.     47歳今まで中途半端に生きてきたけど,この歳になって「今から医者になる」と決意しました

.     47歳今まで中途半端に生きてきたけど,この歳になって「今から医者になる」と決意しました

PR

プロフィール

かむ太郎

かむ太郎

お気に入りブログ

--< さすが四日市、… New! いわどん0193さん

第145回目広報勉強会… ビューティラボさん

全国高段者大会 seikotsuinさん

ようこそ!ぶーたの… momoka1583さん
もぐらのランプ Mol… むぐむぐもぐらさん

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

2007年11月09日
XML


これで、今日3度目の更新です。

長々と綴った文章が、PCのフリーズにより

1度ならず、2度までも   ぱぁ

前回までのあらすじは、省略いたします。






        昭和56年4月2日 夕闇迫る音威子府村


「お客さんだぞぉぉ!」

帰宅して玄関を開けるなりおじいちゃんは叫びます。

「あらあら、いらっしゃい。寒かったでしょう」

気品のあるおばあちゃんが、珍客に驚く様子も無く出迎えます。



「メシだ!」

「はいはい、ご飯多目に炊きましょうねぇ」



おじいちゃんは、おもむろに


国士無双 の一升瓶を開封して

「飲め!」

すかさずおばあちゃんが、台所から顔を出して

「ごめんなさいねぇ。いっつもこんな言い方しか出来ないんだから・・」

「何でオマエが謝る!?」

「はいはい、これでも、食べながら待ってて下さいね」

私たちに言ってるのか、おじいちゃんに言ってるのか・・・

まるで、子供をあしらうかのようです。



「はいはい、テーブル片付けてね」

おばあちゃんは、


これでもかぁぁぁ!


と言うぐらい沢山の魚介類を並べます。

おじいちゃんは、

「食え!」

すかさず、おばあちゃんが

「ごめんなさいねぇ、口は悪いけど怖い人じゃないからね」

「何でオマエが謝る!?」



「飲め!」


「食え!」


「ごめんなさいねぇ」


「何でオマエが謝る!?」


こんな調子です。



ひとつ、ふたつ・・・・と、ようやくテーブルの上の皿が

片付いて来た頃・・・

「お待たせぇ」



 舐めたらいかんぜよ!


とでも言いたそうな・・・


メチャクチャ沢山の皿盛りが、 ドン! ドン! ドン!


「他にも、家族の方か、お客さんが見えるんですかね?」

恐る恐る聞くと

「全部、食え!」






もうすでに、満腹状態です。

     ですが、私も相棒も

     「出されたモノは残さない!」

     「しかも、タダで頂けるものは、ゼッタイに食う!」

     のが信条です。





国士無双 は、2本目の登場です。

「飲め!」

「食え!」

「ごめんなさいねぇ」

「何でオマエが謝る!?」



3時間ほど悪戦苦闘の末、ようやくテーブルが片付いてきました。

「まだ、食えるか?」

おじいちゃん、勘弁してちょ



「本当に、ご馳走様でした。」





じい様が、酔った口調で語るには

   1人息子がちょうど私たちの年齢(この時21歳)の頃に

   就職で内地に行ってしまったそうな。

   手紙は来るけど、電話はあんまりかかってこないし、

   電話代が高いからだろうとお金を送っても

   時々かかってくるぐらいで、里帰りもしないし、

   だんだん手紙も来なくなった。

   そのうち、内地でエエ人見つけて結婚してしまった。

   孫の写真を送ってくれるけど、こっちまで来た事はない。




じい様も、ばあ様も、息子のつもりで、

「あれも、これも食わせてやりたい」という心の現われだったんです。


しんみりと夜が更ける頃・・・

おばあさんが、意を決したように言いました。



「ごめんね。本当は、泊まっていってほしいんだけど・・・

 泊まるところは、紹介してあげるから、そこで寝て下さい。」

「おまえら、お金無いだろうから、そこの宿代払っておくから

 心配しないで、ゆっくり眠れ!」



突然、こう言われては仕方が有りません。

荷物を持って、おじいちゃんお車に乗り込みます。








おじいちゃんが、車の中で

 「すまんな。

  去年、同じように若い人を泊めたときに、

  お金や、貯金通帳ぬすまれたんだ。

  ばあさんが、孫が来る為の飛行機代に貯めておいたのを

  全部持ってかれちゃった。

  それでも、俺はこうやって若いモン拾って連れてきちゃうんだよ。

  ばあさんも、人が来るのは歓迎だけど、

  泊めるのだけはやめてちょうだい!・・・ってことなんだ。

  すまんな。ごめんな。」


  「十分、ありがたく思ってます。

   何で、じい様が謝るの!?」



半べそになったおじいさんに送ってもらって、村役場あたりまで来ました。

私たちのハラは決まっています。

このまま、じい様の好意に甘えて宿に行ったんでは男がすたる!



「この辺で、降ろして下さい。」

「アテでも有るんか?」

「ええ、何とか・・・」

「じゃあ、気をつけてな・・・」


じい様は、心配そうに帰って行きました。



・・・当然 アテなど有りません。

   ですが、これ以上じい様ばあ様に甘えられません。



宿探しが始まりました。




コンビニも、携帯電話も、道の駅なんかも無い頃の話です。




           雪国の特徴に

               ◎タテ向きの信号

               ◎バス停の豪華さ

           が有ります。




北海道のバス停は、ほとんどが、終バス以降は

宿泊施設  として十分使えます。

入り口さえ塞げば、寒さも雨露も凌げます。





雪がチラチラして来ました。

今夜の宿が見つかりました。

国道からは、離れているのでしょうか、

それとも、廃線のバス停でしょうか、やけにオンボロです。



まだお腹は満腹状態で、しかも 国士無双 が利いています。



「ここで、寝るぜ!」

「異議なし!」




とりあえず、バス停裏にあった、トタンと、大きな板で、

入り口を封鎖しました。

なかなか良い具合です。

待合用の木の長椅子もあります。


ぐにゃぐにゃっと倒れこむように寝袋にくるまりました。

この頃には、新聞紙をカラダに巻いて保温していました。

結構暖かいんです。

靴下も、3枚~4枚履いて、あるもの全部身につけて

ドロドロっと眠りに落ちていきます。








       <恐怖のお宿の実態は、いかに?  つづく>

          ⇒ 「音威子府の恐怖のお宿 その2 」























お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2009年07月02日 01時19分23秒
[北の大地・・・貧乏漫遊記] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: