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7月24日20時5分頃、桜島の南岳山頂火口で爆発的な噴火が発生したようです。現時点(20時45分)ではまだ詳細な情報がありませんが、噴石は約3km、降灰は桜島北側、姶良市や霧島市の一部から東側に向けて進む見通しで、志布志市を超えて海まで達するかと思います。今のところ降灰情報が中心ですが、今後の噴火状況によっては、鹿児島市や垂水市でも注意報や避難情報が出る可能性があります。現地に皆様は十分にご注意ください。あと私はそろそろ寝ます(明日は初日なのと朝5時起きなので・汗)。それではまた。追記20時50分に気象庁は桜島の噴火警戒レベルを「5(避難)」に引き上げました。現在の対象は鹿児島市です。今後の状況によっては対象地域が拡大する可能性があります。現地の皆様はご注意ください。
2022.07.24
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久々の火山ネタです。といっても日本ではなく、アフリカ・コンゴ共和国の火山ニーラコンゴ山(3470m)の話です。ニーラコンゴ山は山頂にある溶岩湖が有名です。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%82%B4%E3%83%B3%E3%82%B4%E5%B1%B1#/media/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Lava_Lake_Nyiragongo_2.jpg↑はウィキペティアにある画像です。私もいつか見てみたい場所の一つです(たぶん、海外、特にアフリカはですから敷居は高いので、一生見られないだろうなぁ・・・)。さて、ネットのニュース等では、いつ噴火が始まったのか、どのぐらいの噴火規模なのか等、詳細は不明ですが、溶岩流が麓のゴマ市まで到達しているようで、火災などが起きているようです(上のニュースをご覧いただければよくわかります)。住民は隣国のルアンダに脱出しているようです。溶岩流は簡単に人を炭にする灼熱の移動体ですが、速度は遅いので、溶岩流に囲まれる前に迅速な避難を行えるなら、住民にな大きな犠牲は避けられるかとは思います。実際、2002年の噴火時は、近隣住人約35万人が脱出し、犠牲者は250名(ウィキペディア等では150名となっています)となっています。この時点でも大変心配な事態ですが、この地域には、もう一つ恐ろしい「時限爆弾」があります。それはゴマ市の南にあるキブ湖の存在です。キブ湖は、火山活動によって誕生した湖で、現在も湖底では二酸化炭素やメタンガスなどの放出が続いています。これら有毒ガスは湖水に吸収されたり、湖底に沈殿するような形で普段は落ち着いていますが、もし溶岩流が湖に流入しそのバランスが崩れた場合、湖水爆発を引き起こし、有毒ガスを周囲に大量拡散させる可能性があります。最悪の場合、数万人。数十万人が犠牲になるレベルの大災害を引き起こす可能性があるのです(1986年にカメルーンのニオス湖で起きた湖水爆発は、発生が夜間だったこともあり、約20km 圏内にいた約1800人と家畜3500頭を二酸化炭素中毒または窒息で死に追いやりました)。それが最も懸念事項です。また続報があればブログで書きたいと思いますが、・・・アフリカのニュースなどはあまり大きく取り上げられないことが多いから、どうですかねぇ。ともかく、大きな災害にならないことを祈りたいと思います。それではまた。
2021.05.23
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少々風邪気味の私です。今日みぞれの中、法事に行ったのがトドメだったかな。まぁ、毎年冬に1回は風邪ひきますから、今回もとうとうなったという事なんでしょう。寒い一日でしたので、伯母鳥やいとこ鳥たちも大丈夫かちょっちと心配です(今回、従兄鳥も風邪でふらふらしていて、私より重症な感じでしたし)。あと今日はセンター試験だったようですね。受験生の皆さんも体調に気をつけてもらいたいなぁと思います。さて、そんな私の体調とは正反対に、元気な火山があります。それはフィリピンのタール火山(311m)です。フィリピンの首都マニラの約60km南にある火山です。タール火山は今年1月12日に、43年ぶりに噴火しました。↑写真はWikipediaにある噴火前の画像です。火山島で、真ん中のタール湖はカルデラ湖であり、中央火口にあたります。↑AFP電より噴煙の色からすると、火山性ガスとマグマを大量に含んでいるようで、かなり活発な火山活動が続いていることが伺えます。他国の火山のため、噴火前の詳しい状況はわかりませんが、大きな前兆などはなく爆発的な噴火を起こしたようで、水蒸気噴火かマグマ水蒸気噴火なのではないかと思われます。噴火の勢いは、前日に日本で起きた口永良部島の噴火よりも大きく、噴煙は1万5千メートルにたっし、噴火当日にマニラで降灰が観測され、企業や学校の臨時休業や、航空機の運行にも支障が出たようです。昨年末、ニュージーランド、ホワイト等で起きた噴火とは異なり、現在のところ犠牲者は出ておらず、負傷者の情報もないようです。しかし火山活動は依然活発なようで、火山から14km圏内の住人、約4万4千名が避難している状態とのことです。もちろん、マグマが上昇してこなければ、大規模な噴火は起きずに大人しくなっていくはずですが、それを現時点で判断できる材料はありません。今までの噴火で、数千人規模の犠牲者を出させたこともある火山ですし、首都マニラをはじめとする人口密集地帯に近いという事もありますから、まだまだ油断はしない方がいいでしょうね。こうしてみると、火山災害は、台風や大雨とは異なり、長期戦になることがよくわかりますね。日本でも桜島は言うに及ばず、口永良部島にせよ、阿蘇山にせよ、中々大人しくなってくれません。人間の物差しと時間の尺度が違うから致し方ありませんが、火山と上手に付き合っていくのは大変です。・・・そろそろ体がきついので寝ることにします。まぁ、昨年のGWの様にはならないと思いますが、体調に気をつけたいと思います。それではまた。
2020.01.18
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今週は仕事始めの週ですが、スタートダッシュから残業多発の大変な一週間でした(汗)。そんなこともあって、少々疲れていましてブログの更新が滞っています。体力がなくなっているのか、トシなのかよくわからないところです。特に風邪などをひいて体調不良になっているわけではないので、その点はいいんですけどね。今日は実家に行ってきましたが、当初は「天気よかったら、自転車で行こうか」と思っていたんですが、朝起きられず(起きたのは9時過ぎでした。昨晩は夜更かしせずにいつも通りの時間に寝たんですけどねぇ・・・)、時間をおしていたので、電車で行きました。電車は楽と言えば楽なんですが、荷物は背負っていけないといけないし、ずっと立ちっぱなしだったので、それはそれで疲れました。自電車での長距離移動に慣れて身としては、どっちがいいかと言われると、ちょっと微妙です。さて今日は久々に火山関係の話に触れたいと思います。本日1月11日15時5分ごろ、口永良部島が噴火しました。噴煙が2000m上がる規模で、火口から300m程度に噴石などが飛散し、火砕流の発生はなかったようです。口永良部島が噴火したのは、昨年2月でしたので、11ヵ月ぶりです。私が見た映像は15時半ぐらいのものでしたが、黒煙が多く見られました。これは噴火により、噴火口の拡大が続いているためと思われます。当面、今日のような噴火活動が発生しやすい状況が続きそうです。というと、心配される方も多いかと思います。また煽り記事が書かれるかもしれませんが、現在のところ大規模噴火の兆候とか、そういうものはありません。今までの火山活動で上がってきたマグマが放出されたという感じですね。気象庁も噴火警戒レベルは3(入山規制)を維持したままで、警戒レベルの上昇はしていません。現時点では、大きな変化(例えば噴火により、マグマが大きく上昇しているといった感じの)がないためでしょう。もちろん油断しすぎでは禁物です。口永良部島の問題というか心配な点は、現在噴火の方向は市街地の反対側方向なのでいいのですが、これが市街地の方に大きめな噴火が起きた場合です。間に遮るものがない下り地形な事です。いざという時は、迅速に避難できるよう、住民の皆様はご注意いただければなぁと思います。また風向きの関係で、現在隣の屋久島、種子島に大量の降灰が予想されます。雨に交じって火山灰が降った場合、年度のような感じになって屋根にへばりついたり、電線やアンテナなどを損傷させる可能性がありますので、その点にもご注意ください。そうそう火山と言えば、最近はあまり煽り記事で触れられていないかもしれませんが(自分が心筋梗塞後、事後に悪いので、その手の煽り記事を避けているのでちょっとわからないんです)、阿蘇山は元気で活動中です。昨年10月7日に始まった噴火は、1月6日まで続きました。ようやく止まったと思ったら、1月7日にまた始まり、10日16時時点(気象庁の現時点の最終発表時)で継続中の様です。いい加減、大人しくなってほしいものですが、こちらはマグマの緩やかな供給が続いているようなので、まだ無理なようです。せめて、私が阿蘇山に行く頃には、大人しくなっていてほしいものです(自己中鳥)。それではまた。
2020.01.11
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お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りいたします。また負傷された方にお見舞いと、行方不明になってる方々の安全をお祈りいたします。今日日本時間の午前10時すぎ、ニュージーランド北部にあるホワイト島の火山が噴火しました。写真はAPF通信社の報道より引用しましたこの島は無人の火山島で、観光スポットとして人気にあるところだったようです。噴火時、50~100名の観光客がいたようで、日本時間13時時点で、5名が死亡(1人はガイドだったようです)、20名以上が負傷、また連絡をとれない方も相当数いる状態とのことです。噴火規模はさほど大きくなかったようですが(ニュージーランドの基準では、中程度だそうです)、火口内ではほぼゼロ距離での噴火遭遇ですからねぇ。2014年の御嶽山噴火と、状況的には似ていますね。この島は火口内まで観光客が入って見られるため、人気があったようです。観光客が火口内を歩いている姿と、その後の噴火により暗転する映像がネットサイトなどで出ているようです。ニュースを見て感じたのは、明日は我が身だなぁという点です。もし私がニュージーランドに旅行することがあれば、たぶんこの島も候補になっていたことでしょう(ただし、ニュージーランドは火山国で、他にも火山がたくさんあるため、他の山で満足していかない可能性も大きいですが)。火口内を見学できるとなれば、真っ先に私は見に行くと思いますから、今回のような噴火があった場合、まず間違いなく巻き込まれてますね。そう考えると、他人事ではありませんね・・・。火山馬鹿が高じた人生・・・じゃない、鳥生おくってますから。少なくとも、親鳥たちが健在な間は、巻き込まれないよう気をつけたいと思います。それではまた。
2019.12.09
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↑共同通信の写真より。もしかしたら写真中央の噴煙下、下にくだって見える煙は、火砕流のように見えます。本日、1月29日17時13分頃、口永良部島で火砕流を伴う噴火が起きました。噴煙の高さは4千m、火砕流の流下距離は南西側に600mとのことです。噴火は19時15分ごろ停止しました。17日の噴火時は、噴煙が6千m、火砕流は、最大約1.9km(北西側です。南西側には、約1.6kmでした)なので、先日よりは規模が小さい噴火でした。今のところ、大きな地殻以上は起きていないようなので、マグマのチャージはないようです。これまでたまったものを吐き出している感じです。まだまだチャージしているマグマ量は多いので、当面、先日と今日の規模ぐらいの噴火が継続しそうです。気象庁は火口から2km圏内を危険としており、この判断を訂正するような危険な感じではありません。しかし、活発な火山である以上、状況が変わる可能性もあります。現地の皆様は、いざというときは、自治体の指示にしたがって冷静に従ってください。それではまた何かありましたら、ブログに書きたいと思います。
2019.01.29
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今日は阪神・淡路大震災から24年目になります。あの頃私大学生だったなぁ、ずいぶん時間がたったなぁと感じます。干支も2回回ってしまってますしね。さてそんな今日に、口永良部島で火砕流を伴う少し大きめの噴火が起きました。噴火は本日9時19分に始まり、15時27分まで継続しました。噴煙は約6千m上がり、噴石は新岳火口から南西側に最大1.8km飛んだのを皮切りに、おおむね1km圏内に飛散したようです。また火砕流の発生も確認されています。新岳火口から北西側に約1.9km、南西側に約1.6km、東側に約1kmの達しています。隣の屋久島、種子島にも降灰が確認されています。火山性ガスの放出量は2200トンとのことで、前日の16日が200トンでしたから、11倍になっています。これは噴火によって、一気に火山性ガスが放出されたためです。さて気象庁発表の写真のちょっとした補足です。上の写真の下の方の写真(わかりにくい表現ですね・汗)の部分です。写真で灰色になっているところがありますが、これは火砕流の跡です。火砕流の跡を見ていると、火口から谷沿いに進み、山の尾根を乗り越えられずに進路を写真右手下方に変えた様子が、写真からうかがえます。矢印は私が付けたものですが、こちらの方向が口永良部島の市街地があります。距離にしてあと1.2kmぐらい先です。今回の火砕流が越えられなかった尾根を超えると、あとは遮るものがありません。その点が口永良部島の怖いところです。気象庁は現在のところ、噴火警戒レベルを「3 入山規制」から変えていません。久々に大きめな噴火は起きましたが、大きな地殻変動(つまり、マグマの上昇)が起きておらず、火山性地震や火山性微動なども、極端に増加していないからのようです。ただし、今後の様子によっては判断が変わる場合もありますから、現地の皆様は、自治体からの指示にご注意ください。また、今回噴火で、「南海トラフが」とか、「〇〇カルデラが」と言い出す新聞や日刊紙、どこぞの大学教授なる輩が出るかもしれませんが、「ナントカの一つ覚え」の煽り商法ですので、完全無視で大丈夫です。このぐらいの規模の噴火が、いちいち大進化や大地震の前兆なんぞになっていたら、地球は生物の住めない死の星になっています。読むだけ時間の無駄です。とまぁ、今はそんな感じです。また続報がありましたら、ブログに書いていきたいと思います。※写真は気象庁発表の報道資料からの引用です。
2019.01.17
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お墓参りに行って、その後寝ていたので、ピンと来ていませんでしたが、インドネシアのジャワ島とスマトラ島で、津波が発生したようです。となると、津波の発生場所はスンダ海峡ということになりますが、もしやと思ってちょっと調べてみたところ、津波の原因は、スンダ海峡にある巨大カルデラ火山、クラカタウの噴火が原因のようです。つまり、噴火によりクラカタウの山体の一部(特に地上では見えない海底部分の山体の崩れが酷いようです)が崩壊し、大量の土砂岩石が崩落、海面になだれ込んだことが、津波を引き起こしたという図式のようです。いわば、島原大変肥後迷惑と同じような形です。津波による犠牲者は200人を超えたということです(12月23日20時時点)。亡くなった方々のご冥福と、被災された方々へお見舞いを申し上げたいと思います。クラカタウというと、「西暦535年の大噴火」としてブログで不定期に書いていますが(先日、英ノッティンガム大学と米メーン大学の研究チームが、535年(正確には、536年に起きたとの説です)の大噴火を引き起こしたのは、アイスランドの火山という説を発表しています。クラカタウとどちらの説が正しいかは、まだ何とも言えません。もともとアメリカの研究機関は、クラカタウではなく、自国にあるカルデラ火山の噴火が原因という学説を唱えていましたので、いわば邪馬台国論争と似た感じになりそうな感じです)、やはり火山活動が活発な山なんだなと、改めて実感しました。なお、現在のクラカタウに、カルデラ噴火を起こせるほどのエネルギーは蓄えられていないと考えられています(西暦535年前後にカルデラ噴火を起こしていた場合ですが)。しかし、約3万7千人の犠牲者を出した1883年の大噴火や、2004年に起きたスマトラ地震と、それに伴う津波を引き起こすぐらいのエネルギーは、十分にあると思われます。カルデラ噴火は大丈夫だからと、油断できる山ではありませんので、怖がりすぎず油断しすぎず、また他人事ととらえずに、防災・減災意識を高めていきましょうね。それではまた。
2018.12.23
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フエゴ山噴火でお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りいたします。また、被災された方、負傷された方にお見舞い申し上げます。日本でも草津白根山に始まり、新燃岳に硫黄山(いずれも霧島山)の噴火があり、ハワイ島でもキラウエア火山の噴火が続いています。そして本日、中南米のグァテマラにあるフエゴ山が噴火が起きました。http://www.afpbb.com/articles/-/3177105?pid=報道によると、犠牲者は「溶岩流に囲まれて逃げ場を失った」とのことですが(AFP電やCN等)、写真を見る限り、溶岩流は確認できません。むしろ、感じからすると、火砕流の直撃を受けたのではというのが、個人的な見解です。さてフエゴ山ですが、標高3763mの活火山で、2002年以降は毎年噴火している山です。名前の由来からして、スペイン語で「炎」を意味しているそうですから、スペイン人が同地に進出した16世紀位から、火山活動が活発な山であるのが伺えそうです。現在のフエゴ山ですが、今回の噴火で大きな圧力はいったん解消されたのか、やや落ち着いているようです。しかし大量の火山灰により、首都グァテマラ市(フエゴ山から南西に40km位しか離れていません)の国際空港が閉鎖するなど、大きな混乱が続いているようです。ただし噴火頻度の高い火山であることを考えると、今後も噴火が継続する。もしくは、いったん大人しくなったとしても、数か月後にはまた火山活動が再開するという感じになりそうです。今年は火山の年だなぁと、あらためて実感しました。PSフエゴ山の噴火は現地時間の6月3日です。6月3日というと、43人の犠牲者を出した雲仙普賢岳の火砕流災害が起きた日になります。もちろん、27年前の雲仙の噴火が、フエゴ山が噴火したわけではありませんし、日付もただの偶然ですが、何やら運命めいた感傷を感じてしまいそうになります。どちらの犠牲者の方々にも、心からのご冥福をお祈りいたしたいと思います。
2018.06.04
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いまだ「霧島山ロス」の私です。例えばこの時間、日曜日は〇〇をしていたなぁとか、そんな感じの事をついつい考えてしまいます。今日もまだ、「霧島に帰りたい」という気持ちのウエイトが高い感じです。住む所や仕事かそういうことを考えると、移住は無謀なんですよね・・・。さて昨日14時44分に、霧島山・新燃岳が噴火しました(噴火は16時10分ごろまで継続したようです)。噴煙が500m上がる規模で、宮崎県都城市などで降灰が確認されたようです。今のところ、火砕流や気象庁の設定した規制範囲(火口から3km以内の立ち入り禁止)外に、噴石などの被害はないようです。まぁ、噴火の規模自体はあまり大きくありません。5月5日のブログでちらっと書きましたが、今の新燃岳は火口付近の岩盤が脆くなっており、マグマが上昇し始めると、抑えきれずに噴火に至ってしまう傾向があるようです。今のところマグマの大きな上昇は起きていないようなので、噴火は1時間半余りで終了しましたが、蓄積されたマグマのチャージ量は多いので、今後もちょこちょこ噴火が起きそうです。・・・それにしても、運がいいのか悪いのか。私が鹿児島を飛行機で発ったのは11時ごろです。もし噴火が4時間ぐらい早かったら、飛行機の運行に遅れなども出て、少し変えるのが遅くなっていたかもしれません。また、もし1日早く噴火していたら、ちょうど御鉢から高千穂河原のビジターセンターにたどり着いたかどうかというタイミングで、噴煙を頭上に見たかもしれません。スケジュール通りに行動できたという意味では、運が良いものでしたが、噴火の様子を自分の目で観察したかったという想いもあります。まぁ、私ごときが観測したところで、火山学の発展には寄与しないので、ひれは傲慢な意見ですね(反省)。霧島の火山活動は、小さい噴火がぽつぽつ継続する状態が続くと思われます。現地の皆様には心よりのお見舞いを申し上げます。それではまた。
2018.05.15
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本日18時15分ごろ、霧島山・硫黄山で6日ぶりの噴火が起きました。噴火規模は極めて小さく、噴石などの大きな飛散は起きていません。私も気象庁の監視カメラの画像を見ましたが、たぶんはた目には噴気で、噴火したのかわからない程度のものですね。http://www.data.jma.go.jp/svd/volcam/data/volc_img.php気象庁の発表では18時15分ごろとのことでしたが、14分49秒の画像でマグマ成分を含んでいると思われる噴煙を確認できますので、発表より若干早い噴火時間のようです。また24分55秒の画像ではマグマ成分は見受けられないので、今回の噴火時間は10分程度のものだったようです。さて今回の噴火ですが、噴煙の色を見るか過ぎり、火孔の拡大などは起きていないようです。傾斜計の変動も確認されていません。噴気も水蒸気の噴出が多いのが見受けられます。ですので、明日にでも大きめな規模の噴火が起きるというわけではなさそうです。傾斜計の変動が観測されていないことから、大きなマグマの貫入も起きていません。しかし噴火が起きたのに縮んでもいないわけですから、山体内部にあるマグマの高止まり状態は変わっていませんので、火山活動は継続する見込みです。現在のところ、取り立てて大騒ぎするような危険な兆候はありません。現地の皆様はどうか落ち着いてください。また万が一、立ち入り禁止エリアの拡大などが発表されたとしても、慌てず、自治体の避難誘導に従ってください。それではまた。
2018.04.26
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ふぅ、今年は火山に年ですね。本日4月19日、15時39分ごろ、霧島山・硫黄山がとうとう噴火しました。気象庁は、今後も噴火が継続する可能性があるとして、噴火警戒レベル3(入山規制)に上昇させ、2km以内の立ち入りが規制されました。↑今回の規制範囲は2kmという人ですから、韓国岳から大浪池て前まで、えびの高原の観光地などがその範囲となります。今回の噴火が新燃岳噴火よりも影響が大きい点としては、霧島市からえびの市方面を通る県道1号線に交通規制が出る点でしょう。現地の方々の生活にも影響が出るかもしれません。心よりお見舞い申し上げます。↑朝日新聞の報道写真より。手前で噴気を上げる硫黄山、その向こう側にそびえる韓国岳、その先で噴気を上げる新燃岳、その奥の御鉢、高千穂峰が一枚に収まった実に素晴らしい写真です。さて20を超す火山の集合体である霧島山の中で、硫黄山は最も新しい火山になります。最初の噴火したのは、12~14世紀ごろ(鎌倉時代後期から室町時代ごろ)の事と言われています。現在の山体となったのは250年前の明和5(1768)年の大噴火で、この時の噴火で隣の韓国岳の西側に火口壁が崩壊しています。つまり誕生から700年か、500年ぐらいという山ですから、活動は活発な山になります。ここ数年、噴火警戒レベルの上昇と解除を繰り返していました。硫黄山近辺のマグマは、新燃岳の噴火の燃料となることが多く、霧島山の中でも地殻変動の激しいところでした。今回も新燃岳にマグマが流れたから噴火しないで終わるかな? とも思っていましたが、とうとう噴火に至ったようです。噴火時仕事中だったため、噴火した瞬間の映像は、残念ながらみられていません。ただその後の画像を見てみると、噴煙の色はほぼ白に近く、水蒸気が中心のようです。最初の噴火時こそ、噴石などを飛ばしていたものの、火口の拡大は現時点では起きていないようです。現時点では、気象庁の詳細なデータは公表されていないので、前兆があったのかは不明ですが、水蒸気噴火かマグマ水蒸気噴火の可能性が高いように思われます。今後、大きな火山活動に発展するか、それとも一発だけの噴火で終了するかはなんとも言えません。硫黄山自体、箱根山の大涌谷と同じように、もとから噴気が多いので、火山活動の終了を判定するのは難しそうですし、当面は規制が継続するかなと思います。はぁ、それにしても今年の霧島山はいろいろやってくれますねぇ。GWは、どうにかして霧島山に行ってみようか、えびの高原側からは無理だけど、韓国岳は規制対象外だし、うまくすれば登山できるかもなどと考えていましたが(まぁ、今月は母鳥も入院していたので、計画だけで終了になる恐れが濃厚でしたが)、これで御鉢以外は登れなくなってしまいました。なにやら結婚直前に恋人と破局した気分で、何とも鬱です(溜息)。早く大人しくなってほしいなぁ。それではまた。
2018.04.19
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今週もまだまだ仕事が忙しい感じです。なんか、4月にならないと楽にならない感じかなぁ(汗)。まぁ、年度末の追い込み中なので仕方ないかな・・・。とりあえず、先週のような午前様はないと思うので、倒れないようよう気を付けたいと思います。そんな感じで、あまりブログを書く時間がありません。煽り記事も何件か見かけていますが、ぶった切ってやる時間がありません。ふん、運のいい奴らめ(おいおい)。「霧島山噴火で巨大地震・・・」なんて書いているあほ記事を見かけましたが、霧島山は新燃岳載せよ、御鉢にせよ、もともと噴火頻度の高い山です。それに強引に結び付ければ、南海トラフ地震でも他の直下型手地震でも、いくらでも紐づけられることが出来てしまうのです。つまり、なんでも当たっているように見えてしまうということです。手口は霊感商法と同じです。そこに科学的な根拠はありません。そんなことをどや顔で言っているやつを見かけると、くちばしで頭に風穴を開けてやりたくなります。風通しが良くなれば、少しは中の鈍った脳みそもまともになるでしょう。まぁ、私は平和的な性格の鳥なので、そんなことはしませんが(にたり)。とまぁ、それはさておきまして、ふと動画サイトなどで、新燃岳の映像とかアップされていないかなと思いまして、探してみました。それで今回見つけたのが、3月10日早朝に新燃岳が爆発的な噴火を起こした際の画像です。撮影場所について書かれていないので何とも言えませんが、噴煙の流れていく向き、手前にある街の明かり、温泉の水蒸気とおぼしき煙から、霧島温泉郷の方からの撮影かな?映像を見た第一印象は、「美しいな」でした。夜空も美しいし(動画開始から3秒目ぐらいに、流れ星も見えます)、暗闇に浮かび上がる火柱は、神々しさすら感じました。とまぁ、画像に見とれていないで、解説もどきをしたいと思います。画像が始まった際に赤く見えるのは、火映現象でしょう。高温で勢いよく噴出されたガスが、噴気や噴煙に反射して、炎のように見える現象です。噴火が始まったのは23秒目位、それが爆発的な噴火に大きく拡大したのが、34秒目ぐらいです(兆候は29秒目ぐらいに感じます)。40秒目ぐらいから、山が真っ赤に染まっていきますが、あれは溶岩があふれ出したのではなく、火山弾が絨毯爆撃するように山腹に降り注いだ結果です。もしあの中にいたら、焼け死ぬのが早いか、火山弾で頭や内臓を破壊されて死ぬのが早いか。嫌な二択となるでしょうね。48秒目ぐらいから大きくなっていく噴煙は、爆発的噴火によって破壊された岩盤が主のようです(もちろん、有毒な火山性ガスも大量に含まれていると思いますが、夜ということもあり、ちょっと見分けがつきません)。火口が拡大している様子が伺えます。 1分6秒ぐらいで爆発音が聞こえてきました。爆発的な噴火が始まったのは、34秒ぐらいですから、撮影場所は、新燃岳火口から10~11km離れたところと推定できます(温度や湿度などによって変化しますが、音の進むスピードは1秒約340mです)。また1分57秒目ぐらいでは、噴煙の中でパッと光りますが、これは雷です。噴煙の細かい粒子同士が摩擦でこすれあい、結果雷が生じます。火山噴火時に落雷はつきものなのです。この日の噴煙の高さは4500mと言われています。画像でも、もくもくと噴煙が高く上がっていく様が見て取れます。これをみて怖いと感じる方の方が多いのかもしれませんが、火山馬鹿の私は、ああ、近くで見てみたいなぁという気持ちを強く持ってしまいました。え? だったら今すぐ行ってこいって? ふ、行きたいのはやまやまだけど、お金ないんですよ。職に就いたばかりだし(涙)。仕事と住む場所とお金と、次いでにかみさん付きなら(だんだん要求が大きくなる鳥)、霧島でも阿蘇山でも、近くに住みたいと思うんですけどね・・・。そんなわけで、鳥類を婿養子に欲しいという阿蘇や霧島の方がおりましたら、ぜひともお声がけくださいませ(そんなオチでいいのか鳥類)。それではまた。
2018.03.20
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↑3年前に大浪池から撮った新燃岳。雲がかかってよく見えませんでした。今日は天気が猫の目のように変わる一日でしたねぇ。夜中は大雨で、朝は雷に起こされました。昼は「暑い」と言いたくなるほど暖かくなりました。何とも変な一日でしたねぇ。家に帰ってきて、のんびりとネットのニュースを眺めていたら、霧島山の新燃岳が噴火としたという話を見聞きしました。ふぅ、今年は火山の当たり年ですねぇ。気象庁の発表によると、本日3月1日の午前8時ごろより、新燃岳の浅い部分で低周波地震が頻発し始めたようです。そして11時ごろに噴火という流れのようです。噴火規模は極めて小さいようですが、17時杉にも噴火が継続していることが確認されています。気象庁が急きょ行った現地調査では、火山性ガスの放出量は5500トンに及び、前回の調査(2月2日)の90トンより、大幅に放出量が増加していることを確認しました。火山性地震は噴火から10時ごろまでが73回(速報値。後で変更になる場合があります)、10時から12時までが33回、12時から16時までが26回となっており、さほど急増している感じではありませんが、火山性微動は12時までが2回だったのに、それ以降は継続発生中です。マグマの動きが活発な様子のようです。そういった点から、気象庁は新燃岳の噴火警戒レベルを3(入山規制)に引き上げました。火口から3kmの立ち入りが制限されました。今のところの噴火規模は、7年前の噴火規模が上限と私は見ていますが、いずれにしても降灰などの被害が発生する可能性があります。現地の皆様は十分にお気を付けください。今後も状況を追っていきたいと思います。それではまた。
2018.03.01
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久々阿蘇山情報です。と言っても、危険な話ではなく、良いニュースです。阿蘇火山防災会議協議会は26日、阿蘇山・中岳の火口周辺への立ち入り規制を28日午前10時半に解除すると決定しました。規制解除は3年6か月ぶりです。2017年2月に噴火警戒レベルが2(火口周辺規制)から、レベル1(平常。活火山であることに留意)に下げられていましたが、火口周辺への立ち入りは禁止されていました。今回の規制解除で、それが解禁になります。これで阿蘇山の火口を見学することは可能になりました。いやぁ、よかったと言いたいところですが、2016年10月の噴火以来、ロープウェーはいまだ運行のめどが立っておらず(代行バスの運行が予定されているようです)、また登山道は熊本地震の影響で未だ不通箇所が多いので(中岳、高岳方面の登山道はほぼ全滅状態です)、見学手段は限られるようです(溜息)。私としては、仙酔峡から登山して、中岳火口を見学したいという野望があるのですが、それが実現するのはいつの日になることやら・・・。でも、一歩一歩復興と再建が進んでいることには違いありません。明るいニュースだなぁと思います。それではまた。
2018.02.26
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今日は残業でくたくたです。通勤時に、昨日の雪の影響はほぼなかったのですが、届くはずのものがこない、送るはずのものが遅れないトラブルが頻発で、流通系のダメージをじわじわと感じた一日でした。そして家に帰ってきてネットを見たら、草津白根山の噴火の話が載っていて、またまたビックリしました。↑気象衛星ひまわり8号が捉えた噴火の様子です。非常にわかりにくいですが、噴火によって発生して噴煙が、東側に流れています。亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げます。また、怪我をされた方にお見舞い申し上げます。今回の噴火も真っ昼間か・・・。御嶽山と言い、明るい時間に噴火が起きると、死者が出ることが多い事がよく分かります。草津白根山は、平成26(2014)年6月に火山活動の高まりから、噴火警戒レベルが2(火口周辺規制)に引き上げられ、昨年6月にレベル1に下げられました。結局、警戒していた頃は結局噴火しなかったわけですが、それが本日、突然に噴火しました。この1年ぐらいのデータを見ますと、昨年一年間に発生した火山性地震の回数は278回、GNSS連続観測のデータも、平成27(2015)年位をピークに緩やかに下降しており、磁力測定でも緩やかに温度低下の兆候が示されており、火山活動動は低下していました(気象庁の火口周辺規制解除の判断は、妥当だったと思います)。今日の臨時に発表されたデータを見ますと、前兆無く噴火から始まっているように見られます(噴火が起きたと思われる午前9時59分から午後4時までに発生した火山性地震は382回に及んでいます)。前兆無く噴火が起きる場合、水蒸気噴火もしくはマグマ水蒸気噴火のケースが多いので、個人的にはどちらかと見ていますが(両者の違いは、火山砕屑物の中に、マグマ成分かあるか無しかです)、今のところ、気象庁は判断を下していないようです。今回噴火時に雪崩が起きたと報道されています。ただし映像などを見た感じでは、例えば噴出したマグマや高温の水蒸気に触れて、融解して雪崩が発生したようには感じられませんでした。そのような場合、鉄砲水のようになって、広域に泥水が流れる場合が多いのですが、今回はきわめて局地的なようです。噴火時の振動で積もった雪が崩れの他ではと見ていますが、この辺もさらなる調査待ちです。今後の状況ですが、今のところ火山性地震は急減しており、現時点のデータを見る限りでは、火山活動は低下してきているようです。ただし火口が開いたばかりであり、噴火の圧力が抜けきったとも言えない状態ですので、今回と同程度の噴火が起きる可能性があると、当面注意した方が良さそうです。また草津白根山は、国道が近くを通り、スキー場なども多いので、人がいる場所まで、噴石が3飛んでくる可能性は、なきにしもあらずです(亡くなった自衛官は、噴石直撃が死因と報道されています)。現地の皆様は、自治体が出す火山情報に注意して下さい。PS亡くなった自衛隊員は第12旅団の隊員で、災害救助にも役立てる積雪地訓練中だったとのことです。同旅団は御嶽山噴火の時、救助と捜索活動に当たった部隊です。なんとも心が痛い。心からご冥福をお祈り申し上げます。PS2今日1月23日は八甲田山雪中行軍遭難事件が起きた日です(明治 35(1902)年)。まぁ、八甲田山が噴火したわけではありませんから、ただの偶然ですが(毎日が誰かの命日であり、何かの災害の起きた日と言っていいですから)、こんな日に噴火しなくてもと言いたくなります。PS3アラスカ南部でマグニチュード7.9の地震が発生しました。もちろん、草津白根山噴火との因果関係はありませんが、絶対それを結びつけた煽り記事が出るんだろうなぁと、今からげんなりしています。PS4フィリピンのマヨン山でも、22日、23日と噴火が起きたようです。・・・このことも煽り記事のネタにされそうですねぇ・・・。マヨン山は火山活動が活発な山で(確か数年前にもブログで触れた記憶があります)、昨年から火山活動が活発化していました。
2018.01.23
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21日にとうとう噴火したバリ島アグン山ですが、現在活発な噴火活動が続いています。3000mを超す噴煙が上がる規模となっており、バリ島の国際空港は閉鎖されました(現時点では、火山灰などの除去のため、24時間の閉鎖の予定のようです)。観光客などの中には、島で孤立している人も出始めているようです。↑時事通信と、AFP通信の報道写真です。火口が拡大して、マグマ成分を多量の含んだ噴煙が上がっていることが伺えます。インドネシア当局は、噴火警戒レベル最大の4に引き上げました。アグン山から10km圏内の住人に避難勧告を出しました。新たに4万人の住人が避難中とのことです。アグン山が阿蘇山や霧島山と異なるのは、麓に大勢の住人が住んでいることです。もし噴火すれば、一気に麓の村々が飲み込まれる可能性があることです。1963年の噴火では、避難が間に合わず約1100人が犠牲になっています。その意味では、カルデラ噴火を起こさない限り住人に犠牲が出にくい阿蘇山や霧島山よりも、直近の危機が近いと言えます。アグン山が大規模な噴火を引き起こすか、現在のレベルでの噴火で終了となるかはなんともいえませんが、当面は警戒が必要なようです。なお、アグン山が大きな噴火を引き起こしたとしても、日本の火山や南海トラフなどに与える影響はありません。そういう煽り記事が出ても、毅然と無視しましょう。それではまた。
2017.11.27
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このブログでも9月にちらっと触れましたが、インドネシア・バリ島のアグン火山に噴火の兆候が出ていました。その後膠着状態になっていましたが、昨日21日現地時間午後5時5分(日本時間に直すと6時5分)に、とうとう噴火しました。といっても噴火規模は小さいようで、噴煙が700mほどあがる程度のようです。落ち着いた状態になっていたところに兆候無く噴火していることから、水蒸気噴火の可能性が高いのではと個人的に思っています。なお、今回の噴火で空港などの閉鎖はなく、交通に問題はありません。また今回の噴火が、大きな噴火の呼び水になるかはなんとも言えません。大きな火山活動の活発化は起きていないようです。当面は推移を見守る感じでしょうか。それではまた。
2017.11.22
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今日は簡潔に、動画の紹介です。メキシコのポポカテペトル山(5426m)が11月10日に噴火したようです。動画はその時の映像です。大きな噴煙が上がる一方で、何か霜、煙のようなものが山を覆いながら下降していきます。これは火砕サージのようです。火砕サージは、火山噴火の際に発生する現象の一つで、数百度を超す高温のガスが噴出したものです。火砕流と似ていますが(火砕流が発生するときは、たいてい火砕サージも発生いたします)、気体の成分が多く火砕流のように遠距離を進むことはありません(だいたい5kmぐらいが限界といわれています)。もちろん、数百度の熱風ですから、巻き込まれれば一瞬で死亡する恐ろしいものです。火山の力はすさまじいなぁとつくづく思います。それではまた。
2017.11.14
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写真(10月14日発表の気象庁の「霧島山(新燃岳)の火山活動解説資料」より)で見ると、今回の噴火口は新燃岳火口の東側からのようです。11日に噴火した新燃岳ですが、噴火は13日まで継続して一端終了しましたが、14日8時23分から噴火が再開しています。噴煙が2300m上がる規模で、北東方向に降灰が続いているようです。↑降灰は風に乗って結構遠方まで広がっていますね。 火山性ガスも1400トン(10/13時点)と多めです。ただし現在のところ噴石や火砕流は確認されていません。先日のブログでも触れましたが、山体膨張の傾向は続いており、マグマのチャージは続いているようです。噴火活動は当面継続しそうです。今のところ加久藤カルデラが破局噴火! という兆候はありませんし、人家や集落を襲うような、大規模な噴火になる兆候はありません(まぁ、あの辺りは人家ありませんし)。ただし噴火の勢いが強くなれば、火口から2km圏内ぐらいに大きな噴石を降らせたり、火砕流が発生する可能性があります。また降灰による被害は拡大する可能性がありますから、現地の皆様はご注意ください。それではまた。
2017.10.14
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昨日軽く霧島山新燃岳の事に触れましたが、まさかこんなに早く噴火に至るとは思いませんでした・・・。ブログで載せた10日の写真では、出ている噴煙はほとんど水蒸気が主体だったので、噴火に至るとしても、まだもう少し先になると思っていましたが、やはり火山噴火の予測は難しいものです(汗)。本日の噴火で、新燃岳は噴火警戒レベル3、入山規制となりました。火口から2km以内は、噴石などが飛来する恐れがありますので、立ち入りできません。 これは本日(10/11)発表された気象庁の資料ですが、9日の約40分に及ぶ火山性微動の後に、急速に山体が膨張していることが、データからうかがえます。・・・なるほど、こりゃ噴火するわけだわ。こんな急速に山体が膨らんだということは、マグマが一気に上がってきているというわけですから、さもありなんです。 上は朝日新聞に載った新燃岳の写真です。 画像から見ると、10日の噴煙とは異なり、11日の噴煙には、マグマがかなり含まれているようです。ここまではっきりとマグマが見て取れるということは、今回の噴火形態は、マグマ噴火かマグマ水蒸気噴火のどちらかかなと思います。現時点も山体の膨張が続いていることからすると、今回の噴火で新燃岳内部の圧力は軽減していない。むしろ噴火を契機に、マグマの貫入が続いていることが推測できますので、6年前の噴火規模を上限とする位の大き目な噴火や、桜島のような、長期間に及ぶ小規模噴火が続く可能性が考えられます(あくまで本日時点のデータなどから、鳥類が推測したものですので、ご了承くださいませ)。ふぅ、新燃岳も大人しくなり、硫黄山が沈静化したら、霧島山縦断ルートの再開する日も近いと思っていたのですが・・・。 ともかく、今後も気を付けて追ってみたいと思います。 現地の皆様にはお見舞い申し上げます。
2017.10.11
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今年は日本の火山は大人しめですが(元気なのは、桜島位かな)、最近、インドネシアや太平洋の火山は元気なようです。先日バリ島アグン山(3031m)の事は、ちらっと触れましたね。現在も噴火は起きていませんが(9/28 20時時点)、火山活動が日々活発化しています。28日現在、すでに13万人の住人の方々が避難しているようです。アグン山の状況は、火山性地震の回数が急増し(25日の報道では、浅い場所で547回、深い場所で564回発生しいるとのことです)、火口から噴気も上がっているようです。現時点では、アグン山がいつ噴火するかを予測することはできませんが、当面現地の皆様にとって、神経をすり減らす日々が続きそうです。現在空港などの閉鎖は起きていませんが、噴火すれば空路は閉鎖となりますから、現地を旅行されている方や、これから旅行を計画されている方は、とても残念かと想いますが、計画を変更された方がいいでしょうね・・・。また同じインドネシアの、スマトラ島シナブン山(2460m)でも、噴火が起きたというニュースが流れています。情報が少なくて詳細は不明ですが、現地住人約3万人に避難勧告が出ているという話です。ただシナブン山は、日本でいえば桜島のように噴火が頻発している山です(噴火の特性は桜島というより、マグマに粘着性が強く火砕流を頻発させる傾向があるので、雲仙普賢岳の火山活動に状況が似ているようです)。シナブン山周辺は、大勢の住人が居住していることから、大掛かりな避難勧告になっているようです。今回の噴火がどの程度の規模かは情報がなく不明ですが、大きな被害が出ないことを祈りたいと思います。そして南太平洋の島国バヌアツのアンバエ島の中央部にあるマナロ火山でも、先週から火山活動が活発化しています(報道によっては「噴火した」となっているものもあります)。バヌアツ政府は、マナロ火山に大規模噴火が発生し、甚大な被害が発生する可能性があるとして非常事態宣言を発令しました。アンバエ島にいる全島民(約1万1千人)に島外避難の命令が出されています(28日時点で約7千人が島外に脱出したようです)。現時点ではマナロ火山は大きな噴火は起きていませんが、こちらも警戒が必要なようです。ふう、海外の火山動向のため表面的なお話しかできませんが、日本の火山が今年おとなしいからといって、地球の火山がおとなしいわけではないなぁとしみじみ思いました(そういえば、北朝鮮にある白頭山(2744m)も噴火の兆候があると言われてますね)。ともかく大きな災害が起きないことを祈りたいと思います。それではまた。
2017.09.28
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本日、御嶽山の噴火警戒レベルが、警戒レベル1(活火山であることに留意)に変更になったようです。あれ? 7月11日に解除されたと思っていたのですが(多汗)。私の勘違いだったのかな(汗)ともかく警戒が解除されたことは一安心ですね。早速登山・・・と言いたいところですが、2014年に噴火した噴火口付近は、依然噴気が強めですし、登山道や山小屋などの施設の復旧もこれからになりますから、まだまだ山頂には登れなさそうですね。もし登れるようになったら、亡くなった方に花を手向けに、登ってみたいと思っています(特に知り合いが亡くなったとか、そういうことはありませんが、同じく山が好きなものとして、「戦友」の弔いは、やっぱりしたいなぁと思うのです。ぶっちゃけて言うと、自己満足ってやつです・苦笑)。ともかく、亡くなった方々のご冥福と、山の平穏を心から願いたいと思います。それではまた。
2017.08.21
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今日二つ目のブログ更新です。5月6日の「2017年4月の火山活動状況」でも簡単に書いていましたが、本日5月9日午後7時過ぎに、気象庁は霧島山のえびの高原・硫黄山周辺の噴火警戒レベルを2の、火口周辺規制に格上げいたしました。詳細は3日前に書いたブログの通りで大きく付け加えることはありませんが、硫黄山方向の傾斜計に隆起の兆候が見られること、また現地調査で、熱異常域の拡大や、噴気の勢いがかなり強くなっているようです。今のところ想定されている噴火規模は、火口から約1km圏内に噴石などが飛散する可能性があるという程度です。言うまでもありませんが、加久藤カルデラが噴火する兆候とか、そういう物騒な兆しは一切ありません(また日刊紙や週刊誌が、大喜びで煽り記事書くかもしれませんねぇ・苦笑)。まぁ、そんな感じですし、噴火にならずに終結する可能性も十分にありますから、現地の皆様はあまり慌てずにいていただければと思います。続報があれば、ブログに書いていきたいと思います。それではまた。
2017.05.09
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昨年のGW明けに、速報として新潟焼山(2400m)の噴火の話を簡潔に書きました。その後、特に気象庁の発表はなく、ごく小規模な噴火で終了したのかな? という感じでした。今回1年を記念(?)しまして、気象庁のデータを見てみました。2014年からの図のため画面がいまいちですが、新潟焼山付近で起きた地震の図です。噴火が起きたと考えられているGW付近に、地震数が急上昇しています。5月4日に低周波地震が観測され、翌5日には8回に急増して、6日に噴火と思われる噴煙が確認避けていることから、5日の日にごく小規模な噴火が起きたのは間違いなさそうです。ただしそれによって火山活動が活発化したかというと、その兆候はありません。火山性地震はそれ以降微増していますが、大きな増加はなく、落ち着いているようです。次に噴煙のデータを見てみます。不思議に思ったのは、5月の噴火時よりも、7月の噴煙の高さの方が大きくなっている点です。地震回数の図を改めてみてみましたが、高周波地震、低周波地震とも7月も僅かに起きていますが、5月ほど分かりやすい増加は起きていません。そこでGNSS連続観測のデータを見てみました。すると、丸山尻-宇棚間のデータは曲線は7月ぐらいまで緩やかな隆起が観測されていました(対する糸魚川-妙高高原間は、僅かに伸びているかなという程度です)。噴煙の大きさとGNSSのデータから見えるのは、7月にもごく小さめな噴火があったのかな? と言う気がします。7月のそれは、その後に大きな火山活動の増加には繋がっておらず、逆にその後噴煙の大きさは小さくなり、GNSSのデータもやや沈降していることから、焼山内部の圧力が低下して、火山活動は低調になってきているようです。ただし今年1月にも低周波地震が起きており、平穏状態になったわけではないようです。GNSS丸山尻-宇棚間も僅かながら隆起傾向があることから、まだ油断は出来ません。また昨年と同じレベルの噴火などが起きる可能性もありそうです。でもまぁ、大きな噴火の兆候はありませんから、あまり不安に感じる必要はないかな。と、個人的には思っています。それではまた。
2017.05.09
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離職に父鳥の件などで、旅行の話しのアップが出来ていませんねぇ(汗)。時間はあるはずなのに、ブログに時間が向かないというのは奇妙な話です(多汗)。そして今回も脱線です(汗)。「2017年3月19日 阿蘇山・烏帽子岳、杵島岳登山 その2」で、阿蘇山・杵島岳の外壁の写真を見ると、火山活動の痕跡がよく分かるという感じに書きましたが、その点を少し掘り下げてみたいと思います。↑拡大可能な大きめな写真です。分かりづらければこちらと下の写真を比較してみて下さい。なお、遠景写真から鳥類が行った分析なので、間違っている点や勘違いの点等多々あるかと思います。なので話半分、酒のつまみ程度に斜め読みして頂ければ幸いです。また、誤りをご指摘頂ければ幸いです。写真の吹き出しには書ききれないので、おおよその部分の特徴を、下に書いていきたいと思います。① 写真をよくよく見て頂くと、いくつかの地層が見て取れると思います。地層の数は噴火の回数を示しています。例えば地層が10列あるとしたら、10回噴火した痕跡という感じです。途中見ていくと、白い地層がありますが、これは爆発的噴火によって火山灰や火山堆積物が積もった層です。なお、地層が見える理由は、地震や雨や雪、風などによる岩盤の劣化によって、崩れて露出する様になったんだと思います。山の雨風による劣化は、とても大きいものです。例えば富士山を見ると、雨や雪、風の影響を最も受ける西側は、一日あたり約275トンの崩落が起きています。写真を見ると杵島岳の地層が見える部分をみると、えぐれて崩れている様に見受けられますから、恐らく同じような作用の結果と推測できそうです。② 地肌を見てみると所々赤い部分がありますが、これは溶岩流の痕です。溶岩の中の鉄分が酸化して赤くなっている部分です。なお白く見える部分は、岩盤などが砂化した部分です。③ 緩やかな砂地に見えるこの部分は、火砕流の通った痕です。 火砕流は一言で言えば高温(300~600度ぐらい)の軽石や火山灰、スコリアの密度流です。粗製セメントを流す様な感じになるので、火砕流が通ると、でこぼこの地形を埋め立て、なめらかに整地されます。杵島岳で見るなら、溶岩流が流れた後のでこぼこした地形に、火砕流が整地してくれた感じのようです。④ 写真を見ると、所々に黒い岩の様なものが見えます。これは噴火の際に噴出された火山堆積物です。黒い色から弱い噴火で噴出された堆積物だと判断出来ます。噴火で噴出したマグマは、その勢いが強い場合、火山灰などは成層圏まで一気に(だいたい数秒ぐらいで)打ち上げられます。その場合、噴出物は、成層圏のマイナス70度ぐらいの温度で急速に冷やされ、白くなって(正確に言えば灰色です)地表に降り注ぎます。しかし噴火の勢いが弱く、成層圏まで打ち上げられなかった場合、堆積物はゆっくり冷やされ、黒色になって地表に積もります。従って写真の様に黒い岩がゴロゴロしていると言うことは、さほど強くない噴火で噴出されたものだと見分けることが出来るのです。とまぁ、私が杵島岳見て面白そうだなと思ったのは、こんな点です。皆様も杵島岳に限らず、火山に登られることがあった際は、こういう痕跡を探してみられてみてはと思います。面白い発見が出来るのではと思います。それではまた。
2017.04.08
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昨日3月16日、イタリアシチリア島南部にあるエトナ火山で噴火が起きました。まぁ、この山は日本で例えれば、桜島のようなものなので、年中噴火していてそれ自体は珍しくありません。16日の噴火もごく小規模な噴火でしたし。ただし昨日の噴火がとても貴重なものとなったのは、たまたま山頂にBBC(英国放送協会、日本でいうとNHKに当たります)のテレビクルーが取材中で、噴火の瞬間の映像を至近距離で撮影できた点です(負傷者が10名ぐらい出たようですが、幸い死者は出ていません)。↑日本のテレビニュースの映像http://www.bbc.com/news/world-europe-39295860↑こちらはBBCのサイトにアップされた噴火の映像です。映像を見る限り、山頂火口よりやや下での出来事のようです。テレビクルーの画像を見ると、白い水蒸気に混じって岩盤の破壊を示す黒煙が混じっています。それが間欠泉ように吹き上げ(カメラマンがカメラを落としたため、その様子は途中で終わってますが・・)、蒸気が押し寄せてくる様が映し出されています。エトナ火山は岩盤が脆く、ストロンボリ式噴火をよく起こす傾向があります(BBCのサイトにある30秒の映像を見ると、その特徴が見て取れます)。今回の噴火は、雪などの水が岩盤内に浸透し、それがマグマに触れて気化し、それが岩盤の隙間から暴噴を引き起こしたのではないかと思われます。今回の噴火で幸いというべきなのは、エトナ火山は岩盤が脆いので、御嶽山の噴火のような、大きな水蒸気爆発になる前に、吹き出した事でしょうか。そのため噴石も小さく、至近距離で噴火に遭遇したにもかかわらず、死者が出るような大惨事にならずに済みました。日本のテレビのテロップには、「大噴火」とありますが、実際にはきわめて小さい噴火です(苦笑)。確か映像を見ると凄い迫力あるので、そう形容したくなる気持ち分からなくはありません。小さい噴火でこの威力ですからね。火山の力は大きいものですから。ただ一方で報道関係者は、冷静で客観的な表現というものを少し考えてほしいなとも感じます。それではまた。
2017.03.17
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登山記録書く前に、速報的な火山噴火情報を一つ。新潟県にある活火山、新潟焼山(2400メートル)で、昨日噴火が起きていたことが確認されました。新潟焼山での噴火は、18年ぶりです。↑は、昨年9月に妙高山山頂から撮影した新潟焼山で、↓は妙高山と火打山の中間にある山小屋、高谷池ヒュッテから撮った焼山です。噴気が上がっていることがわかりますでしょうか? この山はルートが険しく、雪渓もある山で(雪がなくなるのは大体7月の終わりです。そして10月の終わりにはまた雪が積もり始めるので、すごく登りにくい山です)、一般の登山者もなかなかいかない山です。私は2年前登ろうと考えましたが、途中で挫折しました(妙高山でビバーク(緊急野営)して、撤退しました。無理していたら遭難していたのは確実でした・汗)。焼山は今年1月以降、小さい火山性地震が頻発して山体にわずかながら膨張が見られていたようで、噴火警戒レベルこそ1(平常。(活火山であることに留意))のままでしたが、火口周辺の立ち入りが制限されていたようです(この山のことは特に追っていなかったので、私は気が付いていませんでした・汗)。いつ噴火したのか、正確な日時は不明ですが、4日に低周波地震が観測され、6日午後に上空からの目視観測で噴火が確認されていることから、この2日間の間に噴火が起きたのではないかなと、私は思っています。噴火した正確な時間が不明なことからも、噴火の規模はごく小規模で(大きな噴火なら、地震計にその兆候が見られます。おそらく気象庁は今後データを精査して、噴火時間の特定を急ぐと思いますが、パッと見のデータにその兆候が見られないことからも、あまり大きな噴火ではなかったことがうかがえます)、噴火が継続するかは何とも言えません。今のところの情報はこんな感じですが、新潟焼山は日本の山の中で、誕生から3千年未満のかなり新しい火山なので、とても「元気な」山です。過去には日本海まで達する火砕流を発生させたこともありますし、昭和49(1974)年の噴火(水蒸気爆発)の際は、高山植物の調査に登山していた千葉大の学生3人が火山弾の直撃で死亡する惨事を引き起こしています。大ごとにならずに収束してくれるといいのですが・・・。それではまた。
2016.05.07
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本日2月5日午後6時55分、桜島昭和火口で爆発的な噴火が起こりました。噴煙の高さは2200メートル、火砕流の発生はなかったようです。これに伴い、気象庁は噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から、レベル3(入山規制)に引き上げられました。桜島での爆発的な噴火は、昨年9月16日以来です。・・・でも、まぁ、桜島ですしねぇ。むしろ142日も大人しくしていたのが信じられないというか、頑張って大人しくしていたんだなぁと言いたくなりました(笑)。今後想定されている桜島の噴火は、小規模な噴火が連日続く形のもので、大きな噴火の兆しはありません。噴火の方は大きなものにはならないと思われますが、火山灰などは大量に出ると思います。現地に皆様にお見舞い申し上げます。また続報などありましたら、ちょこちょこ書いていきたいと思います。それではまた。
2016.02.05
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御嶽山噴火から1年になるんですね。月日はとても早いです。昨年、御嶽山への登山を検討していた私は(断念した理由は、私のところからだと交通の便があまり良くないこともあり、登るとすれば最低2泊3日、出来れば4泊は欲しかったので、仕事が休めず予定が組めなかったのです)、二重に驚愕しました。 今日は自宅で簡単ではありますが、11時52分から黙祷をして、その後は当事の報道写真集を見ながら静かに過ごしました。写真を見ていて改めて感じたのは、火山噴火の凄まじさです。御嶽山の噴火は、噴火規模としては、ごくごく小さい規模になります。恐らく噴火時間が5、6時間ずれていたら、犠牲者はほとんど出ていなかっただろうと思います。しかしそんな小さな噴火でも、直撃すれば多くの人命をあっさり飲み込む大惨劇になります。そんな自然の驚異をまざまざと感じました。火山活動は低下してきたものの、今もまだ御嶽山はくすぶっています。 残念ながな現在の科学技術では、噴火の兆候を捕らえることは出来ても(観測体制が整っている火山ならという話になりますが)、いつ、どの程度の規模の噴火が起きるかと言った、多くの人たちが知りたい情報を予測することが出来ません。ただ科学は日々進歩していくもの。このような惨劇が少しでも防げるよう、研究が進められていく事を応援したいと思います。あと個人的なお話しですが、私は火山登り専門なので、御嶽山の事は、明日は我が身かも知れず、他人事ではありません。 御嶽山が登れるようになったら、亡くなった方々に花を手向けに登りたいと考えています。それがいつになるか今のところハッキリしませんが、 私の体が動く間(へたれ鳥なので、10年後とかになったら、ちょっと登れる自信がないっす・汗)に行くことが出来たらなと思っています。それではまた。 【楽天ブックスならいつでも送料無料】御嶽山噴火 [ 信濃毎日新聞社 ] ↑は、今日私が見ていた本です。御嶽山の地元信濃毎日新聞社が 9月27日から10月7日までの報道写真、登山者提供の写真をまとめた報道写真集となります。噴火の状況、登山者の避難、 救助作業の様子、そして地元の様子、そういった現実が、写真を通してまとめられています。噴火の解説などは、後半に数ページ簡潔にまとめられているだけですので、文章で登山者の方、救助に携わった方々の声を知りたい方からすると、不満があるかも知れません。そう言う方は他の本をご覧いただければと思います。 こちらの本は、手記や記録とあわせて読むと、火山災害への理解が進むかなと思います。 そんなわけで、興味を持たれた方はご覧いただければと思います。
2015.09.27
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本日口永良部島の新岳で、前回の噴火から20日ぶり、二度目の噴火が起きました。口永良部島は天候不順のため、目視確認は出来ないようですが、12時17分頃に空震が観測され、降灰も確認できたようです。ただし今回の噴火規模は前回と比べて非常に小さく(参考までに、前回は噴煙の高さが9千メートルまで達しましたが、今回は200メートル程度だったようです)、現在の所火砕流などは観測されていません(ただし後日の調査で確認される可能性はあります)。降灰は隣の屋久島だけでなく、種子島の方でも確認されているようです。噴火の規模は小さいものでしたが、口永良部島の火山活動が継続していることがハッキリしたため、島民の方々帰島は当分無理そうですね・・・。お見舞い申し上げます。2日前に噴火した浅間山ですが、火山灰からマグマの成分が含まれていたことが判明し、浅間山を監視している東大地震研究所は今回の浅間山噴火を、マグマ水蒸気爆発であるという見解を発表しました。いやぁ、今回は私の判断間違ってなくてよかった。・・・という、小さい話はさておきまして、浅間山の火山活動は今も継続しています。噴火は今のところ16日の1回だけですが、高温の火山性ガスの放出は続いており、ライブカメラを見ると、火映現象(高温の火山ガスが、噴煙や雲などに映り、その照り返しで炎のように赤く見える現象)が確認できます。これらのことは、浅間山内部での火山活動が活発であることを示しています。今のところマグマの上昇は確認されていませんが、浅間山の場合、いったんマグマの上昇が始まると、噴火までの時間が大変早いので、まだまだ落ち着けない状態といえます。現地の皆様は十分注意してください。それではまた。
2015.06.18
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本日6月16日午前9時30分頃、浅間山でごく小規模な噴火が起きました。今日の浅間山は天気が悪く、視界不良のため詳細は不明ですが、噴火に伴う空震は確認できませんでしたが、白色と青白色の噴煙は観測できたようです。白色の噴煙は水蒸気、青白色の噴煙は二酸化硫黄などの火山性ガスだと思われます。また浅間山の北側約4キロメートルにある鬼押出し付近では、微量ながら降灰が確認出来たようです。気象庁の発表は毎日見ていましたが、昨日見た感じでは、火山性地震は多いものの、火山性微動は13日が最後で(今日噴火直前まで火山性微動は観測されていません)、14日、15日は起きておらず、すぐに噴火する兆候はないな、噴火はまだもう少し先の話になるかと思っていましたが、まさか今日噴火するとは(汗)。さすがは関東きっての暴れん坊、予測を裏切るやんちゃぶりです。冗談はさておき、今回の噴火も口永良部島同様、差し迫った前兆はありませんでした。気象庁の判断はまだですが、マグマの上昇を思わせる変動が、確認されていないのに噴火に至ったとことから、水蒸気爆発か、マグマ水蒸気爆発の可能性が高いかなと、個人的に考えています(水蒸気爆発と、マグマ水蒸気爆発の判断の違いは、簡単に言えば、回収された火山灰などから、マグマ成分が発見されるか否かです。成分が検出されればマグマ水蒸気爆発、検出されなければ水蒸気爆発ということになります)。 今後の浅間山の状況ですが、今日の噴火で活動終了という事にはならないと思います。小規模な噴火が今後も続く可能性は非常に高いです。今のところマグマが大きく上がってきている様子はないため、大きな噴火活動になる可能性は小さいよう思いますが、今日と同等規模の噴火や、それより大きい小噴火(妙な表現ですが)が起きる可能性は十分にあります。大きな災害にはならないと思いますが、現地の方々は十分気をつけてください。それではまた。PS浅間山の噴火で早くも忘れ去られていまった感がありますが、今日蔵王山の噴火警戒レベル2(火口周辺規制)が解除され、噴火警戒レベル1(平常)に戻りました。こちらは一安心と言うところですね。しかしまぁ、今年はモグラたたきのような感じですねぇ(汗)
2015.06.16
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本日午前9時59分頃、鹿児島県の口永良部島の新岳(626メートル)にて、爆発的な噴火が起きました。気象庁は即日噴火警戒レベルを3(入山規制)から5(避難)に引き上げました。レベル5の発令は、気象庁が噴火警戒レベルを導入してからはじめてのことです。報道によると、噴火に際して火砕流も発生したようです。地形的にみて、火砕流が流れるのは新岳の南西側だろうと見ていましたが、南西側以外にも、北東側と北西側、向江浜地区方向にも流れたようですね。私の眼力はまだまだ未熟(汗)。向江浜の先、湾を挟んだ対岸には、口永良部島の住人の大半が住む本村地区があります。もしもっと規模の大きな火砕流だったら、危なかったかも知れませんね・・・。なにせ新岳は、古岳のある南側を除いて遮蔽物が無く、緩やかな下り坂が続くので、火砕流はその勢いが続く限り、遠くまで押し寄せられるのです。今日の噴火ですが、典型的なマグマ噴火(実際にはマグマ水蒸気噴火でした。6/3訂正)のようです。噴煙が9千メートルまで達したとのことですが、これは近年まれに見る規模の噴火であることがうかがえます(参考までに、今年の桜島の大きな噴火は4千メートル台、阿蘇山や御嶽山は1千メートル台の規模の噴煙です)。噴火の感じからすると、今日一日で終わるものではありませんね。当面噴火活動は継続する感じです。口永良部島のマグマは粘着性が強いので、噴火となれば高い頻度で火砕流を引き起こします(マグマに粘着性が強いと、大きな火砕流が起きやすくなります)。全島民に避難指示が出されたのも、大きな火砕流が発生すれば、市街地はあっけなく火砕流にのまれるため、一刻も早い避難が必要だったからです。ニュースを見たら、全島民の避難が無事完了したようですね。大きな混乱もなく避難が済んだのは何よりです。島民の皆様にお見舞い申し上げます。現在の所、10数キロ離れた隣島の屋久島に到達する規模の火砕流が発生する可能性は低そうですが(火砕流は海を渡れます)、種子島でも大漁の降灰被害は、今日から発生するでしょう(恐らく種子島でも、降灰が確認できると思います)。可能な限り外出は避け、やむを得ず外出する際は帽子やマスク、タオルの準備を忘れないようにしてください。また予報では、明日午後から雨が予想されています。そうなると火山灰がラハール(火山性土石流)を引き起こす可能性もあります。住民の皆様は、避難勧告など何時出ても対応できるよう注意してください。さて口永良部島ですが、火山島で気象庁から常時観測火山に指定されています。この島の北には、約7千年前日本の前期縄文文明を壊滅させた鬼界カルデラがあります。 鬼界カルデラも口永良部島も、霧島火山帯(北は阿蘇山にはじまり、台湾の大屯火山にまでいたる火山の帯です)に属する火山で、大きな火山活動が盛んなエリアです。口永良部島は、過去には死者を出す火山災害を幾度も起こしています。直近の噴火は、昨年平成26(2014)年8月3日におき、噴火警戒レベル3の入山規制が発令されました(そんなこともあって、 今日は突然の噴火であったにもかかわらず、登山者などがいなかったため、迅速な避難に繋がりました。怪我の功名というか、不幸中の幸いと言うヤツですかねぇ)。その後も火山活動はずっと継続して続いており、今月5月23日には、震度3の地震が発生しました。気象庁でも、近いうちに爆発的な噴火が起きる可能性があると、警戒を強めていました。私も5月25日付の気象庁が出している「火山の状況に関する解説情報」を読んで、次回月1の火山活動書く際は、口永良部島の事も書こうと思っていたのですが、噴火の方が一足早かった(汗)。やはり噴火の予測というのは難しいですね。気象庁が会見で「今回の噴火の兆候、見られなかった」と発言していました。気象庁は口永良部島で火山活動が増加しているのはきちんと把握していたし、近いうちに噴火する可能性があると考えていたことは、25日の「火山の状況に関する解説情報」を読めばよく分かります。しかし、「噴火が今日起きる」という、確実な予測にまでは至りませんでした。多くの人が求めているのは、噴火がいつ起きるかという決定的な情報ですが、まだまだ今の科学力では難しいです。火山学は発展途上の学問なのです。それではまた。
2015.05.29
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すみません、昨日ニュースをほとんど見ていなかったので、今日昼休みにインターネットのニュースを見るまで気がついていなかったのですが、昨日1月13日午前中に、阿蘇山が小規模噴火を起こしていたようです(汗)。それを知らなかったため、今日朝コメント欄に、「阿蘇山は噴火こそしていませんが、毎日噴煙が上がっています」とか、「小規模噴火が起きるかも」と書き込んでいました。まぁ、小規模噴火の方は、当たったと言えるかも知れませんが、何とも間が抜けた話で赤面ものです(多汗)。さて昨日の阿蘇山噴火ですが、噴煙が1300メートル上がる規模だったようです。噴火規模としてはそれほど大きくありませんが、昨年からの噴火活動が今も継続していることを見せつけるもので、予断を許さない状態です。さて、大規模な噴火を心配されている方もいらっしゃるかと思いますが、それについては今のところ起きる気配は観測されていません。今のところ昨日の噴火で、1月5日位から確認されていた傾斜計の伸びは、縮小傾向にあります。これは噴火によってマグマが放出されて内圧が低下して、膨張が収まったのだと思います。しかしこれで大人しくなってくれるかというと、それは難しそうです。今はマグマ量も減りましたが、すぐの消費分がチャージされて、小規模噴火を繰り返すパターンになる可能性が高いのではないかと思います。平成23年に噴火した霧島・新燃岳の噴火と同じような感じです(新燃岳は、約10日にわたって小噴火が起きたあと、噴火自体は終わりましたが、その後も火山性地震や火山性微動などが現在も続いています。なお平成25年10月22日に噴火警戒レベルはレベル3(入山規制)からレベル2(火口周辺規制)に下げられています)。完全な長期戦の展開ですが、これまでの阿蘇山の噴火スタイルとしては珍しくありません。今後も昨日レベルの小噴火が続き、噴煙が上がり続ける状態になりそうですね・・・。現地の皆様は、火山灰や噴煙対策に十分気をつけてください。それと今日は、福島県の吾妻山でも気になる話があります。本日午前0時から11までの間に、火山性地震が79回も観測されています(その内10時から11時までの間は、なんと53回も起きています)。このペースでは、本日中に火山性地震は100回を超えそうな感じです。火山性微動や噴気は確認されていませんが、震源地はいずれも大穴火口直下付近であることから、噴火が近いのではないかと気象庁は警戒を強めています。吾妻山の方も、阿蘇山同様大きな噴火になる可能性は低そうですが、現地の皆様はくれぐれもご注意ください。また何かありましたら、ブログに書いていきたいと思います。
2015.01.14
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今年も新年早々大地の神は働き者のようです。今日1月6日、気象庁は鹿児島県桜島で大きな噴石や火砕流が、噴火に伴って発生する可能性があると発表しました。桜島の動向を監視している有村観測坑道(大隅河川国道事務所)とハルタ山観測総合坑道(京都大学防災研究所)に設置している傾斜計が、今月1日から桜島の山体が膨張している傾向を捉えたようです。まぁ、桜島の噴火は毎日のことですが(参考までに1月4日は9回、昨日5日は15時までの時点で5回噴火しています)、今回の山体膨張の傾向から考えて、2年前の平成25(2013)年8月18日に起きた噴火(気象庁の観測史上最大の噴火でした)と同程度か、それを少し上回る規模の噴火が起きる可能性があります。爆発的噴火に伴う空振で、窓ガラスが割れる等の被害が出るかも知れません。現地の皆様はご注意ください。また今回、気象庁は火砕流の発生も警戒しています。桜島の火砕流は、かつての巨大カルデラ姶良火山の性質をそのまま引き継いでいるため(桜島は姶良カルデラの南端に、新たに出来た火山です)、マグマの粘着性が高いので、広範囲に広がる火砕流になる傾向があります(参考までに、マグマの性質に粘着性がほとんど無い富士山の場合、火砕流は数百メートル程度の規模で終わることが多いです)。桜島は入山規制されていますから、大きな人的被害がでる可能性は低そうですが(まぁ、今回は海を渡って対岸を火砕流が襲う可能性もなさそうです)、当分は頻繁な噴火活動が継続するかもしれません。現在桜島の地下には、大正大噴火(大正3年(1914年)1月12日)時の約90パーセントに達するマグマが蓄積されていると考えられています。今回おこるかも知れない噴火の規模が、大正大噴火時のような規模になるかどうかは何とも言えませんが、いざというときはいつでも対応できるよう、現地の方々はくれぐれも気をつけてください。それではまた。
2015.01.06
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最近ブログ書く話が、火山の話題ばかりになってますねぇ。今のところプラモは作っていないのですが(積んである未作成プラモは多いのですが、作っても置く場所がないのもあります・多汗)、作ったもののブログで載せていないものも多いので、それもおいおい書いていきたいなと思っています。そして今回も火山関係の話題です。初めは12月16日にレベル2(火口周辺規制)になった十勝岳(2077メートル)の話題です。北海道にある十勝岳は、かなり噴火頻度の高い山のひとつです(噴火頻度ランクAです)。文献資料に登場するのは安政噴火(安政4(1857)年)からですが、明治噴火(明治20(1887)年)、大正噴火(大正12(1923)年から昭和3(1928)年まで活動が続きました)、昭和37(1962)年と、昭和63(1988)年から平成元(1991)年にかけてと、多くの噴火活動が記録されています。特に大きな被害をもたらしたのは、大正噴火と1962年の噴火です。大正15(1926)年5月に起きた水蒸気爆発は、大規模な岩屑なだれとラハール(火山性土石流)を発生させました。特に残雪が多く残っていたことが被害を大きくしました。水蒸気爆発が残雪を一気に融解させ、あたかも大津波のような凄まじいラハールを発生させたのです。泥流は美瑛川と富良野川を一気に流下し、約2キロ離れた上富良野市街を襲い(噴火からラハール到着で要した時間は25分と言われています)、死者・行方不明者144名、負傷者200名、流失・破壊家屋372棟という大きな被害をもたらしました。1962年の噴火の時は、大正火口近くの硫黄採掘場に火山弾が直撃したため死者・行方不明者5名、負傷者11名もし人的被害をもたらしています。この時の犠牲者はこの硫黄採掘場で出た被害のみでしたが、噴煙は1万2千メートルまでに達し(参考までに、先日の阿蘇山噴火の噴煙の高さは1200メートルでした)、ソ連領(当時)千島列島まで降灰が確認されています。噴火活動は平成元(1991)年が最後ですが、その後も火山性地震や噴気活動は盛んで、平成24(2012)年8月と平成25(2013)年6月には火映現象(噴煙に高温の溶岩や噴気が映って、炎のように見える現象)も観測されています。そして今回レベル2(火口周辺規制)になったわけですが、気象庁の発表によると、62-2火口(昭和37年に噴火した際に、新たに4つの火口が開きました。その内の一つです)に近い前十勝付近で、傾斜計に山体膨張の傾向が確認されたからのようです。十勝岳の観測点は、この62-2火口付近だけでなく、大正火口付近や擂鉢火口付近など何カ所もありますが、変化が観測されたのはここだけでした。ということは、・今回の山体膨張は、かなり浅いところで起きている可能性がある(つまりマグマの上昇が起きている)。・十勝岳全体では大きな変化は観測されていないことから、62-2火口付近の小規模で限定的なものながら、噴火になる可能性が高い。と言う結論になったのだと思います。ただし現在の所、十勝岳で火山性微動や火山性地震が多くなったわけではありませんので(と言うかそちらはほとんど観測されていません)、「近日中に噴火しそう」といった兆候が確認されているわけではありません。先日の吾妻山同様、噴火の可能性が高くなってきたから、慎重を期して火口周辺規制をしておこうと言うことなのだと思います。そう言う意味では今日明日に災害が起きるというわけではありませんが、噴火の兆候が高くなってきていることは確かです。現地の方々、旅行を検討されている方は十分にご注意ください。それではまた。
2014.12.21
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11月25日に阿蘇山が噴火したから2週間がたちました。昨日12月8日までの状況について簡単にまとめてみたいと思います。気象庁の発表によると、噴火活動は12月1日まで連続して起きていました。ただしいずれも規模は小さく、噴石を火口の1100メートル位に飛ばす程度です(まぁ、それでも十分凄い威力ではあるのですが。参考までに破局噴火レベルだと、噴石を1秒で2万メートル上空に打ち上げるほどの威力があります)。1日以降は、監視カメラで噴火の様子は確認できていませんが(阿蘇山周辺は最近天気が悪く、雲がかかっていて火口がカメラに写らないのです)、今は最大500~600メートル程度の噴煙が上がっているのが確認できること、今も孤立性微動が24時間ぶっ通しに近い状態で継続していること、空振(噴火時の衝撃波)が確認できることから、ぽつぽつと噴火が続いているのは間違いありません。出も目立つような大きなものではないので、最近報道ではてんで触れられていません。メディアというものが、いかに一過性なのかが分かります(苦笑)。では今後の噴火はどうなるかについてですが、大規模な噴火に繋がる兆候は、依然確認できません。GNSS連続観測では、わずかながら伸びの見られるのは変わりませんが、傾斜計では特段の変化は観測されていません。ここで少し解説ですが、GNSS連続観測の大本であるGPSと、傾斜計では精度が段違いに違います。現在の技術ではGPSは、1センチ以下の正確な難しいですが(ぶっちゃけ言うと、ほぼ無理です)、傾斜計は髪の毛1本分の変化も感知します(そのかわり探知範囲は非常に狭いですが)。したがって傾斜計に反応がないと言うことは、大きな噴火の兆候がないという事になります。GNSS連続観測と傾斜計の2つのデータから言えるのは、GNSS連続観測に若干の変化があることから、地下のマグマ溜まりに、マグマの供給(今回の噴火分と同程度か少し多いぐらい)はつづいているが、火口まで上昇はしてきていない。そのため、11月25日と同じぐらいの規模の噴火が今後も起きる可能性はあり、今後も警戒する必要があるというところでしょうか。現在の所、放出された火山灰の量は15万トンと言われています。仮に小規模な噴火しか起きないとしても、降灰の方はこの後も継続していくことが予想されます。現地の皆様は防塵対策に十分気を配ってくださいね。それではまた。
2014.12.09
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25日に噴火以降、阿蘇山の噴火活動が継続しています。昨日(27日)は噴煙が火口から1500メートル上がり、ストロンボリ式噴火(噴石、火山礫、火山弾を、数千メートルの高さに達する感じで打ち上げる種類の噴火。爆発的な噴火にはならないので、山体崩壊などは起きにくいです)が起きていることも確認されました。風向きの関係で、中岳第一火口の西側、熊本市内に降灰が起きているようです。恐らく、今後も降灰範囲は拡大していくと思います。地元の皆様は、外出の際ご注意ください。さて、昨日の気象庁の調査で、興味深いことがわかりました。火山灰の中に、スコリアが確認されたのです。スコリアとは、火山噴出物のひとつで、マグマが冷えて固まったものの破片(岩滓ともいいます)です。それが発見されたことの理由は、今回の噴火がマグマの上昇に原因がある事を示しているのです。「え? 火山って、マグマが上昇するから噴火するんでしょ?」と、思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、マグマ噴火は数多くある火山噴火の一形態に過ぎません。現に、9月の御嶽山噴火は、水蒸気爆発による噴火でした。マグマは上昇していません(一部、御嶽山噴火を予測したと主張している研究者の中には、「マグマの上昇を観測した」と言っている方もいますが、上がってきていないものをどうやって観測で来たんだよ、この詐欺師め、と、口に出しませんが心の中で思っています)。今回の阿蘇山噴火ですが、残念ながら長期化の気配があります。火山性地震は、噴火前(11月20~24日ぐらいまで)に比べると、若干減ってきましたが、孤立性微動(阿蘇山特有の火山性微動。噴火していないときでも観測されていますが、この孤立性微動の回数が急増したり、持続時間が長くなると、噴火が起きる傾向があります)はこの数日24時間ぶっ通しで起き続けています。またGNSS連続観測(GPSを使った観測システムです。簡単に言えば、日本国内1200ヵ所以上設置された電子基準点を測位衛星で計測し、その区間距離を測測定することで地殻変動を捉えています。日本全国を網羅して観測して変動を観測できる画期的なものですが、残念ながら地震や噴火を予知できる精度はありません。実際に自分のいる場所とナビ上の位置が微妙に違うという経験のある方も多いかと思いますが、現在のGPS技術では、機器の性能や天候などに左右されるため、数メートルの誤差はどうしても出てしまいます(システムを管理している国土地理院では、誤差を補正するソフトを使って修正しています。ただし国土地理院のHPで一般公開されている日々の情報は、リアルタイム表示なので、補正されていません)。火山噴火にせよ地震にせよ、正確な予測には少なくともセンチ単位の精度(正確に言えば、ミリ単位以下の高密度の測定データが必要)なので、まだまだ精度が不足しています)による測定結果でも、噴火直前に阿蘇山の山体が膨張したままの水準を保っています(参考までに、御嶽山の場合は、マグマは上昇せず、噴火によって圧力が抜けたため、山体の膨張前の水準に戻りました)。ぶっ通しの孤立性微動とGNSS連続観測のデータから分かるのは、マグマの上昇と補充は続いており、今しばらくの間、小規模な噴火が続く可能性があるかもしれないと言うことです。最後に、今回の阿蘇山噴火で、破局噴火の兆候はありません。今ネットの一部では、「阿蘇山が破局噴火する!」というものも出ているようです。先日神戸大の先生が、「100年に1パーセントの確率でカルデラ噴火が起きる」という発表もあったばかりですから、どうもタイムリーな話になってしまったのも、あるんでしょうね。9万年前の阿蘇山破局噴火のネタについては、私も3年ぐらい前に触れたことがあるので、私も煽った奴の1人になってしまいそうですが(汗)、私が言いたかったのは、「阿蘇山はかつて、人類を滅ぼしかねない規模の噴火を起こした山だったんですよ。阿蘇山は死んだ山でないので、また遠い未来に同じような噴火が起きるかも知れません」ていうことだったのですが、もし今回の噴火でそれを思い浮かべてしまった方がいたとしたら、大変申し訳ございません(多汗)。繰り返しになりますが、今回の阿蘇山噴火には、破局噴火の兆しはありません。ついでに言うと、霧島新燃岳も、破局噴火の兆しはありません(霧島連山は、30数万年前に破局噴火を起こした加久藤火山の跡地に、新たに起きた火山です。極端なことを言えば、霧島連山のみならず、えびの市や小林市は、加久藤火山の真上にある事になります)。ですから、破局噴火を心配されているかいらっしゃいましたら、安心してゆっくりお休みください。大丈夫です。それではまた。
2014.11.28
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昨日11月25日10時11分、阿蘇山中岳第一火口で噴火が起きました。15時ぐらいの段階で、1千メートルの高さに達し、中岳第一火口の東側に当たる熊本県阿蘇市波野や、大分県竹田市の一部にかけて降灰が確認され、熊本市からも噴煙が遠望できるようです。昼間の噴火でしたが、阿蘇山は御嶽山とは異なり、火口への立ち入りがずっと制限されていましたから(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)、人的な被害は出ていません。まぁ、こちらは年中噴火している山ですからねぇ。今回の噴火規模は極めて小さいですが、一部では本格的な噴火活動に発展する可能性を懸念する声も出ているようです。噴火が活発化するか、それとも小さい噴火のみで終了となるか何とも言えませんが(若干の山体膨張が起きているようですので、マグマは補給されているようです。ただ継続的な噴火が起きるかは予測できません)、現地の皆様はいざというときには慌てず落ち着いて行動してください。仮に継続した噴火活動になったとしても、前にウチのブログで触れたような大噴火は起きないと思いますので、その点はご安心いただければと思います。それにしても今年は火山噴火が多いですね。御嶽山は言わずもがなですが(今も火山性微動が確認されており、噴火こそありませんが、噴煙が上がるなど活動は続いています)、蔵王(宮城・山形県境)でも火山性微動が続いており、小規模な噴火が起きる可能性がありますし、西之島(東京都・小笠原諸島)も噴火から一年を迎え、島の大きさも8.6倍になるなど、順調に成長しているようです(行けるなら、いつか行ってみたいです)。ここいらで今年の活動は、仕事納めになっていただきたいですが、なかなかそうなってくれないようですね・・・。今のところ大きな災害になる兆しはありませんが(またどっかの研究者や、予言者と称する人が、噴火を予想しただの、南海トラフ地震の前兆だの言い出すんでしょうね・ため息)、皆様も、怪しい情報には惑わされずに、しっかりと落ち着いた行動をしてくださいね。それではまた。
2014.11.26
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御嶽山が噴火してから今日で1ヶ月になります。改めてお亡くなりになった方々にご冥福を申し上げたいと思います。今回のような災害が起きると、必ず「何故災害を予測できなかったのか」といった声が上がります。もちろん、気象庁や研究機関がサボっていたわけではなりません。地震にせよ津波、台風を含めて、災害の多くは人間の予測を上回る形で起こるものですから、言いたい気持ちはわかりますが、現時点での観測技術の限界としか言えません(時折、避難勧告の遅れなど、人災の面が強い災害もありますが)。さて御嶽山ですが、実は富士山よりデータが乏しく、噴火予測が難しい山のひとつです。富士山は文献資料に出てくるものだけでも、江戸時代の宝永噴火(1707年)、平安時代の貞観噴火(864年)、延暦噴火(800~802年頃)と、三度の噴火記録が残されています。そう言った情報を元にハザードマップ(主に「宝永噴火と同等の噴火が起きたら」を想定しています)が作られています。一方御嶽山は、文献記録上では平安時代と明治時代に噴火があったと書かれていますが、地質調査の結果で実際にはなかったと考えられています。その前の噴火は約5千年前に起きた小規模噴火まで遡ります。つまり有史上確認できる噴火はありません(御嶽山の火山活動が盛んだったのは、今から40~10万年前位の時代でした)。そんな御嶽山は、火山として死んだ山、死火山と言われていました。それが見直される契機となったのは、昭和54(1979)年10月の火山噴火(この時も水蒸気爆発)でした。昭和54年の噴火の際は、犠牲者は一人も出ませんでしたが、死火山と思われていた御嶽山噴火は大きな影響を与えました。それまで火山は、活火山、休火山、死火山という3つの区分に定義されていましたが(参考までに富士山は休火山でした)、火山の噴火サイクルは、人間の寿命より遙かに長く、数百年噴火していなかったとしても、火山活動が終息したとは言えないと認識されたのです。事実、過去5千年噴火していない御嶽山も、1万年前まで遡ってみると、マグマ噴火4回、水蒸気爆発10回程度の活動があったと考えられています。そう言った結果から、休火山、死火山という区分や言い方は、火山の本質を見誤らせると廃止されることになり(ただし100万年以上噴火せず、火山活動が観測されていない火山は、便宜的に死火山と呼ばれています)、全ての火山を活火山と定義して、噴火頻度に応じてランク分けする方式に改められました。そして御嶽山や富士山はランクB(100年活動度または1万年活動度が高い活火山)に定義しなおされました。死火山から活火山へとクラスチェンジした御嶽山は、平成3(1991)年と平成19(2007)年にも小規模な噴火を起こしましたが、いずれも人的被害はなく、極小さな噴火だったため、噴火予測のデータとしては不十分なものでした。この情報の少なさが、気象庁を悩ませ、大きな影響を与える結果となりました。では今回の噴火に際し、気象庁は御嶽山の状況について、どのように考え判断したのかについて、簡単にまとめてみたいと思います。あらかじめ申し上げておきたいと思いますが、私は気象庁の判断や御嶽山麓の自治体の判断や行動を、弁護も批判もする気はありません。ここで言いたいのは、噴火予測というものがいかに困難で難しいものであるのかを、読んでくださった方に知っていただきたいと思うのです。ですので、「噴火予知は難しいね」「やはり気象庁は判断を間違ったと思う」という判断は、皆様でお願いいたします。平穏な状態が続いていた御嶽山に変化が生じたのは、今年9月10日のことです。この日、火山性地震(震度1以下で、人体ではほぼ揺れを感じません。また人体では全く関知できない低周波地震も、火山性地震に含みます)が前日までの5倍弱に登る52回を記録しました。御嶽山で50回以上の火山性地震が観測されたのは、平成19年1月以来です。そしてこの時は火山性地震が日に100回以上多発し始めてから約3ヶ月後に、小規模な噴火(水蒸気爆発)に繋がりました。気象庁は翌11日、御嶽山に関する臨時火山情報「火山の状況に関する解説情報」を出しました(ちなみにこの臨時情報は、私も1週間ぐらいあとに気がつきました。しかし危機感は全く持っていませんでした。まぁ、私の危機感など全く関係ない話ですが・汗)。さらに気象庁は、長野・岐阜両県の4市町村に、メールと電話で連絡がおこなわれました。これは火山活動に活発化が認められるものの、噴火レベルは1(平常)で変更がない点を説明するためでもありました。そしてこの日、御嶽山の火山性地震は85回を数えました。2日に及ぶ火山性地震の増加を受け、12日、気象庁は噴火レベルの上昇と入山規制の検討に入りました。しかしここでネックになったのは、蓄積された噴火データの少なさでした。確かに御嶽山は、火山性地震が急増し不穏な気配になってきましたが、マグマの上昇は確認されず、山体膨張も見られません。この時点では噴火前兆であると断言出来なかったのです。気象庁は、御嶽山の動向を観測している名古屋大学地震火山研究センターに意見を求めました。しかし同センターも、この時点のデータだけでは、噴火の確証は持てませんでした。センターの山岡耕春教授(地震・火山学)は、平成19年時の噴火データを元に、「低周波地震が起きたら要注意、火山性微動が起きれば噴火でしょう」と返信しています。気象庁内で対応が協議されていた頃、御嶽山は意外な反応をしていました。12日の火山性地震は10回に減少し、地震規模も小さくなっていました。「火山性微動や地殻変動が無く、地震も減少傾向にあったため、(噴火レベルを)上げる判断に至らなかった」と、菅野智之氏(火山活動評価分析官)は回想しています。これらの状況から、気象庁は御嶽山の監視体制を強化して様子見することにしました。様子見というと問題を先送りしているよう感じるかもしれませんが、それは違います。気象庁は危機感を抱いていましたが、噴火になると決定的な判断を下せる材料が無く、現地の行政や経済活動に多大な影響を与えるので、安易な判断は出来無かったのです。御嶽山の火山性地震は、13日は7回、14日は8回に減少しました。しかし15日、気象庁では再び噴火レベル上昇について検討する会議を行いました。と言うのも、14日の火山性地震の内2回が、山岡教授が危険と指摘した低周波地震だったからです。しかしここでもネックは、情報の少なさでした。低周波地震という、今までよりハッキリとした噴火のシグナルは確認しました。しかし回数は2回に止まり、マグマの陥入も確認できず、すぐに噴火の危機が迫っているとまで言い切れなかったのです。ギリギリまで協議がされたものの、噴火レベル上昇は見送られました。この事は皮肉な事態を引き起こします。今回の協議内容も地方自治体に連絡されましたが、自治体側は、「レベル1のままだから」と、登山者への告知や注意など、特別な対応は取られなかったのです。火山の麓にあるとはいえ、地方自治体の職員たちは、火山の専門家ではありません。彼らは噴火レベルの増減によってしか危機を判断できないのです。噴火レベルが変更されなかったので、現地では気象庁側が感じていた危機感を共有できなかったのです(前述の山岡教授は、「今回はレベル分けのマイナス面がでた」と指摘しています)。そして御嶽山は、15日に火山性地震が27回起きたのを最後に、地震は終息しました。そのまま眠りにつくかに見えた御嶽山が「跳ね起きた」のは、12日後の27日午前11時41分のことでした。唐突に火山性微動が始まったのです。火山性微動が始まって4分後、御嶽山山頂から3キロの所に設置されている傾斜計がは御嶽山山体が急速の膨張していくのを捉えました。それを見た気象庁火山監視・情報センター(東京の大手町にあります)は驚愕し、直ちに噴火レベルを2(火口周辺規制)に上昇させる準備を始めましたが、その最中の11時52分、御嶽山は噴火しました。危機的兆候が確認されてからわずか11分後、人間側が対応する暇もありませんでした。同日、気象庁は御嶽山の噴火レベルを3(入山規制)に決定しました。噴火規模は平成19年同様小規模なものでしたが、天気のよい土曜日の昼時という最悪のタイミングであったため、多くの犠牲者を出すことになってしまったのです。
2014.10.27
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前に、御嶽山噴火でお亡くなりになった小学5年生の長山照利さん(愛知県豊田市)の話を書きましたが、彼女が身につけていた緑色のジャケット(最初の報道の時は、水色のジャケットとのことでしたが、少し違ったようですね)の持ち主が判明しました。近江屋洋さん(26歳。横浜市中区。10月2日、一ノ池付近で死亡が確認されました)が提供した物だったそうです。御嶽山噴火後、山頂付近にいた長山さんや近江屋さん等、登山者たちは岩陰に避難し、そこで顔を合わせたそうです。この頃山頂は噴煙に覆われ暗闇となり、噴石が降り続いていました。噴火のショックもあってか、「寒い、寒い」と言っていた照利さんに、近江屋さんはザックの中からジャケットを出して「着せてあげてください」と他の登山者を介して手渡したものだそうです。目撃者の話だと、照利さんは足を負傷しており、近江屋さんが手当をしていたそうです(近江屋さん自身も肩を負傷していたようです)。その後、彼らは別れ別れで避難し(岩陰も安全とは言い難い所でしたし、他のも登山者が、入れ替わり立ち替わり避難してきていて、その場に留まれなかったのもあるようです)、近江屋さんと照利さんは命を落としたようです。照利さんのニュースが流れたとき、ジャケットを提供したと証言する方がいなかったので、もしかしたらと思いましたが、やはりお亡くなりになっていたのですね・・・。改めてお悔やみを申し上げたいと思います。それではまた。
2014.10.18
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最近めっきり涼しくなってきましたね。私は鼻風邪を引いたようで、「ハクチョウ! ハクチョウ!」とくしゃみばかりです。皆様も体調にはお気をつけくださいね。さて本日、大変残念な発表がありました。御嶽山での捜索活動が今日で打ち切りとなりました。捜索活動はすでに20日に及び、残りの行方不明者は7名と言われていますが、残念ながら発見できぬまま終了となります。季節は10月半ば、3千メートル級の山である御嶽山は、すでに冬になっています。気温は10度を下回り、先日から雪も降るようになりました(今日は氷点下5度、5センチの積雪もあったようです)。積もった火山灰に加えて雪が積もれば、捜索活動は一層困難になります。今まで救助隊に大きな人的被害が出ていないのはかなりの幸運でしたが、これから先は救助側の2次遭難が起きる可能性があるのです。残念ながら来年春になり、雪が解けて無くなるまで捜索活動は難しいのです。今も帰りを待つご家族の方々の心中、さぞご無念と思いますが、今はどうか堪えてください。また、今日まで救助作業に当たっていた自衛隊、消防庁、警視庁などの各機関の方々にお礼を申し上げたいと思います。・・・まぁ、遺族でも何でもない私がいってもな話ですけどね(汗)。それではまた。
2014.10.16
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台風19号が列島を縦断中ですね。関東は朝頃通過という感じで、通勤・通学ラッシュ直撃する可能性もあります(20時時点での予報では、それは回避されるとのことでしたが)昨日会った友人は、すでに通勤は無理と考えて、明日の臨時休業を織り込んでいる様子でした(苦笑)。まぁ電車止まっていたら、私も無理せず仕事休もうと思っていますが、さてどうなることやら。さて今日は、御嶽山での捜査活動の様子を描いた動画をご紹介したいと思います。陸上自衛隊の撮影で、10月1日の捜索活動の様子だそうです。噴火後の御嶽山山頂付近や噴石で屋根に穴の空いた山小屋の姿、火山灰で覆われ困難を極める捜索活動の模様がうかがえます。全ての行方不明者が一刻も早く発見されることと、活動に当たる自衛隊や消防庁などの皆様の安全と無事をお祈り申し上げたいと思います。 台風接近の伴い、御嶽山麓の王滝村、滝越地区に避難勧告が出ています。噴火により大量の火山灰が放出されているため、土石流の発生する可能性があるからです。これ以上災害が大きくならないことを切にお祈りしたいと思います。それではまた。 PS追記です。動画8分位に山小屋の屋根に、我が同胞イワヒバリが戻ってきているのが見て取れます。無事な姿にホッとする一方、自然の大きさを感じました。
2014.10.13
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写真は、今年GWに愛鷹山登った際に撮った御嶽山です。ちょうど写真中央の山がそうです。この時は噴火するなんて、考えても見ませんでした・・・。世間様では、御嶽山から台風18号の被害の方に関心が移りつつありますが、火山オタクの私めは御嶽山の話を、これからも書いていきたいと思います。さて、台風による大雨は御嶽山にも及びましたが、幸い土石流などの被害はなく、二次被害は起きずに済みました。報道で火山灰で真っ白になった玉滝川の画像見て、ビックリした方もいたかもしれません。ただ今回は土石流は大丈夫でしたが、今しばらく警戒は必要です。また大雨により山頂の火山灰が泥濘化して、行方不明者捜索に影響がでるかも知れないことが心配です。本日10月7日、新たに3名の方が発見収容され、犠牲者は54名となりました。内死因が判明しているのは51名、噴石・火山弾による損傷死は50名という数字に及んでいます。噴石・火山弾が怖いことはよく知っていましたが、今回の数字は桁違いに恐ろしいですね・・・。さて、先日身元が判明された中に、小学5年生の女の子長山照利さんがいました。この子の存在は初日から報道されていたので、私も気を揉んでいたのですが(私も自分のトシがトシなので、自分の娘が災害に巻き込まれたような感覚でした)、非常に残念な結果になっていました(涙)。彼女の最後の写真は、同じ登山グループの高校生の伊藤琴美さん(彼女も亡くなっています)とのツーショットで、送信時間が噴火と同じ11時52分(写真自体は噴火の4分ぐらい前だったそうです)だったというのも、何か無情を感じますね。噴火がなければそのまま下山して、いい思い出になっていたのに・・・。改めてお悔やみを申し上げたいと思います。さて照利さんのニュースには<個人的に驚いたことがありました。照利さんは発見されたとき、男物の水色のジャケットを身につけていたそうです。もちろんそれは彼女の持ち物ではなく、他の登山者が彼女に貸したものだったと考えられています。ジャケットの提供者(照利さんに、ジャケットを貸したと証言している登山者がいないので、持ち主は亡くなった方の中にいたのかもしれません)は、恐らく照利さんが少しでも怪我しないようにと貸したのでしょう。ジャケットに火山弾を防ぐ機能はありませんが(鎧兜着ていたとしても、火山弾は防げません)、厚着をすることで、怪我をしにくくすることは出来ます。残念ながら彼女は生還できませんでしたが、噴火の極限状態の中でも、助け合いの精神がしっかりとおこなわれていた点に、胸が熱くなります。他にも、別の登山者を守るように、折り重なって亡くっていたという話もありますから、助け合いの行動は、あの時御嶽山では、自然におこなわれていたのかもしれません。また今回の御嶽山の噴火では、生き延びるために最大限の努力をしていた登山者たちの姿も伝えられています。噴火後、岩陰に隠れたり、保温シートにくるまるなどして、生きるために頑張っていたのです。残念ながら、身を隠す前に重傷を負っていたり、隠れた後に噴石や火山弾の直撃を受けて(完全に身を隠せる場所はありませんから)負傷し、救助を待ちながら力尽きてしまったのでしょう(火山弾や噴石は、イメージとして銃弾や砲弾が当たるのと同じで、骨は砕け、体に穴が空きます。血管などが傷つけば大量出血します)。結果的には非常に残念な事になりましたが、最後の瞬間まで戦い続けた努力に、心から敬意を表したいと思います。私も同じ状況になったら、諦めずに頑張らねばという思いを強く持ちました。・・・まぁ、噴火に巻き込まれないことにこしたことはありませんが。それたではまた。
2014.10.07
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一週間前に起きた御嶽山の噴火、本日(10月4日早朝)時点で犠牲になった方は47名、戦後日本の最大の火山災害が平成3(1991)年6月3日、長崎県雲仙普賢岳の火砕流による犠牲者43名(その後出た犠牲者1名を加えると44名)を追い抜き、戦後日本最大の火山災害となってしまいました。しかもまだ行方不明の方は16名とも20名とも言われていますから、犠牲者の数がさらに増えることは確実です。亡くなられた方々のご冥福を、遺族の方々にはお悔やみの言葉を、改めて申し上げたいと思います。今回の噴火が、雲仙普賢岳の噴火と異なるのは、極めて小規模な噴火であったにもかかわらず、犠牲者が大きかったという点です。「きわめて小さい」と言う表現に驚かれるかも知れませんが、噴石・火山弾の降ったエリアは4キロメートル以内に収まり(正確に言えば、噴石・火山弾のほとんどは、噴火口から500メートル以内に落ちています)、火山灰の被害も、麓の農作物などに被害を出ているものの、村が灰で覆われたりという事態には陥っていませんし、公共交通機関が止まったり高速道路が閉鎖されると言ったより大きな混乱は起きていません。第1、噴火場所にほど近い剣が峰御嶽山荘(山小屋)や御嶽神社奥社も、灰だらけ穴だらけながら原形をとどめています。もう少し大きな噴火であれば、跡形もなく吹き飛んでいたことでしょう。もし噴火のタイミングが、登山者の少ない平日、時間も数時間前後にずれていたら、犠牲者の方の数は相当数少なくなっていたと思います(さすがに1人も出ないとまでは言えませんが・・・)。返す返すも、天気の良い土曜日のお昼頃という、最悪なタイミングで、登山者から見てほぼゼロ距離で噴火したことが、かくも大きな人的被害をもたらしたと言うことが無念でなりません。噴火の状況を少し振り返ってみたいと思います。噴火場所は御嶽山最高峰の剣が峰(3067メートル)の南西方向約500メートル付近で、しかも登山道に面した部分でした(玉滝口登山道の9合目から剣が峰へのルートにある「八丁だるみ」地点と、剣が峰から火山湖である二の池へ向かう途上の登山道に沿っています。ちなみに昭和54(1979)年の噴火場所より100メートルぐらい遠方です)。昨日(10月3日)航空機からのレーダー観測で、約9つの火口が空いていることがわかりました。火口の中で最も大きいのは18メートル位とのことで、火口の大きさから見ても、今回の噴火規模が小さいことがわかります(単純な比較は出来ませんが、富士山の宝永第1噴火口は、約1.3~1.6キロメートルです)。11時52分に噴火が始まると、噴石や火山弾は、風向きに沿って、火口の北東方向つまり剣が峰の山頂方向を中心に降り注ぎました。時刻はちょうどお昼時、みんな見晴らしの良い山頂付近で、のんびりとお昼を食べながら景色を眺めたり雑談に興じたりして、過ごしていたことでしょう。そこに噴石・火山弾の十字砲火が浴びせかけられてしまったのです。噴石・火山弾の時速は200キロ以上、大きさは機関銃弾ぐらいのものから、軽トラ並みのものまで降り注いだことになります(ちなみに軽トラの重さは700~900キログラム位、これを大砲の砲弾に置き換えてみますと、日本海軍の戦艦金剛型、扶桑型、伊勢型が搭載した36センチ砲(イギリス製大砲がベースなので、口径は正確に言えば14インチ(35.6センチ)です)の砲弾重量が約900キログラムになりますから、この時登山者は、銃弾と艦砲射撃の豪雨の中に放り込まれたことになります)。隠れるところのない山頂、しかも噴火によって吹き上げられた大量の火山灰に足を取られながら逃げた訳ですが(恐らく噴煙で視界もゼロに近い状態になったことでしょう)、相当困難を極めたのは想像に難くありません。現在確認されている死者47名の内、噴石と火山弾による損傷死は46名という結果になってしまいました(その内亡くなった方の7割近い31名が、山頂での犠牲でした)。噴火当時、山頂には150名とも250名とも言われる登山者がいたといわれていますが、生者と死者を分けたものは、まさに運だったんだなと考えさせられます。さて現在も御嶽山は、火山灰と火山性ガス(硫化水素)の放出が続いており、捜索活動は困難な状況が続いてています。しかも10月4日現在、台風18号の接近していますから、大雨となればラハール(火山性土石流)の発生する可能性もあり、一層捜索活動が難渋する可能性もあります。麓の村も被害が出る可能性もありますので、地元の皆様もご注意くださいね。それではまた。
2014.10.04
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・・・写真だけでも明るくと思いまして(汗)。本日、亡くなった方の数は一気に12名に達してしまいましたね。心肺停止者は24名、行方不明者もまだまだ出てきそうですから、死者の数はどんどん増えそうですね・・・。私も火山にはのぼる身ですから、人事とは思えずいたたまれません。謹んでお悔やみ申し上げます。救助作業は2日目になりましたが、作業は難航しています。理由は・山頂を往復するのに7時間近くかかる事(火山灰で埋もれて足場が悪いのと、途中で遭難者がいるかも知れないということで、周囲を探りながら上り下りしているため)。・噴煙が上がったときはヘリコプターは飛ばせなず(エンジンが火山灰を吸い込むと故障して墜落します。自衛隊の火山災害用装備を装着したヘリコプターは、「カバの鼻」とあだ名される防塵フィルターをつけていますが、灰を吸い込みにくくするだけで完全に防ぐ事は出来ません)、ヘリを使用できる時間が制限されてれてしまう事。・再噴火の恐れがありますから、山頂の山小屋に夜通し留まるのは危険なため、日が暮れる前に撤収しなくてはいけない事。・濃厚な火山性ガスの放出が続いており、現場に留まれる時間も限定されてしまう事。という、悪条件が重なっているからです。ただでさえ、酸素濃度の低い3千メートルの山頂では走ったり出来ませんから、「心肺停止者が〇人」と、わかっていても中々救助が進まないのです。そらに遭難者の多くが厚い火山灰に半ば埋もれてますからね。そこから引き出すのは凄い労力がかかります。そう言ったことは山に詳しくない方から見ると、もどかしいかも知れませんね。心肺停止者の発見された場所を見ると、山頂を中心としたエリアに集中しています。これはお昼時、山頂で昼食を取ろうと登山者の多くが集まったところに噴火がはじまり、噴煙で視界を遮られて逃げ場を失い、火山弾の直撃や、熱風を吸い込んで肺や気管が火傷したり、火山性のガスにまかれて窒息して、どんどん倒れていった姿が想像されます。つくづく噴火した時間が悪い。最悪のタイミングだった事が恨めしいです・・・。また噴火ですが、今日新たに低温火砕流という現象が起きたことがわかりました。通常火砕流は、500度以上の高温の火山灰と砂礫の熱風で、これに巻き込まれれば人は1分とたたずに炭化し、樹木は燃えます。車などは外はフライパン、中は蒸し器状態になり、気化したガソリンが引火して爆発したりと、まるでハリウッド映画のワンシーンに出てきそうな状況になります。しかし幸いというか、低温火砕流は、温度が通常の火砕流の1/10以下のとても低い火砕流です(この現象は、平成12(2000)年の三宅島の火山噴火の際に初めて観測されました)。そのため3キロメートル近く駆け下ったにもかかわらず、樹木も焼けずに済んだのでしょう。噴煙に飲み込まれた登山者の多くが「熱かった」と証言してますが(仮に50度だったとしても、生身の人間にとってはかなりの熱風です)、低温火砕流に巻き込まれていた方もいたと思います(ただし、火砕流のほとんどが、人のいない斜面を下っていったようですが)。この低温火砕流のメカニズムは、現在よくわかっていません。ただひとつ言えることは、もし通常の火砕流が発生していたら、犠牲者の数はもっと増えていたと言うことです。そう考えると恐ろしいですね・・・。それともう一点興味深い事もわかりました。御嶽山山頂の南東3キロ付近に設置された傾斜計が、噴火7分前の11時45分頃から、御嶽山山体が膨張していた事を示すデータを観測していたことがわかりました。山体膨張は11時52分まで続き、その後一転して収縮していることから、噴火で山を押し上げていた圧力が一気に抜け、元に戻ったと事と考えられます。もし噴火7分前に警報が出せたとしても、犠牲者を無くすことは出来なかったでしょう。しかしこういった情報の蓄積が、これから先の火山予知の進歩に役立っていくことになると信じています。それではまた。
2014.09.29
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今日は爆発的な噴火活動は無かったようですが、火山ガスの放出が続き、御嶽山の依然火山活動が続いています。昨日は山中で孤立していたものの、今日無事下山してきた方々のインタビューを読んでいますが、かなり切迫した状況が伝わってきました。私も火山弾や熱風の恐ろしさを知識として知っていますが、現実に体験したことはありませんので、非常に恐ろしく感じました。実体験された方の体験談は私にとって宝石より貴重です。まずは無事下山された方々の無事をお祝いしたいと思います。しかし一方で、心肺停止の方31名、重軽傷者41名、行方不明43名という発表もあり、火山活動の継続と合わせて依然予断を許さない状況が続いています。1人でも多くの方が助かることを祈って止みません。私も普段登る山は火山なので、御嶽山の噴火は他人事ではありません。自分が火山噴火に巻き込まれたかのような落ち着かない感じがずっとしています。明日は我が身という気持ちがあるからですかねぇ。もし捜索活動などでボランティア募集があるなら、参加したいです(まぁ、体力無しのへたれ鳥なので、行っても役に立たないかも知れませんが・・・)。2日目の情報としては、やはり水蒸気爆発の可能性が高いようです。火砕流も発生したようですが、範囲は狭く、樹木の焼失などはないようです。またマグマ噴出も確認されておらず、その辺も今回は大丈夫なようです。しかし一方で、噴火活動はこれで収まるかどうかは、現時点では不明です。当面警戒が必要になると思います。あとは大雨が降らなければいいんだけどなと思っています。雨が降ると積もった火山灰がラハール(火山性土石流)を引き起こすことがあるからです。台風の直撃とか来ないことを祈りたいものです。現地の方々は当分、火山灰、噴石の他に、土石流情報にも注意してください。それではまた。PS私事ですが、昨晩珍しく母鳥から電話がかかってきました。その時たまたま近くに買い物に行っていて、携帯を家においていたため出られなかったので折り返しでかけたところ、「あんた今どこにいるの!」と慌てた感じでした。「家にいるけど」といったところすごく安堵していました。どうも私が御嶽山にいると思いこんでいたようです(どうも5月ぐらいに、「(今年のぼる山は)御嶽山もいいなぁ」と話していたのを覚えていたようです)。うーん、普段は呆けてて何言っても覚えていないのに、珍しいなぁと目を丸くしました。まぁ、私もずいぶん親不孝かけているから、心配するのも仕方ないのかもしれませんね・・・。
2014.09.28
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21時時点ぐらいの情報をもとに、まとめてみたいと思います。今回の御嶽山噴火は、山頂火口からの噴火だったようです。火山性地震は半月以上あったとはいえ、ほとんど前兆現象なく噴火していますから、水蒸気爆発の可能性が高いかなと個人的には思っています(昭和54(1979)の噴火は水蒸気爆発でした)。一部報道では火砕流も発生したといわれています。御嶽山は富士山に比べると大きな火砕流が起きやすい成分ですが、今のところ大規模なものではないようです(火砕流自体は、火山活動で当たり前に起きる現象なので、私はそれほど大あわてしていません)。まぁ、それでも直撃すれば命はありませんから、火口から4キロメートル以内へ入るのは厳禁です(入山規制が発令されましたから、行く人はいないでしょうけど)。今のところ溶岩流の噴出は確認できていないようですので(この辺も水蒸気爆発かなと、私が考えている根拠のひとつです)、今回の活動は降灰と噴石がメインのようです。怪我をされた方の情報を見ると、噴石が直撃したり、熱い火山灰を吸い込んで肺が焼けたりということのようで、噴火の激しさがうかがえます。今も山頂の山小屋に取り残された方が何十人かいるということですが、夜間、噴火が続く中で下山するのは危険ですから(山小屋の中ではある程度の避難設備があるはずです)、救助隊が来るまでは山小屋に留まった方が安全でしょうね(こういうとき「山小屋を噴火が直撃したらどうするんだ」と言う方がおられますが、その時は諦めるしかありません。少なくとも火山弾や火山灰が降り注ぎ、視界が聞かない中下山しようとしたり野宿するよりも、山小屋の中に退避していた方が確率的に生存率は上がります。少なくとも私は登山中火山噴火に遭遇した場合、生存率が高い場所に避難して、それでもダメだったら仕方ないという覚悟で山に登っています)。ともかく明日無事下山されることをお祈りいたします。今後の状況ですが、気象庁の発表しているデータを見る限り、大きな火砕流といった大規模噴火を引き起こす可能性は低そうですが、ただし今日だけで終息するかといえばその可能性も低そうです。しばらくは今日と同レベルの噴火活動が起きるものと考えた方が良さそうです。また、火山活動が続く場合、風下に当たる甲信地方や首都圏で、交通の混乱が起きる可能性もあります。明日は日曜日ですが、遠出を予定される方は気をつけてください。それにしても紅葉シーズンの週末、しかもお昼頃に噴火とは、何とも嫌なタイミングで噴火しましたね。だいたい朝登りはじめた登山者がもうすぐ山頂だと、気が緩んだ瞬間にドカンと来た感じです。こんなタイミングで噴火するなよと山に文句を言いたくなります。しかし自然が牙をむくときというのは、こう言う瞬間に起きるものなのかも知れません・・・。報道写真をいくつか見ましたが、火山灰で灰色に染まった山小屋はやはりショックです。特に私は今年5月頃に、夏の登山予定の山として山小屋とか熱心に調べていたから余計に感じるのかも知れません・・・。御嶽山は、3千メートル級の山の中ではかなり登りやすい山として知られていましたが、今回の噴火でそれも少し遠くなってしまうかも知れません。ともかく、大きな被害が出ずに噴火活動が終息するといいのですが。それではまた。
2014.09.27
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久々リアル火山情報です。本日9月27日11時53分頃、長野県と岐阜県の境にある御嶽山(3067メートル)が噴火しました。詳細はまだ不明ですが、山頂付近では負傷者が出ているという情報もあります。紅葉シーズンのため150名以上の登山者がいたと思われています。皆さん無事に下山されますようお祈りいたしたいと思います。今のところ大きな噴火になるかはわかりませんが、少なくとも風下4キロ圏内では、降灰の他に噴石などの被害が予想されます。外にいらっしゃる方は十分気をつけてください(まぁ、噴石の場合は、家の中にいても屋根突き破って来る場合もありますからも安全とは言い難いですが・・・)。気象庁の発表では火山性地震が増加傾向にあるという発表が、今月11日に出されていましたが、一気に来ましたね。火山の噴火の予測は本当に難しいです。今回の御嶽山のように危険な兆候からすぐに噴火に繋がった場合もあれば、草津白根山(2160メートル)のように、今年6月に噴火レベルが引き上げられたのに、噴火に至らず今もにらみ合いになっている所もあります。現在の科学技術ではピッタリ予測することは無理です。まだまだ予知に関する研究は時間がかかります。それにしても御嶽山、今年私が登山計画した中で候補にしていた山なので、かなり驚いています(候補だけで終わった理由は、「3千メートル級をのぼるには自分の体力不足が気がかり」「交通の便が悪くて思うような登山日程を組めなかった」という2点からでした)。来年とまでは言えませんが、いずれはのぼってみたい山でしたが、こうなると当面御嶽山の登山は無理そうですね・・・。ともかく大事にならないことを祈りたいと思います。それではまた。
2014.09.27
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最近、いろいろな事件や出来事が急展開してますねぇ。時代の流れが速いのか、たまたま刈り入れの季節が重なっただけなのか、どっちなんでしょうね。それはさておき、昨日3日に、私が注目する発表がありました。火山噴火予知連絡会が、富士山と箱根山に現在のところ噴火の兆候無しという見解を発表しました。東日本大震災後、富士山や箱根山など、北海道・東日本地域の多くの火山で、火山性と思われる地震が起きていましたが、震災から3年、観測データの数値は落ち着きを取り戻しつつあるようです。予知連の発表をあてにならないと酷評している人も多いようですが、データの解析は必要ですし重要です。残念ながら現在の科学技術では、「明日噴火します」といったことを予測することは出来ません。しかし今は不十分な予測であるとしても、日頃のデータの積み重ねと蓄積、分析が、将来に繋がるのですから、今はまだダメだからと鼻で笑うのは間違いでしょう(ぼそ)ていうか、そう言う人は、もう一回高校で地学の授業受け直して、己の無知を恥じてこいと言いたい。予知連にいるのは予言者でも超能力者でも何でもないのです(ぼそ)。人間の体だって、定期検診でレントゲン撮ったり、心電図をしたりして体の変調を捉えようとしているじゃありませんか。結果として、数日後に心臓発作で死ぬことになるとしても、明日の健康診断を無駄だと否定する人はいないでしょう。火山の分析もそれと同じです。ちなみに私の父鳥は、会社の健康診断で、「心電図見ると、ちょっと不整脈のきらいがあるね。でもこれぐらいなら薬はいらないかな。しばらく様子見しよう」と、言われた1週間後に心筋梗塞で倒れました(汗)。結果として、薬いらないどころか、すぐに治療しなきゃいけなかったわけですが、私は別段その健康診断の先生を藪医者とは思ったことはありません。まぁ、薬出してくれていたら、父鳥もあんなに苦しい思いすることなかったかもなぁと思いますけどね(父鳥は10年以上過ぎてから、主治医の先生に、「あの時はこのデータでは判断できなかったけど、今ならすぐに、完全に心筋梗塞起こすこと断定できたんだけどね」と言われたことがあるようです。医学も日進月歩していると言うことでしょう)。まぁ、火山である以上、富士山もいずれ噴火が起きる可能性は高いと思いますが(私は次の東海地震が起きた後が、気をつけないといけないと思っています)、現時点では心配しすぎる必要はなさそうです。ちなみに富士山と同時に箱根山も触れられていますが、先日私が登山した愛鷹山とは異なり、箱根山は火山として枯れ果ていません。富士山に噴火の力点が移って大人しくなってきていますが、これから先、箱根山の噴火する可能性はゼロではありません。しかも箱根山の溶岩の性質は粘着性が強く、もし噴火した場合、雲仙普賢岳でおきたような火砕流が発生する可能性があります(事実、過去の箱根山の火砕流は、現在の横浜・川崎近辺まで到達しています。ちなみに富士山の溶岩はさらさらしている性質なので、大きな火砕流は発生しにくい傾向があります)。予知連が今回触れたのも、そう言った過去の事象を勘案しているのでしょう。まぁ、昨年2月に群発地震に見舞われた箱根山ですが、今のところ危険は小さそうです。とりあえず安心できそうな富士山と箱根山はともなく、ちょっと気になったのが、霧島新燃岳(1420m)です。震災前平成23(2011)年1月に噴火がはじまり、その後落ち着きを取り戻しつつ見える新燃岳ですが、昨年12月あたりから、マグマだまりに膨張傾向が見られることが確認されています。これはつまり、燃料がチャージされているわけです。マグマの増加=噴火というわけではありませんが、嫌な兆候なのは間違いありません。あと新燃岳には火山性地震はあまり見られませんが、隣接する霧島韓国岳(1700m)の方に火山性地震が増加している傾向があるようです。当分霧島連峰は要注意のようです。また、群馬・長野県境にある草津白根山(2160m)では、小規模な噴火が起きる可能性があるということで、気象庁は噴火警戒レベルを1(平常)から2(火口周辺規制)に引き上ました。これにより火口から2km以内の立ち入りは規制されます。同山の規制引き上げは初めてということで、地元は対応に追われているようです。何事もなく収まればいいのですが。しかし当面は要注意ですので、登山を考えていた方は、大変残念だと思いますが、今回は諦めてください。あと昨年末以来、噴火活動が続いている西之島でも、警戒レベルが上がりまして、こちらは2km以内の海域へ近づかないよう呼びかけられています。近くへお出かけの際は・・・、って、東京南800km位離れた海上を、散歩される方はいないでしょうから、大部分の人には関係ないか(笑)。すでに出現から半年が過ぎ、面積も5倍以上になったようですが、こちらどれぐらい噴火が続くんですかねぇ。それではまた。
2014.06.04
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