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ふろぷしーもぷしー
突然ですが、ファンタジー小説、始めちゃいました。
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薬屋のひとりごと ９…
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2010.05.03
カテゴリ： カテゴリ未分類
もう日はとっぷりと暮れて、空にはどんよりと重たい雲が垂れ込めていたけれど、ミラは上機嫌で、鼻歌を歌いながら夕飯の支度をしていた。
ミラが暮らしているこのケヤキの木の上の家は、尊敬する先輩ヴェガの家で、ミラは、すこし前にヴェガの助手となってここに引っ越してきたばかりだ。
ヴェガの仕事はリシャーナの森の番人。 毎日、広い魔法使いの森をすみからすみまで歩いて、森の規則を破るやつはいないか、事故が起こってはいないか、道に迷って困っている人はいないか、見回るのが仕事だ。 とても大事な仕事だ。
だから毎日帰りが遅いのはしかたのないことなんだけれど、最近はそのヴェガの帰りが、以前と比べてうんと早くなった。 普通の仕事をしているリシャーナ族みたいに、まだ明るいうちに帰ってくることもある。
ヴェガが暇だということは、リシャーナの森が静かで平和だということだ、とミラは思う。 真夜中まで帰ってこない日もときどきはあるものの、このごろのヴェガは、帰りが早くなっただけでなく、好きだったお酒も前のように飲まなくなった。 しかも、今まであまり熱心じゃなかった魔法の練習も、すごく一生懸命やっているようだ。 ミラの目から見ても、ヴェガの魔法の腕前は、めきめき上達しているのがわかる。
すばらしい変化だ、と思う。 ミラは嬉しくてたまらない。 ますますヴェガが好きになり、今までにもましてこの１歳年上の先輩に尊敬のまなざしを注ぐようになった。
窓辺の小さなランプを灯してもうだいぶ時間がたつのに、まだヴェガは帰って来ない。
テーブルに用意した夕飯のいちごも、すこししなびて色が変わってきた。
何かトラブルがあったのかな、と、心配になり始めたころ、やっと玄関の戸が開いて、ヴェガが、にこにこと上機嫌で帰ってきた。 上機嫌といっても、前みたいに酔っ払っているわけじゃない。 この時間帯のヴェガには珍しく、ぜんぜんお酒臭くない。 まったくのしらふだ。
「ミラ、今帰ったぞ。 それから、驚くなよ、今夜はお客さんを３人も連れてきたんだ。 早速歓迎の用意をしてくれよ。 俺の木いちご酒がまだあったな。 あとは、晩飯の残りのいちごでいいや」
こんな時間にお客さんとは珍しい。 ミラは目をぱちくりしながら立ち上がり、ヴェガの後ろから家の中に入ってくる人影を覗き込んだ。
リシャーナ族の誰かじゃない。 すごく体が大きい。
一瞬、バルドーラ族が入って来たと思ったミラは、びっくり仰天して反射的に逃げ出そうとし、あわてていたので今まで座っていた椅子につまづいて、派手な音と共に床に転がった。
ヴェガが大笑いしてミラを助け起こした。
「あっはは！ だから、驚くな、って言ったろ？ おっかないバルドーラでも連れてきたと思ったか？ よく見てみ。 この人たちはバルドーラじゃないぞ。 体つきはたしかに俺たちと比べ物にならないくらいがっしりして強そうだけど、バルドーラ族よりはずっと小型だろ？ 顔つきもうんと穏やかだ。 この人たちはニンゲン族、っていうんだよ。 とっても物知りで賢い種族なんだ。 ちゃんと挨拶をしな」
ミラが暮らしているこのケヤキの木の上の家は、尊敬する先輩ヴェガの家で、ミラは、すこし前にヴェガの助手となってここに引っ越してきたばかりだ。
ヴェガの仕事はリシャーナの森の番人。 毎日、広い魔法使いの森をすみからすみまで歩いて、森の規則を破るやつはいないか、事故が起こってはいないか、道に迷って困っている人はいないか、見回るのが仕事だ。 とても大事な仕事だ。
だから毎日帰りが遅いのはしかたのないことなんだけれど、最近はそのヴェガの帰りが、以前と比べてうんと早くなった。 普通の仕事をしているリシャーナ族みたいに、まだ明るいうちに帰ってくることもある。
ヴェガが暇だということは、リシャーナの森が静かで平和だということだ、とミラは思う。 真夜中まで帰ってこない日もときどきはあるものの、このごろのヴェガは、帰りが早くなっただけでなく、好きだったお酒も前のように飲まなくなった。 しかも、今まであまり熱心じゃなかった魔法の練習も、すごく一生懸命やっているようだ。 ミラの目から見ても、ヴェガの魔法の腕前は、めきめき上達しているのがわかる。
すばらしい変化だ、と思う。 ミラは嬉しくてたまらない。 ますますヴェガが好きになり、今までにもましてこの１歳年上の先輩に尊敬のまなざしを注ぐようになった。
窓辺の小さなランプを灯してもうだいぶ時間がたつのに、まだヴェガは帰って来ない。
テーブルに用意した夕飯のいちごも、すこししなびて色が変わってきた。
何かトラブルがあったのかな、と、心配になり始めたころ、やっと玄関の戸が開いて、ヴェガが、にこにこと上機嫌で帰ってきた。 上機嫌といっても、前みたいに酔っ払っているわけじゃない。 この時間帯のヴェガには珍しく、ぜんぜんお酒臭くない。 まったくのしらふだ。
「ミラ、今帰ったぞ。 それから、驚くなよ、今夜はお客さんを３人も連れてきたんだ。 早速歓迎の用意をしてくれよ。 俺の木いちご酒がまだあったな。 あとは、晩飯の残りのいちごでいいや」
こんな時間にお客さんとは珍しい。 ミラは目をぱちくりしながら立ち上がり、ヴェガの後ろから家の中に入ってくる人影を覗き込んだ。
リシャーナ族の誰かじゃない。 すごく体が大きい。
一瞬、バルドーラ族が入って来たと思ったミラは、びっくり仰天して反射的に逃げ出そうとし、あわてていたので今まで座っていた椅子につまづいて、派手な音と共に床に転がった。
ヴェガが大笑いしてミラを助け起こした。
「あっはは！ だから、驚くな、って言ったろ？ おっかないバルドーラでも連れてきたと思ったか？ よく見てみ。 この人たちはバルドーラじゃないぞ。 体つきはたしかに俺たちと比べ物にならないくらいがっしりして強そうだけど、バルドーラ族よりはずっと小型だろ？ 顔つきもうんと穏やかだ。 この人たちはニンゲン族、っていうんだよ。 とっても物知りで賢い種族なんだ。 ちゃんと挨拶をしな」
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