突然ですが、ファンタジー小説、始めちゃいました

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2011.07.26
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 迷宮の噂は、アンタレスも幾度となく耳にしたことがあった。


 「・・・殺された? 迷宮で? みんななぜそんなところに行ったんだよ」
 たずねたアンタレスに、ミュルメクスが、瞳を上げて、答えた。

 「軍の命令さ。 軍では毎月一回、あの迷宮に調査隊を派遣してるんだ。 調査隊といっても名ばかり、何の情報も、これといった武器も与えられずに、ただ、迷宮の中がどうなっているのか、何のためにつくられたものなのか、その謎を解くための手がかりを何か見つけて来い、そして、もし、中に何か人に害をなすものがいたら退治するようにと、それだけ命じられて送り込まれるんだから、死にに行くようなもんだ。 調査隊に回されたやつはたいてい、もう帰って来ないよ。 だからこのことは軍内部では公然の秘密。 口にしただけで厳罰処分だ。 えらそうなこと言っても、やってることは所詮盗掘だもの、おおっぴらにできるわけないよな」 

 「そんな、墓あらしみたいなことを、あの、誰もが尊敬のまなざしを注ぐリュキア軍が・・・?」
 しかも戦士たちを道具のように使って!
 絶句したアンタレスに、ミュルメクスが穏やかに笑って言った。

 「・・・アンタレス、今日、おまえに会えてよかった。 俺、小さいころからおまえをいじめてばかりいたけど、本当は、おまえのこと、好きだった。 もう一度おまえに会って、謝りたいと、ずっと思っていたんだ」


 「そうだ、仲間たちに続いて、今度はとうとう俺にも順番が回ってきた。 3日前、ミュルメクス2等戦士に城跡調査隊への転属を命ずる、という指令書を受け取ったんだ。 明日の晩、俺は迷宮に行く」

 「ミュルメクス・・・!」
 それで、こんな真新しい、ぴかぴかの出陣装束を用意したのか! 

 「さあ、これで思い残すことはない」
 笑って、ミュルメクスが立ち上がった。
 「俺は力の限り、戦ってくるぞ。 迷宮で、もし、何か重要な宝を手に入れられれば、異例の昇進と多額の報償が約束されているんだ。 必ず、みんなの仇をとってやる。 そして、出世するぞ。 見ててくれ、アンタレス」

 子どものころのように、アンタレスの頭を、乱暴に、ぐりぐり、と一回なでて、ミュルメクスは、足早に広場を立ち去って行った。

 もう、後ろを振り返ることはなかった。





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最終更新日  2011.07.26 18:27:10
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