突然ですが、ファンタジー小説、始めちゃいました

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2011.05.28
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 アンタレスは夢を見ていた。

 敬愛する師であり頼もしい理解者だったダイダロスを失った、その悲しみから立ち直ることができずに、毎晩ゾーハルの酒場で飲んだくれていたころ、同じように毎晩酒場に集まってくる若者たちの一団がいた。

 力自慢を競って腕相撲に熱中する、阿呆な山猿の集団だ。

 その中で一番腕相撲の強い、アルゴスという、筋肉の塊のような見事な体格のやつが、その集団のボスだったが、アンタレスは、初めて見たときからこのアルゴスというやつが気に食わなかった。 

 そもそもアンタレスは、体の大きいやつは嫌いだ。
 自分の体格が貧弱だから、そのコンプレックスから、というわけでは決してない。
 体格の立派なやつには、その根底に必ず、体は大きければ大きいほど、力は強ければ強いほど、優れている、という、バルドーラ族特有の差別意識が流れているからだ。

 相手をよく知りもしないくせに、ちょっと脅しつければ青くなって震え上がる小心者、と信じて疑わない。
 その、根拠もない思い上がりが、腹立たしくてならない。
 機会があればいつでも、その鼻っ柱をへし折ってやりたいと思っている。

 さらに、アルゴスの、無遠慮にアンタレスをじろじろ眺め回す、その意図不明の薄笑いにも、いつもいらいらさせられていた。
 同じ酒場の常連バルドーラで唯一、アルゴスのテーブルにご機嫌伺いに行ったことのないアンタレスを、機会があれば今すぐにも、とっ捕まえてひねり上げてひざまずかせて従わせたい、そう考えて、向こうもまた機会を狙っているといったところだろうか。



槍



 そして、その日は来た。
 初めに、アンタレスのテーブルにやって来たのは、タヌキというあだ名の、アンタレスとほぼ互角の体格をした若者だった。

 唐突に近づいてきたそいつが、アンタレスの真正面に腰を下ろし、俺と腕相撲をしようぜ、と、テーブルの上に身構えた。

 そのときは特になんとも思わなかった。
 まず腕相撲であいつをねじ伏せて笑い者にして来い、と、アルゴスがこいつに命じたんだな、と思った。
 むしろ、大勢の子分の中で、アンタレスと大体同じ力量のタヌキを選ぶあたり、アルゴスも意外と筋目を通すところがあるじゃないか、と、少しアルゴスを見る目が変わりかけた。





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最終更新日  2011.05.28 20:26:59
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