが、結局09年にコリーが再びエドガーを演じた『ロストボーイ:ニューブラッド』(Lost Boys: The Tribe)と、10年にジェイミソンのアランも加わった『ロストボーイ サースト 欲望』(Lost Boys: The Thirst)がDVD&Blu-rayでリリースされた。『ニューブラッド』には最後にチラッとコリー・ハイムも出演していたが、うーん……。これらを含めて「ロストボーイ」3部作と一応はなってはいるが、コリー・フェルドマンのファン以外は認めないだろうなぁ。 ネオン・トゥリーズ(Neon Trees)が10年にリリースしたデビュー・アルバム「Habits」からの2ndシングル “1983” のPVは『ロストボーイ』に登場する遊園地が舞台で、コリーがエドガー・フロッグに扮してカメオ出演していて嬉しいがぎり。 また、主題歌 "Cry Little Sister (Theme from The Lost Boys)" も非常に良く、マリリン・マンソン(Marilyn Manson)やL.A.ガンズ(L.A. Guns)など、様々なアーティストがカヴァーしている。