ラッコの映画生活

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2007.06.19
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カテゴリ: フランス映画
DSCENTE AUX ENFERS

85min

*0.jpg

寸評:悪く言えば土曜サスペンス的ですが、それなりにやっぱり映画。特に後半はソフィー・マルソーの演技も良く、なかなか楽しめました。

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タイトルについて:カタカナのタイトルが気になります。ENFERSは地獄の意味ですが、読みはアンフェール。だから『デサント・オ・ザンフェール』ですね。DSCENTEは「下りて行く」という意味で、全体をなかなか良い日本語にしにくかったのでしょうが、自分なら『地獄への道行き』くらいが内容的に考えてしっくりくる感じです。

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ソフィー・マルソーっていうとどうしても『ラ・ブーム』と切り離せないところがあって、しかも(orなのに?)この映画は『ラ・ブーム』でマルソーの父親役だったクロード・ブラッスールと年令の離れた夫婦役。なんとも妙な感じがしました。最初の方はやっぱり彼女の「あのイモ演技」(←批判の対象であると同時に彼女の味でもある)なんですが、後半はなかなか微妙な心理の役作りが出来ていて、そこそこ見応えがありました。

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映画冒頭、場所は夜のハイチ・ポルトープランスのひと気のない場末。男の叫び声が聞こえ、服が血で汚れたアラン(クロード・ブラッスール)が逃げるように歩いてくる。アランは宿泊中のリゾート・ホテルに戻ってきて、人に見られないように自室へ。若い妻ローラはベッドに寝ているが、物音で目を覚まし明かりをつけると服を血で汚した夫アランがいた。「何をしたの?」と問うローラだがアランは何も答えない。場面は変わって2人がフランスからここハイチの空港に到着したときの映像となる。この映画には原作があって、トリュフォーの『ピアニストを撃て』(1959)やジャン・ジャック・ベネックスの『溝の中の月』(1982)と同じアメリカの作家デイヴィッド・グーディスの小説だ。その小説の原文の朗読なのだろうか?、「上手く行かない愛をカバンに詰めてハイチにやってきた」とかいったナレーションが重なる。アラン自身もそこそこ有名な推理小説作家で、ここハイチでもタイプライターで執筆をしているが、アランによって書かれている小説は自分と妻のことを書いているもので、それがこの映画の物語をも説明する。

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アランはローラの姉と5年間つきあっていたらしいが、妹ローラと出会い首ったけになったらしい。一緒に街に出ても望遠レンズを付けたカメラで遠くから彼女を撮影している。撮られる彼女も夫の方を見てポーズをとったり、微笑んだりと和やかな感じだ。しかし一緒にホテルにいても彼女は部屋に閉じこもっていて、夫には悪意はないが冷たく、ほとんど相手にしない。そんな状況でアランは飲んだくれている。彼女はホテルで知り合った若いハンサムな男性に誘われベッドをともにするが、彼女は不感症だ。そんな部屋の様子をアランは外で立ち聞きしている。そんな彼女だが、部屋で先に寝ているベッドに酔った夫が戻ってきて横になると、後から夫の背中を静かに抱き締める。そんな日々の中でちょっとした経緯からアランは現地人の男を殺してしまう。映画冒頭のシーンに戻るわけだ。

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(以下ややネタバレ)
ここまでにも、そしてこの後も、ローラがたぶんアランと知り合う以前の、トラウマとなったある恐怖の体験のフラッシュバックが挿入されている。パリのメトロで男に襲われたらしい断片的記憶映像だ。このトラウマの全貌は最後に観客に明かされるが、この出来事があってから彼女は普通の人々、彼女の言葉で言えば「鏡に表側」ではなく「鏡の裏側」に住むようになってしまっていた。そして夫が殺人犯になることでアランも同じ「鏡の裏側」の住人となる。これまでアランに求められながらも決して口紅を塗らなかったローラは怪我で入院している夫の病室を訪れ、口紅を塗って夫を抱きながらすべてを告白する。

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(以下ネタバレ)


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夫のアランが殺人を犯してからのソフィー・マルソーの役作りはなかなか雰囲気をもっていた。映画としてはこの「鏡の裏側」という彼女の心理がイマイチ明確ではないのだけれど、あるトラウマにより正常な精神生活を持てなくなったローラの喪失したような心理を良く演じていたと思う。このフランシス・ジロという監督の映画はこれまで 『見憶えのある他人(悪魔の囁き)』 『ピンク泥棒』 を見たことがあるが、どちらも伝統的手法で手堅く映画作りをしていた。読んでいないので詳しくはわからないが、デイヴィッド・グーディスの原作小説の雰囲気を映画化するのは難しさがあったと思う。時間的には85分というまだまだ余裕のある長さであり、もう少しローラの心理やなぜ20才も年長のアランに惹かれたのかが明確に描かれていたらもっと面白かったのかも知れない。しかしそれでも特に後半のマルソーは見甲斐がなかなかあった。

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Last updated  2007.07.20 00:51:55
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