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2010年08月30日
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カテゴリ: お出かけ記
ぬちしぬじがま、
沖縄の方言で「ぬち=いのち」を「しぬじ=しのいだ」「ガマ=洞窟」
つまり「命をしのいだ洞窟」へ行ってきた。

今年で三年目になる沖縄家族旅行。
毎年、飛行機と宿だけ取って出掛ける。
唯一、前もって予定を入れるのが、自然体験のツアー。
Ryuさんというガイドの方が一人でやっているツアーは
一年目に「浜辺と磯のツアー」、 去年は「ジャングルの沢歩き」
「夜の探検ツアー」に参加、今年は「鍾乳洞ツアー」を予約した。


毎回子どもも大人も大満足だった。
いつも、初めて出会う自然にただ感動するだけでなく、
地球のこと、時間のこと、色んなことを考えさせられる
とっても刺激の多いツアーだ。

今年も、期待いっぱいで待ち合わせの場所へ。
いつもの通り、Ryuさんの車で探検場所へ行く。
今までは、殆ど観光客も来ない「秘密の場所」だったが、
今回は、Ryuさん以外の方もガイドをしているという鍾乳洞。
車を降りて歩くと、整備された案内の看板があった。
「ぬちしぬじガマ」。
いのちをしのいだ洞窟という意味だそう。

その洞窟に身を隠したという。
幸い、その方たちは無事助かり、死者を出さなかった。
それでも、「戦争」というキーワードが出てきて、
ちょっといつものツアーとは違うな、という緊張感が漂った。

沖縄本島のへそ(中心)にあたるこの場所。

このあたりは闘牛の町だそうで、牛を飼っている所が多い。
闘牛には会えなかったけど、肉牛?が居たので、子どもたちは餌やりをした。
段々狭くなる上り坂を歩くと、にわかに大粒の雨が。
また、雨女っぷりを発揮してしまう。
足早に洞窟近くへ急ぐ。

Ryuさんが入り口近くの岩盤のところへ私たちを案内した。
いわゆる山あいの土地なのに、よく見るとそれは岩盤ではなく古いサンゴだった。
その証拠に二枚貝の化石があちこちに埋まっている。
山の中に貝??遥か昔の地殻変動で海の底が隆起したのだろう。
「昔はここは海の底だったんだよ。」と言われて不思議な気分。

洞窟へ入る前に注意事項の最終確認。
鍾乳洞であるため、頭上と足元はとがった岩ばかり。
帽子をしっかりかぶり、特に大人は頭に注意するよう言われた。
一人ひとつずつ懐中電灯を渡され、いよいよ入り口へ。

細い曲がった道を下り、また登り、ガジュマルの木がうっそうと茂る
湿った日陰に、暗い入口が不気味に口を開けていた。
隠れ家にふさわしく、この入り口はなかなかに分かりにくい。
雨で湿った空気とその静けさに、大人の私でさえ正直少しぞっとした。
Ryuさんを先頭に洞窟へ入る。

いきなり、左右から大きな岩がせり出した通路を通る。
探検気分は一気に盛り上がる。
音の響きが外界とはすっかり変わり、光が届かなくなってすぐに
外の世界のことは忘れてしまった。

足元にはひんやりと浅い川が流れている。
この川は外界とつながっているので、生息する生物は
外界のものと同じものが多い。
ヨシノボリ、やエビなどを見つけながら、奥へ進む。

奥へ進むと天井の高い、少しだけ広めの空間へと出た。
とりあえずそこで探検はストップ。
暗闇に目が慣れてきたとはいえ、どのくらいの広さか
なかなかつかめない。
ここで、Ryuさんの懐中電灯を残し、それぞれの電気を消した。
そして、最後にRyuさんの懐中電灯を消す。

真っ暗。
「目の前で手のひらを振ってみてください」
と言われやってみるけど、当然何にも見えず。
瞬きをしても、もちろん何も変わらず。
ただただ、暗黒の世界。
そこにある懐中電灯の電池がすべて切れたら、
私たちは外へは出られない、とRyuさんに
言われぞっとする。
命の危険すらあるので、この洞窟にはちゃんと
管理者がいて、許可を取らないと入れないという。

私たちがいかに「光」に頼って生きているかを痛感する。
「どんな音が聞こえますか」といわれ耳を澄ます。
視界が奪われると、必然的に聴力は研ぎ澄まされる。

さわさわ・・と水の流れる音。
ひたひた・・と水が岩肌をすべる音。
ぴたぴた・・としずくが落ちる音。

私たちの気配を除けば水の音だけ。
脳にインプットされるのが、こんなにシンプルな音だけ
というのもなかなか無いことで、体と頭の中がイマイチ
状況についていってない様な、異様な感覚。

暗黒の時間が一分、二分と過ぎていくと、むらむらと
湧き上がる欲求。
「電気点けたい」。
暗闇が怖いというより、とにかく落ち着かない、不快な気分。
ああ、はやく灯りを・・と思っていたら、
案の定、次男(五歳)が悶えだした。
私にしがみついてくる。
そうよね、落ち着かないよね。
「早くつけて・・」。

5分が過ぎようやく懐中電灯を点けてOKと言われる。
ほっとして肩の力が抜ける。
明らかに、さっきより視界がクリア。
目が暗闇に順応して、わずかな光も拾おうとする。
普段はまず使わないが、ちゃんと人間にもそういう能力が
あるんだね、と再確認。
ちょっとだけ研ぎ澄まされた感覚で、探検を続ける。

足元の水の冷たさも、最初よりは慣れてきた。
鍾乳洞であるので、よくよく見ればどの岩も奇妙な形をしている。
そして、ひたひたと流れるカルシウムたっぷりの水のおかげで、
今も少しずつ少しずつ形を変えている。
その速さ、1センチで100年ほど。
ということは、そこらにある岩はそれぞれウン千年?ウン万年?の
時を凝縮している。気が遠くなるほどの時間の流れ。

歩いていると、Ryuさんが「こうもりの臭いがする」という。
「こうもりの臭い??」、鼻には自信があるので、精一杯
鼻を澄ます?とわずかだけど生き物の臭いが。
「臭っ」というほどではないけど、生暖かい風と共に
埃っぽい臭いがしてきた。
懐中電灯をかざすと、ぱたぱたとこうもりの群れ。
別にこっちに攻撃を仕掛けてくるわけでもなく、子どもたちも
怖がらず見上げている。
しかし、よりによって、こんな場所に住むなんてね。
でも意外と静かでいいのかな。

気がつけば探検も一時間を超えていた。
初めよりは、洞窟に順応してきた自分がいる。
再び、広い空間に出てきたところで、Ryuさんがこの近くの集落の
おばあに聞いたという話をしてくれた。

(その2へ続く)










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最終更新日  2010年08月31日 00時01分59秒
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