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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2010.06.06
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カテゴリ: 文芸
映画 も公開中ということで、現在最もホットな一冊。
 そして期待に違わず、ページを捲る手を止めることができない。
 その時々に世間を騒がせた大事件を随所で取り込みながら、
 様々な母と子の形に迫っていく。

 このような、複数の時事問題を作品中に散りばめながら、
 それを物語の核として、一つに紡ぎ合わせていくという手法は、
『千里眼』シリーズ の著者・松岡さんが最も得意とする


また、複数の人間にスポットを当てながら、
それぞれの観点からストーリーを展開していく手法は、
『1Q84 BOOK3』 をはじめとする、近年の村上作品に数多く見られるもの。
複数の視点を用意することで、一つの事象の真相を深くえぐり出すことに成功している。

さらに、それ以上に類似性を感じたのが、桐野さんの 『グロテスク』
複数の語り手に、それぞれの立場から事件を語らせるのは、
ほとんど同じ手法と言って支障ないだろう。
この二つの作品の関連性は、かなり強いものである。

そして、いじめに関する描写については、
それを扱った様々な作品群の中で、
『ヘヴン』 との強い関連性を感じとった。
作品としては、『告白』の方が先に発表されている。

   ***

さて、私見としては、最後だけはちょっと残念。
そこに至るまでが、ほぼパーフェクトな仕上がりで、

何か、一瞬にして安直なエンターテイメント作品に堕してしまった感がある。

もちろんこの結末に、納得・共感する読者も多かったからこそ、
第6回の本屋大賞 を受賞し、映画化も成されたわけである。
しかし、物語の重厚さと奥行きの深さという観点から言うと、
私のとしては、『グロテスク』を読まれることを、よりお奨めしたい。





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Last updated  2010.06.06 10:13:51
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