乱読・積んどく・お買い得!?

乱読・積んどく・お買い得!?

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Calendar

Comments

chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2011.11.13
XML
カテゴリ: その他

 「自分にも、そんなところがあるな」と思って本著を読み始めると、
 いきなり、大きなショックを受けることになる。
 なぜなら、著者の加藤さん、そういう人をコテンパンにこき下ろしてるから。

 かく言う私も、「自分は、かなりそういう人間だ」と思ってるので、
 読んでいて、全くいい気はしなかった。
 上から目線のぶしつけな言葉の連発に、居たたまれなくなった。
 そんな感じが、第2章が終わるまで、延々と続く。

それは、大凡こんな感じである。


  つまり自分の心の中に敵意があるのに、周囲の人が自分に敵意があると感じる。
  自分の心の中にあるものを周囲の人のなかに見ることを外化という。
  周囲の人が自分に敵意があると思ったら、嫌われるのは怖い。
  「嫌われたくない症候群」の人は、自分の小さいころをふりかえってみてほしい。
  やさしい人間環境のなかで成長しただろうか?
  おそらく違うはずである。
  たとえば自分は「嫌われたくない症候群」であると思ったら、
  小さいころ、家の人や仲間によくからかわれなかっただろうか?(中略)
  「嫌われたくない症候群」の人は小さいころから知らず知らずのうちに、
  敵意に満ちた人間環境のなかで、心に深い傷を負っているのである。(p.76)

ここで私も、自分の幼少時を振り返ることになった。

じゃあ、仲間から?
そう言えば、かなりいびられたり、からかわれた記憶はある。

小学3年の時と、転校したばかりの4年の頃だ。
しかし、それはごく一部の子どもたちからのものであって、
周囲全てが、そんな感じで私に接していたわけでは決してない。


  カレン・ホルナイが言うように、神経症者は自分に頼って生きていくことができない。
  神経症者はわけもなく他人から好かれることを求める。
  逆に他人が自分を嫌っているのではないか、他人に愛してもらえないのではないか、
  他人に受け入れてもらえないのではないかと恐れている。
  それは一つには自分の心の底に自分が認めていない敵意があるからである。
  他人が嫌いだから、わけもなく他人から嫌われることを恐れているのである。(p.82)

流石に、私はここまでのレベルには至っていないと感じた。
しかし、このようなレベルと思われる人と接する機会は結構ある。
それ故、この説明には「そういうことだったのか」と、とても腑に落ちた。
今後の、そういった人たちへの対応に、とても役立ちそうである。

そして、第3章に入ると一転、
著者の加藤さんは、そういった人たちに向けて、手を差し伸べる。

  ケンカはその場での勝ち負けよりも、心が落ち着いているほうが、勝ち。(p.201)

嫌われることを恐れるな、自己主張せよ、戦え、と加藤さんは言う。
そして、我慢するな、腹をくくれ、悟れと励ます。

  人はこちらが我慢しても、それほどこちらのことを「立派な人だ」とは思っていない。
  それほどこちらのことを気にしているわけではない。
  あなたがものすごく我慢をしても、
  相手はあなたがそれほど我慢しているとは思っていない。
  切れる関係は切れる。そこが決断である。
  我慢をしても体調を崩すだけである。(中略)
  それぞれの人はそれぞれで、自分の問題でせいいっぱいなのである。
  好かれようとして我慢したからといって、それほど好かれるわけではない。
  好かれようとして無理をして、我慢をして、それでも期待したものが返ってこない。
  返ってこなければ逆に恨みが出てくる。
  「これだけ我慢をしたのだから、少しはわかってくれるだろう」と思うが、
  まずわかってもらえない(p.214)

最初、不快な思いで本著を読み進めた読者も、
最後のページを閉じる頃には、穏やかな気持ちになっているに違いない。
だから、本著を手にする人は、最初の不快さを乗り越え、ぜひ最後まで読み通して欲しい。
そうすれば、本著がたいへん優れた一冊であることに、必ず気付くことができるはずだ。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2011.11.13 10:53:21
コメントを書く
[その他] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: