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2012年06月11日
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カテゴリ: 日々徒然
小学校で読み聞かせのボランティアをして、今年で五年目。

元々絵本が好きなので、今まではいわゆる絵を見せながら読む、
「絵本の読み聞かせ」をしてきたが、そろそろ新しいことにチャレンジしようと思い、
今年はいわゆる「朗読」をしてみようと思い立った。

ちょうど先月、「読み聞かせ講座」なるものがあり、もう一度読み聞かせの
基礎を見直す機会があった。
そこで、最後の質問コーナーで
「朗読にチャレンジする予定だが、絵本と違って、何か気をつけることはありますか?」


今までは、お話だけでなく、素敵な「絵」という子どもにとってこれ以上ない
情報源があったので、読み手の表現力はそこまで必要とされていなかったかもしれない。
子どもは感覚的にまず絵から入るので、絵をバックに私の読むお話が流れている
という状態で、絵の力を借りていることが多かった。
でも、朗読となると、もちろん絵がないので、絵に頼ることが出来ない。
おはなしを伝える手段は私の声のみ。
先生は最初に「ご自分の声は好きですか?」と質問された。
この私、ハイと言えなかった。いつも鼻声だし、女性にしては低い声だし。
「まずはご自信の声を好きになってくださいね」と言われてはっとした。
いつも読んでいて思うことは、まず第一に私自身がその絵本を好きであること、
それが子どもたちにお話を伝えるときに、とても重要なのだ。

不満はあるけど、この声で表現していくしかないんだろうな。
一応最終目標として自分の声を好きになれるように、ということも願って。

私のもう一つの不安は、朗読する人と子どもたちの距離感だった。
いつもは絵本の絵に、私も子どもたちも注目することで、いっぺんに一つになれた。
でも、今回は私は本に目を落とし、子どもたちは・・・一体どこ見て話を聞くんだろう?

そのことが、不安になった。
先生のアドバイスは、朗読といっても、要所要所で、読み手の顔を見るんですよ、との事。
絵本でもそう、字を追いながら、子どもたちの目を見るその瞬間が私は大好きで、
子どもたちの目がきらきらしているとこっちまで、うきうきしてくる。
そっか、そんなに難しく考えなくても良かったのだと、ようやく合点がいった。

絵は読み手、聞き手がそれぞれの頭の中に自由に描く。ただ、それだけのこと。
あとは、その絵を描くための情報を私がしっかりと伝えればいい。

ということで、最初から長編も厳しいので、時間内にさらっと読める
短編を探した。先生お勧めの本「木曜日はあそびの日」(グリパリ作 岩波少年文庫)
の中から、一足の靴というお話を選んだ。
一足の夫婦の靴(右足が夫で左足が妻)が主人公で、その靴を買った婦人の
日常と、靴の世界が交錯するファンタジー。とにかくその靴の夫婦が仲良しで、
彼らの会話(夜の戸棚の中で繰り広げられる)と人間界の会話のちぐはぐさが
可笑しい、短いながらも楽しいお話だ。
長さもゆっくり読んでも15分以内で終わる、ちょうどいい長さ。

あとは、読み方の問題。
とにかく会話が多いので、登場人物が混乱しないように、声の高低、大小を駆使して
何とか会話が目に浮かぶようにした。
よく、絵本なんかでも、演劇さながらに声色を使って演じ分ける方がいるのだけれど、
一応読み聞かせの世界では、それはご法度(紙芝居は別)。
必要最小限の演出で、後は聞き手の想像力に任せる。
それが、読み聞かせの極意ともいえるかも。
こちらが派手にやればやるほど、子どもたちは楽しむだろろうけど、受け身になる。
今の子どもたちは、ゲームにテレビに日々刺激的な映像に触れているから、
言葉から想像する力はきっと弱くなっているのだと思う。
だからこそ、言葉に耳を傾けるという時間がとても大切なんだと(私は)思っている。

とにかく初めてのことなので、いつも以上に念入りに練習を重ね、
今日は息子のクラスである5年3組で読んできた。

本から顔を上げるポイントまで決めておいて、途中何度も子どもたちの顔を見た。
あちこち余所見して聞いてるだろうな、と高をくくっていたら、なんと子どもたちは
読んでる私の顔をじっと見ていた。だから、どこを向いてもたいてい子どもたちと
目があった。
読み進んでいくと、一人の女の子がじっと自分の上靴を見つめて、動かしているのが目に入った。
私たちの知らないところで、会話をしている靴たちの世界(もちろんファンタジーだけど)
にすっと入っているのがわかって、正直やった!と心の中でガッツポーズ。
途中幾度か子どもたちが声を上げて笑う場面もあり、あっという間に読み聞かせが終わった。

絵本より、ずっと難しいかなとは思っていたけど、むしろ冷静に子どもたちの心の中を
確認しながら話が進められて、正直楽しかった。
まだまだ読みたい本で長編なのもあるので、今年は少しずつチャレンジしていこう。

読み聞かせ講座の中で、先生が最後におっしゃったのは「言葉の力を信じたい」。
この歳にもなると、言葉の持つ力だけでなく、むしろその薄さ、儚さ、もっといえば
いい加減さなどという、言葉の限界なんかも嫌というほど味わってきて、
最近の私はもう「言葉は信用ならん」とまで思ったりもしていて。

でも、やっぱり言葉でないと伝わらないものもあるし、言葉にしなくてはいけない時もある。
おはなしが言葉に乗って、子どもたちの中で生き生きと動き出したとき、
やっぱりその言葉の力には、参りましたというしかない。
何を隠そう、こうした思いをまたつらつらと書きつづっている私は、
やっぱり言葉の力を信じてるんだろうな。








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最終更新日  2012年06月11日 15時03分55秒
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