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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2008.02.23
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カテゴリ: 教育・子育て
タイトルに「宇多田ヒカル」さんの名前が見られますが、
この本は、「宇多田ヒカル」さんについて、
あれこれ述べているものではありません。
と言うか、本文中にも、ほとんど彼女の名前は登場しません。

即ち、「アメリカでは、誰でも大学に入学できますよ」
ということを伝えるために、彼女の名前を拝借しただけで、深い意味はありません。
確かに、読み進めていけば、アメリカにおける大学や大学院への進学は、
日本における状況とはかなり違って、容易らしいことが分かります。

   ***


高校(アメリカでは義務教育)の授業は、クラスで一番出来ない学生に合わせて進められ、
教室では、学生は何をやっても許される。
そして、勉強をせず、宿題をやってこなくても、
まずまずの成績がちゃんともらえ、進級や進学が普通にできてしまう。
そのことが、一般常識のないアメリカ人が数多い原因ともなっている。

アメリカ人の一般常識のなさは有名な話らしく、
コメディアンがこれを利用して、街角で通りすがりの人に一般常識を聞いて、
彼らのトンチンカンな答えで視聴者を笑わせる番組があるという。
「いまのアメリカの大統領は誰か?」という質問に、たくさんのアメリカ人が答えられないという。
大学においても、「世界で一番高い山」は、専門知識に属するという扱いだとか。

高校での授業中、教師は、名指しで生徒の行為をとがめることはできず、

教室で生徒が何をしようとも、教師は冷静に「それはしてはダメだ、やめなさい」と、
彼らがその行為をやめるまで繰り返すしかない。

そして、教師や学校側が何より恐れているのは、生徒から訴えられること。
法律は弱い者(生徒)の味方なので、教師や学校のほうに正当な理由があっても、
彼らが勝つことは珍しいという。


大学でも、状況は変わらない。
「ノートをとる、教師の講義はまじめに聞く、毎日、学校に来る」などということを、
大学生になった時点で、教えなければならないのだそう。

そして、大学でも、高校と同様に、教師は学期の終わりに生徒から評価される。
全教師の生徒からの評価は、数字となって一覧表として校内新聞に掲載される。
逆に、教師が、学生の態度や言葉遣いについて評価する機会はない。
生徒からの評価は、教師の昇給、昇進、さらにはその大学に残れるかどうかまで左右する。
結果、「出席や遅刻、テストの点数に甘く、宿題を出さないのがイイ先生!」
ということになってしまっている。
高校では、勉強を一生懸命してもしなくても、成績にあまり差がつかず、
やる気のある生徒のやる気まで、そいでしまっている。

また、アメリカの大学では、
学期の始めにクラスの学生に「コース・シラバス」というものが配られる。
これは、これから始まる授業の内容や成績のつけ方について詳細に書かれたものだが、
「文章で書かれていないことは履行する義務がないし、
規則として明記されていないことには、したがう義務がない」と考えている学生たちを、
あらかじめ拘束するためのものでもあるという。

もし、「コース・シラバス」に出席について書かれていなければ、学生たちは授業に出ないし、
遅刻について規定していなければ、20~30分の遅刻は平気らしい。
そのことに対し、教師が学生に文句を言えば、逆にその学生から言い返される。
また、宿題やテストも、そこに書かれていなければ、実施出来ない。

   ***

本著は、アメリカの大学で実際に教えている日本人助教授が書いたものだけに、
たいへんリアルに、教育現場で起こっていることが伝わってくる。
ただし、本著は2000年7月に発行されたものだから、
ひょっとすると、現在の状況は、多少なりとも変わっているかもしれない。

それより、私が本著を読んでいて、背筋が寒くなったのは、
日本の学校が、本著に描かれたアメリカの教室における教師と生徒の関係に
どんどん近づいてきていると感じざるを得ない現実である。
本著で、著者は「日本では、こんなことはないけれど……」と述べながら、
「アメリカでは、こんなことになってしまっている」と紹介している事柄や場面が、
現在の日本の教室では、もう、あちこちで見られるようになっている。

そして、日本のテレビでは、
「トンチンカンな答え」を売りにするクイズ番組が、とても視聴率が高い。

なお、本著は「楽天」では扱っていないらしく、
アフィリエイトで、画像を表示させたり、購入ページにリンクできませんでしたが、
他の有名インターネット・ショッピング・ページでは、ちゃんと扱われていますので、
興味のある方は、自分で検索してみてください(不親切で申し訳ありません……)。





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Last updated  2008.02.23 11:20:44
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