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2018.08.05
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カテゴリ: カテゴリ未分類
今日のセミウォーキングは西国街道を梶原高架下迄で、帰りはマンボウを通った。

***

パキスタンの新政権は8月11日に発足予定だ。新政権を担うのは、イムラン・カーン(パキスタン正義運動:PTI党首)で、元クリケットのスター選手だ。政治家に転身してから20年以上経っているが、ようやく政権与党の座をつかんだ。

そこで最初にぶつかる難問は、前政権が中国の支援で進めたインフラ事業で生じた巨額の対外債務の問題だ。外貨準備は大幅に減じ、国際通貨基金(IMF)への支援要請については、IMFへの出資が最大であるアメリカが難色を示していると同時に、軍部や中国も反対するとみられている。

アメリカの懸念はIMFから融資を受けたら、即ちそのまま、債務返済(中国への返還)に使われてしまう恐れがあるからだし、中国は、自ら立ち上げたアジアインフラ投資銀行(AIIB)からの融資としたいためだ。

パキスタンでは、「中パ経済回廊(CPEC)」というプロジェクトが進行中だ。中国新彊ウイグル自治区カシュガルからパキスタンの南西部グワダル港に抜けるルート総延長3000kmの輸送網を2030年を目標に完成させようとするものだ。この中には電力のインフラの整備も含まれている。総工費は5兆円3千億円が見込まれていた。このプロジェクトは、中国がインドに対抗しているパキスタンに急接近し、中東への影響力の拡大も視野に入れた遠大な計画だ。殆どの資金は中国からもたらされることになっている。

2014年に前首相シャリフが中国で、覚え書きにサインしている。この経済回廊は、中国とパキスタン両国の経済協力を促すものと期待されている。

第1段階として2017年までにアラビア海沿岸のグワダル港の開発や国際空港を建設している。そこから、中国に向かうカラコルムハイウエーの拡幅や、南部カラチ-東部ラホール、北部ペシャワル間の鉄道網の改良も進めるというものだ。中パ間を光ファイバーケーブルで結ぶ計画もある。

パキスタンにとっては、中国が、回廊沿いに石炭火力や太陽光・風力など発電施設を次々と整備することで、エネルギー不足が解消されることに最大の魅力を感じている。パキスタンは、エネルギーが十分でなく経済は停滞し、政府に不満を持つ分子は、ISなどイスラム過激派に引き込まれて、治安状態も劣悪になっている。



中東から輸入した原油を、パキスタンのグワダル港を経由して、ウイグル自治区まで道路やパイプラインで運ぶ考えだ。マラッカ海峡を通らずに、中国の内陸部までエネルギーや物資を輸送できる事は中国にとっても望ましいことなのだ。このことで、分離独立運動がくすぶるウイグル自治区の矛先を開発による景気回復効果で、かわそうとの狙いだ。

この中パ経済回廊(CPEC)の一部として、北西部ペシャワルと南部カラチを結ぶ路線を2022年を目標に大がかりな再生計画が進んでいる。約1870kmを全線複線化し、自動制御の運行システムを導入して、時速160kmの旅客列車を走らせようとするものだ。予想投資額は81億ドル(約9千億円)で、全てを中国から借りているのだ。

このことで、パキスタンの経済は、上向いて、2016、17年と成長率5%をキープしたが、対中債務はその分膨れあがってきたわけだ。2017年度の対中貿易赤字は100億ドルと、5年間で5倍。外貨準備高は2年弱で100億ドル減り、7月20日時点の残高は90億ドルとなってしまった。輸入額の2カ月分弱という心もとない水準に落ち込んだ。

このまま推移すると、返済額はどんどん膨張して、財政は逼迫するとみられている。アメリカのシンクタンクの世界開発センターは3月に「一帯一路関連で特に債務負担リスクのある8カ国」を挙げたが、その1がパキスタンだ。之により新首相(PTI)が公約した所得支援策や教育充実など「社会保障予算の拡充計画は棚上げが必至になると見られている。

この打開策として通常予想されるのが、IMFへの財政支援要請だが、之には、中国も、軍部も反対の意向なのだ。IMFに要請すれば、IMFから返済条件などが不透明なCPEC事業の契約内容の開示を求められることになり、中国の反発が、予想されるのだ。中国のパキスタン取り込みの計画などが露呈するからだろう。

軍部は、軍傘下の建設会社がCPECで利益を得ているために、この、事業が中断されることなど許さないだろうとみているのだ。

パキスタンの悩みと、中国の目論見は正にこの点である。IMFの融資が得られなければ、カーン新政権が頼れる相手は中国だけになり、巨額の融資を受けている国から、さらに債務償還資金まで借りる事態になってしまえば、それは最早中国の傀儡になりかねないというものだ。

こういった懸念は安全保障にも及ぶ。インドと共に核保有国であるパキスタンがこのまま、中国の傘下に入れば、核兵器を巡る世界のパワーバランスが変容しかねない。隣国アフガニスタンは現在も中国の武装勢力が勢いを増しているが、この近郊のためにパキスタンを頼みに出来ないことになってしまうと云う事だ。

前首相のシャリフ(パキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派:PML―N)はパナマ文書疑惑で、最高裁から不適格の判断を下され、実質的に罷免されたかたちとなった。しかし、今回の選挙では、その、シャリフ派(PML―N)やその他の政党から選挙が不正であったとやり直しを求める声が上がったほどで、カーンが政局を運営する上でも内外に大きな問題を抱えることになった。

パキスタン同様、新興国では、2018年から国や企業が発行している債券が大量に償還を迎えることになり、今後3年間で毎年、過去最高となる100兆円規模の返済が必要になる。パキスタンにとっても他の新興国にとっても、大いなるリスクを抱えることになる。

償還額の多くを占めるのが中国で、企業と政府部門をあわせた今後3年間の償還額は1兆7531億ドル(195兆円)と新興国全体の54%になる。パキスタンの対中債務返済は、中国自身の債務返還もあって、猶予のないものになる。



【古今和歌集】

509.伊勢の海につりするあまのうけなれや 心ひとつを定めかねつる (よみ人しらず)

まるで私は、伊勢の海人のウキのように、この心が揺らいでどうにもしっかりとした気持ちが持てない

(伊勢の海・・・伊勢湾の別名、うけ ・・・ ウキ)

まだ成就しない恋に揺れ動く心を海の浮きに例えた歌。





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Last updated  2018.08.12 12:29:01
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