あたしには神さまが見えない

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nipponites @ Re:過去に遡る旅(06/24) お帰りになさい~ユウリィさん(^^) もう…
Ikuho @ げんきなんだ☆ ユゥリィさん、お元気でしたか? なつか…
Ikuho @ Re:Not, it's too late(09/14) わあ、ユゥリイさん! お久しぶりです! …
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nipponites @ Re:Not, it's too late(09/14) ユウリィさん、こんにちわ、お久しぶりの…
2007/04/15
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カテゴリ: カテゴリ未分類



職場の通用口を出たときはほとんど雨は止んでいたので、通勤に使っているマウンテンバイクで帰る決心をしたのだけれど、途中信号をいくつも渡らないうちに土砂降りにってしまった。

自動車のライトが押し越していくたびに、反射した雨粒が白く反射した。だから、視界は明るい。明るいけれど、輪郭がぼやけた。睫毛から水滴がいくつもいくつも滴って、頬を伝った。昨秋買った渋い色合いのジャケットは、雨を吸い込んで腕や背中にまとわりついた。ふと見ると、なめし革がきれいに枯れたあめ色になってお気に入りの鞄もぐっしょりと水分を吸ってどす黒く変色していた。

今日のお昼は暖かだったのに。吐く息が白くて、ぞっとした。

なじみのバルの看板が見えて、立ち寄って雨宿りをしようか逡巡した。でも、ここまで濡れてしまったら、バルに寄っても無意味だと気付いた。タオルを借りてなんとかなるはずもない。ジャケットだけでなく、シャツやその下まで濡れてしまっていたからだ。まるで水の中を掻き分けながら自転車を漕いでいるようなものだった。それでも、誰かにやさしくして欲しいと……気持ちが揺れたけれど、すぐにぎゅっと目を瞑って諦めた。雨足は更に増して、まさに滝の中を泳いでいるような気分になっていた。以前、こんな映画のシーンをどこかで観たように思う。なんだったかしら。

部屋に着いたら、すぐにお風呂にお湯を溜めなくては。それから、鞄から貴重品を取り出さなくては。ああそうだ、携帯電話は大丈夫だろうか。お財布も無事ではないかも。

雨に滑って転倒しなかったのは僥倖だったかもしれない。
そう思いながら自宅の鍵を開けようとしたけれれど、寒さに手が悴んでしまってなかなか開けられず苛立った。ああ、自転車に施錠し忘れてしまった。

熱いシャワーをしばらくの間浴びた。バスルームの鏡に映ったあたしの顔は青ざめていて生気が失せ、唇が紫色になってしまっていた。だから、ずいぶんと長い間、バスタブに浸かった。躯が暖まってきたら、鼻の奥がツンとして涙腺を刺激した。視界が滲んだと思ったら、涙が溢れて止まらなくなった。


パジャマのまま、窓際に立ってみた。雨はすっかり上がっていて、春のへんぽんとした青空が広がっていた。わずかに、ひなたの薫りがした。日向の薫りを感じたのは久し振りのことだった。遠くに、ゆるやかな弧を描く高速道路とまだ馴染まない高層ビルの群れが見えた。

あたしの心の一部が、昨晩死んだ。
それを事実として受け入れ、そこからなにかを得たいと思った。

死滅してできてしまった隙間に、なにかを植えてみよう。
芽が出たら、毎日水をあげて、やさしい言葉を掛けてあげよう。
芽はいずれ、大きな樹木へと育つ。その枝と葉で、傘を持たない誰かが雨宿りできるように。花が咲いたら、誰からともなく集まれるように。甘く熟れた果物を皆でもいで美味しさに微笑めるように。

そのために時間を費やしたい。






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Last updated  2007/04/16 01:14:15 AM コメントを書く


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