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2024年11月30日
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私が今月入院している間に読んだ最後の本が「沖縄のことを聞かせてください」(宮沢和史著、双葉社)でした。

30年前に初めて「ひめゆり平和祈念資料館」を訪れた著者が、沖縄戦の悲惨さとそれへの無知を自覚したときにつくった歌が「島唄」でした。しかし、沖縄人(ウチナーンチュ)ではない宮沢が琉球音階を取り入れてつくったことで沖縄からの反発も多くありました。宮沢自身、受け入れてもらえないのには訳があると理解しつつ、しかし自分の沖縄に対する気持ちはゆるがないことを分かってもらいたい、受け入れてもらいたいと「闘い」続けてきた30年でした。本書はある意味、彼個人の闘いの歴史です。しかし彼は内地人(ナイチャー)の代表でもあり、本書を読むことでナイチャーの沖縄への理解は確実に深まります。

その30年の間に彼は沖縄にまつわるさまざまな活動を行い、さまざまな人と接してきました。

彼がおこなった十人の人たちとの対談に、その30年の歴史が表れています。最初の対談の相手は内地の人から沖縄を見る目を変えた大貢献者、具志堅用高。彼の活躍によって内地に住む沖縄の人たちは胸を張って生きられるようになりました。また宮沢が沖縄戦を知る原点となった「ひめゆり平和祈念資料館」をつくった人物や沖縄をテーマに映画を作り続ける内地出身の映画監督中江裕司ら、沖縄に深く関わる内地の人また沖縄の人たちと宮沢は対談をしています。

そのひとり一人が宮沢の生きてきたこの30年間の活動に大きく関係する人たちばかり。

本書を読み進めると、宮沢自身の沖縄との関わり、沖縄に対して貢献したいこと、なぜそうしたいのか、そうしなければならないのかが明らかになっていきます。これは宮沢和史個人の沖縄や沖縄に関係する人々との関わりを著した本ですが、本書を通じて読者が沖縄の戦後の歴史を知る好著だと言えます。

宮沢が各界の人から聞いた沖縄は、彼一人ではなく内地の人が知るべき沖縄の戦中、戦後の姿でしょう。





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最終更新日  2024年11月30日 10時46分15秒
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