突然ですが、ファンタジー小説、始めちゃいました

突然ですが、ファンタジー小説、始めちゃいました

PR

プロフィール

ふろぷしーもぷしー

ふろぷしーもぷしー

カレンダー

サイド自由欄



little_heart.gif


thumbnailリュキア伝説

リュキア伝説・本館

☆完結しました☆



rykia_contents.gif




鬼の棲む街バナー.gif



little_heart.gif






thumbnailレグルス王

真魚子さまの絵



thumbnailトキ

エメラルドeyesさんのブログ
『ねこマンサイ』
で紹介していただいた、
ふろぷしーもぷしーの過去日記
『迷い犬を保護してしまいました』2008.6.19~10.7



thumbnail鮎屋トキ

『いっしょに歩こう!』
2008.12~2009.1


キーワードサーチ

▼キーワード検索

バックナンバー

2024.12
2024.11
2024.10
2024.09
2024.08

お気に入りブログ

作品移動のお知らせ。 New! 千菊丸2151さん

小説「ゲノムと体験… マトリックスAさん

パンの日々 nako7447さん
道楽オヤジのお気楽… 車屋のオッサンさん
ゆっくりね ラブドルフィンさん

コメント新着

風とケーナ @ ご完結おめでとうございます.:*・☆ ふろぷしーさま、こんばんは♪ この度は、…
ふろぷしーもぷしー @ 千菊丸さま☆゚・*:.。. いつもありがとうございます☆ わずか一、…
2014.07.20
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類

 はっとして、赤いキャットフードのお皿を振り返ってみれば、それは確かにミケの言うとおり、キャットフードとは大違い。 姿かたちといい、匂いといい、どう見ても、小動物の死骸、腐敗物あるいは虫のようなもの、すなわち、猫が野生動物であったころ狩って常食としていた違いない、もろもろの食糧。


 「きゃっ! いやーん!」



 思わず悲鳴をあげて飛び退ったたまこを見下ろして、青緑色の目玉が、怒りの色にゆらり、と揺れた。 

 揺れた視線が、不気味な光を放って、すっ、と、ミケに向けられる。


 「おのれ、三毛猫、まだ生きていたのか!」


 ミケの全身の毛が、針のように逆立った。

 「おだまり! お前のような大嘘つきが作り出すめくらましには、もうだまされないよ! たしかに、自分にむごい仕打ちをした人間を、あるいは自分を冷たく見捨てた人間を、憎まずにはいられなかった猫たちの気持ちは、肌身にしみてよくわかったよ。 そりゃあ悲しかったことだろう。 悔しかったことだろう。 どんなにか苦しかったことだろう。 だけど、よく思い出してごらん。 おまえだって、人に愛されたこともあった、と、さっき言っていたじゃないか。 縁もゆかりもないお前を、優しい心で包んで慈しんでくれる、そんな人たちだって、この世にはたくさんいるんだ。 そんな人たちまで恨んだり呪ったりするのは、筋が違うと思わないのか? ときに残忍な行いもするけれど、慈悲の心は決して失わない、人間てそういう生き物だと、おまえだって、ほんとうはよくわかっているはずだよ」


 青緑色の目玉が、一瞬、考え込むように不安げに揺れた。

 が、それもほんのつかの間、――― 激しい憎しみと不審の色はすぐにもとの勢いを取り戻し、ミケに向かって牙を剥きだした。



 「慈悲の心、だと? ふん、そんなものがやつらにあるものか!  俺は人間の言葉など二度と信じぬ! 三毛猫、それにそっちの白猫も、われらの仲間に引きずり込んで、この悔しさを骨の髄まで味わわせてやろうぞ! お前たちも、われらと同様、この憎しみの無間地獄の中で、永遠に苦しみ続けるがいいわ!」

捨吉ご注進


人気ブログランキングへ







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2014.07.20 17:37:46
コメント(4) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: