突然ですが、ファンタジー小説、始めちゃいました

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2010.02.05
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 その朝も、アルデバランはいつものように、身支度をすませるとすぐに朝の買い物に出かけた。 
 兄のアルクトゥールスは、まだベッドの中でぐっすり眠っている。
 その目を覚まさないように、そっとドアを開けると、朝の空気が部屋の中にさーっと流れ込んできて、いっぺんに目が覚めた。
 アルデバランは、すっかり秋めいて冷たくなった風にちょっと身震いしてから、元気よく外へ駆け出した。

 朝の買い物は、家からそう遠くないバルドーラの広場ですることに決めている。 毎朝広場の片隅に露店を広げて野菜を売っているラム爺さんのところだ。

 ラムは、リュキア城跡のそばの荒地の一部を何年もかかって一人で耕して、それから何十年もの間、その畑でずっと、一人で野菜を作ってきた。 ラムが売っている野菜は全部、長年かけて努力と工夫と失敗と改良を重ねた結果の、汗と涙の結晶、ラムの命そのものなのだ。 これがおいしくないわけはない。 残念ながらバルドーラたちは肉ばかり食べていてあんまり野菜を食べないから、バルドーラの広場ではどんなおいしい野菜も実はあまり売れないんだけれど、野菜が好きなパピトたちの広場は、きっと年寄りのラムには畑から遠すぎるのだろう。 でも、アルデバランは、ラムの売っている取れたての野菜は、他のどこよりも立派で、おいしくて、しかも安いことを、ちゃんと知っている。

 白い石畳が美しく敷き詰められた、バルドーラの広場に入るとすぐに、アルデバランは足を止め、あれ?と首をかしげた。

 いつもラムが店を広げている場所に、今日はだれもいないのだ。

 だんだん人出が増えつつあるバルドーラの広場で、ほかの露天商たちはみんなもうとっくに店を広げているのに。
 早々と買い物をしているバルドーラたちの姿もちらほら見え始めたのに。
 ラムの場所だけが、がらんと殺風景に空いている。

 そのぽっかりと空いた席を目にしたら、なんだか不安になってきた。

 誰よりも働き者で、誰よりも早起きのラムが、店を休むなんていったいどうしたんだろう。 ラムの人生には、畑と、この店だけしかないのだ。 どこにも遊びに出かけたことはないし、休日すらない。 毎日毎日、朝から晩まで働いている。 そのラムが店を休むなんて、何かよくないことが起こったんじゃないだろうか。

 また、いつかのように、近所に住む意地の悪いバルドーラに畑を荒らされたとか。
 それとも、ラムが仕事に出られないほどの大怪我をしたとか。
 病気になったとか。
 事故にあって途中で倒れているとか!







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最終更新日  2010.02.05 21:39:11
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