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2008.09.30
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カテゴリ: カテゴリ未分類
朝から少し雨模様だった。
前売り券を買っていたので、連れと一緒に、それぞれ兵庫県立美術館と神戸市立博物館で行われているシャガール展と、コロー展を観に行くことにした。

出がけに少し急いだので、傘を忘れてしまった。案の定、阪神電車の岩屋を降りると、雨が少し降っていた。霧雨のようなので、そのまま県立美術館まで歩いていった。
入館前の中庭に、エッフェル塔で使った鋼材のスクラップで作られたオブジェが飾ってあった。連れはそれを見ていたく感心していたが、私などは鋼材のスクラップは腐るほど見てきていたので、連れの感動しているのを見て感動してしまった。

とにかく中に入った。シャガールの初期時代、ユダヤ劇場、中期・晩期時代、版画、リトグラフ、最後はタペストリーと部屋は数室に別れて展示されていた。

旧ソ連(現ベラルーシ)に貧しいユダヤ人の子として生まれた彼の作風の中には、最初の妻であるベラの姿が、その後の作品にも随所に出てくる。
出会いの喜びを表した「街の上で」は彼独特の表現が大きなキャンバスいっぱいに表されている。

そんな幸せも、ユダヤであるということをベースにしたものであるということが、「二つの顔を持つ花嫁」に表されている。私たちの誕生した年に愛妻ベラを失ったシャガールは2度目の妻との生活の中でも数多くベラの思い出を織り込んで作品を描いている。「振り子時計の自画像」は、そんな背景を知らずには何のことだか分からない。

第一次世界大戦中にナチに追われて米国に渡るが、再度ヨーロッパ(パリ)に帰り晩年を送ったという。


版画の中では、「イソップ」や「聖書」に影響された作品が、私には面白かった。私はもとより、信心深くない仏教徒だが、ユダヤ人の心のよりどころである「旧約聖書」には興味があり、通読してみたいと思っている。

最後の部屋のイヴェット・コキール・プランスの手によって、シャガールの絵画を巨大なタペストリーに織り込んだ緞帳のような巨大な作品には大いに驚かされると共に深い感動を覚えた。
特に、茶色を基調とした、グラデーションに白と黒とを織り込んだ、おそらく石版(十戒?)を抱く「モーゼ」の前からは去りがたい何かを感じた。

シャガール展は、その昔、連れと一緒に見たことがあるが、昔の京都での展覧会とはひと味違う何かが私には残った。

ただ一つ、まじめな絵の中の隅っこで、おしりを丸出しにして、排便スタイルを取る人が小さく描かれている作品が、3点あった。これは何を意味するのか、どの解説書にも書いていない。

外に出ると雨、連れは、299円の傘を2つ購入して、それを差しながら次なるコロー展の三宮への道を急いだ。

コローは、我々がこれから講座を受けようとするバロック美術から少し遅れた時期に相当した、バルビゾン派に属していて、パリ郊外のフォンテンブローの森やローマを中心に描かれた作品が多い。
彼は、シャガールと違い、裕福な家に生まれたようだ。初期の作品から、約200年前のパリや、ローマの原型が見て取れるのは興味深かった。

その殆どが、ルーブル博物館所蔵となっていたが、果たしてこんな作品があのルーブルのどこにあったのだろうかと、2度もルーブルを訪れたのにと今更ながら悔やまれる思いだ。

バルビゾン派として古典・写実主義から印象派へつなぐある意味では過渡的なコローの画風の中には、空と森と、その絵にちりばめられた、赤や白の光と色が、私の目には、強烈な印象を与えてくれた。
皆にも人気がある「モルトフォンテーヌの想い出」は私も好きだ。


「モルトフォンテーヌの想い出」はちょうどその代表作のようにも感じられる。空と森、一見モノトーン調に白と緑の中に、きらりと光る純白と赤い花々。
それを摘み取ろうと背伸びする婦人の姿の構図が、何とも憎いくらいに絵画としてのまとまりを私に感じさせてくれる。

こんな時、連れはそっと、「コローが描く森の絵は有名なのよ」とさりげなく教えてくれる。そんな時いつも、何でもよく知っているのだなぁと感心する。

ルーベンス、ドラクロア、ミレーなどと違うコローの作品は、自分でもあんな風に風景がかけたら楽しいだろうなと思った。

人物画では、これも人気の「真珠の女」はフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」とも違う、凛としたものが感じられ、「モナリザ」をも思い出させる作品で目を引いた。気品あるコローの作品の一つだと思う。



朝早くから出かけたつもりが、雨のせいもあって、美術館2館を巡るのはかなり疲れた。
全部で230点だったが、まじめに一点一点見て回ったことも疲れた原因かも知れない。

神戸市立博物館を後にしての、三宮までの道のりは結構長く感じた。
さすがに連れは疲れて、帰りの電車内で居眠りをしていた。

梅田について、連れが買い物をしている間に、私はヨドバシカメラに立ち寄り、紀伊國屋書店で「女性のための初めてのゴルフ」と「ゴルフルールブック」を買って帰路についた。

雨で少し暗い空ではあったが、疲れた中にも充実感のある一日だった。








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Last updated  2008.10.01 21:58:42
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