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「カレンさん」 ユフィがカレンに必死に呼び掛けてきた。カレンをかばおうとしたが、どこかをさっき負傷したらしく、思うように体が動かないようだった。 「許してください。あなたを勝手に恨んで、こんな危険に巻き込んでしまって」 ユフィのこの一言が聞けただけでいい。彼女のことはもう恨まない。彼女はかつての自分自身なのだ。 が、カレンはまだこの世を去るわけにはいかなかった。 スザクはどうなる。彼はカレンが死した後、どのようにして生きるのか。 カレンは胸の内で無意識のうちに叫んだ。(ルルーシュ、お願い、スザクを助けて!) 次の瞬間。 カレンの、いやスザク、ユフィ、光太郎、テロリストたちの前に信じられない光景が広がっていた。 死んだはずのルルーシュその人が、生前そのままの威風堂々たる様子で立っていたのであった。「俺のいない間に事態はとんだ方向に向かっていたようだな」「ルルーシュ様!」 ユフィを始めとするテロリストたちが一斉にひれ伏す。光太郎だけが、口をぽかんと開けたまま銃をとりおとした。 その隙にまたもや思わぬことが起こった。体を縛ばくされていたスザクがいともたやすくそれを引き千切り、光太郎にタックルし、銃を自分の手にしたのだった。 ルルーシュが興味深げに目を細める。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです!↓ ↓ ↓
2010年10月27日
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「今度は胸を撃ってやる」 光太郎の銃口がカレンに向けられた。逃げようとしたが、腕の傷のせいで体が思うように動かない。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです!↓ ↓ ↓
2010年10月12日
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「そんなたわけたことを言うか」 光太郎の銃が火を吹いた。 とっさにカレンが身をていしてユフィをかばう。どうにか一命はとりとめたが、銃はカレンの腕を打った。腕から血が流れ出る。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです!↓ ↓ ↓
2010年10月11日
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カレンと光太郎の間にユフィが入った。 「もうこんな卑劣なことは許されるわけはないわ、あなた」 光太郎をきっとにらみつけながら、ユフィが言う。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです!↓ ↓ ↓
2010年10月09日
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ユフィが青ざめる。「こ、光太郎……私たち恋人同士だったはずじゃ……」「俺とお前が恋人同士だと? 笑わせるな。俺はカレンとスザク、そしてお前……日本人の血など混じっておらん」「あんた……最低ね」 吐き捨てるようにカレンは言った。「何だとっ?」 光太郎が激昂する。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです!↓ ↓ ↓
2010年10月08日
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「暴力はやめて、光太郎。そんなあなたの振る舞いは、ゼロにふさわしくないわ」「俺がゼロにふさわしくないだとっ? 笑わせるな。お前もずいぶんとカレンに言いくるめられたものだな」「……。そうじゃないわ。ただ私は、暴力は良くないと……」「お前は本当に甘えた根性の持ち主だな! もう用済みだ!」 光太郎が叫ぶと、いくつもの銃がユフィに向けられた。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです!↓ ↓ ↓
2010年10月01日
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「ユフィ……」 呆然とカレンはつぶやく。 唇から血をしたたらせたまま、ユフィは光太郎に必死に反論し始めた。 日頃、口答えをしたことがないのだろう。 勇気を振り絞っている証拠に、胸の前で拳を握っている。 ここまでして自分を彼女がかばってくれているのかと、カレンの胸は熱くなった。 やはり、ユフィの元の姿は、アリエス離宮にいたころのままなのだ。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです!↓ ↓ ↓
2010年09月30日
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「俺とブリタニア人が同じであろうはずがない。俺には理想がある。ルルーシュ様の志を継ぎ、真のゼロとなる。それが俺の夢だ」「ずいぶん、自分勝手な人ね、あなたって。そんな人間にルルーシュは後を継がせようなんて思わないわ」「何だとっ?」 縛られたままのカレンを光太郎は殴りつけようとした。 ぎゅっとカレンが目をつぶった時、破裂音がした。 カレンをかばったユフィが光太郎に、代わりに殴られた音だった。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです!↓ ↓ ↓
2010年09月29日
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「俺とブリタニア人が同じだとっ?」 光太郎が激昂した。 痛いところを突かれたのだな、とカレンは思う。 ユフィは光太郎が叫ぶと、びくりと身をすくめた。日頃からユフィは光太郎に暴力をふるわれているのではないだろうか。 そんな嫌な予感がカレンの心をよぎった。 光太郎はカレンの胸ぐらを掴んだ。 つりあがった目で、カレンをにらみつける。「カレンに何をする!」 スザクが叫んだ。が、かまわず光太郎はカレンを怒鳴りつける。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです!↓ ↓ ↓
2010年09月28日
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「何を甘いことを言っているんだ、ユフィ!俺たちの決意はそんなものだったのか」 「けど、光太郎……」 光太郎と呼ばれた長身の男は「しっかりしろ、ユフィ。俺たちの信念を忘れたのか」と言いながら、幾度もユフィの肩を揺さぶった。 が、ユフィはカレンを見つめたままだった。 かつてのユフィが帰って来てくれたようでカレンは嬉しかった。 今のうちにスザクを連れてここを抜け出さないと。 そう考えた矢先、カチャンという音がした。長身の男――光太郎がユフィの胸に銃口をつきたてた音だった。 「何をするの、光太郎!」 ユフィが悲鳴を上げる。 光太郎は鼻を鳴らした。 「何をするの、はないだろう。お前は俺たちを裏切ったんだからな」 「裏切った?待って、私は今、考えをまとめようとしているの。このままこうしていいのかと思って……カレンもスザクも悪い人ではなかったわ。私がアリエス離宮で働いていた時だって、ブリタニア人と日本人のハーフである私に……」 「そこがお前の弱さだと、今はっきり思い知らされたよ、ユフィ。しょせん自分がブリタニア人と日本人のハーフであるという事実から逃れられない。生粋の日本人である俺と違ってな」 「……光太郎、あなた私のことをそんなふうに考えていたのね」 ユフィが悲しげにつぶやいた。自分も絶体絶命の危機にさらされているのだが、もう黙っていられず、カレンは口を挟む。 「光太郎、だっけ?あなた、自分で自分のしていることが分かっているの? あなたがユフィにしていること、ブリタニアが日本にしたことと一緒だわ。体の中を流れている血で差別する。ハーフであることは、本人には何の罪もないのに」 つづくポチっと押していただけると嬉しいです!↓ ↓ ↓
2010年09月08日
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「何を甘いことを言っているんだ、ユフィ!俺たちの決意はそんなものだったのか」 「けど、光太郎……」 光太郎と呼ばれた長身の男は「しっかりしろ、ユフィ。俺たちの信念を忘れたのか」と言いながら、幾度もユフィの肩を揺さぶった。 が、ユフィはカレンを見つめたままだった。 かつてのユフィが帰って来てくれたようでカレンは嬉しかった。 今のうちにスザクを連れてここを抜け出さないと。 そう考えた矢先、カチャンという音がした。長身の男――光太郎がユフィの胸に銃口をつきたてた音だった。 「何をするの、光太郎!」 ユフィが悲鳴を上げる。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです!↓ ↓ ↓
2010年07月21日
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「何をやってるんだ、ユフィ!」 男に従うかのように、他のゲリラ兵がユフィを取り囲む。 ユフィは男から目をそらせて、つぶやくように話し始めた。 「私、思い出したの……アリエス離宮でどんなにカレンがスザクと幸せそうだったかって……。スザクは、誰にも分け隔てなく接する優しい人で、私たちじじょやメイドにも良くしてくれた。ブリタニア人と日本人の混血の私につらくあたる騎士なんてたくさんいたのに……。そのスザクと、私を友人のように扱ってくれたカレンがそんなひどいことをすると思えなくなってきたわ……。ましてユーフェミア様にそんな事情があったとしたら……」 つづくポチっと押していただけると嬉しいです!↓ ↓ ↓
2010年07月04日
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「ユフィ!」 ユフィの傍らにいた長身の男が、ユフィの両肩を掴んで、激しく揺さぶる。 ユフィは放心状態で、スザクとカレンを見つめていた。 その瞳に、かつてアリエス離宮にいた頃、カレンとスザクのカップルに向けられていた姉のようなまなざしの色が混じっていることにカレンは気付いていた。 生きてここを、出られるかもしれない。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです!↓ ↓ ↓
2010年07月01日
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「そんなことあるはずがないわっ!ルルーシュ様が、どうして」 ここが説得のしどころだ。カレンはじっくりと話し始める。 「あなたの考えている以上にギアスの力は複雑なの。ルルーシュのギアスが暴走して、ユーフェミア皇女に誤った暗示をかけてしまったの。ルルーシュはそのことで、ひどく葛藤したわ。それは私が後で知ったことだけれど。あなたが……いいえ、私がかつて神のように崇めていたルルーシュ、いえゼロにも人間としての弱さがあるの。仮面の下は一人の少年だけれども、それを越えてルルーシュは人々を救おうとした。それはこの彼、スザクも同じなのよ。ねえ、分かってくれないかしら、ユフィ・ティアラ。私に赤いドレスを勧めてくれたあなたなら……」 最後の一言に、 カレンは女として、人間として万感の思いをこめた。 これで説得がきかなければ、ここで監禁され続け、いずれは命を奪われるだろう。 けれど、スザクとともに死ねれば良い。 そう思って振りかえるとスザクが哀しく、いとおしげに呼び掛けてきた。 「カレン……」 「スザク……」 二人の間に熱い思いが交錯した瞬間、ガチャンと床に物が落ちる音がした。振り返ると、ユフィが手にしていた銃を取り落としていた。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです!↓ ↓ ↓
2010年06月29日
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「何を恋人同士で見つめあっているのかしら?何かお話でも?」 「ええ。あなたの名前についてね、ユフィ。ユフィは愛称で、本名はユーフェミアだったわよね。日本の独立を目指したかっ目指そうとしたブリタニア皇女、ユーフェミア」「血まみれ皇女ね」 ユフィが憎々しくいい放った。 「あんな女と同じ名前だなんて、心外だわ」 「そうかしら。ユーフェミアが血まみれ皇女……自分の意思で日本人を虐殺したんじゃないとしたら、どう思う? ギアスの力であやつられていたとしたら。しかも、あなたの崇拝するルルーシュのギアスに」 つづくポチっと押していただけると嬉しいです!↓ ↓ ↓
2010年06月08日
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あったわ!) かすかな希望が射してくる。うずくまったままのスザクにそっと微笑みかけると、スザクがけげんそうに太い眉に皺を寄せた。(待ってて、スザク。あなたを助けてあげるから)スザクはカレンがなにごとか思いついたのに気付いたようだった。 『僕のために、身を危険にさらさなくていいのに』 そんな声が聞こえそうだった。 (まったく、何度私に言わせる気なの。私にとって、あなたはどんなにか大切な人だって) が、カレンが感慨に浸っている暇はなかった。ユフィがとげとげしく呼び掛けてきた。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです!↓ ↓ ↓
2010年06月03日
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「けれどもうあなたたちは信用できないわ。ここで一生、二人で牢やの中で暮らしてもらう。もちろん別々にね。 そして私たちからは声明文をスザク、あなたの素顔をさらした顔写真つきで真相を明かさせてもらうわ。あなたがルルーシュ様を殺して、自分がゼロになり変わったとんでもない人間だって」 カレンは深呼吸した。ユフィは何を言われても私は意思を変えたりしないわよ、というように背中をそらせる。 その仕草にカレンは彼女の強がりを見た気がした。 カレンの侍女だった頃、ユフィは茶目っ毛があり、てきぱきとした陽気な女だった。こんな殺伐とした行動を起こしたのも、ルルーシュを失ってしまったゆえだろう。 何か彼女を説得する術はないか。彼女の心の鍵を握るのはルルーシュだろう。 ルルーシュとユフィ・ティアラ。二人を結ぶものとは。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです!↓ ↓ ↓
2010年04月09日
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信じている者に裏切られた思い――そして、それを信じていた自分への怒り。 ユフィの気持ちに共感できる部分があるからこそ、カレンは彼女にかける言葉を迷う。 どうにか絞り出した言葉は、陳腐この上なかった。「違うわ……違うのよ、ユフィ」「どこが違うのよ!」 ユフィが激昂した。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです!↓ ↓ ↓
2010年03月18日
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が、カレンにかけられた皇帝のギアスには、「カレンは生まれながらのブリタニアの貴族である」という偽りの記憶が埋め込まれていた。 父も母も健在であり、二人は幸せに暮らしており、ブリタニア人に日本人が搾取されていることなど、ないと。 ブリタニアと日本の戦争など、存在しないのも同じで、両国は和解しているのだと。 兄こそ亡くなっているが、それはゲリラ活動のためではなく、単なる事故死で、スザクはその兄の親友であるのだと。 勝手に塗り込まれた記憶だが、これはカレンが抱くジレンマや悩みを見事に払拭するものだった。 実母への哀れみと、義母への憎しみ、父をふがいなく思う気持ち、ブリタニアと日本の間で板挟みになる自分への苦しみ、世界への怒り――そして自覚はしていない、いや、しようとしなかったスザクへの思い。 これらすべてを、ギアスは歪んだ形でだが、一時は解決してくれたのだ。 言わばそれは、カレンの「弱さ」を逆説的な形であぶり出したものだった。 だからこそ、カレンはギアスを憎み、そしてスザクを憎んだ。 きっと同じ気持ちを、ユフィも今、味わっているのだ。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです!↓ ↓ ↓
2010年03月04日
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スザクを幼なじみの恋人とギアスによって偽りの記憶を与えられていたカレンは、いつも無邪気にスザクに寄り添っていた。 初めて知った性愛に酔って、太陽が高く昇ってからもスザクの胸で眠ったりしていた。 貴族の世界では、侍女は人間とみなされない。 侍女の前で、恋人との交歓を見聞きされても、それは恥だとは思わないよう、教育されている。 彼ら、彼女らはあくまで自分たちに”仕える"者であり、同じ世界には住まないのだから。 こうした認識は、日頃のカレンなら忌み嫌うものだろう。 実母に、義母が取った行為そのものなのだから。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです!↓ ↓ ↓
2010年01月30日
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「でも、ゼロが亡くなってから、私はネットで知ってしまったの。本当のゼロ――ルルーシュは柩木スザクに裏切られて、殺されたんだって。最初はただの噂だって思ったわ。けど、侍女としてあなたに仕えた私は、そのうち今のゼロがスザクだって写真を見るうちに分かるようになった。骨格や筋肉の付き方が違うから。いくら衣装とマントで隠したって無駄よ。スザクの裸体を、私は少なからず見てるんだから。その理由はあなたにも分かるでしょう、カレン?」 羞恥と、悲しみがカレンの胸をよぎる。 ギアスをかけられていた時の、記憶。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです!↓ ↓ ↓
2010年01月22日
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「ずいぶんと私を慕ってくれていたのね。 でも、どうしていきなり”ゼロ”を信奉して、私とスザクを攻撃し始めたの? あなたは、私とスザクの仲を微笑ましく思ってくれていたはずなのに。私たちが庭園で語らっている時、いつもおいしい紅茶を煎れてくれたのはあなたよね? 私、こう見えても結構お茶にはうるさい方なの。その人の心が、お茶には出るって日本人の母が小さい頃、教えてくれたから。あなたのお茶には、真心がこもっていたわ」「ええ、あの頃はね」 ユフィの瞳が、一瞬潤み、昔の優しさを取り戻した。 が、すぐに険しくなる。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです!↓ ↓ ↓
2010年01月12日
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「――っ」 カレンの胸に、突き刺さるような痛みが走った。 どうにか声を振り絞る。 スザクの目線を感じながら、カレンはできるだけ彼女を刺激しないよう、話し始めた。「覚えてるわ……あなた、とても私に尽くしてくれたわね。私のこと、妹みたいに世話してくれて……私には姉はいないけど、もしいたらあなたのような人だと感じていたわ」「カレン。あなたの考えは正しいわ。私はあなたにとても親近感を抱いていた。あなたには言わなかったけれど……いいえ、他の皆にも隠していたけれど、私もあなたと同じブリタニアと日本のハーフなの。どうにか私がアリエス離宮の侍女になれたのは、ブリタニア人の高官である父のコネクションよ。そして私の母は、あなたの母と同じく日本人で、虐げられていた」 つづくポチっと押していただけると嬉しいです!↓ ↓ ↓
2010年01月06日
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同時に、女は深くかぶっていた帽子もはずす。 その清楚な姿に、カレンは見覚えがあった。「あなた……」 つぶやくカレンに、女はうなずいた。「そうよ。ギアスをかけられていたあなたに、かつて仕えていた侍女・ユフィ・ティアラよ」「あなた……」 カレンは呆然とつぶやいた。 女――ユフィの口元が憎々しげに、そして少し悲しげに歪んだ。「そうよ。あなたの侍女……あなたを”カレン様”と呼んでいた女よ」「ユフィ……私に赤いドレスを勧めてくれた……」「そうよ。あなたが昨晩、スザクの前で着ていた赤いドレスを勧めた女。赤は、あなたを妖艶に魅せる色だとね」 つづくポチっと押していただけると嬉しいです!↓ ↓ ↓
2009年11月22日
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同時に、ブーツを履いた足が大きく蹴上げられる。 次の瞬間、カレンの体は、女に蹴り飛ばされていた。「それで通じると思ったら、大間違いよ!」 カレンは床に叩きつけられた。 口の中に、血の味がにじむ。 女は今まで押さえていた何かを一気に解放するように、叫び出した。「ルルーシュ様は――いいえ、真のゼロは、世界平和のために尽力し、ただ一人汚名を着て死んだのよ? それなのに、あなたたちは何よ? ルルーシュのことなど、忘れたように、恋人同士として過ごして……」 そう言ってから、女は掛けていたサングラスを外した。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです!↓ ↓ ↓
2009年11月20日
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乾いた音が、倉庫に響き渡る。 カレンは叫んだ。「やめて!」 自分でも無様な格好だと思いながら、四つんばいになってスザクの元に這い寄る。「彼を……彼を、傷つけないで!」 それまで黙っていた女リーダーが、高笑いした。「とっさのことなのに、この男のことを”スザク”と呼ばないのは、さすがね、元・黒の騎士団のエースパイロット・カレン。 そこまでこの男がゼロであることを隠し、彼のことを守りたいのでしょう。 けれど……」 女の目が、鋭く光った。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです!↓ ↓ ↓ つづく
2009年11月19日
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「僕は、ただの男だ」「――っ」 テロリストグループの一人である、大男がつかつかと歩み寄り、スザクの襟首を掴んだ。 椅子に縛り付けられたスザクは、黙って、だが男の激しい視線を逸らすことをせずにそれに従う。「よくそんな口が叩けるな! お前、どう見ても柩木スザクだろうっ! 日本人のくせにラウンズの一因となり、ルルーシュ様に牙を剥いた柩木スザクめ!」「……柩木スザクは死んだ。墓もあるだろう」「じゃあ、ここにいる貴様は何だ?」「言っただろう。ただの男だ。名乗る名前もない」「――詭弁を言うな!」 男が思いきり、スザクをひっぱたいた。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです!↓ ↓ ↓ つづく
2009年11月18日
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ゼロのコスチュームも、仮面もつけていない柩木スザク、その人。 カレンと同じように椅子に縛り付けられている。 女はあざ笑うように、高笑いした。「さすがのゼロも自分の女には甘いようね! こんな罠に引っかかるなんて!」「くっ……」 スザクが歯を食いしばる。 が、やがてその表情に力強いものが浮かんだ。「残念だ。君たちが捕らえたのは、ゼロではない」 つづくポチっと押していただけると嬉しいです!↓ ↓ ↓
2009年11月11日
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ただ今、分かることは、彼らの挑発に乗って、心を乱したり、罪悪感をあおり立てられたりはしてはならないということだった。 できるだけ冷静を装って、カレンは答える。「では、こちらも質問させてもらうわ。ルルーシュの遺志が、あなたたちに分かるというの?」「ああ、分かるつもりよ。あなたたちよりはね。紅月カレン。そして、柩木スザクよりは!」 そう言って、女はパチンと指を鳴らした。 同時に、小さなモデム音とともに壁の一部が開く。 隠し扉のようになっていたのだろう。 中に幽閉されていたのは、柩木スザクその人だった。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです!↓ ↓ ↓
2009年11月10日
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かつて自分が”ゼロ”として尊敬し、またグランフォード学園の同級生として友人関係を結び、そして――恋心にも似た感情を、一時抱いていた、ルルーシュ。 自分たち、民草のために命を投げ出し、未来への石杖になってくれたルルーシュ。 たしかに、カレンはルルーシュの遺志を踏みにじっていたのかもしれない。 ルルーシュはスザクに、”ゼロ”として生きることを願った。 そこに、スザク個人としての幸福の道はなかった。 だからこそ、カレンをスザクは拒絶したのだ。 けれど、それではスザクの心が折れてしまう。 そう思って、カレンはスザクと――。 その選択が正しいのか、そうでないのかは分からない。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです!↓ ↓ ↓
2009年11月07日
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おそらく密偵を放ち、自分を尾行していたのか、もしくは自分以外の人間も執拗に追っていたのだろう。 黒の騎士団のメンバーだったカレンは、そういった活動には手を貸していなかったが十分以前の立場上、想像できることだった。 それは十分承知の上だ。 そう覚悟して、スザクとの関係を続けてきたつもりだった。 こんなふうに、命を狙われる危険にさらされてもいい。 その覚悟は、十分に決まっていた。 しかし。 ”ルルーシュ”の名を出されるとまた別だった。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです!↓ ↓ ↓
2009年11月05日
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そして今、カレンは彼の教えを実行している。 スザクの元に帰りたい。 ルルーシュ、少しでもあなたの言葉を守れればいいのだけれど。 女は、冷ややかに答えた。「それもそうね。でも、ルルーシュの気持ちがあなたに分かるわけでもないでしょ?彼を殺した柩木スザクと通じているあなたに」「――!」 一瞬、息が詰まった。 彼らはそこまで情報を掴んでいたというのか。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです!↓ ↓ ↓
2009年11月04日
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ややハスキーな、低音の声が女性の芯の強さを示しているような気がした。(こいつ、手強いわ) そう思いを巡らせながら、カレンは女性にやや皮肉っぽく微笑みかけた。「そうかしら? ルルーシュが今生きていたら、あなたたちの存在を認めたかどうかは分からないわ」 こうやって相手を挑発し、心の内を明かさせる作戦だった。 敵の心情をよく知ることは、すなわちこちら側の勝利につながる。 ゼロの仮面を被っていたルルーシュは、かつてカレンにそう語ってくれた。 君は直情径行なところがあるから、戦場でもそこが心配だ。 感情だけでなく、理性で動いていけば、もっと戦士として成長できるのではないかと。 ”ゼロ”が至高の存在だったカレンは、「私が直情径行ですってっ?」と内心ムッとしつつも、彼の言葉を真摯に受け止めたのだった。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです!↓ ↓ ↓
2009年11月01日
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手ひどいグループなら、こうやって介抱してくれるどころか、カレンをもっと凄まじい拷問にかけたことだろう。 話し合いは、通じる相手かもしれない。 かつての黒の騎士団のように。 そう腹を決めて、カレンは一団にまた呼びかける。「あなたたち、人道的ルールは守る主義のようね。私に手荒い真似はしてこないんだから」「そう、かつてのあなたたち――黒の騎士団のようにね。私たちはルルーシュを信奉する”正義の味方”なのだから」 先ほど、カレンを介抱してくれた女性が答えた。 落ち着いた、しっかりとした話しぶりからして、彼女がリーダーなのかもしれない。 女だてらにテロリスト集団のリーダーなどするな、とはカレンは口が裂けても言えない身の上だった。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです!↓ ↓ ↓
2009年10月26日
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眠っているスザクを置いて、紅蓮の間からそっと出ようとした瞬間、何者かに後ろから襲いかかられたと思ったら、意識を失っていた。 おそらく薬物でもかがされていたのだろう。 この古びた倉庫で目覚めた時、ひどく気分が悪く、吐いてしまった。 カレンの体に付着した吐瀉物と床を、拉致グループの一人が丁寧に拭いてくれた。 やわらかな体つきと、たおやかな手つきから女性だとすぐに分かった。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです!↓ ↓ ↓
2009年10月23日
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「こんなことして、どうするって言うのよ?」 気丈にも、カレンは後ろ手に手錠を掛けられ、椅子に座らされた格好で自分の目の前に座る全身黒ずくめ、サングラス姿の五、六人の人々をにらみつけた。 年格好、性別はバラバラだ。 男四人、女一人といったところだろうか。 見たところ、平均年齢は二十代と見える。(黒の騎士団と同じね) 苦々しく、カレンは思った。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです!↓ ↓ ↓
2009年10月21日
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ベッドサイドに、瀟洒な封筒が置かれており、「ゼロへ」と書かれている。 急いで中を開くと、一枚の便せんにタイプライターでこう打たれていた。”あなたの最愛の人物はもらった。13番街倉庫に、21時に来い。さもないとカレンの命はない” ポチっと押していただけると嬉しいです!↓ ↓ ↓
2009年10月14日
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戦士の第六感、とでも言うべきものなのだろうか。 なおも返事がないのを不安に思い、スザクは急いで起き上がる。 今度はさっきより大きな声で、彼女の名を呼んだ。「カレン!」 が、返事はなく、辺りを見回しても彼女の姿はなかった。 シーツをまさぐっても、ぬくもりは残っていない。 嫌な予感がますます強くなって、辺りを必死に探索する。 すぐにその予感が的中したことが判明した。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです!↓ ↓ ↓
2009年10月06日
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貪るように、一つに溶け合いたいと願うようにカレンの唇を吸い、彼女を貫く。「ん……はっ……」 やがて、カレンの脳内に白い閃光が弾けた。 全身の毛穴が開くような感覚の後、体中に電流が走る。「ああああ――っ!」 カレンは大きく叫び、ぐったりとシーツにうつぶせになった。 しばらく後、スザクがうめき、カレンの背中に突っ伏した。 スザクのぬくもりを、カレンは何よりもいとおしいと感じながら、深い眠りに落ちていった。 瞼の裏に、薄い光を感じて、スザクは目覚めた。 昨夜の激しい交わりがもたらした、心地よいけだるさが全身をつつんでいる。 もう朝なのだろう。 どこかで鳥が鳴いている声が聞こえた。 目を開くと、朝焼けが見えた。「……カレン?」 恋人の名を、スザクは呼んだ。 本当はこんな幸福な朝を、自分は迎えてはならないはずなのに。 罪悪感が胸をよぎる。 が、やはり幸せな気持ちはぬぐい去れなかった。 返事がないということは、彼女はまだ眠っているということなのだろうか。 それとも、いつものようにスザクより早く目覚め、ここから去っているのか。 おそらく後者だから返事がなくとも心配する必要はないのだろうが、なんとなく胸騒ぎを感じた。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです!↓ ↓ ↓
2009年10月04日
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カレンと繋がったまま、体勢を変え、カレンを四つんばいにさせる。 優しく、そしてみだらにスザクは訊ねた。「この格好、つらくない?」「だ……大丈夫」 気丈に答えてはいるものの、絶頂を迎えたばかりのカレンが疲労を覚えているのは事実のようだった。 スザクは慣れた手つきで、カレンのバストとシーツの間に枕を置く。こうすると、体の負担が軽くなるのだ。 こんな手はずを必要とするほど、二人は激しい快楽を求めていた。 つらい現実を、少しでも忘れるために。 カレンが甘ったるい吐息をついたのをきっかけにするように、スザクは一気に貫いた。 悲鳴に似た嬌声を、カレンが大きく上げる。「ああ――っ!」 カレンのうなじに舌を這わせ、スザクは徐々に激しさを増して、抽送を始めた。「っ……あっ、ああっ、ああっ」 カレンは大きく腰を上げ、スザクを求める。 スザクもそれに応じるため、よりいっそうカレンの求めに応じる。 スザクはカレンの芽に、人差し指を当て、貫きながら愛撫した。 「あ……いっ……いやっ……」 同時に、二つの部分を攻められる快楽に、カレンが身をよじる。 が、スザクは容赦せず、今度はカレンの顔を自分側に向かせ、接吻で彼女を攻めた。 舌を絡み合わせながら、カレンは快楽にぼやけた頭で願う。 このままずっと、二人きりでいられたらいいのに……。 スザクもそう考えているようだった。 ポチっと押していただけると嬉しいです!↓ ↓ ↓
2009年09月28日
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身も心もとろけ、頬が熱くなり、体中に電流が走る。「あ……ああああ――っ!」 大きく叫んで、カレンはぐったりとスザクの上につながったままうつぶせになった。 スザクはカレンを抱き留め、赤い髪を愛撫する。 スザク自身はまだ硬度をまったく失っていなかった。 達した後もなお貫かれる感触に、カレンの体がビクビクと震える。 これ以上の快楽を今後与えられる期待と、幾ばくかの不安に震えていたのだった。 極度の快楽は、苦痛と裏表だとカレンは、すでにスザクによって教えられているのだ。 しばし抱き合った後、スザクが行動を起こした。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです!↓ ↓ ↓
2009年09月15日
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カレンの必死の訴えをスザクはすでに予期していたように、たくましい上半身を起こしてカレンを抱き上げ、体の位置を元に戻した。 カレンは口端から唾液を垂らしたまま、熱に浮かされたような表情で、スザクのされるがままになる。 スザクはおのれのものを握り、カレンの秘所にあてがった。 途端に、カレンが体を電流が流れ出したように身を震わせる。 スザクが強弱をつけて、カレンの体を上下左右にさすると、カレンはそれまでの放心状態が嘘のように、やがて自分から激しく腰を揺さぶり始めた。 きつく瞼を閉じ、スザクだけを感じたいというようにおのれの腰をスザクにおしあてる。 スザクはそんなカレンをいとおしげに見上げながら、彼女のつぼみを指でこすったり、乳首を指さしで強弱をつけ、愛撫したりしていた。 同時に、カレンに合わせて、おのれも腰をグラインドさせる。「ん……ああっ……っ……いいっ」 カレンは大きな波を迎えようとしていた。 つづく
2009年09月13日
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カレンもスザクにならい、彼のそこを手で握り、舌でくるんだ。 それまで柔らかかったスザクのそこが、即座にカレンの口腔で高度を増してゆく。 スザクにちゃんと自分が快楽を与えられていること、そしてスザクにそれ以上の快感を与えられ、自然とカレンの体はふたたび高まっていった。「ん……ふ……あっ……んっ……」「あ……んっ……」 くぐもった喘ぎ声を漏らしつつも、カレンは必死でスザクを昂ぶらせようとするのだが、すでに体がびりびりと痺れるような快感にむせびかえっていて、思うように舌を動かせなくなっていた。 スザクがいとおしげにつぶやく。「カレン――もう、僕のこと待ってくれてる」「……」「ねえ、本当はどうなの? 教えて、カレン。もう僕は君とひとつになっていいのかな?」 そう言いつつも、スザクは指で執拗な愛撫をカレンに与えていた。 恥ずかしいほど濡れそぼった音が秘所から聞こえ、カレンは羞恥と快楽で、頬を真っ赤に染める。 スザクに征服されている自分が、ふがいなく、それでいてどこか嬉しい気がした。 スザクの指が、カレンのもっとも奥深い部分をえぐった時、ついにカレンは叫んでいた。「スザク――早く……っ」 つづくポチっと押していただけると嬉しいです!↓ ↓ ↓
2009年09月12日
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ほぼ同時に、互いの股間に顔をうずめる。 スザクのぬめる舌が、カレンの先ほどスザクの飛沫を浴びたばかりの秘所に入り込んだ。 思わず、甘い声が出てしまう。「あんっ……」 スザクの舌での愛撫は的確だった。 カレンの一番感じる部分を攻め、次に最奥部に注ぎ込まれた、先ほどおのれが放ったものとカレンの露をすすり始める。 カレンはかぶりを振って、スザクを振り返った。「やめ……て。そこは、汚れてるから……」 くぐもった声で、スザクが返答する。「僕と君が愛し合った証だ。どこが汚れてなんかいるんだい?」 カレンの瞳が、揺らぐ。 スザクのそんな思いが、嬉しくてたまらなかった。 スザクは微笑みを浮かべてから、ふたたびカレンへの愛撫に没入する。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです!↓ ↓ ↓
2009年09月10日
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カレンはベッドから起き上がり、反対にスザクがカレンが横になっていたベッドにあおむけになる。 それを見取ってから、カレンはスザクの上にまたがった。 ただし、体の向きを反対にして。 スザクの顔の上に、ちょうどカレンの秘所がつつみ隠さず見えるようになり、またスザクも同じことになる。 最初、スザクにこのことを教えられた時、愛技の習得に積極的だったカレンですら、スザクに反発したものだった。 あまりにもみだらで、恥ずかし過ぎる、と。 が、スザクは持ち前の天然な口調で、こうすれば互いの快感を高め合うことができるんだ。 恥ずかしさも、気持ちよさのスパイスになるよ。 そう平然と答え、渋るカレンを愛撫でじらし、もっとと欲しがりかけた瞬間には、スザクの上に乗せられていたのだった。 その時、カレンはスザクは童顔の顔に似ず、豊富な性体験を積んでいるのではないかといぶかしんだのだが、今ではスザクの過去、付き合ったであろう女性への嫉妬など越え、カレンはスザクを愛しているのだった。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです!↓ ↓ ↓
2009年09月09日
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スザクはカレンの意図したところが分かったのだろう。 体をカレンから離し、上半身だけ起き上がり、ベッドの上のカレンに尋ねる。「君が上になった方がいいよね―その方が、負担が君に少ないし」「ええ。以前、試した時、分かったわよね。やっぱりあなたは男で、あたしより体重があるから……感じてきちゃうと、すぐに私の方に体重をかけちゃうから」 自分では意識せずに、みだらな会話をスザクとカレンは交わしていた。 それほどまでに、二人の肉体は深く結びつき合っているのであった。 そして、それほどまでに二人は限られた時間、互いの肉体を精一杯求め合っているのであった。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです!↓ ↓ ↓
2009年09月09日
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庭園の木々が風にそよぐ音が、窓辺から静かに聞こえる。 葉と葉がこすれあう音は、二人のつかの間の幸せを祝福しているようであった。 じっと目を閉じて、重なり合った二人はその音を聞いていた。 が、静寂を破ったのはカレンだった。 スザクのうなじに下を這わせる。 スザクの体が、びくりと震えた。 快楽の残滓に、カレンがふたたび火をつけたのだ。 かすれた声で、カレンが訴えかける。「スザク……もっとあなたを感じたいの。あなたが教えてくれた、あの方法で」「……僕もだ、カレン」 やや照れの入り交じった声で、スザクが答える。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです!↓ ↓ ↓
2009年09月06日
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そうしている間にスザクの頬にも、新たな涙があふれていく。 それをまたカレンもキスで拭う。 いつしか互いは互いに、お互いの顔を舐め合っていた。 いとおしげに、せつなげに。 その姿は、孤独な獣同士が身を寄せ合うようだった。 暗闇の中、互いに互いをむさぼる音が響いていた。 激しいキス。 互いの肉体をぶつかり合わせる音。 生々しく、切ないうめき声と喘ぎ。 カレンは全身を大きく広げ、スザクをありったけ受け入れていた。 スザクもカレンに自分の愛情、思いをすべてぶつけるように彼女に没入していく。 やがてカレンが大きく体を弓なりに反らせ、スザクが情熱のこもった喘ぎを漏らし、カレンの上半身にぐったりと崩れ落ちた。 荒い吐息をつくスザクを、カレンは乱れ髪のまま、強く抱きしめる。 カレンの豊かなバストに、スザクは安らいだように顔を預け、しばし恍惚状態にあった。 二人は幸せの極みに、しばしふけっていた。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです!↓ ↓ ↓
2009年09月04日
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カレンがギアスをかけられていた時――スザクが、まだ柩木スザク個人であった時は、スザクを胸に抱きながら、よくささやいてくれたものだった。”僕と結婚しよう、カレン””子供はそう……五人か六人がいいな。いつも子供が騒いでいて、君がそれに手を焼いて怒ってるんだ。パパ、この子たちを叱って、って。それを僕がなだめているうちに、子供たちが僕と君に甘えてきて……””そんなにたくさん生めないわ。育てるのだって、大変だし””じゃあ、一人でもいいし、二人でもいい。子供がいなくてもいい。僕は君とずっと一緒にいたいんだ、カレン” そう明言してくれたスザクと、今のスザクはどんなに違うか。 ゼロとして生きるスザクの肩には、ずっしりと世界がのしかかっているのだった。 その重みが、スザクを沈黙させているのだ。 それが、カレンには痛々しくてたまらないから、泣いてしまう。 そんなカレンをせつなそうに見つめてから、スザクはカレンの涙を自分も同じようにキスで拭った。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです!↓ ↓ ↓
2009年09月03日
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「やっぱり君も命の危険を感じてるんじゃ……」「あなたの側にいられないことが、私にとっては命よりも重要だわ。死ぬなら、あなたの腕の中で死にたい、スザク。いいえ、私はそう決めてるわ。おばあちゃんになって、おじいちゃんになったあなたに看取られて死ぬの。ほら、死が二人を分かつ時まで、って言うでしょ?」 スザクは、フッと笑った。「カレン、君は……まるで僕と結婚するって最初から決めてるみたいだ」「そうよ。勝手に決めたの。悪い?」 スザクは黙って、かぶりを振った。 カレンの目に新しい涙が浮かぶ。 答えられないのだ、スザクは。 ゼロとして、生きることを選んでしまった今は。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです!↓ ↓ ↓
2009年09月02日
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