(2006年8月21日、甲子園・決勝再試合)
駒苫小牧 000 001 00 2
=3
早稲田実 110 001 10X =4
(駒)●菊池翔太-田中将大、(早)○斎藤佑樹
■今日、あらためてこの試合のDVDを見た。といってもすべてではない。9回表、駒大苫小牧高の攻撃。二死走者なしで、最後の打者になった6番・ 田中将大
(現・楽天)と早稲田実・ 斎藤佑樹
(現・日本ハム、早稲田大)が対決した場面だけ。最後に田中が空振り三振を喫し、早実が優勝を決めたあの場面を憶えている方も多いと思う。
その場面、斎藤が田中から三振を奪うために要した球数は7球だった。斎藤は 白川英聖
捕手(大手商社入社予定、早稲田大)のサインを覗き込む。そして振りかぶってボールを右手からリリースする瞬間を、ボクは凝視した。すると斎藤の投げる球種を凡そ言い当てることができた。
「・・・スライダー」
「・・・真っすぐ」
「・・・スライダー」
いったいなぜか。種を明かすと、雑誌『スポーツ・スピリット・スペシャル 大逆転!』(ベースボール・マガジン社、2007年1月刊)の中に『ハンカチ王子、斎藤佑樹の「変貌」』という記事(文= 中村計
)が掲載されていて、記事中にその判別方法が紹介されていたから。
■「種」は、駒大苫小牧高の背番号15・ 奥山雄太
の証言だ。この大会での試合出場はなく、ずっと三塁コーチャーをやっていた奥山だったが、ただ一度だけ打席に立つチャンスがあった。前述の「斎藤vs田中」の対決の結果、もし田中が出塁すれば奥山が代打で登場するはずだった。
つまり奥山は2人の対決を、最も近い場所(ネクストバッターズサークル)から見つめていた。そして白川捕手の動きを観察することで、斎藤の球種を見抜いていたのだという。
当時、斎藤の主な球種は2つ(真っすぐ、スライダー)。奥山は真っすぐとスライダーの違いをどうやって判別できたのか。その答えを奥山はこう話している。
「真っすぐの時、白川はキャッチャーミットをいったん体の真ん中に据えると、そこからほとんど動かさない。だがスライダーの時は、投げる直前、一瞬だが「ここに曲げてこいよ」という感じでミットを投手から見て左方向にずらすのが特徴だった」
奥山は続けて言う。
「いいキャッチャーになればなるほど、こういうことをやるキャッチャーが多いんです。いろんなことを考える余裕があるから、一つ一つの動きがよりはっきりしてくる。だから全国レベルの大会になればなるほど見つけやすい」
■もし田中が出塁して、奥山に打順が回っていたら。そして奥山が「チョロ目」(捕手の動きを横目で盗み見ること)とかを効果的に使っていたら、・・・ひょっとしたら駒大苫小牧が逆転優勝! なんてことになっていたかもしれない???
■YOUTUBEでもこのシーンを見ることができます。「斎藤佑樹 vs 田中将大-koshien 2006」。興味ある方は こちら
をどうぞ。
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