2006年03月30日
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カテゴリ: 映画生活



しかし「凄い映画だ」とは思ったものの、「果たしてこれは好きな作品なのか」と考えると、さすがに悲劇的なストーリーが好きなワタシの中でもどう処理してよいかよくわからなかったのだ。ただ、なんとなくこの映画は「いつかあらためてもう一度観なければいけない」という気がしていて、年月を経て、先日ようやくDVDで観なおしたのである。そしてこの作品は、ワタシのお気に入り映画の中で5本の指に入る傑作であると確信した。

ようやくこの映画を冷静に観終えた感想は、ひとこと「あー、良くできてるなぁ」である。この作品の骨格とも言うべき評価ポイントは、細かいことはさて置き、もうこの3点に尽きる。

1.救いようもなく転がり落ちる悲惨なストーリー展開と、その流れでしか生きられない主人公を設定したところ。
2.過酷な現実世界から、逃避先である空想世界への分離を、ミュージカルの挿入という手法で(しかも違和感なく)表現したところ。
3.なんと言っても、この主人公セルマを、ビョークが演じたところ。

特に、これなくしてはこの作品はあり得ないと思えるのが、3つめの「ビョークの圧倒的な存在感」である。もはや白痴に近い愚直さで不幸のどん底に突っ走る主人公セルマとしての演技と、要所要所に挿入されるミュージカル場面での奇跡のように幻想的なビョークの歌声が、このひたすら暗い話を、極めてレベルの高いエンターテイメントに引き上げている。
一方で、この作品がダメだと言うヒトも結構多いのだが、残念ながらその方々とは趣味を分かち合えないのである。◎世間の評価は、 賛否真っ二つ。

ただし、「まだもう一回観たいか?」と聞かれると、うーん…あと10年はいいです。







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最終更新日  2006年03月30日 19時53分16秒
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