作家さんの茶器展覧会の案内をいただいていたお店に今日は行こうと決めていたのだが
雨の様子に心萎え、きっと行けば「おおおおぅ」「うよよよぅ」「こここここれは」
「ようようよう」「一期一会じゃわ」「じゃわ~」
などとにわかへうげものぶって散財してしまうことがわかっているので
雨と涙を飲み込んで外出を中止にした。
だいたい今は物品からなんとか離れようとしているのである。
新しい買い物をしてどうする。
この歳になれば拘りや執着心から少しずつ解き放たれたい。
モノよりもおのれの自由を頼まねばならぬ。
そしてその幸福を噛みしめねばならぬ。弱いからね私は。
モノに紛れてへなちょこの自分を胡麻化しているのはもうなんだか少し情けないんだもの。
(と、微妙な綺麗事を語っているけれどほんとうはただの貧乏。汗)
★
薬丸岳『友罪』読了。
一気に読んだがいやあもう何とも残念だと記しておく。あくまで私には、だが。
「友」にはごく僅かに。しかし「罪」の部分にはまったく微塵も斬り込めなかった。
これなら吉田修一の『さよなら渓谷』のほうがまだマシだったなあ。そっちもハズレではあったけれど。
いや毒舌じゃないですよ、という毒舌。
★
子どもがそれを飲みながら「これは今度はやめてほしいかな」と言うので
「え。なぜ。体質が変わったのか」と訊くと
「体質じゃなくて、この牛乳」
「・・・って?」
「これ、この牛乳。カメムシの味がする」
おまえカメムシ食べたことあるンか―い? というおきまりの突っ込みを入れておいてよく聞くと
「飲みこんだ後に鼻腔に残る匂いがカメムシ」
ということであった。
確かめてみてよと言うが私は今や冷たいミルクで腹を壊す体質になってしまってそんなことはできない。
カメムシねぇ・・・。
確かに何年か前帰省した信州の家でその季節に網戸にみっしりとカメムシがついて
そのざわめきはある種のホラーのようであったが
それが部屋や布団にも多数侵入してたいへんな騒ぎ&臭気になったことがあったっけね。
カメムシ。
みかけはひょうきんで大好きなんだがなあ。生き延びるためのテクが強烈だ。
たぶん集団で越冬し集団で移動する性質なんだろう。
そのときのてんやわんやが脳裏によみがえる。
カメムシ。ふーん。いいにおいじゃん(マジすか)。草みたいな。
そうか今のミルクはきっと季節の草の味がするのかもしれないし
飼料にカメムシが多少は混じってるのかもしれないし
ふーん。いきものってすごいよね 食物連鎖よね
我慢してのめ
君はそこまで大きくなるのにいったい何千本の牛乳を飲んだと思っているんだ
我慢してのめ
というと頑張って飲んでいる。
★
明日は晴れるといいなぁ。
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