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キーワード:限界
節。亨。苦節不可貞
節は、亨る苦節は貞にすべからず。
節とは、節制・節度・節操など、調節をもってほどよく止まるという意味である。およそ物事には一定の枠があり、それを越えないようにほどよく節制すれば亨るのであるが、度を過ごした苦節は固執してはならないのである。
〔大意〕人間の精神は無限ですが、この卦における限界は、大自然の中で物理的限界を暗示しています。これはまた、節度を持って生きなければならないということでもあります。
ほどよく行なえば無理なく通り、持続性があるが、過ぎれば限界にすぐぶち当たる。
日常生活の技術、人間関係は節度が大切です。しかしこういう解釈はいわば易の一般的なので、潜在理論の方から説明するといささか異なった趣きのものになってきます。
たとえば、限界というものはたしかにあるが、それは人間の肉体、すなわち三次元の限界であるにすぎない。われわれの精神はもっと自由でもっと可能性があるものだ。その能性を最大限追求することこそ生き甲斐ではないか。
限界を知ることは限界を乗り越えることである。たとえばオリンピック競技では、開催されるたびに新記録というものが出る。もし新記録がこんなに出なかったとしたら、オリンピックなどとうの昔に消えてなくなっていたでしょう。
わたしたちは想像することにおいて無限だが、物理的にも無限と見ることができる。これは限界を知ることで限界を越えるという意味で、肉体的限界と矛盾はしない。現実にある限界は、人間が自分で「限界である」と思ったことで限界になっているのであって、そう思わない人にとっては限界などはないのかも知れません。
また、世の中には奇跡とか超能力としか呼べないような不思議な、ほとんど常識に反るような出来事がいくらでもある。これなども潜在意識の偉大な働きを知れば不思議でなんでもない。当然のことです。わたしたちが限界を知る必要があるのは「それを乗りえるためである」と思うべきです。
◎ 運勢 泰が傾いて節度・節制が必要な時とみる。しかし実際には節を保ち難い状態になっている場合が多い。
◎ 願望 大事は通達しない時とみる。
◎ 事業 現状の方法では先行き破綻を生じるので節度ある退却が望ましい。極力小規模に縮小して時機を待つ心がけが肝要である。
◎結婚 恋愛関係は節度・節操を守らねばならない。婚姻は仲介者があって礼を履んでいくものは良占である。 夫婦関係では節が乱れて離婚問題に及ぶことが多いので注意が肝要である。
◎交渉事 節度が乱れて希望通りに行かないことが多い。
◎家出人 節度が失われているので戻りにくい占である。
◎待ち人 予定通りには来ないとみる。
◎病気 腎肺系の疾患、それに口腔・関節の病にも注意を要する。特に不節制による病の慢性化や余病の併発が多いので医師の指示をしっかり守らなければならない。
●初 9 :生きるとは潮の流れにそって泳ぐことです。
初九。不出戸庭。无咎
初九。戸庭を出でず。咎无し。
「戸庭を出でず」ということは言動(兌)を慎むことだけでなく、すべてのことに謹慎して自ら節度・節制を守るということであり、そうすれば咎もなく無事を得る時である。
●二9:限界感覚はエレベーターで上昇と下降のボタンを同時に押すのと同じです。
九二。不出門庭。凶。
九二。門庭を出でず。凶。
この爻を得た時は、躊躇しないで、積極的にすすむべきである。ただし、節度ある行動を必要とする。
●三 6 :いまのあなたは持てる力を温存するときです。
六三。不節若則磋若。元咎。
六三。節若たらざれば則ち嵯若たり。咎无し。
節の卦を得た時は、節制が守りにくい、とまず前提をおき、各爻については、陽位の陽は行き過ぎて、陽位の陰は陰柔不才であるとみればよい。そして、三爻は何の卦でも危位であるとすれば、おのずから考察眼が養われていくはずである。
●四 6 :自足の感覚を養いなさい。
六四。安節。亨。
六四。節に安んず。亨る。
●五9:あなたは自然から学ぶ必要があります。
甘節。吉。往有尚。
節に甘んず。吉。往きて尚ばるるあり。
節を保って大いに安泰を得る占である。
●上:身体(肉体)を酷使するのはまちがっています。
上六。苦節。貞凶゜悔亡。
上六。苦節す。貞なれば凶。悔い亡ぶ。
「マーフィの易い」 J. マーフィ(昭和 61 年、産能大学出版部)を参照しています。