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釈宗演 (しゃくのそうえん) の昼寝
明治時代から大正時代に、鎌倉の円覚寺の管長さんになられた釈宗演という有名な方が、お話になる師との思い出話です。
若狭の小浜から京都に出て来て、建仁寺の両足院というお寺で小僧をしながら勉強しておった。たまたま和尚さん、用があって外へ出られた。留守だけれど、本堂の掃除、隠寮の掃除をして、朝のうち掃除をしておったが、ついくたびれて本堂の縁側でごろっと横になって昼寝してしまった。何時間、寝たかしらんが、そのうちに、みしりみしりと廊下を歩く音がするから、ハッと気がついて、「和尚さん帰って来た、起きよう」と思ったが、体裁が悪うてよう起きなんだ。狸寝入りをして知らん顔していた。
そしたら和尚さんが自分が寝ている側へ来て、枕許を通る時に片一方の手をあげて、頭を下げて、「ごめんなされや」と言って部屋へ入った。
人様の寝とる枕許を通るのは失礼だ、「ごめんなされや」と言って通った。寝とったんじゃない、細い目で見とった。その時にどんなに感激したか。「この横着者めが、昼間から寝とって」と、足で蹴られるぐらいのつもりでおったところが、和尚さん、足で蹴るどころか、「ごめんなされや」と言って通った。
その時の感激が一生忘れられん。子供じゃなかったが、和尚さん、おれの人格を尊重してくれておる、小僧扱いじゃなかった。頭の前を、枕許を通るから失礼だと言って、頭を下げて通られた。
坊さんは腹を立てるのじゃないと言って、お釈迦様は誡めておられるのであります。
今、人権について色々と論議されていますが、人間の心の中にある仏性に気づかせるべきです。本来、親も学校の先生も、子供の中の仏性を信じ子供たちを育てるはずです。
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