今日9月8日、東京六大学秋季リーグ戦が開幕した。優勝候補の一角とみられる慶応義塾大は開幕戦を立教大と対戦した。
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(立)小室ー川端大翔ー●小林昌
(慶)竹内大ー仲井ー福谷ー○白村
■慶応は初回、1番・ 佐藤旭
(2年、慶応高)の三塁打が飛び出しチャンスを作ると、2番・ 福富裕
(4年、慶応高)が中前に適時打を放ちあっという間に先制する。
立教も負けていない。2回、この回先頭の4番・ 加藤祥平
(4年、東農大二高)が中前安打で出塁し、犠打で進塁すると、6番・ 大塚拓
(3年、長崎西高)の中前適時打で同点に追いついた。
ゲームはめまぐるしく動く。続く2回裏、慶応は安打と四球で二死一・二塁のチャンスを作ると、3番・ 山崎錬
(4年、慶応高)が右中間を破る適時二塁打を放って2点を追加し、リードを広げた。いざという時、山崎錬は必ず(と言っていいほど)なんとかする打者。慶応にとって最も頼りになる存在である。
■3、4、5回は慶応・ 竹内大助
(4年、中京大中京高)、立教・ 小室正人
(4年、日野高)の両エースが少しだけ落ち着きをとり戻し、スコアはゼロ行進。ただ両エースとも本来の投球とは言えない状態だったが。
そして迎えた6回表。小室をあきらめた立教ベンチは、代打に1年生の 寺田陽光
(神戸国際大附高)を送る。この寺田が期待に応え左中間に二塁打を放つ。続く1番・ 西藤勇人
(4年、丸子修学館高)は一塁線に送りバント。ファールになってくれ・・・、打球の行き先を見ていた慶応のヨミは外れて、球はインフィールドに止まった。記録は安打。
無死一・三塁にチャンスが広がった場面で、2番・ 大城滉二
(1年、興南高)は左前に今日2本目の安打を放ち、立教は1点を返す。さらに4番・加藤の内野ゴロの間にも1点を返し同点に追いつくと、6番・大塚拓の左前適時打で逆転に成功した。
■立教は7回も追加点のチャンスを作る。2個の四球を得た二死一・二塁の場面で、打者は3番・ 松本幸一郎
(4年、横浜高)。ここで慶応は、3番手として 福谷浩司
(4年、愛知・横須賀高)をマウンドに送る。
慶応・福谷浩司vs立教・松本幸一郎の対決は、このゲーム最大のポイントになった。
福谷が簡単に2ストライクと追い込んだ後に一球外し、4球目に142kmの速球を投げ込む。ズバッ!という快音とともに球は捕手のミットに吸い込まれた。主審のコールが響く、「ストライクアウト!」。嗚呼、思わず天を仰ぐ松本。結果論ではあるが、もしここで安打が出ていればこのゲームの結果は変わっていたかもしれない。福谷の好投、松本の三振が勝敗を分ける分岐点になったように思う。
1点差を追う慶応、8回裏の攻撃。この回先頭の6番・ 阿加多直樹
(4年、慶応高)が左前安打で出塁すると、続く7番・ 谷田成吾
(1年、慶応高)に左越えの二塁打を放ち、無死二・三塁のチャンスを作る。一死後、9番・福谷がそのまま打席に入ってショートゴロ。一塁に転送される間に三塁走者が生還し、慶応は同点に追いついた。
■そして9回裏。この回から立教は4番手・ 小林昌樹
(1年、佐久長聖高)が登板する。2番・福富が左前安打で出塁すると、打席には3番・山崎錬が立つ。 そしてカウント1-1の後の3球目、前のめりになって山崎錬が叩いた打球はライト頭上を襲った。
ライトフライか? 初めはそう見えたが打球は意外に伸びて、なんと最前列にスタンドイン。慶応の勝利を決める貴重なサヨナラ本塁打になった。![]()
(写真)慶応・山崎錬は前のめりになりながら、右翼スタンドにサヨナラ本塁打を放つ。
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(写真)サヨナラ勝ちを決め、生還した山崎錬を囲んで歓喜する慶応ナイン。
■ただ慶応にとって喜んでばかりいられない事態が起きた。それは8回裏のこと。一死二・三塁のチャンスに、福谷は遊ゴロを放って一塁に全力で駆け込んだ際、ベースを踏んだ直後に倒れこんでしまったのだ。
苦悶の表情を浮かべ両手で足を抑える福谷。以前右太ももを痛めたことがあるだけに、その古傷を再度故障したのなら、長期離脱の可能性もある。もしそうであれば重大事である。
今季慶応は、早稲田とガチンコで優勝争いが可能な有力なチームに成長している。山崎錬を筆頭に 横尾俊健
(1年、日大三高)や伏兵・谷田もいる。ただこの打撃の破壊力も、竹内と福谷の投手力が支えてこそ生きるもの。万一、福谷が長期離脱したら、その青写真はもろくも崩れ去る。
サヨナラ勝ちもうれしさ半分、慶大・ 江藤省三
監督の憂鬱である。
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(写真)一塁ベース上で足を負傷し、チームメイトに抱きかかえられながらダグアウトに戻る福谷=中央。苦しそうな表情が長期離脱を予感させる。
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