今日の記事も 前回 に続き、決勝戦(6月14日)9回表の「バスター」のこと。
法政大、この9回表を「舞台」に例えるなら、さしずめ演出は 金光興ニ
監督、主演はリーグ戦こそ脇役だった 大八木誠也
(3年、平安高)と
いったところだろうか。そして演出者と、突然主役に抜擢された役者の演技
が見事にはまったとは言えまいか。
この場面、各紙の記事を引用してみた。
■法大・金光興二監督(53)が土壇場で仕掛けた。9回無死一、二塁。
佐々木が初球、送りバントをファウルすると代打大八木を送る。その1球目、
バスターに転じた。打球は中堅右を襲って、勝ち越した。
「堅く行っても点が取れない。賭けみたいなもん」。
同監督が説明した。(以上、日刊スポーツ)
■14年ぶりの頂点をつかみ取ったのは、今季を象徴する(金光監督の)
積極采配だった。1-1の9回無死一、二塁。5番・佐々木が初球のバントを
ファウルすると、すかさず代打・大八木を告げた。2球目。相手のバントシフト
をあざ笑うように、大八木はバントの構えからバスターに切り替え、右中間を
破る決勝の2点適時二塁打を放った。
「堅くいっても点が取れないなら大八木に思い切っていかせようと」
と明かした。(以上、スポーツニッポン)
■犠打警戒で野手が出てきたらバスター。監督の了解をもらって打席に入った
大八木は 「突っ込んできたんで打ったろうと思った」
と破顔一笑だ。
(以上、サンケイスポーツ)
金光監督、ただ打つことだけを期待するなら、 佐々木陽
(3年、作新学院高)
にそのまま打たせた方が得点の確率は高かったように、ボクは思う。
なのに佐々木が1球目をファールした直後、迷うことなく代打を決断した。
録画したDVDを見る限り、「代打・大八木」を主審に告げるため金光監督は
ベンチを出たきり、大八木と直接会話するシーンはなかった。ただ大八木
がベンチから飛び出す直前の2~3秒間、2人が会話するシーンがあった。
大八木が何かを話し、その時に(ボクは読唇術の心得はないが)金光監督は
頷きながら 「思いきって、思いきって」
と大八木に声をかけていたように見えた。
サンケイスポーツの記事が確かだとすると、大八木がベンチを飛び出す直前に
「内野が前に突っ込んできたら打っていいですか」
と聞き、金光監督はバントと
思う相手の心理を逆手にとった「賭け」と考え、 「思いきって、思いきって」
と声を
かけたといったところだろうか。
突然訪れた場面で堂々と自分の意見を進言する選手。そして元来「堅実」な
作戦を好むのに、究極の場面で選手の進言を受け入れる度量を持てた監督。
この選手と監督の信頼関係が法政大を14年ぶり8度目の優勝をもたらしたと
言えそうだ。
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