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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2008.11.23
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カテゴリ: 教育・子育て

 自分の考えの方向性を、鮮明に打ち出している。
 最近、こんなにハッキリした主張を目にすることはあまりなかったので、
 ある意味、とても新鮮な感覚を味わうことが出来た。

 本著では、「子ども」そのものが取り上げられている部分は少なく、
 『子どもが育つ条件』というタイトル通り、
 「子ども」を取り巻く環境、なかでも、母親と父親に焦点が当てられている。
 また、その母親と父親を取り巻いている、社会の有り様についても言及している。

第1章では、母親が育児不安に陥る要因として、

また、それと共に、子どもがどう育つかという問題は、
実は、その親たち夫婦の関係の問題が重要であると指摘している。

第2章では、「授かる子」から「つくる子」への変化の中、子どもの価値が変わり、
「少子良育戦略」の定着が、不登校をはじめとする様々な問題に影響を及ぼしていること、
「先回り育児」を代表とする、子ども不在の「よかれ」という親の善意が、
自分の子どもを、しっかりと「育て上げ」られない結果に繋がってしまい、
「育て直し」や「育て上げ」を、他に求めなければならなくなっている現状を指摘している。

次に、第3章では、「便利さ」の広まりや「食事」の有り様等、社会の変化と連動して、
家族のかたちや機能、家族メンバーの心理が変化したことを指摘し、
家族の中で個人化が進み、夫婦の性別分業役割はもはや機能せず、
結婚がリスクとして問われていると述べている。

子どもをもつこと、親になることが、
自分にとってどのような意味・価値をもっているかを、
事前に検討する必要があるのだと。

第4章は、本著の肝となる部分であり、
著者の主張が、最も明確に打ち出されているところ。

その成長のため必要なのは、応答的な人と環境であるとする。

  現在行われている子育て支援の多くは、
  支援の対象を「育てること」や「育てている人」としています。
  このことは、「子育て支援」という言葉に端的に示されています。
  しかし、はたしてそれは正しいあり方なのでしょうか。
  結論からいうと、本来、何よりも支援すべき対象は、子どもであり、
  「子どもの育ち」でなければならないのです。(P.163)

そして、子どもの世話は「親が一番」なのか?と問いかけ、
幼少期から、社会で子どもを育てる意義の大きさを唱える。
「子育て支援」から「子育ち支援」へと、向かわねばならないと。

第5章では、子育てによって、大人自身が育っていく価値の大きさ、
そして、それを保障する社会の体制や、
ワーク・ライフ・バランスについて述べている。

「親の成長・発達」から「子どもの発達」をとらえようとした本著の指摘は、
幼児期の「子育て」のみならず、その後の「子育て」についても、
実に大きな示唆を与えてくれた。





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Last updated  2008.11.23 12:10:15
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