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2020.03.05
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カテゴリ: カテゴリ未分類
今日は啓蟄。今日のウォーキングは第1618日目で、8243歩だった。今日は風が強く、寒く感じた。

***

日経の十選で、久しぶりに洋画の紹介があった。「筆触は物語る」だ。ともあれ絵画を見ていく。

1. クールベ「波」

クールベの波には様々な角度からの絵があるようだ。画面上半分は、赤く照らされた雲と白い雲が描かれ、水平線から下が荒れる海だ。そして眼前には空洞のように波が渦巻いている。岩が描かれ、岸に近いところで波頭が水しぶきをあげて砕ける様を描いている。

他の解説によると、フランスの奥深い山岳地方に生まれ育ったクールベにとって、海は未知の世界であり想像力を刺激したのだろうと書かれている。ここはノルマンディー地方エトルタの海だ。クールベ特有のペインティングナイフを使って厚く塗られた真っ白い泡立ちやしぶきが迫力を加えている。クールベには他にも海岸の断崖を描いた作品がある。

2. マネ「 スミレの花束をつけたベルト・モリゾ」
モリゾはマネの作品にたびたび登場する。マネの良き友人であり、弟子であった。この作品は帽子と衣装の重厚なまでの黒が効果的に使われている。然し主体はモリゾの理性的な顔だ。右頬を光が照らす様子は、何やらフェルメールの光の効果を感じさせる。背景のシンプルな色合いとマッチして、若いモデルの魅力と知性が浮き上がって見える。

モリゾはマネの弟ウジェーヌと結婚したが、結婚後はこうしたモリゾのポートレートは描いていない。どうした経緯があったのか、興味のあるところだが、作品とは一切関係ないだろう。彼女の写真を見ると気の強そうな雰囲気だ。



フランスが共和制になった後の国民の祝日だ。国を挙げての熱狂的なお祝い感がいやが上にも伝わってくる。フランス国歌となった「ラ・マルセイエーズ」が聞こえてくるようだ。三色旗が街中を埋めつくしている。

三色旗の描き方が乱雑そうで、絵の奥に行くに従って、この喜びが街中を埋め尽くす感じが良く出ている。どの旗も、輪郭などない。人も1人1人は明確でないが、群衆である事は疑う余地がない。同系統の絵に「サン=ドニ街、1878年6月30日の祭日」がある。

4. シニャック「サン=トロペの港」

点描画家のシニャックは新印象主義の代表的な画家だ。ジョルジュ・スーラを知っているが、シニャックはスーラに刺激された。サン・トロペの港はフランス南部、地中海に面した小さな漁港だ。

スーラが32歳で夭折したことにショックを受けたシニャックはヨットで地中海を巡航し、この港に辿りついた。手前に寒色の青色、画面奥に暖色のだいだいや黄色を配するこの絵はシニャックの円熟期の作品だ。

シニャックはサン・トロペが気に入ったのか、パリとここを往復しながら作品を多く生み出した。点描だが、何やら全体が淡くぼかしが入ったような、幻想的な作品になっている。
新印象派主義から脱却し、フォーヴィズムの誕生の布石となる代表作だという。


5. フィンセント・ファン・ゴッホ「アザミの花」
ゴッホの花と言えばヒマワリを思い浮かべるが、他にも色々描いているようだ。ヒマワリとは違ってアザミの花は青色で、葉はエメラルドグリーンで、鋸歯状にとげとげしく、荒々しく描かれている。
とげとげしい葉の中に麦の穂も描き込まれている。麦の穂がアザミのとげとげしさを和らげているようだ。

花瓶は同心円状のタッチで茶色を主体に描かれていて、良くマッチしているが温和しくはない。この作品はゴッホがピストル自殺で亡くなる1ヶ月前に書かれたとあるが、他の解説では2日前とある。いずれにしても、アザミは、繁殖力も強く他の植物を根絶やす為あまり好まれていなかった。そんな、生け花としては違和感のあるこの絵は、ゴッホの不安定な精神状態を表現しているようだ。


6. セザンヌ「サント=ヴィクトワール山」
セザンヌはこの山がいたく気に入っていたのか、同じ画題で60数点描いているという。南フランスのプロバンス地方にあるこの山は、何の変哲も無い岩山(石灰岩の山)のようだが、セザンヌのお陰で超有名になってしまった。

こんなのどかな風景の中で起居していると、絵画心に火が付くものだろうか。
連れ合いの好きな画家の1人だが、確か高校の美術の教科書に「女性大水浴図」があったような気がする。その三角形の図式は、古典的な安定感と形状的な視覚的効果をもたらしているといった風に教わった記憶がある。

新聞ではセザンヌはりんごを描いた画家と紹介しているが、どれも筆使いがやんわりとしていて、見る者を自然な形で絵の中に誘い込むような感じだ。


7. マティス「襟巻きの女」

正直、野獣派辺りから私の理解を超えてしまうので、良さも分からないのだが、この作品は、まだ理解しやすい方だ。
肘掛け椅子に身をゆだねながら真っ直ぐ正面を見据える女性を描いたもので、いい絵だなぁと感嘆することもない。背景の青地の格子と黄色の格子が何やら言いたいことがあるのだろう。

スカートが黄色の格子と似て色合いが少し違うところに何かあるのだろうか。そんなところはなかなか読み取れない。無造作に描かれたような女性の顔や身体は、画面に流麗な動きを与えていると解説されるが、言われるままに受け取るしかない。
この作品もポーラ美術館にあるようだ。

8. ユトリロ「可愛い聖体拝受者、トルシー=アン=ヴァロワの教会(エヌ県)」

ユトリロと言えば、街角画家的なイメージが湧いてくる。私もこんな教会を見たら同様の構図で描くであろう感じがする。一寸暗い感じの空に屹立する教会は形といい、絵になる気がするのは、私もユトリロ並みかなと思ってしまう。

ユトリロの作品は油絵であり、絵の具を何度も塗り重ねて重厚感や、古びた建物のありさまを伝えている。教会の向こうに描かれた、一寸赤みのついた平屋が、この絵を引き立てている感じだ。ユトリロは、アルコール依存症で、カンバスにひたすら白を塗りたくることで心の隙間を埋めていたと云う事だ。改めて絵を見直してしまう。

この作品はユトリロの中でも私には良い感じに思える。

9. ムンク「死と春」

ムンクと言えば「叫び」だが、「叫び」もこの絵も何やら暗い。ノルウェーの画家と云う事からない交ぜに暗さを感じてしまうが、北国故だろうか。私も1度オスロに行ったことがあるが、それほど暗さは感じなかった。ムンクの境遇故にそう感じるのだろう。

死者がベッドに横たわるこの絵は、青色の基調で、いやが上にも寒々しい。然し、窓の外は、何やら陽光が差し、緑が爽やかだ。窓の外の陽光に比べて作者の気持ちは近親者の死を悼み複雑だ。両親と姉ソフィアの死に関係しているという。

ムンクは丁度私が生まれた年に80歳で亡くなっている。生涯独身だったそうだ。
もう少し、この人を知りたいと思った。

10. ヴュイヤール「八角形の自画像」

鑑賞の力も尽きた感じだ。ヴュイヤールとは聞き慣れない名だ。ボナールなどと共に、ナビ派だという。連れ合いはボナールが好きだという。色合いが良いのだろうか。
この八角の自画像は黄色が基調だ。同じ自画像を右向きに描いてある作品があったが、頭髪が薄くなる前の若いときだ。

眼光の鋭さが印象に残る。背景の赤色が紺地に転々と配置されている。何か意図があるのだろうか。

長くなったが、各時代のオムニバス的な絵画の選択の中に、再発見するものが沢山あった。





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Last updated  2020.03.06 10:05:08
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