ゆうさんの日記

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2026.05.28
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三十歳、身体の芯が疼くような夜がある。
大吾さんと情熱的な昼下がりを過ごす智恵子さんの艶っぽい姿を間近で見ているせいか、私の身体はすっかり寂しさを訴え始めていた。元レースクイーンのプライドもある。これ以上、あのイケメン年下男の「おあずけ」に付き合うつもりはなかった。
「よし、今夜は私がリードして、あのボイラーに強制点火してあげる」
週末の居酒屋デート。私は最初からエンジン全開だった。
いつもよりピッチを上げてお酒を煽り、貴史さんにも強めのお酒をすすめた。二時間が経つ頃には、お互いにいい具合にほろ酔い――いや、真面目な貴史さんの方は、私からの突然の猛攻に気圧されたのか、まあまあ泥酔に近い状態になっていた。
「明美さん、今日のご、合コン……じゃなくて、デート、楽しいですぅ……」
「ねえ、貴史さん。ちょっとこっち向いて?」
赤くなった顔でろれつの回らない貴史さんのネクタイを、私はぐいっと引っ張った。そして、驚く彼の唇に、不意打ちのディープキスをぶちかました。
「んむっ!?」と貴史さんは目を見開き、何が起きたのかわけがわからないという顔で完全にフリーズしている。

限界だった。私はパニック状態の貴史さんの腕を強引に引き、居酒屋を飛び出すと、そのままネオンがギラつく駅前のラブホテルへと直行した。貴史さんは抵抗する気力もないのか、されるがままに部屋へと連れ込まれた。
部屋に入るや否や、私は形から入るタイプの本領を発揮し、自分の服を脱ぎ捨てて貴史さんのスーツを剥ぎ取った。一八〇センチの細マッチョな肉体がベッドにひっくり返る。
「明美さん、あの、僕、心の準備が……」
「うるさい、男なら黙って身を委ねなさい!」
ベッドに彼を押し倒し、私は迷わずその股間に顔を埋めた。若くて形のいいイチモツを勢いよく口いっぱいに頬張る。
すると、熱い刺激に驚いたのか、貴史さんは「ひゃんっ!」と情けない声を上げたかと思うと、信じられないことに数秒でビクビクと震え、果ててしまった。
(えっ……嘘でしょ? 早漏か……っ!)
ボイラーの営業マンのくせに、着火から爆発までが早すぎる。呆然とする私を余所に、貴史さんは「すみません、僕、早すぎて……」と涙目で縮こまっている。
「いいわよ、男は二回戦からが本番でしょ!」
私は諦めなかった。今度は彼の全身を指先と唇で攻めまくり、若さゆえの回復力で再びイチモツが復活したのを見計らって、その上に大胆にまたがった。大吾さんに鍛え上げてもらった極上のヒップを揺らし、一気に腰を下ろす。
「ああ、明美さ……あ、だめ、それ……!」

(また早漏か……ッ!!)
私の身体の乾きは、一ミリも潤っていない。それどころか、二回も空砲を撃ち尽くした貴史さんは、お酒の酔いと疲労が一気に回ったのか、そのまま糸が切れた人形のようにスースーと寝落ちしてしまった。
静まり返ったラブホテルの室内。
ベッドの上で大の字になって爆睡しているイケメン営業マンを冷めた目で見下ろし、私は盛大なため息をついた。
「……期待して損しちゃった」

翌朝、午前三時。
私はいつものように真っ白な割烹着をきゅっと結び、厨房で黙々とから揚げを揚げていた。
夕方、智恵子さんがニヤニヤしながら「どうだった?」と聞いてきたけれど、私は「ボイラーの配管が詰まってて、不発だったわ」とだけ答えて、二人で大爆笑した。
三十歳の恋と性春は、一筋縄ではいかない。でも、私には帰るべきこの厨房がある。私は今日も、下町の男たちのお腹を満たすために、フライヤーの油を熱く滾らせるのだった。





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Last updated  2026.05.28 20:00:05
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