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2010.08.20
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カテゴリ: カテゴリ未分類
9年ほど前の2001年の日経新聞の経済教室の欄に「中国と競う」という記事が7回に亘って掲載された。
ほぼ一昔前のことだが、現在の中国の躍進を当時はどう見ていたのかと古い記事を紐解いてみた。

2001年の暮れに中国はWTOに加盟した。世界中は、中国のWTO加盟で、中国は変わるだろうと期待していたと思うし、少なくとも世界標準を受け入れて、身勝手な行動は慎むだろうと思ったはずである。

第1回のファーストリテイリングの柳井社長は、
1.中国には低コストの生産力、日本には市場、資本、技術という強みがあると述べ、
2.対中ビジネスで成功するには、市場経済をわきまえたパートナー選びだと言い、
3.日本は、産業空洞化を埋めるため知的集約産業を選択すべきだ。
とした。

中国は既に世界の工場となっており、世界一の生産量を達成する潜在力を秘めていると見ていた。

ファーストリテイリングはユニクロのブランドで爆発的に業績を伸ばし、日本に於いても多数の店舗を構えるまでになり、且つブランドとしての評価も固まってきている。

ユニクロ製品の9割は中国産で、その企画は日本で行い、日本で品質管理をするというものだ。即ち工賃の安さで稼ぐには、中国進出が有利であり、それで日本産業が空洞化するなら、その穴埋めとして知的集約産業をやればいいと言うことである。

簡単に知的集約産業と言うが、具体的な例は極めて曖昧模糊としている。企画や管理手法は、やがて中国でも独自に出来る時が来るであろうし、安い労働力も、徐々に水準は高くなっていくのは道理である。

それでは、日本は、もっとクリエイティブなことを追求しかねればならないと言うことになるが、果たして、今の日本にその力はあるだろうかということになる。

第2回目の当時の中国大使武大偉は、先ず第一に計画経済を無くし、社会主義市場経済システムの第一歩を作り上げたと言い、第二に対外開放のため深せんなど14都市を経済特区化した。

改革と解放により、GDPは過去22年間9.5%を維持しているという。国内インフラ整備、国民の生活向上との題目であった。確かにこの点では、現在も中国に学ばねばならないところはあるが、この発展の前提は、国内の貧困民族の犠牲の上に立ったものであることを忘れてはいけない。

この時点で、武大偉はこんな追従的お世辞を言っている。「米国経済を太陽に例えれば、日本経済は月、中国はまだ星に過ぎない。星が月や太陽になるには更に数十年がかかる」。
10年を待たずして、星は月を抜き去り、太陽と肩を並べようとしている。とう(登偏にこざと)小平が打ち出した、三段階成長も着々と実を結び、第三次産業の割合を増加するという目標を掲げている。即ち、

1.高度生産技術の発展、2.交通・資源のインフラ整備、3.西部大開発(西電東送・西気東輸)、4.農村の発展、5.教育の充実、6.生活環境の整備
である。

これらがどれほどの成果を上げているかは知らないが、3.と4.では明らかに矛盾しているように思う。西、即ち、資源が眠る少数民族や農村部のエネルギーを吸い上げて、東海岸を発展させるという構想なのである。今その結果は如実に表れている。



現在中国企業では自殺が多発するほど過酷な状態にあったり、賃上げのため、本来許されないはずの労働争議がまかり通ったりしていることを考えると、コストの安さ、即ち低賃金は一過性のものでしかないと言うことである。

第4回目のPEC産業センターの山田所長は、日本人の勤勉さが、高所得を生み、裕福になった人達は、工場で働くことに価値を見いださなくなってしまい、マニュアル化した作業にだけしか対応できないようになってしまったというのである。一人一人の工夫が、大切であり、考える技術者が求められるとしている。

この意味でも、中国の人口は13億人で、日本の10倍の人がいるわけだ。簡単な理論では律しきれないかも知れないが、馬鹿も十倍居れば利口で勤勉な者も10倍居ると云うことである。その意味でも、中国は恐ろしい国なのである。

第5回目のCSFSの陶冬チーフ・アジア・エコノミストはアメリカや日本が製造部門を安価な中国にアウトソーシングするけれど、全てがそうなるのかというと、弱点もあるというのだ。まず、資本、技術、ノウハウを海外に頼っているという点であり、第二に利益率が極めて低いと言うことを挙げている。アメリカの利益率の1/4程度でしかないというのだ。
三番目はブランドがないというのだ。昔は安かろう、悪かろうが、日本の代名詞のようであったが、今はそれが中国にあてはまる。「中国産?」と胡散臭くならないようにするには、ただ中国人自身が努力することが必要であり、ここが国民性という点に帰着するのではないだろうか。



関は中小企業の経営者に座して死を待つよりもとにかく出て行けと言い、それが駄目なら、国内では際だった特化やハイテク化が不可欠だと説いている。
しかし、闇雲に中国に進出したとして、賃金コストが現状で止まるとは言えず、その時に如何にするのかの担保が全く示されていない。学者の言うことの限界を感じる。

第7回目の日経新聞社の総括では、中国の中核を成す製造業は繊維や雑貨品に止まり、その他の根幹は外資系企業にあるといっていた。しかしながら、鉄鋼におけるハイテク技術の供与や、造船などでも、現地製造のために必然的に行われる技術供与などを得て、中国は、製造業の範囲を、繊維や雑貨に止まらず広げていっている。

日本が獲得し磨き上げた技術ノウハウを、簡単に中国に渡してしまい、知的財産の重要性を理解し得ない中国にあっては、そのままブーメラン式に、彼らの輸出品を日本が買わざるを得ないという結果になる。

2001-02年頃内外の著者がいろいろな標題で「中国」のことを書いた本を数冊読んだが、「嘘とごまかしの中国」とか、「中国で食い物にされないために」といった言葉が踊っていた。
今しかし、中国は現実に日本を抜いて、世界の第2位の位置に座ろうとしている。何でも有りの中国故、驚異もまたひとしおといった感じである。





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Last updated  2010.08.23 03:44:20
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