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2018.06.11
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カテゴリ: カテゴリ未分類
今日のセミウォーキングは名神桜井から島本高を経て第2小学校を通って帰宅した。

映画「妻よ薔薇のように(家族はつらいよ)」を観に出掛けた。山田洋次監督のこの映画は、一般サラリーマン家庭の何処にでも起きそうな問題を捉えていて、考えさせられる内容だ。とはいえ、それに気づいたのは、それなりの年齢を重ねた故であり、サラリーマン真っ只中では、考えは及ばなかったかも知れない。そんなことを思いながら、観ていた。

最近の若い夫婦の間では、このような話は最早無いのかも知れないが、働き盛りの時や、定年間際の諸氏は一見する必要があるかも知れない。

***

「三井E&S、商船建造から撤退」との記事が、日経新聞のネットの電子版にあった。
ついに来たるべき時が来たとの印象で、新聞本紙を探したが見つからなかった(翌12日朝刊1面の片隅にあった)。何やら実家が逃散してしまったような気がして、拠り所を失った気分だ。

造船を離れて随分時間が経っているので、たちまち足元が脅かされるといった切実感はないものの、矢張り一抹の寂しさは禁じ得ない。

三井E&Sは旧名を三井造船と称していて、やっとこのほど社名変更(CI)を成し遂げたばかりなのだ。従前からこうなることは分かっていたが、経営陣の旧守的な発想と、「変わろう」とする気概の不足が今日まで続いたと云う事だろう。

三井E&S(Engineering & Shipbuilding)の名前を正式に名乗ったとは言え、懐具合は、造船の稼ぎが60%以上を占める体質であった。2018年3月の決算での売上高7,032億円の構成は、船舶16%、海洋開発27%、機械26%、エンジニアリング18%、その他13%ということらしい。



以前にもこうした事態はあったが、造船という主役の交代は、他の事業が伸展したわけではなく、一重に造船事業の衰退故のことで、発展的な気分では無い。理由は、勿論中韓の造船業との競合に敗れたと云う事だ。
残った建造設備はどうなるのだろうか。千葉事業所には3本のドックがある。30万トン級の超大型のタンカーを建造できる能力があるのだ。また、造船部門に従事する800人の人員は他の事業へ配置転換すると云うが、そう簡単にいくのだろうか。

玉野事業所にも2基の船台と2つのドックがあったが、グーグルマップなどで見てみると、もぬけの殻のようだ(尤も時期が最近のものでは無いだろうが、閑古鳥が鳴いているのは目に見えるようだ)。その船台では今後護衛艦が進水するだけになるのだろう。之に備えて、同社はアルミ加工設備を導入している。海上保安庁の巡視船、航海訓練用の練習船などの官公庁船は速度を上げるため、船体に軽量素材のアルミが多く使われている故だ。

他の総合重工も造船事業は縮小方向だ。三菱重工業は、大型商船建造用の香焼工場を海洋鉄構として分社化して、海洋構造物などの生産に移行する。川崎重工業も坂出工場の2本のドックのうち1本を閉鎖して、中国の合弁会社にシフトした。

日本の造船業は1990年代まで世界シェアの5割近くを占めていた。だが2000年代から中国、韓国勢とのコスト競争に敗れ、商船部門は慢性的な赤字体質に陥っている。この傾向は今でも変わらない。更に、近年は過熱した受注競争の結果、世界的な「船腹過剰」が続いている。

船価も、ピーク時の半値近くまで落ち込み、中韓でも造船所の破綻や閉鎖が相次いでいる。典型的労働集約産業の終末期という感が強い。重工各社は建造船舶を高付加価値のLNG船等に絞り込んでいる。三井E&Sは過去好調の時に、ばら積み貨物船など比較的低付加価値船の量産の道を採ってきた関係で、特にこの所の衰退は激しいようだ。

三井E&Sと(E)の文字を先行させたことで、エンジニアリング重視の気持ちを表している。船舶の建造でも、設計だけを請け負うエンジニアリング事業などへと転換する方向だ。
なお、三井E&Sは先に川崎重工との造船部門の統合話があったが、之を果たせなかった。今後本体の造船部隊は洋上プラントエンジニアリングや風力発電などの事業へ事業の主力を移す方針だ。

今後受注した大型商船の建造は常石がフィリピンなどに持つ海外拠点に移管する事としている。
常石造船は1994年にフィリピン・セブ島、2003年、中国・浙江省にそれぞれ造船所を設立し、同社の海外建造比率は7割超にまで拡大している。

三井E&Sをひき付けた常石造船の「海外力」という記事が以前にあったが、今後商船建造は、提携関係にある常石造船の海外部門で、一括行おうというものだ。



ともあれ、造船という名が消えるわけではないが、古巣に帰ってもそこには船が無いと云う事になるわけで、寂しい限りだ。

【古今和歌集】

461.あしひきの山辺にをれば 白雲のいかにせよとかはるゝ時なき (つらゆき)

山の近くにいると白雲が晴れる時がないように心が塞ぐ、いったいこの雲は私にどうしろと言うのか

「いかにせヨトカ ハるるときなき」という部分に 「淀川(よどがは)」が詠み込まれている。





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Last updated  2018.06.14 14:29:42
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