豹柄を覗いてみたら 北上するチョウの生態の謎
私の冬期休暇ももう半分。標本にならなかったチョウもあとわずか。そろそろこのテーマも尽きそうです。
今日は三角紙の片隅にわずかに残っていた翅の先端の観察結果を紹介します。なにせごく一部しか残っていなかったのでヒョウモンチョウだけれど何ヒョウモンだっけと、標本と照らし合わせた結果、ツマグロヒョウモンのオスと判明。スコープで捉えた画像を載せます。
ツマグロヒョウモン
上がオス、下がメス。残っていた翅はオスの先端。燐粉は約70μmでした。黒の領域とオレンジの領域が分かれていますが、オレンジの色に濃い部分と薄い部分がありました。この微妙な色の配合がいかにもヒョウ柄に立体感を与えていたんだな。
ところでメスは毒をもつチョウ、カバマダラに擬態しているといわれています。ブラックランプで照らしてみました。先端の白に蛍光を感じました。浮き出て見えたこの白、天敵にどう見えるのでしょうね、興味が湧きます。
このチョウ、温暖化の影響で北上したとの説が有力ですが、バンジーを食べることから園芸ブームでの物流も相当影響したのではと思われます。ここ三河では街中でも平気で見られるようになりました。ちょっと恐ろしいくらいの繁殖力があるのかもしれません。この増加に私自身は少し脅威を感じています。その感覚を抱かせているのは、おそらくオスが近づいてくるチョウに突進する姿を見せるからだと思っています。本当に縄張り意識が強そうです。
このチョウの生態、たぶん色々な方が調べておられるでしょうから、他のチョウが減少する種類の多い中、チョウと人間との生活の共存をどうすることが望ましいのか、一度お話を聞きたいものです。
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