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僕はマザコンなんでどうしても母の事を書いてしまう。その日は起きた時から左の耳がなんだか熱かった。朝、母を見舞おうと少し離れた病院の駐車場に車を停めた。背中を丸めて病院へ歩き出す。すると朝から熱かった左耳におふくろの声が聞こえる。「もうすぐお別れだね。」と。え?と思ったが不思議にビックリはしなかった。あぁ、ついにこの時が来たんだな、と思った。そして心で返事をした。「今まで本当にありがとうね、かあさん。僕が死んで今度生まれて変わって来る時もまた、僕を産んでよ。絶対だよ。」と。母は仕方ないバカ息子だと言わんばかりに、「わかったよ。」とだけ言ってくれた、ような気がする。涙が少しだけ出た。病院に着くと痛み止めの薬で母はぐっすり眠っていた。時折、今にも止まりそうな深い呼吸を繰り返しながら。そして僕は母の浮腫んだ右足を擦り続けた。そして誰にも聞こえないように昔話を意識のない母としていた。僕の右手は暖かい母の温もりがしっかりと感じることが出来た。日が沈んだ頃,親父が一度家に帰りたいから送って欲しいと言ってきた。僕は母に「ちょっと出かけるから待っててよ。」と大きな声を出して言った。その瞬間だった。母が付けてる酸素マスクが母の吐いた血で真っ赤に染まった。母は確かに言った、「今行っちゃいかん。もう会えんよ。帰ってくるまで待てないよ。」と、確かに言った。僕は急いで看護師を呼びに行った、モニターが室内に運び込まれて母の脈拍を無機質に刻む。急に血圧が下がる。呼吸が減っていく。脈拍も減っていく。大きな声で母を呼ぶ。「死んじゃいかん!」と母を呼ぶ。それを数回繰り返す。最後に僕は母に言った。「かあさん、もう頑張らんでいいよ。」と。「本当に本当に今までありがとう。かあさんの子供に生まれて最高に幸せだったよ。」と心から言った。そして、恥ずかしい話だが母の胸に自分の顔を押し付けた。懐かしい感覚が蘇った。その数分後、母は二度と息をしなくなった。泣いた、ただ泣いた。周りに誰がいようと泣いた。それが今から二年前のちょうど今日の事だった。今三回忌の法要が終わった。遺影の母は今日もやっぱり笑ってる。マザコン男の思い出話ですみませんでした。
2008.12.04
昨年の日記にこんな事を書いた。 昨日は私の42回目の誕生日だった。仕事をしていた時に患者さんが「先生、おめでとう。神様に感謝せんとね。」と言ってくれた。しかし私は「僕は誕生日に神様には感謝しませんよ。僕が誕生日に感謝するのは母親だけです。」と言った。本心である。私は信仰心が他の人よりも多分強いと思う。神も仏も自分なりに大切に思い、行動もしている。しかし、誕生日だけは神にも仏にも感謝しない。だってこの世に生んでくれたのは自分の体の中で十月十日も私を育み苦痛に耐えやっとの思いで生んでくれた母なのだから。だから昨日も私は母にこう言った。 「お母さん、生んでくれて本当にありがとう。」遺影の母は笑顔で言ってくれた。 「お前も42歳か。これからも頑張りなよ。」と。 今年で私は無事に43歳になりました。 「母さん、今年もありがとう。」
2008.10.07
3年前に母を亡くしてから、本当にたくさんの方々にお世話になっています。その殆どの方は私の患者さんです。そして、その殆どの方は私の子供を可愛がってくれています。中でも一番子供の事を気に掛けてくれていたのがMさんでした。母が亡くなって初めて誕生日を迎える私の娘にMさんはこう言ってくれました。「今年はおばあちゃんがいないから私がおばあちゃんになってあげるね。お寿司好きでしょ?おすし屋さん連れて行ってあげるからお腹いっぱい食べるんだよ。」約束通りMさんは私の家族を廻っていない寿司屋に連れて行ってくれました。本当?の寿司屋に行った子供達は大喜びで、遠慮なくトロだのアワビを注文していました。私は今でもMさんの御心遣いに心から感謝しています。それからというもののMさんは事あるごとに私の家族を気遣ってくれていました。先週の月曜日もおふくろのお盆のお供えだよ、と言って 高価そうな果物を暑い中、汗を流しながら持ってきてくれました。まさか、それがMさんを見た最後の姿になるとは思いもせず。人は、いや生きとしいけるものはいつかは今生と別れなくてはいけない事は嫌というほどわかっていますが、なんと命というものは儚く、運命と言うものは非情なんだと改めて思います。昨日の日記で偶然にも「横たわる 蝉を尻目に 墓参り」と書きましたが、まさしく生と死は絶えず私たちに密接している事を痛感しました。まるで二人目の母を亡くしたような今の私ですが、心からMさんに言いたいです。「本当にありがとうございました。心から感謝しています。極楽浄土で母に会ったら息子は頑張っていると伝えてください。そしてまたお会いしましょう。」 合掌
2008.08.19
横たわる 蝉を尻目に 墓参り 故人を偲び、ご先祖に感謝。しかし、ここにも生と死が交差してました。
2008.08.18
今日は青陽会という会で能「松風」のワキをさせていただきました。昔から「熊野 松風に 米の飯」と言われるほど松風と言う能は熊野という能に並んで飽きのこない、いつ見ても奥行きの深い能です。登場人物はシテが姉の松風、シテ連れが妹の村雨、そしてワキの僧です。松風が亡き行平を思い、狂おしいほどの情念にかられます。そして行平形見の烏帽子と狩衣をまとい舞を舞うのです。最後にシテはワキの僧に向かって「我が跡弔いてたび給え」といい合掌をし夜が次第に明けると共に松風も村雨も姿形はなく、ただ須磨の浦に吹く風が磯辺の松を揺らしていた。という能です。素晴らしいですよね!簡単に言えば、ワキ以外はみんな死んでるんですよ。この世にいないのは行平だけじゃなくって、松風も村雨もいないんです、この世に。能の素晴らしいところはこういったとこなんです。生と死、死と生が紙一重の世界で演じ、観る人を魅了するんです。この能は非常にシテ方の能楽師にとって大切な曲です。もちろんワキ方にとっても大切です。(小習い)しかしワキの僧には名前がありません。諸国一見のただの僧です。ただの僧だけども曲は松風。そこが難しい。役作り、能では位取り(くらいどり)といいますがそれがこういった能では難しいんです。もちろん私にはまだまだ出来ません。だから、お尋ねしたんです、お囃子の尊敬する先生に。その先生はおっしゃって下さいました。「石を真綿で包んだようにやればいい。」と。やっぱり能は難しい~
2008.08.17
今日は熊本の水前寺公園に来ました。何故か?今からここの能舞台で能「紅葉狩り」のワキ連れと後見をしにきました。水前寺公園は前にも来た事のある場所ですが前来た時よりもなんとなく寂しいような気がしました。薪能なので夕暮れ前に来たからでしょうか?それとも自分の気持ちが前向きじゃなかったからでしょうか?多分後者のような気がします。よくありませんか?いつも見慣れてるものなのに、なんとなく受ける印象の違うときって。そんな時は大体、自分に原因があるんですよね。でも普通は見たものに原因があると思いますね。間違いです。だって、水前寺公園はず~っと水前寺公園なんだから。
2008.08.02
いや~昨日久米島から帰ってきました。久米島はいい!何が良いって噂通り、何もない!でも誤解しないでくださいね。何もないということは観光客に媚びたような施設がないということです。久米島には溢れるような自然あります。その自然が私たちを出迎えてくれます。青い空、蒼い海と言えば、ありきたりですがそのありきたりの言葉通りの自然が優しく包み込んでくれます。何もない、と言う贅沢さ。名古屋では味わう事の出来ない贅沢さを久米島で堪能してきました。あと堪能といえば、久米島は食べ物が本当に美味しかった事です。今まで苦手だったソーキそばでしたが、久米島のとある店のソーキそばは最高に美味しかったです。他には海皇という中華店の料理も大満足でした。是非もう一度行ってみたい久米島でした。
2008.07.24
明日から、ちょっと早い夏休みをとって沖縄の久米島に行ってきます。沖縄はまだ二回目。久米島はもちろん初めてです。「なにもないよ」と聞きました。「なにもない」贅沢さを味わってきます。では、感想は後日。
2008.07.19

昔はこんな路地がいっぱいありましたね。夏になるとどこともなくみんなが外に出てきて夕涼みをする。うるさい子供がいようと怒る大人なんてひとりもいない。犬が鳴く、猫が鳴く、その音の隙間から風鈴の涼やかな音色。晩御飯のにおいが入り混じる。蚊取り線香のにおいもする。どれをとっても今の私たちの生活から無くなりつつある風景ですね。残したいですよね。日本の音。日本のにおい。日本の心。ありがとう、といつも素直に言える心をいつまでも持ち続けたいものです。
2008.07.15
うちの治療院には4人の学生がいる。学生というのは鍼灸マッサージの専門学校生である。今年入ったばかりの二人の新入生に質問をした。私「治療で一番大切なものは何?」学生A「技術ですか?」学生B「経験ですか?」私「それも確かに必要だけど一番ではないよ。 一番大切なのは愛だよ。」学生AB「・・・・・・」学生達はポカ~ンとしてる。でも、今はそれでいい。 治療の原点は愛である。それは間違いない。 愛の無い治療はどんなに腕が良くても治療経験があってもただの技術の押し売りになりかねない。技術や経験以上に大切なもの、それはやはり愛なのだ。患者さんを時には祖父母と想う。ある時には父母と想い、兄弟と想い、子と想う。私はいつもそう想ってひとり一人の患者さんを治療している。 治療に一番大切なもの、それは愛なのだ。
2008.07.10
今、名古屋は大粒の雨が地面を濡らしてます。まるで梅雨明け前の最後の力を振り絞るかのように。ちょっと~あんまり降らんといてよ~仕事が暇になっちゃうよ!「治療院殺すにゃ刃物は要らぬ 雨の三日も降ればいい」なんて言葉があるかないかは知りませんが、我々開業している者にとって収入を左右する天気は大切な要因です。「ゆうあい鍼療院」http://you-i-relax.jp 私の治療院の名前です。名古屋にある鍼灸マッサージの治療院です。ここで私は日夜診療に励んでおります。だから、「ゆうあい院長」なのです。じゃ~「ワキ連れ」って何?という事になりますよね。皆さん、能楽って知ってますか? そうです。 お面をつけて、舞を舞う。なんだか見てると眠くなりそうな舞台。実は私は能を演じる能楽師でもあるんです。ただしお面はつけません。能は主役のシテ方、脇役のワキ方、狂言の狂言方、お囃子の囃し方という受け持ち分担がはっきりした舞台芸術です。私はその中で脇役のワキ方をしています。ワキ方でシテ方の相手を中心的にするのが「ワキ」といい、ワキの従者や家来の役を「ワキ連れ」といいます。私はまだまだ修行の身ですので、この「ワキ連れ」が多いんです。ワキ連れは正直言って非常に辛い役です。普通で1時間、長い時は2時間近く ジ~ット動かずに座っているんです。無言で、まるで石の様に。。。でもこの時間が案外いろんな事を考えれる貴重な時間なんです。(こんな事を書くと師匠に怒られるかもしれませんが。)治療院での私は本当によくしゃべります。しゃべりまくります。舞台の上での私は殆どが無言です。この二極の状態が非常に私にとって大切な事です。要するに「緊張と緩和」です。皆さん、どちらが緊張でどちらが緩和かわかりますか?これはそのときの私にかわからない時間と空間です。この私にしかわからない時間と空間の中で、私になりに感じたことをこれからも書いていきたいと思います。義務なく、責任もなく、気負いもないブログを書いていきます。あれ?雨やんじゃった!仕事!仕事!!
2008.07.08
新聞広告に載っていた本のタイトルで「求めない」という題の本を見た。「求めない」。新聞に載っていた見出しには、確かこんな内容が書いてあった。「人は求めるから苦しみが生まれる。」ような感じの言葉。そうかな~?「求めない」人間なんているんだろうか?「求めない」生物なんているんだろうか?そして「求める」行為は良くないんだろうか?「求める」という感情や行動はごく自然な事ではないだろうか?人は幸せになりたい、お金持ちになりたい。動物は餌が欲しい、植物は水が欲しい、このような欲求は当たり前だ。仏教用語で「少欲知足」という言葉がある。「欲、少のうして、足るを知る。」という意味。「無欲」ではないんだ。「少欲」なんだよね。「少しの欲を持ちながら、今の自分を幸せだと思え。」という意味だと私は思う。で、少しの欲って難しい。人間はだんだん欲が大きくなる。でも、途中から自分だけではその欲望が達せられなくなる。そうするとどうなるか?何かを「あてにする」。これが厄介だと思う。生きとし生けるものはみんな欲求はある。しかし、それは自分で手に入れる事が出来る分だけの「求める」ものでなくてはいけない。それを超えて何かを「あてする」心が生まれたときに苦しみや、絶望や憎しみまで湧き出てくるのである。コップに入る水は決まっている。それさえわかっていれば何も苦しむ事はない。「求める」心は必要だが、「あてにする」心はあまり必要ではない。ただし、「あてにされる」人にはなりたいものだ。
2008.07.04
世の中には、「よく似てるけど本当は違うんだよ。」というものが多い。あやめ、しょうぶ、かきつばた、見ても全然もわかりません。サツキとツツジこれもわからない。でも、違うんですよね。最近思う、似て非なるもの。「求めない」と「あてにしない」一見よく似た言葉なんだけど、全然違うと思う。この先はまたにしよ。
2008.07.02
1年は早い!特に今年43になる私にとってはほんとに早い。でも、早くて良いとも思う。だって、幸せだからそう思うんだと思う。毎日毎日がつら~い人にとったら一年なんて物凄く長い時間の流れなんだろうね。だから今の私は、このやけに早い時間の流れに身を任せて生きていこうと思ってる。私は文字を書くのが全くもって苦手である。特にこの「ブログ」と言うものは大の苦手である。それは自分の中で何か特別な事を書かなくてはいけないと言う義務感に縛られるからである。読んだ人に共感して欲しいとか、読んだ人の何かためになるとか、そういったものを書かなくてはいけないと自分で思ってしまうのだ。要するに私は人の目を気にして生きている人間なんだ。嫌だね~!だから、今月から書こう!とりあえず、今日は書こう!気負わずに、書こう!人の目を気にせずに、書こう!ありのままを、書こう!嫌われても、書こう!と言うわけで、書きますので。たまには読んでみてください。
2008.07.01
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